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【発明の名称】 水栓制御装置
【発明者】 【氏名】金子 義行

【要約】 【課題】対象物をセンサで検出し、その結果に応じて自動的に水路を開閉する水栓機器の制御装置に係り、単機能品の無駄を無くし、多機能品の機能変更を自由に行える水栓制御装置を提供することにある。

【解決手段】水路を開閉する電磁弁の制御を行う水栓制御装置において、物体の有無の検出を行い、物体の感知状態を第1の信号として出力するセンサ部と、前記第1の信号が入力され、該第1の信号を所定の変換条件で変換して前記第1の信号と電気的に同一形式の第2の信号を出力する信号変換部と、前記第1の信号または前記第2の信号が入力され、該入力信号に応じて前記電磁弁の開閉制御を行う電磁弁制御部からなり、水栓制御装置は、センサ部と電磁弁制御部の組み合わせ、またはセンサ部と信号変換部と電磁弁制御部の組み合わせの、いずれにおいても動作可能に構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水路を開閉する電磁弁の制御を行う水栓制御装置において、物体の有無の検出を行い、物体の感知状態を第1の信号として出力するセンサ部と、前記第1の信号が入力され、該第1の信号を所定の変換条件で変換して前記第1の信号と電気的に同一形式の第2の信号を出力する信号変換部と、前記第1の信号または前記第2の信号が入力され、該入力信号に応じて前記電磁弁の開閉制御を行う電磁弁制御部を有するとともに、水栓制御装置は、センサ部と電磁弁制御部の組み合わせ、またはセンサ部と信号変換部と電磁弁制御部の組み合わせの、いずれにおいても動作可能に構成されたことを特徴とする水栓制御装置。
【請求項2】 請求項1の水栓制御装置において、前記センサ部と前記信号変換部と前記電磁弁制御部は、それぞれ着脱可能な接続手段を備えることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項3】 請求項1乃至2の電磁弁制御装置において、前記信号変換部はスイッチ入力手段を備え、前記第1の信号と前記スイッチ入力手段の状態とを組み合わせて前記第2の信号を出力することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項4】 請求項1乃至3の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、表示手段を備えることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項5】 請求項4の電磁弁制御装置において、前記表示手段とはLEDランプであることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項6】 請求項4の電磁弁制御装置において、前記表示手段とは液晶であることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項7】 請求項4の電磁弁制御装置において、前記表示手段とはブザーであることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項8】 請求項1乃至7の水栓制御装置において、前記電磁弁制御部は、前記入力信号が感知状態を示す場合に前記電磁弁を開状態に制御することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項9】 請求項8の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、入力信号の感知状態を所定の時間に制限して出力することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項10】 請求項8の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、入力信号が非感知状態から感知状態に変化するたびに、所定時間の感知状態の信号を出力することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項11】 請求項8の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、入力信号が非感知状態から感知状態に変化するたびに、感知状態の信号と非感知状態の信号を交互に出力することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項12】 請求項1乃至11の電磁弁制御装置において、前記電磁弁制御部は電源手段を備え、前記信号変換部が使用されない場合は、前記電磁弁制御部から前記センサ部に電源を供給し、前記信号変換部が使用される場合は、前記電磁弁制御部から前記信号変換部に電源を供給し、更に前記信号変換部を介して前記センサ部へ電源を供給することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項13】 請求項1乃至11の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は電源手段を備え、前記センサ部及び前記電磁弁制御部へ電源を供給することを特徴とする水栓制御装置。
