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【発明の名称】 止水目地構造体
【発明者】 【氏名】藤井 真之

【氏名】鈴木 秀一

【氏名】藤井 弘三

【要約】 【課題】ボックスカルバート等を構築する成形体の連結部分を長期にわたり水密性の高い状態に保持する。

【解決手段】成形体の端面を相互に突き合わせて連結、シールする止水目地構造体を、成形体の少なくとも一方の端面に凹部を有し、この凹部に、成形体の相互間で圧縮状態で密着する一次弾性止水材と、この一次弾性止水材に接してやはり成形体の相互間で圧縮状態で密着する堰材とを備えたものにて構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 成形体の端面を相互に突き合わせて連結、シールする止水目地構造体であって、この止水目地構造体は、成型体の少なくとも一方の端面に凹部を有し、この凹部に、成形体の相互間で圧縮状態で密着する一次弾性止水材と、この一次弾性止水材に接してやはり成形体の相互間で圧縮状態で密着する堰材とを備えてなる、ことを特徴とする止水目地構造体。
【請求項2】 堰材は水密性が要求される側に配置されるものである、請求項1記載の止水目地構造体。
【請求項3】 堰材はアスペクト比が1.5以下になるものである、請求項1または2記載の止水目地構造体。
【請求項4】 堰材はスポンジ材または変形可能な弾性材料からなるものである、請求項1〜3の何れかに記載の止水目地構造体。
【請求項5】 一次弾性止水材は、20〜80%の圧縮率で圧縮されるものである、請求項1〜4の何れかに記載の止水目地構造体。
【請求項6】 凹部は、一次弾性止水材と堰材の断面積の和の80〜200%の断面積を有するものである、請求項1〜5の何れかに記載の止水目地構造体。
【請求項7】 一次弾性体が、常温で液状の反応型ポリマーと硬化材とを反応させて得られる架橋粘弾性体からなり、該架橋粘弾性体は瀝青物、可塑剤、粘着付与樹脂及び充填剤の中より選択される少なくとも一種の添加物を含有するものである、請求項1〜6の何れかに記載の止水目地構造体。
【請求項8】 反応型ポリマーが分子末端に水酸基を有するのであり、硬化剤が末端にイソシアネート基を有するものであり、さらに、架橋粘弾性体が100重量部の反応型ポリマーと水酸基に対するイソシアネート基のモル比が0.5〜1.5となる量の硬化剤とから得られ、かつ、50〜1000重量部の瀝青物を含有したものである、請求項7記載の止水目地構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木、建築の分野において適用されるコンクリート構造物として、とくにボックスカルバートやU字水路あるいは止水壁等を構築する際のセグメント(予め製作されたPC成型体)を相互に緊張、固定する止水目地構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】予め成形されたプレキャストコンクリート製の函体(以下、これをPC函体と記す。)を複数直列に連結して共同溝や枡等を構築する工法は工期の短縮化を図ることができるうえ、施工にかかるコストを軽減することが可能であることから近年、好んで採用される傾向にある。PC函体の連結部は水密を保持するために止水材を配置するのが不可欠であって、かかる止水材(一次止水材)としては、全国ボックスカルバート協会の埋設指針によって示されているように、芯材としてスポンジが使用され、コンクリート界面での密着を高めるためにその表面に被覆する被覆材として非加硫ブチル材や水に接触することによって膨れ上がる例えば、水膨張性の止水材が使用されていた。
【0003】かなでも、内空サイズ3000×3000mm以下のPC函体については、運搬が可能で施工作業も比較的容易であることから現地での施工が多くなされており、その場合、PC函体の連結部には図11(a)に示すようにゴム弾性体gが配置され、このゴム弾性体gを図11(b)に示すように50%以上圧縮してPC函体11、12の相互間の隙間tが5mm以下になるようにし、該ゴム弾性体gの圧縮復元力で止水する目地構造体が採用されていた(特開平10−115018号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような断面寸法の比較的小さいPC函体においては、とり回しや据付の際の目地幅の誤差は5mm以内に納めることが可能であり、とくに問題となるようなことはないものの、PC函体のサイズが大きい場合や施工状況によっては最大で10mm程度の誤差(不陸)が生じる場合があった。
