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【発明の名称】 クロスコネクション防止装置
【発明者】 【氏名】松下 幸之助

【氏名】高良 佳充

【氏名】清水 康利

【氏名】仲田 正信

【要約】 【課題】衛生設備機器のクロスコネクションを効果的に防止可能な、クロスコネクション防止装置を提供することにある。

【解決手段】上水を使用して温水または下水を排出する衛生設備機器の、上水と温水または下水との混合を防止するクロスコネクション防止装置において、前記縁切りとして上水への下水の逆流を防止する一つあるいは二つ以上の逆止弁を用いた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上水を使用して温水または下水を排出する衛生設備機器の、上水と温水または下水との混合を防止するクロスコネクション防止装置において、上水と温水または下水との縁切りとして上水への温水または下水の逆流を防止する逆止弁を一つあるいは二つ以上を直列に設けたことを特徴とするクロスコネクション防止装置。
【請求項2】 負圧破壊装置を前記逆止弁の上流下流どちらかに設けたことを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項3】 前記逆止弁を衛生設備機器に接続され給水を行う給水部よりも高い位置に設置したことを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項4】 前記逆止弁と前記衛生設備機器とを接続する接続配管において、その一部の断面積を小さくしたことを特徴とする請求項3に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項5】 前記逆止弁と前記衛生設備機器の給水部との垂直高さを逆止弁と衛生設備機器を接続する配管の管径の2倍以上50倍未満とすることを特徴とする請求項3に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項6】 前記逆止弁と一つあるいは二つ以上の電磁弁と流量センサを直列に設置し、流量センサの信号により電磁弁の開閉を制御することを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項7】 前記逆止弁の前段にストレーナを設置することを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項8】 前記逆止弁を上水と大便器の間に直列に接続したことを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項9】 前記逆止弁を上水と小便器の間に直列に接続したことを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項10】 前記逆止弁を上水と洗面器の間に直列に接続することを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項11】 前記逆止弁を上水とディスポーザの間に直列に接続することを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項12】 前記逆止弁を上水と温水器の間に直列に接続することを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【請求項13】 前記逆止弁を上水と温水洗浄便座の間に直列に接続することを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクション防止装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水を使用して下水を排出する衛生設備機器に使用するクロスコネクション防止のための縁切り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上水を衛生設備機器に接続して下水管に下水を放流する場合、水道管が衛生設備機器よりも下方に設置されているため、下水が上水側に逆流または拡散する恐れがあった。特に衛生設備機器使用中に断水が発生した場合は、逆サイホン現象により汚水が大量に逆流し、病原菌が上水道に広がる恐れがあった。
【0003】このクロスコネクションを防止するため、前述のような上水と下水が混合する恐れのある衛生設備機器においては、クロスコネクション防止装置が使用されていた。この縁切り装置は、米国でまとめられたNational Plumbing Code Handbook(1957)を元にして、日本で空気調和衛生工学会基準HASS-206が制定され、広く採用されるに至っている。