【請求項14】 請求項1乃至13の水栓制御装置において、第1の信号と第2の信号の形式は、物体の感知状態をHiレベルまたはLoレベルの2値で示すロジック信号であることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項15】 請求項14の水栓制御装置において、前記信号変換部はスイッチ手段を備え、第2の信号はHiレベルまたはLoレベルまたは第1の信号のいずれかであることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項16】 請求項1乃至13の水栓制御装置において、第1の信号と第2の信号の形式は、物体の感知状態を複数ビットのデジタルデータで示すロジック信号であることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項17】 請求項1乃至13の水栓制御装置において、第1の信号と第2の信号は、物体の感知状態を電圧レベルで示すアナログ信号であることを特徴とする水栓制御装置。
【請求項18】 請求項17の水栓制御装置において、前記信号変換部は可変抵抗を備え、第2の信号は第1の信号を前記可変抵抗により分圧したものであることを特徴とする水栓制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物をセンサで検出し、その結果に応じて自動的に水路を開閉する水栓機器の制御装置に係り、特に様々な仕様の水栓装置の製品を効率的に構成するに好適な水栓制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線センサなどの物体センサと水路を開閉する電磁弁を使用し、センサの感知状態に応じて電磁弁を開閉することで、手洗いやトイレの洗浄を自動的に行う自動水栓、あるいは自動洗浄と呼ばれる水栓制御装置は、多数製品化されている。例えば、トイレの手洗いに使用する自動水栓は、センサによって対象物である手を検出し、手を感知している間、吐水するものが一般的である。また、1分程度連続してセンサが感知して吐水が継続した場合、センサが感知していても自動的に止水する安全機能が備えられている。
【0003】これに対して、家庭やオフィス、病院などの洗面所で使用する自動水栓は、手洗いだけでなく、洗顔、歯磨き、洗濯、コップまたは花瓶への水溜など用途が幅広いため、単にセンサが感知している間吐水する機能だけでは不十分である。このような用途では、手動のスイッチや動作状態の表示装置を追加して、センサに関わらず吐水をスイッチで制御したり、自動で止水する時間を1分ではなく、例えば10分程度に長くしたものもある。また、センサの使い方にしても、感知中に吐水するだけでなく、感知のたびに吐水・止水を交互に繰り返すもの、感知すると一定時間吐水するもの、スイッチでセンサによる吐水を禁止するものなどがある。
【0004】これらの、より多機能化された製品(以下、多機能品)は、センサが感知している間だけ吐水する単機能の製品(以下、単機能品)に比較して生産数量が少ないため、単機能品の開発時に多機能品の仕様を追加できるように設計し、可能な限り部品を共通化して初期投資を抑える方法がとられる。図15に従来の多機能品の回路構成を、図16にその動作例を示す。
【0005】図15において、1は対象物を検出するセンサ部、20は電磁弁制御部、3は水路を開閉する電磁弁のソレノイドである。回路部分は、大きくはセンサ部1と電磁弁制御部20に分かれている。自動水栓などの機器において、センサの位置は、商品デザインや使い勝手に大きく影響する。よって、なるべくレイアウトの制約を生じないように、センサ部は必要最小限のサイズにまとめた方が良い。また、センサ部は一般に水にさらされる事が多いため、特に厳重な防水構造が採用される。一方、電磁弁は、施工やメンテナンスがしやすいようにセンサとは離れた位置に置かれる場合が多い。以上の理由により、電磁弁の近くに置かれる電磁弁制御部20とセンサ部1は分けて構成される。
