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【発明の名称】 自動水栓
【発明者】 【氏名】宮田 雅則

【氏名】三嶋 淳太

【要約】 【課題】水栓近傍に存在する物体を確実に検知して吐水することができる自動水栓の提供。

【解決手段】ヘッド11に設けた吐水口111がシンクに臨む水栓1と、水栓1近傍の検知エリア内に物体が存在するか否かを検知するセンサ2と、センサ2が物体を検知するとバルブ3を開弁するコントローラ4とを備える自動水栓Aにおいて、センサ2は、吐水口111から吐水する水流の吐水方向に位置する物体を検知する食器・食材検知エリアと、吐水方向から外れた食器・食材を持つ手を検知する手検知エリアとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘッドに設けた吐水口がシンクに臨む水栓と、水栓近傍の検知エリア内に物体が存在するか否かを検知する物体検知手段と、該物体検知手段が前記物体を検知すると前記水栓から吐水を行う制御手段とを備える自動水栓において、前記物体検知手段は、前記吐水口から吐水する水流の吐水方向に位置する物体を検知する食器・食材検知エリアと、前記吐水方向から外れた前記食器・食材を持つ手を検知する手検知エリアとを有することを特徴とする自動水栓。
【請求項2】 前記物体検知手段は、前記食器・食材検知エリアおよび前記手検知エリアに光を投光する発光手段と、エリア内の物体に反射して戻って来る反射光を捉える受光手段とを有し、前記発光手段および前記受光手段を前記ヘッドに設けたことを特徴とする請求項1記載の自動水栓。
【請求項3】 前記発光手段は、前記水流の吐水方向を向く様に配される第1の発光素子と、前記吐水方向に対して前方および左に所定角度オフセットした方向を向く様に配される第2の発光素子と、前記吐水方向に対して前方および右に所定角度オフセットした方向を向く様に配される第3の発光素子とからなり、前記受光手段は、前記水流の吐水方向から前方に所定角度オフセットした方向を向く様に配され、エリア内の物体に反射して戻って来る反射光を捉える受光素子であることを特徴とする請求項2記載の自動水栓。
【請求項4】 前記吐水方向に対して前記第1、第2の発光素子を前方にオフセットする角度は30°〜50°であり、前記吐水方向に対して前記第1、第2の発光素子を左右にオフセットする角度は30°〜60°であることを特徴とする請求項3記載の自動水栓。前記吐水方向に対して前記受光素子を前方にオフセットする角度は50°〜75°であることを特徴とする請求項2記載の自動水栓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体検知手段が水栓の近傍の物体を検知すると水栓から吐水を行う自動水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水洗器内に光を投光し、水洗器内に差し出された手に反射して戻って来る反射光を受光素子が捉えると、水栓の吐出口から水を出す自動水栓が知られている(特開平4- 360923号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動水栓は、以下の課題を有する。上記自動水栓を水洗器に使用する場合には、水洗器内に差し出されるのが人間の手に限られるので正常に動作する。しかし、キッチンシンクでは、手以外に、食器や食材等の物体がシンク内に差し出される。例えば、物体が黒色であったり、透明であると、受光素子に反射光が入光し難くなるので、物体を検知できない場合が生じる。
【0004】本発明の目的は、水栓近傍に存在する物体を確実に検知して吐水することができる自動水栓の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1について;図1参照〕水栓のヘッドに吐水口が設けられ、その吐水口がシンクに臨んでいる。物体検知手段は、吐水口から吐水する水流の吐水方向に位置する物体(食器や食材等)を検知する食器・食材検知エリアと、吐水方向から外れた食器や食材等を持つ手を検知する手検知エリアとを有し、これら検知エリア内に物体が存在するか否かを検知する。何れかまたは両方の検知エリア内に物体の存在を物体検知手段が検知すると、制御手段が水栓から吐水を行う。
【0006】食器・食材検知エリア内に位置する食器や食材を物体検知手段が検知できなくても、手検知エリア内に位置する、食器や食材を持つ手を物体検知手段が検知することできる。これにより、吐水を確実に行うことができる。
【0007】〔請求項2について;図1参照〕発光手段は、食器・食材検知エリアおよび手検知エリアに光を投光する。食器・食材検知エリア、手検知エリアの何れか、または両方に物体(食器、食材、手)が存在する場合には、光が物体に反射して受光手段に入光する。食器・食材検知エリア内に位置する、食器や食材に光が当たっても反射光が充分に受光手段に入光しなくて物体検知手段が食器や食材の存在を検知できなくても、手検知エリア内に位置する、食器や食材を持つ手に当たった光が確実に反射して受光手段に入光する。
