| 【発明の名称】 |
シングルレバー式水栓 |
| 【発明者】 |
【氏名】西岡 明
|
| 【要約】 |
【課題】小さい力で流量調節および止水を行うことができるとともに無駄な吐水を防止でき、また、長寿命化を図ることができるとともに、異音の発生を抑えることが可能なシングルレバー式水栓を提供する。
【解決手段】流量調整機構Cが、導入路2に連通する導入貫通孔10および導出路3に連通する導出貫通孔11を有する固定ディスク12と、この固定ディスクの上面に移動自在に設けられ、前記固定ディスクとの接合面に凹部13が形成された可動ディスク14と、前記固定ディスクおよび可動ディスクを支持する支持部材15と、上下方向の回動により前記可動ディスクを移動させる操作レバー16とを備え、前記操作レバーの回動により、前記可動ディスクを、前記凹部が前記導入貫通孔10を閉塞する閉塞位置と、前記凹部が前記導入貫通孔および導出貫通孔に跨がる開放位置とに移動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水栓基部と、この水栓基部によって保持される吐水管と、前記水栓基部から吐水管に送られる水の流量を調整するための流量調整機構とを備えたシングルレバー式水栓であって、前記水栓基部が、前記流量調整機構を保持するための保持部と、この保持部に水を導入するための導入路と、前記保持部からの水を前記吐水管に導出するための導出路とを有しており、また、前記流量調整機構が、前記導入路に連通する導入貫通孔および前記導出路に連通する導出貫通孔を有する固定ディスクと、この固定ディスクの上面に移動自在に設けられ、前記固定ディスクとの接合面に凹部が形成された可動ディスクと、前記固定ディスクおよび可動ディスクを支持する支持部材と、上下方向の回動により前記可動ディスクを移動させる操作レバーとを備え、前記操作レバーの回動により、前記可動ディスクを、前記凹部が前記導入貫通孔を閉塞する閉塞位置と、前記凹部が前記導入貫通孔および導出貫通孔に跨がる開放位置とに移動させることを特徴とするシングルレバー式水栓。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、操作レバーを上下方向に回動操作することにより吐水するシングルレバー式水栓に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、水道水などを吐水する水栓としては、回転式操作ハンドルによる自在水栓が一般的であり、たとえば図7に示すような構成になっている。すなわち、青銅鋳物からなる蛇口本体39は、後側に設けられた前後方向に給水部40と、中央部の上面に設けられた上下方向の取付部41と、前側に下方に湾曲して設けられた吐水部42とから構成され、前記給水部40に給水路43が形成され、前記取付部41の取付口44から前記吐水部42の吐水口45にかけて吐水路46が形成され、給水路43と吐水路46とを仕切った隔壁47に形成された連通孔48により、給水路43および吐水路46が連通している。 【0003】49は、取付部41の吐水路44内に挿通される上下方向の栓棒であり、上部が取付口44から上方に突出する。50は栓棒49の下側に形成された挿通孔であり、挿通孔50に棒体51が上下動自在に設けられ、この棒体51に円板状の台座52が固着され、台座52の下面に合成ゴムからなるパッキン53が設けられ、止水時、前記挿通孔50の周縁部に突設された環状の弁座54に圧接する。55は栓棒49に形成されたねじ部であり、取付部41の内面に螺合して吐水路46を閉塞する。 【0004】56は、栓棒49の上部が挿通される押さえ金具であり、内部に三角パッキン57が設けられ、このパッキン57が受板58により押さえ金具56内に支持されている。59は、操作ハンドルであり、ねじ60により栓棒49の上端部に固定され、押さえ金具56が蛇口本体39の取付部41に螺合し、栓棒49、パッキン57、押さえ金具56、操作ハンドル59からなる自在水栓本体61が蛇口本体39に取り付けられる。 【0005】そして、操作ハンドル59を左回転して緩めると、栓棒49が上方に移動し、パッキン57が水圧により押し上げられて弁座54から離脱し、蛇口本体39の給水路43から連通孔48を介して吐水路46に水が流れ、吐水路46の吐水口45から吐水される。また、前記操作ハンドル59を回動操作することによって吐水流量を適宜調節することができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の前記自在水栓の場合、操作ハンドル59の回動操作により流量調整を行っているため、前記操作に比較的大きな力が必要であり、また、操作ハンドル59の回動操作を繰り返すことによりゴム製であるパッキン57が劣化し、さらに、操作ハンドル59の回動操作に伴う摩擦により、異音が生じるという問題があった。 