【0006】センサ部1と電磁弁制御部20の間は、VDD(電源+)、GND(電源−)、SEN1(感知信号)の3本の電気信号がコネクタ51によって接続される。52は電磁弁制部20とソレノイド3を接続するコネクタである。200はマイコンであり、センサ部1の信号SEN1をポートPI1に入力し、その状態に応じてポートPO1、PO2を制御してソレノイド通電回路22を駆動し、ソレノイド3に通電して電磁弁の開閉を行う。以上の部材により、センサ部1の出力に応じて吐水、止水の一通りの制御、すなわち単機能品の動作は行われる。
【0007】7は、単機能品にスイッチや表示などを追加して多機能品とするための部材である。ここではスイッチ401、402と表示LED405、406を含む操作部であり、電磁弁制御部20にあらかじめ用意されたコネクタ54に接続する。スイッチや表示LEDのために、電磁弁制御部にはマイコンのポートPI2、PI3、PO3、PO4を割り当て、スイッチのプルアップ抵抗403、404、表示LEDの電流制限抵抗407、408が実装されている。スイッチ401は信号SW1に対応し、スイッチ401がONするたびにセンサ部1の信号SEN1を有効、無効と交互に変更する「センサ入・切スイッチ」である。通常はセンサ部1の信号SEN1を有効(入り)とし、センサの感知によって自動的に吐水すると都合の悪い場合、例えば洗面器の掃除などの際にセンサを無効(切り)で使用する。LED405はセンサの入切状態を表示するLEDである。センサ部1を無効とするのは特別な状態であるので、無効とした場合のみ、信号LED1によりLED405を点灯する。スイッチ402は信号SW2に対応し、スイッチ402がONするたびにセンサ部1の信号SEN1に関わらず、吐水、止水を交互に繰り返す「手動吐水・止水スイッチ」である。LED406は手動スイッチで吐水していることを表示するLEDである。手動で吐水している間は、信号LED2によりLED406を点灯する。
【0008】以上の動作例を図16に示す。操作部7がコネクタ54から取り外された場合、スイッチ401、402はONすることが無いのでLED405、406を点灯する必要もなく、センサ部1と電磁弁制御部20は単機能品として動作する。
【0009】以上の様に、単機能品から多機能品までの仕様の全てが動作する様に設計されており、操作部7の着脱により単機能品、多機能品の切替ができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のように、単機能品に多機能品用の部品を追加できるようにする設計では、以下の様な問題がある。外部と入出力する回路ならば、外部に何も繋がない場合でも動作が不安定になったり、ノイズや静電気が侵入しないように、入出力端子を安定化したり保護する処置が必要である。例えば、図15の抵抗403、404は、電磁弁制御部を多機能品として使用することがなくても、削除はできない。また、コネクタ54、抵抗407、408は載せなくても単機能品としての動作は可能だが、プリント基板のサイズが大きくなり、マイコン21は、ピン数の多い、高機能のものが要求される。また、電磁弁制御部の外装ケースにコネクタ54の取り出し部も用意しなければならず、防水処置が必要ならば更に負担は大きい。
【0011】また、標準品の設計時に、将来にわたって想定される多機能品の仕様を予測し、マイコン20のソフトや入出力回路の設計に盛り込まなければならない。当然ながら、後になって予測外の要求が生じて応えられない場合もあり、逆に無駄な機能を含ませてしまう場合もある。
【0012】また、操作部7のみは後で再設計することも可能であるが、スイッチや表示を増やすことはできても、制御の中心となるのはセンサの感知信号であるため、スイッチや表示などの動作とセンサの感知信号との関係、信号の優先順位などは予め取り決めしておかなければならない。よって、多機能品で操作部7に部品を追加することで機能を変更しようとしても限界がある。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、単機能品の無駄を無くし、多機能品の機能変更を自由に行える水栓制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、水路を開閉する電磁弁の制御を行う水栓制御装置において、物体の有無の検出を行い、物体の感知状態を第1の信号として出力するセンサ部と、前記第1の信号が入力され、該第1の信号を所定の変換条件で変換して前記第1の信号と電気的に同一形式の第2の信号を出力する信号変換部と、前記第1の信号または前記第2の信号が入力され、該入力信号に応じて前記電磁弁の開閉制御を行う電磁弁制御部からなり、水栓制御装置は、センサ部と電磁弁制御部の組み合わせ、またはセンサ部と信号変換部と電磁弁制御部の組み合わせの、いずれにおいても動作可能に構成したので、単機能品に無駄がなく、多機能品は自由に設計できる。