【0005】PC函体の端部における目地幅がその上下、左右で均等の場合にはその目地幅に合致するサイズになる止水材を選定、配置すればよいが、目地幅は不均一の場合には、場所によって締めつけ度合いが異なる、いわゆる片締まりといわれる状態になることがある。かかる場合においては、一次止水材の厚みを大きくしてその50%程度を圧縮するように緊張、締結すれば止水は可能ではある(誤差が10mmの場合では一次止水材の厚さを20mm程度とすることで一次的に止水は可能)が、水圧や土圧によって止水材が連結部からしだいに押し出される(以下、このような現象をクリープ現象と記す。)ためPC函体同士を長期にわたって緊密に連結することができないところに問題を残していた。
【0006】本発明者等の研究によれば、とくに、上述したような従来の技術を単に適用した場合には、目地幅の誤差が10mmを超えた場合には止水材の追従性が乏しくなり確実な止水性を確保するのが難しいことが判明している。
【0007】本発明の目的は、目地幅について多少の誤差が生じた場合であってもそれを吸収し長期にわたって確実に止水することができる新規な止水目地構造体を提案するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特願平8−272309号明細書において開示されいるような素材からなる一次弾性止水材をPC函体に適用すべく、実験と検討を加えた結果、目地幅が5mmを超え、一次弾性止水材の圧縮率が30%以下の場合においては止水目地構造体の外部から0.5kgf/cm2 の圧力(水圧)が加わることによってクリープ現象が見られることを突き止めた。
【0009】また、上記の知見を考慮に入れてさらに検討を加えたところ、不揃いの目地幅に上記と同様の一次弾性止水材を用いる場合において、その圧縮率の違いに係わらず0.5kgf/cm2 の圧力に耐え得る水密性を確保するには、一次弾性止水材を低モジュラスにする必要があること、また、低圧縮率の場合にはクリープ現象が顕著に見られ、低モジュラスでなければ高圧縮率を確保することが難しいことが判明した。
【0010】本発明者等は、いかにしてクリープ現象を最小限に留め、かつ、いかにして函体の相互間に配置した一次弾性止水材がずれないような隙間を設定するかについて実験と検討をおこなった。
【0011】一次弾性止水材の硬度を施工現場の状況に応じて微妙に調整することは机上においては可能であるが、実際にはその場の連結状態を事前に把握することが困難であることから不可能に等しい。そこで、いかなる状況でも長期にわたって緊密に連結するには函体の連結部の隙間を1mm以内にすることが重要になる。
【0012】上記の知見に基づき、種々の実験と検討を重ねた結果、一次弾性止水材とは別の弾性材料からなる堰材を用い、これを成形体の連結部に配置することによって圧縮率の低い一次弾性止水材を使用した場合であってもクリープ現象を抑制する効果があることを見いだした。また、成形体の突き合わせ面の少なくとも一方につき、凹部を設け、この凹部に一次弾性止水材と堰材を配置することによって連結部での摩擦力が低下した場合であってもかかる部材の位置ずれは抑制され、長期にわたって函体同士を緊密に連結することができることを突き止め本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、成形体の端面を相互に突き合わせてその相互間を連結、シールする止水目地構造体であって、この止水目地構造体は、成形体の少なくとも一方の端面に凹部を有し、この凹部に、成形体の相互に圧縮状態で密着する一次弾性止水材と、この一次弾性止水材に接してやはり成形体の相互に圧縮状態で密着する堰材とを備えてなる、ことを特徴とする止水目地構造体である。
【0014】また、本発明は、堰材を水密性が要求される側(一次弾性止水材の外側または内側)に配置すること、また、堰材のアスペクト比を1.5以下とすること、さらに、堰材をスポンジ材または変形可能な弾性材料にて構成することが本発明において有利に適合する。
【0015】本発明において一次弾性止水材は、20〜80%の圧縮率で圧縮されるものとする。また、凹部に関しては、一次弾性止水材と堰材の断面積の和の80〜200%、より好ましくは100〜120%の断面積を有するものとする。
