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【発明の名称】 盗水防止機構を有する止水栓
【発明者】 【氏名】福嶋 徳介

【要約】 【課題】止水栓の盗水防止機能を高める。

【解決手段】保護筒3で、スピンドル10の先端部12よりも開口側には、保護筒3の内部空間を通って一方の周面から反対側の周面に至る貫通穴28が開けられている。その貫通穴には鍵30の棒32を通し、施錠することができる。施錠した状態では保護筒3の内部を棒32が横切るため、保護筒3の開口からスピンドル10の先端部12にハンドル軸16やその他の器具を挿入することができないため、この止水栓を開閉操作することができなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 止水栓本体内に弁が収容され、その弁を回転させるスピンドルの先端部が止水栓本体から突出し、前記スピンドルの先端部と結合してスピンドルを介して前記弁を回転させるハンドル軸が脱着可能に取りつけられるようになっている止水栓において、前記スピンドルの先端部の周囲を取り囲みスピンドルの先端部よりも高い高さをもち先端が開口した保護筒が止水栓本体に一体的に設けられ、その保護筒には前記スピンドルの先端部よりも先端側に内部空間を通る貫通穴が開けられており、その貫通穴に棒を通して施錠することにより前記ハンドル軸の挿入を阻止できるようにしたことを特徴とする盗水防止機構を有する止水栓。
【請求項2】 前記保護筒の内径は前記スピンドルの外径の最大径よりも大きい大きさをもっており、スピンドルは弁から取外し可能に設けられており、止水栓本体は弁を取出し可能な構造になっている請求項1に記載の止水栓。
【請求項3】 前記保護筒の先端部には蓋又は前記ハンドル軸の案内部材を脱着可能に取りつける機構が設けられている請求項1又は2に記載の止水栓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弁を回転させるハンドルを脱着可能にした盗水防止機構を有する止水栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】盗水防止又はいたずらによる開閉操作を防止するための止水栓として、通水を断続する弁の回転を行なうスピンドルの先端にスプラインを形成してそのスプライン部分を止水栓本体から突出させ、その突出部の側方にわずかな隙間を設けてその突出部を筒状のキャップで被ったものがある。その止水栓の弁を回転させるには、先端内側にスプラインをもつ筒状ハンドル軸をキャップの開口からスピンドル先端とキャップの隙間に挿入して、そのハンドル軸のスプラインとスピンドル先端のスプラインとを結合させることにより、スピンドルの回転を介して弁を回転させる。このように、そのハンドル軸がなければその止水栓を開閉することができないため、盗水やいたずらを防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのような止水栓は、スピンドル先端部のスプライン部とキャップとの間に挿入できる専用のハンドル軸がなければ開閉操作ができないようになってはいるものの、そのハンドル軸自体はそれほど特殊なものではなく、他の止水栓のハンドル軸を代用することが可能であるし、またそのようなハンドル軸に代わる器具を見つけることもそれほど困難なことではない。そのため、そのような盗水防止機構のみで盗水やいたずらを有効に防止することは容易ではない。本発明はそのような盗水防止機構を備えた止水栓の機能を更に高めることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となる止水栓は上に説明したような盗水防止機構を有する止水栓である。すなわち、本発明は止水栓本体内に弁が収容され、その弁を回転させるスピンドルの先端部が止水栓本体から突出し、そのスピンドルの先端部と結合してスピンドルを介して弁を回転させるハンドル軸が脱着可能に取りつけられるようになっている止水栓の改良に関するものである。そして、本発明では、スピンドルの先端部の周囲を取り囲みスピンドルの先端部よりも高い高さをもち先端が開口した保護筒が止水栓本体に一体的に設けられ、その保護筒にはスピンドルの先端部よりも先端側に内部空間を通る貫通穴が開けられており、その貫通穴に棒を通して施錠することによりハンドル軸の挿入を阻止できるようにしたものである。