【0015】請求項2は、請求項1の水栓制御装置において、前記センサ部と前記信号変換部と前記電磁弁制御部は、それぞれ着脱可能な接続手段を備えたので、施工後も仕様変更が容易である。
【0016】請求項3は、請求項1乃至2の電磁弁制御装置において、前記信号変換部はスイッチ入力手段を備え、前記第1の信号と前記スイッチ入力手段の状態の組み合わせて前記第2の信号を出力するようにしたので、感知信号とスイッチの組み合わせの動作を任意に設定できる。
【0017】請求項4は、請求項1乃至3の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、表示手段を備えるようにしたので、動作モードの変更と共に、動作状態の表示が可能になる。
【0018】請求項5は、請求項4の電磁弁制御装置において、前記表示手段とはLEDランプとしたので、LED表示に必要な電流を信号変換部で供給でき、単機能品の電磁弁制御部に無駄が生じない。
【0019】請求項6は、請求項4の電磁弁制御装置において、前記表示手段とは液晶としたので、液晶表示に必要な信号を全て信号変換部で処理でき、単機能品の電磁弁制御部に無駄が生じない。
【0020】請求項7は、請求項4の電磁弁制御装置において、前記表示手段とはブザーとしたので、ブザーの駆動回路とブザーを信号変換部内で最短で接続できる。
【0021】請求項8は、請求項1乃至7の水栓制御装置において、前記電磁弁制御部は、前記入力信号が感知状態を示す場合に前記電磁弁を開状態に制御することとしたので、感知状態がそのまま吐水状態に対応するため、信号の変換条件が簡略化される。
【0022】請求項9は、請求項8の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、入力信号の感知状態を所定の時間に制限して出力するようにしたので、吐水制限時間の変更が容易に行える。
【0023】請求項10は、請求項8の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、入力信号が非感知状態から感知状態に変化するたびに、所定時間の感知状態の信号を出力するようにしたので、一般に自閉水栓と呼ばれる自動水栓の仕様に容易に変更できる。
【0024】請求項11は、請求項8の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は、入力信号が非感知状態から感知状態に変化するたびに、感知状態の信号と非感知状態の信号を交互に出力するようにしたので、センサを出し止めスイッチのように使う自動水栓に容易に変更できる。
【0025】請求項12は、請求項1乃至11の電磁弁制御装置において、前記電磁弁制御部は電源手段を備え、前記信号変換部が使用されない場合は、前記電磁弁制御部から前記センサ部に電源を供給し、前記信号変換部が使用される場合は、前記電磁弁制御部から前記信号変換部に電源を供給し、更に前記信号変換部を介して前記センサ部へ電源を供給するようにしたので、信号変換手段は電源を持つ必要がなく、センサ部への電源供給手段としても機能する。
【0026】請求項13は、請求項1乃至11の電磁弁制御装置において、前記信号変換部は電源手段を備え、前記センサ部及び前記電磁弁制御部へ電源を供給するようにしたので、表示手段に応じた電源手段の選択ができ、電池交換などのメンテナンスもやり易くなる。
【0027】請求項14は、請求項1乃至13の水栓制御装置において、第1の信号と第2の信号の形式は、物体の感知状態をHiレベルまたはLoレベルの2値で示すロジック信号であるようにしたので、ロジックICやトランジスタ、CR時定数回路などでも信号変換が可能となる。
【0028】請求項15は、請求項14の水栓制御装置において、前記信号変換部はスイッチ手段を備え、第2の信号はHiレベルまたはLoレベルまたは第1の信号のいずれかを選択したものであるようにしたので、何ら能動部品を使わず、信号変換ができる。
【0029】請求項16は、請求項1乃至13の水栓制御装置において、第1の信号と第2の信号の形式は、物体の感知状態を複数ビットのデジタルデータで示すロジック信号としたので、より多くの情報、複雑な信号変換が可能となる。
【0030】請求項17は、請求項1乃至13の水栓制御装置において、第1の信号と第2の信号は、物体の感知状態を電圧レベルで示すアナログ信号としたので、単純な処理だけでなく、センサの感度調整なども可能となる。
【0031】請求項18は、請求項17の水栓制御装置において、前記信号変換部は可変抵抗を備え、第2の信号は第1の信号を前記可変抵抗により分圧するようにしたので、何ら能動部品を使わず、アナログ的な信号変換ができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明をより理解しやすくするため、以下に図を用いて詳説する。