【0007】しかも、パッキン57が劣化すると、操作ハンドル59を締めつけても、完全に止水することができず、水漏れが生じ、止水する際、操作ハンドル59をきつく締めつける必要があるという問題もあった。 【0008】本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、小さい力で流量調節および止水を行うことができるとともに無駄な吐水を防止でき、また、長寿命化を図ることができるとともに、異音の発生を抑えることが可能なシングルレバー式水栓を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のシングルレバー式水栓は、水栓基部と、この水栓基部によって保持される吐水管と、前記水栓基部から吐水管に送られる水の流量を調整するための流量調整機構とを備えたシングルレバー式水栓であって、前記水栓基部が、前記流量調整機構を保持するための保持部と、この保持部に水を導入するための導入路と、前記保持部からの水を前記吐水管に導出するための導出路とを有しており、また、前記流量調整機構が、前記導入路に連通する導入貫通孔および前記導出路に連通する導出貫通孔を有する固定ディスクと、この固定ディスクの上面に移動自在に設けられ、前記固定ディスクとの接合面に凹部が形成された可動ディスクと、前記固定ディスクおよび可動ディスクを支持する支持部材と、上下方向の回動により前記可動ディスクを移動させる操作レバーとを備え、前記操作レバーの回動により、前記可動ディスクを、前記凹部が前記導入貫通孔を閉塞する閉塞位置と、前記凹部が前記導入貫通孔および導出貫通孔に跨がる開放位置とに移動させる(請求項1)。 【0010】上記の構成により、小さい力で流量調節および止水を行うことができるとともに無駄な吐水を防止でき、また、長寿命化を図ることができるとともに、異音の発生を抑えることが可能なシングルレバー式水栓を提供することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を、図を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一実施例に係るシングルレバー式水栓(以下、単に水栓という)Dの構成を概略的に示す縦断面図、図2(A)は、前記水栓基部Aおよび流量調整機構Cの構成を概略的に示す平面図、図2(B)は、前記水栓基部Aの構成を概略的に示す底面図、図3(A)は、前記水栓基部Aの前部の構成を概略的に示す縦断面図、図3(B)は、前記水栓基部Aの後部の構成を概略的に示す背面図である。水栓Dは、たとえば壁付タイプの単水栓であり、水栓基部Aと、この水栓基部Aによって保持される吐水管Bと、前記水栓基部Aから吐水管Bに送られる水の流量を調整するための流量調整機構Cとを備えている。 【0012】前記水栓基部Aは、前記流量調整機構Cを保持するための保持部1と、この保持部1に水を導入するための導入路2と、前記保持部1からの水を吐水管Cに導出するための導出路3とを有している。 【0013】前記保持部1は、凹入空間Sを形成する底壁部4および周壁部5からなる。前記底壁部4は、その平面視がたとえば円形状となるように形成されており、また、前記周壁部5は、前記底壁部4の周縁から上方に連設されている。なお、前記底壁部4は、水栓基部Aの外面よりも内側に凹んだ位置に設けられていてもよいが、このような構成に限るものではなく、水栓基部Aの外面とほぼ連続するような位置に設けられていてもよいし、水栓基部Aの外面よりも外側に突出した位置に設けられていてもよい。 【0014】また、前記底壁部4の上面には、平面視が環状の突設体4aが設けられており、この突設体4aの内側は前記導入路2に連通し、突設体4aの外側は前記導出路3に連通している。 【0015】前記導入路2の上流端部には、給水配管(図示せず)の下流端部に設けられた接続口(図示せず)に対して適宜の手段(たとえば螺着・シールテープなど)によって連通状態に固定される導入口部2aが設けられている。 【0016】前記導出路3は、前記吐水管Bが接続される導出口部3aと、上流端が前記凹入空間Sに連通し、下流端が前記導出口部3aに連通する複数の小径流路3b,3b…(図2(B)参照)とからなる。 