【0005】この止水栓の開閉を阻止するときは、保護筒の貫通穴に棒を通して施錠しておく。施錠した状態では保護筒の中空部を棒が横切り、ハンドル軸の挿入を阻止する。この止水栓を開閉するときは、保護筒の貫通穴の施錠を解除する。これにより、保護筒の開口からハンドル軸を挿入してスピンドル先端部と結合させることができるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】止水栓は保守が必要になることがある。例えば、弁を取り出して修理をしたり交換する必要が生じることがある。弁を保守するために、スピンドルは弁から取外し可能に設けられており、止水栓本体は弁を取出し可能な構造になっていることが好ましい。その際、本発明の保護筒は、その内径をスピンドルの外径の最大径よりも大きい大きさをもったものとして、スピンドルを取りだすことができるようになっていることが好ましい。
【0007】保護筒はその先端が開口しているので、ハンドル軸を挿入していないときは、その開口を閉じて内部にごみなどが入らないようにしておくのが好ましい。そのために、保護筒の先端部には蓋を脱着可能に取りつける機構が設けられていることが好ましい。また、保護筒からスピンドルを取りだすことができるようになっている場合には、保護筒の内径はスピンドルの外径の最大径よりも大きくなっているので、ハンドル軸を挿入するときにはハンドル軸の案内部材を取りつけるのが好ましい。案内部材は保護筒の先端開口を閉じる蓋を取りつける機構に脱着可能に取りつけるようになっていることが好ましい。
【0008】
【実施例】図1に一実施例を示す。2は止水栓本体であり、内部に通水を断続するための連通穴をもつ球状の弁(ボール弁)4が収容されている。止水栓本体には入水ポート6と出水ポート8が設けられ、弁4の連通穴を介してつながるようになっている。入水ポート6は水道管本管側に連結され、出水ポート8は量水器に直接連結され、量水器を介して下流側の水道管に接続される。
【0009】止水栓本体2には通水方向と直交する方向に穴が開けられ、その穴にはスピンドル10が脱着可能に差し込まれている。スピンドル10の基端には突出部が形成され、その突出部が弁4に設けられた凹部と係合していることにより弁4と結合しており、スピンドル10を回転させることにより弁4を回転させることができるようになっている。スピンドル10には2つのOリング11が嵌め込まれており、スピンドル10が差し込まれている止水栓本体2の穴の内壁との隙間を封じて、弁4からの水漏れを防いでいる。
【0010】スピンドル10の先端部12にはスプラインが形成され、その先端部12が止水栓本体2から突出している。スピンドル10の回転範囲は通水を断続する90度の範囲であり、スピンドル10の回転範囲を90度に規制するために、スピンドル10には半径方向に突出した突出部18が設けられ、止水栓本体2には突出部18の回転方向に対する2個所の位置に突出部18と当接してスピンドル10の回転範囲を規制するストッパ20が設けられている。突出部18がストッパ20と当接することにより、スピンドル10は90度の範囲内でのみ回転が可能になっている。
【0011】スピンドル10の先端部12の周囲には止水栓本体2と一体となった保護筒3が設けられている。保護筒3はスピンドル10の先端部12を取り囲み、スピンドル10の先端部12よりも高い高さをもち、先端が開口している。保護筒3で、スピンドル10の先端部12よりも開口側には、保護筒3の内部空間を通って一方の周面から反対側の周面に至る貫通穴28が開けられている。その貫通穴28には鍵30の棒32を通し、施錠することができる。鍵30はどのような形式のものであってもよい。
【0012】保護筒3の内径はスピンドル10の外径の最大径、すなわち突出部18の中心からの大きさよりも大きい半径をもっている。そのため、スピンドル10を弁4から外し、止水栓本体2の穴から引き抜いたときに、スピンドル10を保護筒3の先端開口から取り出すことができる。保護筒3の先端部には蓋34を脱着可能に取りつける雄ネジ3aが設けられている。その雄ネジ3aに蓋34の雌ネジを螺合させることにより、保護筒3の開口を閉じることができる。
【0013】ハンドル14は弁4を回転させるためのものであり、そのハンドル軸16は筒状で、その先端内側にはスピンドル10の先端部12のスプラインと結合するスプライン溝17が形成されている。ハンドル軸16をスピンドル10の先端部12と結合させたとき、ハンドル軸16の軸方向を安定させるために、ハンドル軸16に案内部材15aが嵌め込まれている。案内部材15aは蓋34と同じ外形をなし、その中心部にハンドル軸16を案内する案内穴が開けられている。案内部材15aがハンドル軸16から抜け落ちないように、ハンドル軸16に段差15bが設けられ、案内部材15aはその段差15bとハンドル14の摘みとの間でのみ摺動可能になっている。