【0004】このHASS-206の基本的な考え方は、あふれ縁(衛生設備機器の排水口に栓をして水を流し続けたときにあふれ出す縁)から所定の高さを離した場所にバキュームブレーカや逆止弁等のクロスコネクション防止装置を設置して、例えば高層住宅で上水使用中に断水した場合に生じた逆サイホン現象により、汚水が上水に逆流する現象を防止することにあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のHASS-206に従ったクロスコネクション防止装置では、設置初期には確実に逆サイホン現象を防止することができた。しかしながら、使用途中の水垢やゴミ噛み、虫噛み等がバルブシートに堆積することにより、確実に動作されなくなることもあり、長期にわたって有効とはいえない縁切り方法であった。また、あふれ縁よりも高い位置に設置する必要があるため、いたずらされやすい位置に設置しないといけない問題点を有していた。
【0006】これは、クロスコネクション防止装置の構造上、大気との連通部を設けることが必須となるため、原理的に避けられない問題であった。ゴキブリ等の昆虫などは0.3mmのクリアランスからでも入り込むため、異物の噛み混みによるクロスコネクション防止装置の機能低下は、事実上不可能である。特に、衛生設備機器は使用者による日常点検が十分になされない機器であるため、長期使用後の衛生設備では、問題が深刻化していた。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決し、衛生設備機器のクロスコネクションを効果的に防止可能な、クロスコネクション防止装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、上水を使用して温水または下水を排出する衛生設備機器の、上水と温水または下水との混合を防止するクロスコネクション防止装置において、前記縁切りとして上水への温水または下水の逆流を防止する逆止弁を用いた。そのため、従来に比べて、小型で、軽量の縁切り装置を提供できるようになった。さらに、クロスコネクション防止装置に逆止弁を少なくとも2つ以上設置することで、ゴミ噛み等の異物によるトラブルに対し、より信頼性の高いクロスコネクション防止装置を提供できるようになった。
【0009】また請求項2は、負圧破壊装置を前記逆止弁の下流側に直列に設けた。そのため、クロスコネクション防止装置から衛生設備機器間の配管に滞留した上水を衛生設備側に全量排出できるようにした。さらに、衛生設備機器に給水がなされていない状態で、汚水が逆流しようとした場合には配管内に気密性を保持することにより、汚水が逆止弁に接触しないようにした。
【0010】また請求項3は、逆止弁を衛生設備機器に接続された給水部よりも高い位置に設置した。そのため、クロスコネクション防止装置から衛生設備機器間の配管に滞留した上水を衛生設備側に全量排出できるようにした。さらに、衛生設備機器に給水がなされていない状態で、汚水が逆流しようとした場合には配管内に気密性を保持することにより、汚水が逆止弁に接触しないようにした。
【0011】また請求項4は、前記逆止弁と前記衛生設備機器の接続配管において、その一部の断面積を接続配管の他の部分に比べ小さくしたので、逆サイホン発生時にクロスコネクション防止装置と衛生設備機器間の配管がより気密状態になりやすくなるため、クロスコネクション防止性能が大幅に向上した。なお、部分的に断面積を小さくするには、配管内径を部分的に小さくしてもよいし、部分的に扁平させるなどして、配管流路の断面積を小さくしてもよい。また、断面積を小さくする部分に関し、これを設ける位置も接続される機器などの条件も踏まえ、任意に設けることができる。
【0012】また請求項5は、前記逆止弁と前記衛生設備機器を接続する配管の管径の2倍以上50倍未満としたため、衛生設備に上水が供給されていないときに、逆サイホン発生時に安定した気密状態を保持できるようになり、クロスコネクション防止性能が大幅に向上した。
【0013】また請求項6は、前記逆止弁と電磁弁と流量センサを直列に設置し、流量センサの信号をにより、電磁弁の開閉を制御した。そのため、逆サイホン現象が生じる衛生設備機器の使用中における断水を検出して、給水経路を遮断することにより、クロスコネクションをさらにきびしく防止することが可能となった。
【0014】また請求項7は、逆止弁の後段にストレーナを設置した。そのため、汚水中の固形分が逆止弁に触れないため、異物のゴミ噛みを防止することで、信頼性の高いクロスコネクションを防止できる。
【0015】また請求項8は前記逆止弁を上水と大便器の間に直列に接続した。このため、上水を直接大便器に接続でき、配管スペースを減少することができるとともに、いたずらによる誤作動を防止することができるようになった。
【0016】また請求項9は、前記逆止弁を上水と小便器の間に直列に接続した。このため、上水を直接小便器に接続でき、配管スペースを減少することができるとともに、いたずらによる誤作動を防止することができるようになった。また、通常壁に埋め込まれる自動洗浄装置の大きさを小さくできるため、設置上の制約をなくすことができる。
【0017】また請求項10は、前記逆止弁を上水と洗面器の間に直列に接続した。このため、水栓を使わずに洗面器に水を溜めることができるので、水はね等による洗面器周りの汚れを防止することができる。
【0018】また請求項11は、前記逆止弁を上水とディスポーザの間に直列に接続した。このため、クロスコネクション防止装置をキッチンカウンター上に露出させることなく自動給水が可能となった。また、装置自体の大きさが小さく、軽くできるので、ディスポーザ本体との一体化し、ディスポーザに給水と通電するだけでディスポーザを自動運転することが可能になった。