【0033】
【実施例】(実施例1) 図1に第1の実施例である単機能品の回路図を、図2に多機能品の回路図を示す。図1において、1は対象物を検出するセンサ部、2は電磁弁制御部、3は水路を開閉する電磁弁のソレノイドである。以下、従来例と同じ機能の部品には同じ番号を付けている。電磁弁制御部2は、従来例の電磁弁制御部20に対し、スイッチ、表示に関する部品である401〜408の部品とコネクタ54が除かれたものである。これだけで、センサ出力SEN1に応じて電磁弁を駆動する、単機能の動作は行うことができる。
【0034】次に図2の多機能品の説明を行う。図2において、4は、センサ部1の信号SEN1を所定の条件で変換し、信号SEN2として電磁弁制御部2に出力する信号変換部である。信号変換部4は、センサ部1とコネクタ53で接続される。接続する信号は図1の単機能品、従来例と同じく、VDD、GND、SEN1である。41はマイコン(2)であり、信号変換の処理が行われる。なお、21と41の2つのマイコンを区別するため、41をマイコン(2)とする。401〜408のスイッチ、表示LED、抵抗の使用目的は図15の従来例と同じであり、センサ入・切と手動吐水のスイッチ、表示とその関連部品である。
【0035】図3に、図2の多機能品の動作波形を示す。センサ部1の出力信号SEN1とスイッチ401、402の状態をマイコン41が処理し、信号SEN2に変換して出力する。例えば、スイッチの操作が何もない場合は、信号SEN1をそのまま信号SEN2として出力するため、単機能品と同様のセンサ吐水が可能である。スイッチ402(信号SW2)の操作により手動吐水が要求された場合は、あたかもセンサ部1が感知したように、信号SEN2に感知状態に相当する信号を出力し、同時に信号LED2によりLED406を点灯する。電磁弁制御部2のマイコン21は、信号SEN2をセンサ部1が出力する信号SEN1と同様に処理するため、電磁弁制御部2に直接スイッチ402が入力されなくても、従来例と同様にスイッチ402で手動で吐水することができる。スイッチ401(信号SW1)の操作によりセンサ機能の無効(センサ切り)が選択された場合は、信号SEN1が感知状態であっても信号SEN2には感知状態に相当する信号を出力しない。また、同時に信号LED1によりLED405を点灯する。電磁弁制御部2のマイコン21は、信号SEN2をセンサ部1が出力する信号SEN1と同様に処理するため、電磁弁制御部2に直接スイッチ401が入力されなくても、従来例と同様にセンサ部1による吐水を禁止できる。
【0036】このように実施例1と従来例の単機能品の動作、多機能品のセンサ、スイッチ、表示LEDと電磁弁に関する動作は全く同じである。しかし、以下のような点が異なり、優れている。
【0037】(1)図1の単機能品には多機能品のための部材が全く無い。また、電磁弁制御部のマイコン21は非常に単純な機能に限られるため、マイコン21は従来例のマイコン200に対して低機能・低価格のものですむ。あるいは、マイコン21を使わずロジック回路でも実現可能である。一方、図2の多機能品にはマイコン41が追加されているが、多機能品の生産量は単機能品に比較して少ない。よって、単機能品と多機能品を生産数量も含めてコストを評価すると、全体として大幅に低コスト化できる。
【0038】(2)接続にコネクタを使用しているため、水栓装置の施工後でも単機能品から多機能品への変更が、あるいはその逆も可能である。また、信号変換部を取り替えることにより、別な仕様の多機能品に変更することもできる。
【0039】(3)多機能品はスイッチとセンサが関連して吐水の制御を行うが、従来例の場合、単機能品と多機能品の仕様はマイコン200にプログラムされている必要がある。事前に仕様を想定する必要があり、後で変更するのは難しい。一方、実施例では、スイッチとセンサの関係はマイコン41にプログラムされるため、多機能品だけで自由に設定、変更できる。また、プログラムだけでなく、多機能品のために新たに開発する必要があるのは信号変換部4だけであるため、市場の要望に応じ、事前に想定していないスイッチや形状であっても、後で実現可能である。
【0040】(4)同様に、多機能品の表示手段を信号変換部4にもたせているため、変更、新たな開発が容易である。特に、表示手段には、その表示デバイスに応じた駆動回路が必要であるため、単にマイコン21のプログラムを変更するだけでは希望通りの表示ができるとは限らない。実施例のように、信号変換部に駆動回路まで含めた表示手段をもたせることにより、表示手段の選択に制約が無い。