【0014】蓋34に代えて案内部材15aを保護筒3の先端部のネジ3aに螺合させていくと、ハンドル軸16の先端のスプライン溝17がスピンドル10の先端部12のスプラインと結合し、ハンドル14により安定してスピンドル10を回転させることができるようになる。
【0015】出水ポート8はネジにより止水栓本体2に結合されており、そのネジを戻すことにより出水ポート8を止水栓本体2から取り外すことができる。スピンドル10を止水栓本体2から引き抜いて弁4から外し、出水ポート8を止水栓本体2から取り外すと、弁4を止水栓本体2から取り出すことができる。弁4が故障したときは、このように止水栓本体2から取り出して修理をしたり交換したりすることができる。
【0016】次に、この止水栓の使用方法について説明する。止水栓本体2の入水ポート6を水道管に接続し、出水ポート8に量水器を経て水道管を接続する。この止水栓を開けた状態で使用しているとき、又は水を流さない閉の状態で放置しておくときは、保護筒3の開口端部のネジ3aに蓋34を設けて保護筒3の開口を閉じ、貫通穴28に鍵の棒32を通して施錠しておく。この状態では保護筒3の内部を棒32が横切っているため、保護筒3の蓋34を外しても、保護筒3の開口からスピンドル10の先端部12にハンドル軸16やその他の器具を挿入することができないため、止水栓を開閉操作することはできない。
【0017】この止水栓を使用するときは、鍵30を外し、蓋34を外して、保護筒3の開口からハンドル軸16を挿入し、案内部材15aを保護筒3の先端部のネジ3aに螺合させる。これにより、スピンドル10の先端部12のスプラインとハンドル軸16のスプライン溝17とが結合する。その後、ハンドル14を回転させればよい。
【0018】図2は他の実施例を示す。図1の実施例と比較すると、蓋34とハンドル軸の案内部材の構造が異なるが、他の構造は同じである。図1と同じ構造の説明は省略し、異なるところを説明する。ハンドル軸16の案内部材22は、この実施例ではハンドル軸16に取り付けられたものではなく、保護筒3の先端部のネジ3aに螺合されている。案内部材22の中心部の穴はハンドル軸16を案内するために保護筒3の内径よりも小さく開けられている。案内部材22の外側の先端部には、蓋34を螺合するための雄ネジ22aが設けられている。
【0019】この実施例では案内部材22は保護筒3の先端部に取り付けられており、スピンドル10を取り外すときに保護筒3から外される。図2の状態はこの止水栓を開けた状態で使用しているとき、又は水を流さない閉の状態で放置しておくときの状態であり、保護筒3の開口が蓋34で閉じられ、鍵30で施錠されている。
【0020】この止水栓を使用するときは、鍵30を外し、蓋34を外して、保護筒3の開口からハンドル軸16を挿入してスピンドル10の先端部12のスプラインとハンドル軸16のスプライン溝17とを結合させる。止水栓本体の形状は実施例のものに限らない。実施例では入水方向と出水方向が一直線上にあるが、互いに90度をなすような形式のものにも全く同様に適用することができる。
【0021】貫通穴28に棒を通して施錠する方法は、実施例のような鍵を用いるものに限らず、穴28に棒状の部材を通し、その部材が抜けないように施錠できるものであればよい。スピンドル先端部12とハンドル軸16とを機械的に結合させるためにスプラインとスプライン溝を使用しているが、セレーションや他の結合手段に代えてもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、止水栓の弁を回転させるスピンドルの先端部の側方を取り囲んで保護筒を設け、その保護筒の開口側に棒を通して施錠できるようにしたので、施錠した状態では保護筒にハンドルを挿入してスピンドルの先端部と機械的に結合してスピンドルを回転させることができなくなるため、盗水やいたずらをより有効に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】598046491
【氏名又は名称】株式会社相互技研
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】 【識別番号】100085464
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 繁雄
【公開番号】 特開2001−329581(P2001−329581A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−150243(P2000−150243)