【0017】前記吐水管Bの上流端部は、パッキン6aおよび保持部材6bを介して前記導出口部3aに回動可能に接続されており、前記パッキン6aおよび保持部材6bは、導出口部3aに螺着される袋ナット6cによって保持されている。 【0018】また、吐水管Bの下流端部には、その吐水口部7に整流器8を備えた樹脂性キャップ9が装着されている。 【0019】図4は、前記流量調整機構Cの構成を概略的に示す分解斜視図である。前記流量調整機構Cは、前記導入路2に連通する導入貫通孔10および前記導出路3に連通する導出貫通孔11を有する固定ディスク12と、この固定ディスク12の上面に移動自在に設けられ、前記固定ディスク12との接合面に凹部13(図1等参照)が形成された可動ディスク14と、前記固定ディスク12および可動ディスク14を支持する支持部材15と、上下方向の回動により前記可動ディスク14を移動させる操作レバー16とを備えている。 【0020】前記固定ディスク12は、セラミックからなり、前記導入貫通孔10をその中心部に有するとともに、前記導出貫通孔11を導入貫通孔10の側方に有している。また、その周縁部の対向する位置には、後述する支持部材15の係合片33,33に係止される係合凹部17,17が設けられている。 【0021】前記導入貫通孔10は、その下端開口が円形状であり、その上端開口は下端開口よりも面積が大きい楕円形状に形成されている。また、前記導出貫通孔11は、その上端開口および下端開口がほぼ三日月状で、上端開口が下端開口よりも面積が大きくなるように形成されている。 【0022】そして、上記の構成からなる固定ディスク12は、前記保持部1の底壁部4に設けられた突設体4aの内側に配置される環状の小パッキン18および前記底壁部4の周縁に配置される環状の大パッキン19の上面に配置される。 【0023】前記可動ディスク14は、前記固定ディスク12と同材質からなり、固定ディスク12に水密状態で摺動自在に上載され、前記凹部13を下面の中央部に有している。また、その周縁部の対向する位置には、係止凹部20,20が設けられており、この係止凹部20,20に係止する係止片21,21を両端に垂下状に有するガイド22が、可動ディスク14の上面に載設されている。 【0024】前記ガイド22は、たとえば合成樹脂材からなり、その上面には、突設体23が設けられている。この突設体23の中央部には、支持部24が設けられている。 【0025】前記支持部材15は、たとえば合成樹脂製であり、上部材25と、この上部材25に着脱自在に係止することが可能な下部材26とからなる。 【0026】前記上部材25は、下部の周縁部の対向する位置に垂下状に支持片27,27を有するとともに、上部には前記操作レバー16を支持するための支持体28を有している。 【0027】前記係合片27の下端部には、係止部27aが形成されている。 【0028】前記支持体28は、その上面の中央部にガイド孔29を有し、このガイド孔29に直交する位置に貫通孔30を有している。また、前記ガイド孔29の両側壁の対向する位置には、突条体31,31(図5(A)参照)が形成されている。 【0029】前記下部材26は、環状部材32と、この環状部材32の対向する位置に立設された係合片33,33とからなる。 【0030】前記係合片33の上端部には、前記上部材25の係合片27の係止部27aに係止させることが可能な係止部33aが形成されている。 【0031】上記の構成からなる支持部材15は、前記固定ディスク12、可動ディスク14およびガイド22を収容することができる。すなわち、前記上部材25と下部材26とを外してある状態で、たとえば下部材26内に固定ディスク12、可動ディスク14およびガイド22を順次収容し、その後、下部材26に上部材25を係止することで、支持部材15に、固定ディスク12、可動ディスク14およびガイド22を収容させることができる。そして、この収容状態にある支持部材15は、たとえば合成樹脂製のカバー34によって覆うことができる。 【0032】前記操作レバー16は、たとえば合成樹脂製であり、連動部材35およびガイド22を介して可動ディスク14と連動するように構成されている。 【0033】前記連動部材35は、たとえば金属材からなり、下部に軸孔35aを有するとともに、下端部に下端突子35bを有している。そして、前記支持体28の貫通孔30および軸孔35aを貫通するピン36によって、連動部材35は、その下部が前記支持体28のガイド孔29を挿通し、前記下端突子35bが前記ガイド22の支持部24に嵌入された状態に保持されることになる。また、連動部材35は、前記ピン36によって軸支される軸支部分に部分円弧面35cを有しており、この部分円弧面35cに前記支持体28の突条体31が摺接し、止水を司るように構成されている。 