【0016】一次弾性体は、常温で液状の反応型ポリマーと硬化材とを反応させて得られる架橋粘弾性体からなり、該架橋粘弾性体は瀝青物、可塑剤、粘着付与樹脂及び充填剤の中より選択される少なくとも一種の添加物を含有するもの適用するが、反応型ポリマーは分子末端に水酸基を有するものとし、硬化剤は末端にイソシアネート基を有するものとし、さらに、架橋粘弾性体は100重量部の反応型ポリマーと水酸基に対するイソシアネート基のモル比が0.5〜1.5となる量の硬化剤とから得られ、かつ、50〜1000重量部の瀝青物を含有したものとする。
【0017】上記のような構成になる止水目地構造体では、目地幅がある程度不揃いであっても一次弾性止水材がクリープ現象によって成形体の端面から押し出されるようなことはない。
【0018】成形体の凹部に堰材と一次弾性止水材を配置して成形体同士を連結した場合、成形体の連結に際して一次弾性止水材が簡単に位置ずれするようなことがないので簡単で確実な施工ですむうえ、堰材によっても成形体相互の隙間を埋めることができるので、一次弾性止水材の高復元力も加わり、高い圧力(3kgf/cm2 以上)が作用した場合であっても、長期にわたって優れた水密性(シール性)が確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1(a)(b)は、本発明に従う止水目地構造体を、一次弾性止水材及び堰材を配置した一方の成形体(もう一方については成形体の端面がフラットになるものであって、ここでは図示は省略する。)について示したものであって、図中番号1は複数個直列に連結してボックスカルバート等を構築する成形体、2は成形体1の端面に設けられた凹部、3はこの凹部2に配置される一次弾性止水材、4は一次弾性止水材3の外側において該止水材3に接してやはり凹部2に配置される堰材であって、この堰材4及び一次弾性止水材3は何れも圧縮状態で、もう一方の成形体との間に位置してその相互間を水密状態に保持する。
【0020】本発明に従う止水目地構造体は、上掲図1に示した如く、一次弾性止水材3の他に堰材4を備えたものであり、成形体1の連結状態の一例を図2に示した如く、成形体1の相互間を水密性の高い状態に保持する。
【0021】図3(a)(b)は堰材4の外観とその断面を示したものであり、図4は一次弾性止水材3の外観をそれぞれ示したものである。一次弾性止水材3は成形体1の両端面の間で20〜80%程度圧縮され、その外側に隣接配置された堰材4によって一次弾性止水材3の位置ずれを抑制する。堰材4についてはそれ自身の弾性復元力と凹部2の段差部分で位置ずれを抑制する。
【0022】堰材4としては、成形体1の凹部2に配置して該成形体1の端面を相互に押圧した場合において堰材4の先端面が成形体1の端面と同等のレベルになるまで圧縮変形し、成形体1を相互に離隔した場合においては成形体1の端面から堰材4の先端面までの寸法が少なくとも10mmになるような復元力を有するものが好適であり、このような性質を有するものとしては例えば内部発泡構造になり価格も比較的安価な加硫スポンジゴムがあり、かかるスポンジゴムは中実、中空の何れのものでもよく、また、それらを組み合わせた複合品であってもよい。また、このようなスポンジゴムとスプリングを組み合わせたもの等種々のものが適用できる。
【0023】上掲図3においては、堰材4として矩形断面のものを例として示したが、かかる堰材4は図5にその断面を示す如く、その断面が三角形や台形、正方形等の多角形の他、一部分が曲面で形成されたもの等種々の形状のものが適用できる。アスペクト比(h/a)に関しては図6に示すように、成形体1同士を突き合わせた場合に初期の配置位置が変わらないよう(転倒しないよう)に1.5以下、もしくは0.5≦h/a≦1.1とするのがよい。
【0024】凹部2については、成形体1の一方の端面に設け、もう一方をフラットとした図7(a)のような場合の他、図7(b)に示す如く、突き合わせる成形体1のそれぞれの端面に設けることができるし、また、図7(c)に示す如く、凹部2に段差を設けてそれぞれの凹部に一次弾性止水材3、堰材4を配置することができる。
【0025】凹部2の断面積は、そこに配置した一次弾性止水材3と堰材4によって高い水密性を保持するため、一次弾性止水材3と堰材4の断面積の和の80〜200%とする。
【0026】一次弾性止水材3の断面形状は上掲図4に台形状のものを例として示したが、本発明ではこのような形状にのみに限定されるものではなく、適宜に変更できる。