【0041】(5)表示用にLEDを使用しているが、LEDの点灯には通常10mA程度の電流が必要である。そのため、LED駆動用に大電流を流すことができる出力ポートを備えたマイコンを使用するか、トランジスタを使って電流を増幅する方法が採られる。これらの条件は単機能品にとって無駄となる。実施例では、LEDの駆動能力が必要なのは信号変換部4のみであり、電磁弁制御部2、マイコン21にはその対応が必要なく、無駄がない。
【0042】(6)実施例では表示素子としてLEDを使用しているが、これを液晶に置き換えた場合は更に効果的である。液晶表示の場合、液晶表示専用のドライバ、制御ピンを持つマイコンが不可欠となる。多機能品のために、単機能品でも使用するマイコン21に液晶表示機能を備えたマイコンを採用し、コネクタ54から液晶制御用の端子を出すのは非現実的である。しかし、実施例の構成で液晶を使用する場合、多機能品のみに液晶表示機能を備えたマイコン41を採用し、信号変換部4の内部で液晶表示素子と接続すれば良いので、何ら問題ない。また、表示素子としてブザーを使用した場合、ブザーの駆動は単なる数kHzのパルス出力があれば良いため、マイコン21が一般的なマイコンであっても容易に駆動できる。しかし、数kHzのパルスをコネクタやケーブルを経由して離れた場所にあるブザーまで出力するのはノイズや伝達特性の面で好ましくない。しかし、実施例の構成でブザーを使用する場合、信号変換部4の内部でブザーと駆動回路であるマイコン41を直結できるので、何ら問題ない。
【0043】(7)電磁弁制御部2は信号SEN1またはSEN2が感知状態の場合に吐水する制御となっている。このため、信号変換部4は電磁弁制御部2が、現在吐水状態にあるのか、止水状態にあるのか、ということを確認する必要がない。よって、信号変換部の信号変換の条件が簡略化され、マイコンを使用する場合はプログラムが簡単となり、あるいはスイッチや単純なロジック回路でも信号変換部が実現可能となる。
【0044】(8)電磁弁制御部2から信号変換部4へ電源が供給されるので、マイコン41や表示のLEDを使用していても、信号変換部4は電源を持つ必要がない。また、信号変換部4はセンサ部1への電源供給の機能も果たしている。単機能品に信号変換部4を追加しても、センサ部1へ新たに電源供給する必要がない。また、電源ラインが直列であるため、一方の電圧が不足したり、一方だけリセットしてしまうことがなく、センサ部と信号変換部4は同時に動作を開始、停止する。よって、それぞれの回路が別々に動作することによる不具合の心配がない。
【0045】(実施例2)次に、実施例2の回路図を図4に示す。電池5が電磁弁制御部2から信号制御部1に移動しただけで、他の部品と構成、機能は実施例1と同じである。実施例2では以下のような効果がある。電源回路は負荷に応じて必要最小限の能力のものを選択すべきである。電磁弁にラッチングソレノイドを使用すれば、吐水・止水の制御の負荷は小さく、最も負荷が大きくなる可能性があるのが表示LEDである。しかし、表示の負荷は単機能品には無関係であり、多機能品の表示負荷に対応した電源をもつのは無駄である。
【0046】実施例2の構成であれば、負荷変動の大きい表示に関する部分に電源を置くため、表示機能の負荷に対応した電源の選択が可能である。これは、図4の電源5を電池としていたが、ACコンセントからの電源回路であっても同じである。また、信号変換部4は多機能品の操作部となる場合があり、この部分に電池を置くとすれば、電磁弁制御部2に電池を置くよりも、電池交換などのメンテナンスがし易い。
【0047】(実施例3)次に、実施例3の回路図を図5に、その動作波形を図6に示す。実施例3は信号変換部のみであり、それ以外は実施例1と同じである。図2の信号変換部4を図5の信号変換部410で置き換えて動作する。
【0048】図5において、411は入力信号CLKの立ち上がりエッジで時間T1のパルスを出力するモノステーブル・マルチバイブレータであり、412はANDゲートである。図6のように、信号SEN1が非感知状態から感知状態になると、411のCLK入力に入って時間T1のパルスを出力する。信号SEN1と411の出力Q411のAND信号をAND412が信号SEN2として出力するので、「SEN2」は「SEN1を時間T1で制限した信号」となる。よって、センサ部1の感知状態が長く続くような場合でも所定時間で吐水を終了することができ、標準的な自動水栓をを短時間で止水する節水型の自動水栓に変更できる。