【0034】前記操作レバー16は、装着部16aと、この装着部16aの端部から前方へ延設された把持部16bとからなる。 【0035】前記装着部16aの内部には、前記連動部材35の上部が嵌合される保持部16cが形成されており、保持部16cの螺孔16dを挿通したネジ37が、連動部材35の嵌合凹部35dに係止することで、操作レバー16が連動部材35に固定され、操作レバー16を回動することにより、連動部材35およびガイド22を介して可動ディスク14が前後方向に移動する。 【0036】なお、38は、たとえば金属製のブッシングで、前記保持部1の周壁部4の上端部の内側に形成された雌ねじ部4aに螺合する雄ねじ部38aを外面に有している。 【0037】図5において、(A)は、前記流量調整機構の一部の構成を概略的に示す縦断面図であり、(B)は、(A)の切断側面図であり、(C)は、(A)のX−X線平面図であり、(D)は、(A)のY−Y線底面図である。次に、上記の構成からなる流量調整機構Cの動作について説明する。図1の実線は、止水状態にある水栓Dを示し、操作レバー16が下端に位置し、図6(A)に示すように、可動ディスク14の凹部13が固定ディスク12の導入貫通孔10を閉塞している。 【0038】この止水状態から操作レバー16を若干上方に回動すると、図5(A)に示すように、連動部材35が直立状態になり、可動ディスク14の凹部13が、固定ディスク12の導入貫通孔10および導出貫通孔11に跨がり、導出貫通孔11が半開状態になる。このとき、凹部13を介して導入貫通孔10および導出貫通孔11が連通し、導入路2から保持部1内に至った水が、少量だけ導出路3を通って吐水管Bに導出されることになる。 【0039】そして、前記操作レバー16をさらに上方に回動すると、図6(B)に示すように、可動ディスク14の凹部13が若干移動し、導出貫通孔11が全開状態になり、多量の水が吐水管Bに導出されることになる。 【0040】このように、操作レバー16の回動により、可動ディスク14の凹部13が移動し、固定ディスク14の導出貫通孔11の開放面積が調整され、吐出管Bに導出する水の流量を適宜調整することができる。 【0041】上記の構成からなる水栓Dでは、操作レバー16は上下方向に回動させる構成であることから、左右方向に回動させたり、軸芯まわりに回動させるタイプの水栓に比して、流量調整および止水のための操作をより小さい力で行うことが可能となる。 【0042】また、上記の構成からなる水栓Dにおいて、前記流量調整機構Cを構成する固定ディスク12および可動ディスク14がセラミックにより成形されていることから、水栓D自体の耐久性、耐熱性が向上し、長寿命化を図ることができるとともに、完全な止水を行え、水漏れを確実に防いで無駄な吐水を防止することができる。加えて、操作レバー16の操作に伴って、異音が発生することがほとんど無い。 【0043】さらに、上記の構成からなる水栓Dでは、流量調整機構Cを、吐水管Bを保持する水栓基部Aに無駄なスペースを設ける必要無く組み込むことが可能であることから、その構成をコンパクトなものとすることができる。 【0044】なお、上記の構成からなる水栓Dは、前記導入路2が水平に向く壁付タイプに限るものではなく、たとえば前記導入路2が鉛直方向に形成される竪付タイプであってもよい。 【0045】また、本発明にいう「水」は、湯を含む概念であり、本発明のシングルレバー式水栓Dは、給湯設備の下流側に設置して用いることもできる。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、小さい力で流量調節および止水を行うことができるとともに無駄な吐水を防止でき、また、長寿命化を図ることができるとともに、異音の発生を抑えることが可能なシングルレバー式水栓を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000144072 【氏名又は名称】株式会社三栄水栓製作所
|
| 【出願日】 |
平成12年5月24日(2000.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074273 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 英夫
|
| 【公開番号】 |
特開2001−329582(P2001−329582A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−153413(P2000−153413) |
|