【0008】これにより、物体検知手段が手の存在を検知することができ、吐水を確実に行うことができる。また、発光手段および受光手段を水栓のヘッドに設けているので、発光手段および受光手段を配設するための部材を別途用意する必要がなく、且つ、投光と受光とを効率良く行うことができる。
【0009】〔請求項3について〕第1の発光素子は、水流の吐水方向を向く様に配される、水流の吐水方向(食器・食材検知エリア)に光を投光する。第2の発光素子は、吐水方向に対して前方および左に所定角度オフセットした方向を向く様に配され、その方向(手検知エリア)に光を投光する。第3の発光素子は、吐水方向に対して前方および右に所定角度オフセットした方向を向く様に配され、その方向(手検知エリア)に光を投光する。受光素子は、水流の吐水方向から前方に所定角度オフセットした方向を向く様に配され、エリア(食器・食材検知エリア、手検知エリア)内の物体に反射して戻って来る反射光を捉える。
【0010】第1の発光素子が光を投光する食器・食材検知エリア、第2の発光素子が光を投光する手検知エリア、第3の発光素子が光を投光する手検知エリアの内、少なくとも一つに物体(食器、食材、手)が存在する場合には、光が物体に反射して受光手段に入光する。食器・食材検知エリア内に位置する食器や食材に光が当たっても反射光が充分に受光手段に入光しなくて物体検知手段が食器や食材の存在を検知できなくても、第2の発光素子が光を投光する手検知エリアや第3の発光素子が光を投光する手検知エリアに位置する、食器や食材を持つ手に当たった光が確実に反射して受光手段に入光する。これにより、物体検知手段が手の存在を検知することができ、吐水を確実に行うことができる。
【0011】〔請求項4について〕エリア(食器・食材検知エリア、手検知エリア)内の物体に反射して戻って来る反射光を受光素子が効率良く捉えるためには、オフセット角度を以下の範囲に設定する。吐水方向に対して第1、第2の発光素子を前方にオフセットする角度を30°〜50°にし、吐水方向に対して第1、第2の発光素子を左右にオフセットする角度を30°〜60°にし、吐水方向に対して受光素子を前方にオフセットする角度を50°〜75°にする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例(請求項1〜4に対応)を図2〜図4に基づいて説明する。自動水栓Aは、図2に示す様に、ヘッド11に設けた吐水口111が流し台のシンクに臨む水栓1と、物体の存在を検知するセンサ2と、センサ2が物体を検知するとバルブ3を開弁するコントローラ4とを備える。
【0013】水栓1は、シンク後壁の流し台上面に突設する台座(図示せず)に回動自在に取り付けられ、先部がヘッド11となっている。このヘッド11の下部には透明樹脂ケース20が組み付けられ、透明樹脂ケース20の後方には吐水口111が下向き(シンクの底面方向)に開口している。
【0014】また、ヘッド11の上部には、自動モードと手動モードとを切り替えるための手動切り替えスイッチ12が取り付けられている。自動モードは、物体を検知すると、吐水口111から所定流量(1リットル/分〜10リットル/分)の水や湯を吐水するモードである。手動モードは、センサ2およびバルブ3を作動停止にし、図示しない検知流量調整レバーで手動調節(ゼロ〜全開)した量の水や湯を吐水口111から吐止水するモードである。
【0015】透明樹脂ケース20内には、図4に示す様に、LED21、22、23(発光素子)と、ホトトランジスタ24(受光素子)とを配設した基板201が組み付けられている。なお、LED21、22、23、およびホトトランジスタ24の先端が臨む部位の透明樹脂ケース20は、光の投光・受光が効率的に行える様になっている。
【0016】LED21は、基板201の、ヘッド11および吐水口111の中心線が通る位置に、真下(水流10の吐水方向)を向く様に取り付けられ、食器・食材検知エリアである真下に向かって赤外線を投光する。
【0017】LED22は、真下(水流10の吐水方向)に対して前方および右に所定角度(本実施例では何れも45°)オフセットした方向を向く様に、LED21から約5mm図示左に離れて基板201に取り付けられ、左側の手検知エリアであるオフセットした方向に向かって赤外線を投光する。LED23は、真下(水流10の吐水方向)に対して前方および左に所定角度(本実施例では何れも45°)オフセットした方向を向く様に、LED21から約5mm図示右に離れて基板201に取り付けられ、右側の手検知エリアであるオフセットした方向に向かって赤外線を投光する。