【0049】(実施例4)次に、実施例4の回路図を図7に、その動作波形を図8に示す。実施例4も実施例3と同様に信号変換部のみであり、図2の信号変換部4を図7の信号変換部420で置き換えて動作する。図7において、411は図7と同じモノステーブル・マルチバイブレータである。図8のように、信号SEN1が非感知状態から感知状態になると、411のCLK入力に入って時間T1のパルスを出力し、そのまま信号SEN2として出力するので、「SEN2」は「SEN1が非感知から感知になった時に発生する時間T1のパルス信号」となる。よって、センサ部1が非感知から感知になるたびに所定時間の吐水が行われる。これは、いわゆる自閉水栓と呼ばれる動作であり、洗面器などに一定量の水溜をする際に利用したり、所定時間で止水することで必要以上に水を使うことを防止する。このように、標準的な自動水栓を、自閉型の自動水栓に変更できる。
【0050】(実施例5)次に、実施例5の回路図を図9に、その動作波形を図10に示す。実施例5も実施例3と同様に信号変換部のみであり、図2の信号変換部4を図9の信号変換部430で置き換えて動作する。図9において、431はDフリップフロップであり、信号SEN1がクロック入力に入り、Q出力が信号SEN2として出力され、Q反転出力がD入力に戻っている。よって、信号SEN1の立ち上がりごとに信号SEN2は反転する。図10のように、信号SEN1が非感知状態から感知状態になると、431のCLK入力に入ってQ出力を反転し、それが信号SEN2として出力するので、「SEN2」は「SEN1が非感知から感知になるたびに反転する信号」となる。よって、センサ部1が非感知から感知になるたびに、吐水状態、止水状態が入れ替わる吐水制御が行われる。例えば、自動水栓を台所で使う場合、感知している間だけ吐水する方法では、頻繁に吐水止水が繰り返され、使い勝手が悪くなることもある。そのような場合はセンサを、吐水の「開始」と「終了」を非接触で行えるスイッチとして利用した方が良い。このような目的で、標準的な自動水栓を、センサによってスイッチを押すように「吐水」「止水」の制御を行う自動水栓に変更できる。
【0051】(実施例6)次に、実施例6の回路図を図11に、その動作波形を図12に示す。実施例6も実施例3と同様に信号変換部のみであり、図2の信号変換部4を図11の信号変換部440で置き換えて動作する。図11において、441は3入力、1出力の切り替えスイッチであり、VDD(Hiレベル固定)、信号SEN1、GND(Loレベル固定)のいづれかを選択して信号SEN2として出力するものである。抵抗442は、スイッチ441の切り替え時に信号SEN2を安定させるためのプルダウン抵抗である。図12のように、スイッチ411が信号SEN1を選択している場合は、通常の単機能の自動水栓として動作する。スイッチ411がVDDを選択している場合は、信号SEN2が感知状態に対応するHiレベル固定となり、信号SEN1に関わらず吐水する。逆に、スイッチ411がGNDを選択している場合は、信号SEN2が非感知状態に対応するLoレベル固定となり、信号SEN1に関わらず吐水する。よって、単なる切り替えスイッチのみで、通常の自動水栓にセンサ切、スイッチ吐水の機能を追加できる。
【0052】なお、以上の実施例では感知信号を感知状態または非感知状態の2値のロジック信号としたが、シリアル通信などによる複数ビットのデータであっても良い。マイコン41がデータを送受信する機能を持っていれば、より高度な信号変換をおこなうことができる。
【0053】(実施例7)次に、実施例7の回路図を図13に、その動作波形を図14に示す。実施例7も実施例3と同様に信号変換部のみであり、図2の信号変換部4を図11の信号変換部450で置き換えて動作する。但し、これまでは信号SEN1、SEN2をHiレベルまたはLoレベルのロジック信号として扱ってきたが、実施例7においては電圧レベルの高低により、感知、非感知の可能性を示すアナログ信号であるとする。この場合、マイコン21のPI2入力はA/D変換入力、またはコンパレータであれば良い。図13において、451は信号SEN1を分圧してSEN2として出力する可変抵抗である。図14のように、信号SEN1はセンサの感知状態を電圧レベルで示し、マイコン21が感知判定の閾値を境に感知、非感知の判定を行なう。そこで、可変抵抗451により分圧して信号SEN2に出力することにより、感知のし易さを変更したり、センサを切り状態にすることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、単機能品に無駄がなく、多機能品は自由に設計できる水栓装置を提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成12年5月24日(2000.5.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−329586(P2001−329586A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−152256(P2000−152256)