【0027】本発明において好適な一次弾性止水材3としては、常温で液状の反応型ポリマーと硬化剤とを反応させて得られる架橋粘弾性体からなるのが好ましい。かかる架橋粘弾性体は、低モジュラスで、耐クリープ性に優れ、20〜80%の圧縮率でも、函体に密着し、十分な止水性を発揮することができる。中でも、分子末端に水酸基を有する常温で液状の反応型ポリマーと、分子末端にイソシアネート基を有する硬化剤とを含有している材料を用いるのが好ましい。
【0028】また、この場合、常温で液状の反応型ポリマー100重量部と、反応型ポリマーの水酸基のモル数に対する硬化剤のイソシアネート基のモル数の比、即ちNCO/OHが0.5〜1.5である量の硬化剤と、反応型ポリマー100重量部に対し50〜1000重量部の歴青物とを反応させて得るのが好ましい。このようにして得られた一次弾性止水材は、低モジュラスで高い復元性を有している。
【0029】常温で液状の反応型ポリマーと硬化剤とのNCO/OHのモル比が0.5未満であると、硬化反応が十分でなく、未反応基が多く残存したままとなり、経時安定性等に問題が生じる。逆に、NCO/OHのモル比が1.5よりも大きいと、架橋粘弾性体が硬くなり過ぎ、可塑剤での硬度調整も十分に行なえない。
【0030】また、かかる一次弾性止水材3の低コスト化のために、歴青物を添加することができる。歴青物としては、ストレートアスファルト、ブロンアスファルト、タール等があり、所望の物性値を得るには、可塑剤や粘着付与樹脂で予め改質したものを用いることができる。これらの歴青物は、単独で用いた場合には、感温性が明確に現れ、コスト面では有利であるが、広い温度域で一定の止水性が得られない。
【0031】かかる欠点を防止するため、液状ゴムをはじめとするゴム状物を歴青物と併用して用いるのが好ましい。ゴム状物と歴青物を併用した一次弾性止水材は、年間を通して所定の止水性能を発揮させることができる。添加量の目安としては、100重量部の液状ポリマーに対して50〜1000重量部の歴青物が適量になる。
【0032】常温で液状の反応型ポリマーには、例えば、液状ポリブタジエン、液状クロロプレン、液状スチレンブタジエン共重合体、液状アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アニリン誘導体ポリオール、シリコーン、ポリサルファイド、変性シリコーン等が含まれる。これらのポリマーは、常温で硬化反応を起こさせて、架橋粘弾性体を得ることができる。
【0033】本発明で用いることができる架橋粘弾性体は、常温で液状の反応型ポリマーを常温で反応させた後の硬化物が、80℃に加温されても形状を保持し、20℃での硬度が、日本ゴム協会規格SRIS−0101に示すC型硬度計で50以下であるという条件を満足するものである。この条件を満足し得る架橋粘弾性体は、表1に例示する液状ゴムと硬化剤との組合せから得ることができる。
【0034】
【表1】

【0035】表1に示す組合せのうち、常温における硬化速度のコントロールの容易さ、コスト、人手の容易さ等を含めて考慮すると、特に水酸基を末端に有し主鎖にクロロプレン、ブタジエン、水素添加ブタジエン、スチレンブタジエン、ニトリルブタジエン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルウレタンポリオール、アニリン誘導体ポリオール等を単独又は併用して用いるのか望ましい。中でも難燃度を考慮すると、クロロプレン骨格を有し、分子両末端に水酸基又はザンセート基を有するものが好適である。
【0036】硬化剤としては、イソシアネート系硬化剤が好適であり、1分子当り2個以上のイソシアネート基を有することが必要である。具体例には、イルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、末端イソシアネート基を有するプレポリマー等を挙げることができ、これ等を単独で又は併用して用いることができる。
【0037】イソシアネート系硬化剤を可塑剤と混合して用いることもできるが、可塑剤が脱水処理されていることと、イソシアネート化合物と反応しないこととが必要である。常温硬化反応を行なうための必須成分のみ、又は触媒との組合せで、本発明で満足して用いられる架橋粘弾性体を得ることができる。また、本発明では、コスト面、作業面、物性向上面で、更に各種の添加剤を加えることにより、幅広い安定した架橋粘弾性体を得ることもできる。