【0018】ホトトランジスタ24は、真下(水流の吐水方向)に対して前方に所定角度(本実施例では65°)オフセットした方向を向く様に、LED21から約5mm後方(吐水口111方向)に離れて基板201に取り付けられ、食器・食材・調理具検知エリアや手検知エリア内に存在する物体(食器、食材、手)に反射して戻って来る反射光を捉える。そして、受光量に応じたレベルの出力を送出する。なお、LED21、22、23から出た光が直接、ホトトランジスタ24に入光しない様に、基板201に遮光体202を取り付けている。
【0019】コントローラ4は、LED駆動回路、物体検知回路、モード切り替え回路、およびバルブ駆動回路(何れも図示せず)を有し、水栓1の内部を通る被覆リード線41を介してセンサ2に電気接続される。LED駆動回路は、自動モード時にLED21、22、23に通電して発光させる。
【0020】物体検知回路は、ホトトランジスタ24が送出する出力が閾値を超えると、手検知エリア(左側、右側)、食器・食材・調理具検知エリアの何れか、または両方に物体(手、食器、食材)が存在すると判定する。モード切り替え回路は、水栓1の内部を通る被覆リード線42を介して手動切り替えスイッチ12に電気接続され、手動切り替えスイッチ12の操作に応じて運転モードを切り替える。バルブ駆動回路は、物体検知回路の判定結果に基づいてバルブ3を開閉する。なお、手動モード時には、LED駆動回路、物体検知回路、およびバルブ駆動回路への作動用電力の供給が断たれる。
【0021】本実施例の自動水栓Aは、以下の利点を有する。自動水栓Aは、真下(水流10の吐水方向)に向かって光を照射するLED21以外に、真下に対して、前方および右に何れも45°オフセットした方向と、前方および左に何れも45°オフセットした方向を向く様に、LED22、23を基板201に取り付け、手検知エリアであるオフセットした方向にも赤外線を投光している。
【0022】そして、真下に対して前方に65°オフセットした方向を向く様にホトトランジスタ24を基板201に取り付け、食器・食材検知エリアや手検知エリア内に存在する物体(食器51、食材、調理具、手52)に反射して戻って来る反射光をホトトランジスタ24で捉えている。
【0023】このため、自動モードにおいて、例えば、黒い食器51(光が反射し難い物体)、ガラスコップ(向きによってはセンサ2方向に光が戻ってこない物体)、またはストロー(反射量が少ない小さい物体)等を手52に持って水栓1の吐水口111に差し出しても、黒い食器51、ガラスコップ、またはストローを持つ手52を物体検知回路が検知するので吐水口111から吐水がなされるので使い勝手が良い。これは、食器・食材検知エリアからの反射光だけではホトトランジスタ24の出力が閾値に達しなくても、手検知エリア内に存在する手52からの反射光によって出力が加算されて閾値に達するためである。
【0024】また、ホトトランジスタ24を、真下に対して前方に65°オフセットして基板201に取り付けているので、一つのホトトランジスタ24で、食器・食材検知エリアおよび手検知エリアからの反射光を捉えることができる。これにより、センサ2を小容積(25×31×14)の透明樹脂ケース20内に納めることができ、ヘッド11の見栄えが良い。また、ホトトランジスタ24や信号処理回路が一つで済むので部品代を抑えることができる。
【0025】図3に示す様に手検知エリアを左右に設けているので、黒い食器51、ガラスコップ、またはストローを片手で持って水栓1の吐水口111に差し出しても、その手52を物体検知回路が検知して吐水口111から吐水がなされる。
【0026】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施態様を含む。
a.物体検知手段は、食器・食材検知エリアや手検知エリア内の物体を、超音波センサや微弱電波センサを用いて検出しても良い(請求項1に対応)。この場合には、食器・食材検知エリア内に位置する食器や食材(例えば、超音波を反射し難いスポンジ等)を、食器・食材検知エリアを受け持つ超音波センサや微弱電波センサで検知できなくても、手検知エリア内に位置する食器や食材を持つ手を手検知エリアを受け持つ超音波センサや微弱電波センサで検知することができる。これにより、吐水を確実に行うことができる。
【0027】b.吐水方向は、真下ではなく、前後に傾いていても良い。
c.プリズム等を利用して、一つの発光素子で、食器・食材検知エリアおよび手検知エリアの両エリアに光を投光しても良い(請求項2に対応)。
【0028】d.図5に示す様に、透明樹脂ケース20の基板に、LED21、22、23、およびホトトランジスタ24を配設しても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年5月23日(2000.5.23)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2001−329583(P2001−329583A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−151286(P2000−151286)