【0019】また請求項12は、前記逆止弁を上水と温水器の間に直列に接続した。このため、温水器内部のクロスコネクション防止装置の大きさを小さくでき、その結果温水器の大きさを小さくできることが可能となった。
【0020】また請求項13は、前記逆止弁を上水と温水洗浄便座の間に直列に接続した。このため、温水洗浄便座内部のクロスコネクション防止装置の大きさを小さくでき、その結果温水洗浄便座の大きさを小さくできることが可能となった。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る縁切り装置は、上水を接続し、縁切り装置を経由した上水は衛生設備機器に接続され、衛生設備機器から排出される下水は、下水管に接続される。断水や逆流等の給排水のトラブルが発生した場合は、縁切り装置により上水への下水の逆流が防止される。
【0022】
【実施例】本発明の概略図を図1に示す。さらに以下、本発明をディスポーザの場合の実施例図2によって詳述する。ディスポーザ3は、シンク2の底部に設置され、生ごみを粉砕して、横枝管12を経由して下水管に流す衛生設備機器である。ディスポーザ3の排水は、トラップ11を経由して横枝管12に排出される。ディスポーザ3から排出される生ごみ粉砕物の搬送に必要となる水量は、自動的に電磁弁5を経由して上水が供給される。上水は、止水栓以降、ストレーナ4、電磁弁5、流量検出装置9、下流側逆止弁7、オフセット管10と直列に接続されるが、逆止弁のみが必須の要素であり、それ以外の装置は必須ではないためこの方法のみに限定されるものではない。
【0023】上水は、電磁弁5や下流側逆止弁7へのゴミ噛みによる誤動作を防ぐためにストレーナに4より、異物を除去された後にディスポーザ3へ給水される。下流側逆止弁7は、ディスポーザ3側へ給水される場合に限り開く弁であり、逆流が発生した場合には、閉止する弁である。逆止弁としては、おもり式、バネ式いずれの方法によるものでもよい。負圧破壊装置8は、逆サイホン現象が発生したときに空気を吸い込むことでサイホン作用を防止するものである。流量検出装置9は、生ごみ排出時にディスポーザ3への給水が確実にされているかどうか、また、生ごみ搬送後に止水不良により水が流れ続けていないかどうかを検出するセンサである。ディスポーザの運転と、電磁弁の開閉動作、流量検出装置の入力信号の処理は、コントローラにより演算処理される。オフセット管10は、ディスポーザ3への給水の流路であり、ディスポーザ3への給水が行われていないときにディスポーザ3からの汚水の逆流が下流側逆止弁7まで届かないようにする器具である。
【0024】以下、逆流が起こった場合の、逆流が逆止弁まで届かない機構について説明する。ディスポーザ3へ給水中に断水が発生した場合、流量検出装置9が断水を検出して、電磁弁5を閉じるため、電磁弁5より上流サイドへの汚水の逆流はない。また、ディスポーザ3内部の水位が逆止弁よりも低い場合は、排水はトラップ11を経由して横枝管へと排出される。ディスポーザ3への給水経路中の水は、逆止弁以降の水はディスポーザ3へと流されるため、最終的に汚水は逆止弁まで逆流しない。
【0025】なお、流量検出装置9が断水を検出できなかった場合でも、一定時間経過後に電磁弁5が閉められるため、逆止弁より上流に汚水が逆流しない。
【0026】また、排水管のトラブルにより、ディスポーザ3の排水性が悪化した場合、汚水がシンク2に満水状態となるものの、オフセット管10内の空気の逃げ道がなく気密性が保持されるため、汚水が逆止弁まで逆流することなく、異物噛み込みによる動作不良は発生しない。
【0027】確率的に非常に少ないケースではあるものの、ディスポーザ3以降の配管が閉塞して、ディスポーザ3内部の水位が上昇しつつある段階で断水が起きた場合は、オフセット管10が水密状態で断水することになるが、流量検出装置9の信号により電磁弁5が閉じることで、クロスコネクションが防止されることでクロスコネクションを確実に防止することができる。
【0028】さらに汚水側から給水側に過度の圧力が加わっても、汚水はディスポーザの投入口からシンク内へとあふれ出すため圧力が下がり、水圧による止水弁、電磁弁の破壊までは至ることはなく、クロスコネクションを防ぐことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明により、確実にクロスコネクションを防止できる、小型で軽量、かつ、施工しやすいクロスコネクション防止装置を衛生設備機器の前段に接続することが可能となった。しかも、あふれ縁を気にすることなく施工できるので、あふれ縁より下部にクロスコネクション防止装置を設置することが可能となる。
【0030】また、クロスコネクション防止装置が小型軽量になったことから、施工しやすい衛生設備機器と一体化した商品を考案できるようになる。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−342659(P2001−342659A)
【公開日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【出願番号】 特願2001−85253(P2001−85253)