【0038】粘弾性体又は架橋粘弾性体の硬さの調整、液状ポリマー組成物の粘度の調整及び硬化反応後の硬さの調整に、可塑剤を用いることができる。可塑剤には、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、芳香族系オイル、ひまし油、綿実油、やし油、トール油、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、マレイン酸誘導体、液状ゴムの官能基を含まないもの等を挙げることができ、これらを単独か又は併用して用いることができる。
【0039】難燃性を要する場合には、ハロゲン化合物系可塑剤やリン化合物系可塑剤を、単独か又は併用して用いることができる。
【0040】粘着付与樹脂には、天然樹脂、ロジン、変性ロジン、ロジン及び変性ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、キシレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ビニルトルエン−αメチルスチレン共重合体等を単独か又は併用して用いることができる。
【0041】
【実施例】図8(a)(b)に示したような水圧試験治具を使用してその内部を加圧した際の止水状況を調査した場合について以下に説明する。なお、図8において番号5は成形体の代わりに用いた鉄盤、6はこの鉄盤5に設けた凹部、7は鉄盤5と重なる成形体の代わりに用いた透明なアクリル板(試験状況を確認しやすくするため透明のものを使用)、また、8は鉄盤6とアクリル板7を強固に締結するための締結具であって、この締結具8はH形鋼8aと連結ボルト8bからなる。また、9は一次弾性止水材3及び堰材4にて区画された部空間h内に水を供給して加圧するための配管、そして10は配管9に設けられた圧力ゲージである。
【0042】適合例一次弾性止水材3として表2に示す組成の材料をそれぞれ計量したのち、エアー式モーターにて攪拌混合して、水平な台に載置した型枠に流し込み、一昼夜養生し、その後、型枠から架橋粘弾性体を取り出して、図4に示したような台形状断面になる一次弾性止水材(サイズ:底辺20mm、上辺10mm、高さ20mm)を製造して、これに接着剤を塗布して鉄盤5の凹部6に貼り付ける(一次弾性止水材3は鉄盤5に貼り付けた状態でエンドレス化するため図9に示すようにその接続面Pが厚さ方向の上下において斜めにカットしてその面を突き合わせたものを使用)とともに、これに隣接するように加硫スポンジゴムからなる堰材4をおなじく凹部6に接着剤で貼り付けた。
【0043】
【表2】

【0044】比較例実施例の堰材4を配置しない他は全て同一の構造になる、図10に示すような鉄盤5を用いた。
【0045】止水試験鉄盤5とアクリル板7を合わせた状態で、その隙間が1mmになるよう締め込み、続いてその隙間が10mmになるように隙間を広げ、その状態で30分放置した後、内部に水を入れ(水圧による負荷)て種々の圧力に保持して、漏水が起きるかどうかをチェックした。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】表3に示すように比較例では、短時間では漏水はしないが、時間が経過するにつれて、一次弾性止水材3が水圧により押し出され漏水した。一方、本発明に従う適合例においては、時間が経過しても一次弾性止水材3は押し出されることなく、漏水しないことが確かめられた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、堰材によって成形体の隙間を塞ぐことができるとともに、一次弾性止水材に対してそれがずれるような力が作用しても成形体の端面に設けた凹部によってその動きは阻止されるので目地が不揃いであっても長期にわたって高い水密性が保持される。また、本発明においては一次弾性止水材を配置した凹部に堰材を配置するだけで高い水密性が確保でき効率的な施工が実現できる。
【出願人】 【識別番号】591000506
【氏名又は名称】早川ゴム株式会社
【出願日】 平成11年6月23日(1999.6.23)
【代理人】 【識別番号】100059258
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
【公開番号】 特開2001−3436(P2001−3436A)
【公開日】 平成13年1月9日(2001.1.9)
【出願番号】 特願平11−176148