| 【発明の名称】 |
給水配管の殺菌洗浄方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】富永 茂
|
| 【要約】 |
【課題】オゾン発生機の寿命に悪影響を与えないと共に装置を小型化できる配管洗浄方法を提供する。
【解決手段】水道用給水配管の殺菌洗浄方法において、給水を停止し量水器の二次側から圧縮空気を供給して給水配管に残留する水道水を給水栓から押し出し、ついで、量水器の二次側からオゾンガスを前記給水配管内に供給して給水配管内の水の被膜にオゾンガスを接触させ、それから、給水しながら圧縮空気を給水配管内に間欠供給する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水道用給水配管の殺菌洗浄方法において、給水を停止し量水器の二次側から圧縮空気を供給して給水配管に残留する水道水を給水栓から押し出し、ついで、量水器の二次側からオゾンガスを前記給水配管内に供給して給水配管内の水の被膜にオゾンガスを接触させ、それから、給水しながら圧縮空気を給水配管内に間欠供給することを特徴とする給水配管の殺菌洗浄方法。 【請求項2】前記給水栓を開として、前記給水配管に前記オゾンガスを供給する請求項1に記載の殺菌洗浄方法。 【請求項3】前記オゾンガスを、15g/m3以上の濃度で前記給水配管内に供給する請求項1又は2に記載の殺菌洗浄方法。 【請求項4】前記オゾンガスを供給する際、前記給水栓にオゾン分解器を装着させてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺菌洗浄方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】この発明は、戸建て住宅やマンション等の集合住宅の量水器から給水栓に至る水道用給水配管及び商用ビル等の共用給水管から分岐して布設される給水栓に至る水道用給水管の殺菌洗浄方法に関する。 【0002】 【従来の技術】建物に布設されている給水配管内部は、長期間使用するとさび、こぶ、スライム等が発生し、そのさび等が水道水の流れを阻害するばかりか、食物の味覚を落としたり、衛生的にも害をなすものであることは、良く知られている。 【0003】従来、このさび、こぶ、スライム等の洗浄除去方法としては、オゾン水やオゾン混和水を使用する方法が知られていた。 【0004】このようなオゾン水やオゾン混和水を使用する方法としては、平成8年9月11日付けの「週間公共住宅」に記載の“高圧オゾン洗浄工法”が広く行われていた。 【0005】この“高圧オゾン洗浄工法”は、メーター(量水器)を取り外して、バイパス管を接続し、同バイパス管路でオゾン水を形成させ、同オゾン水を圧力空気と共にエアーハンマー状態で給水管内に送り込み、オゾン水の酸化力を利用してさび、こぶ、スライム等を酸化して結合力を弱め、エアハンマーの水撃・攪拌作用によって、さび等を剥離除去させるものである。 【0006】図1は、上記従来法を示すものであり、水道本管1から分岐して布設される給水栓13に至る給水配管12を洗浄する従来工法での機器の配置例を示すものである。 【0007】この従来工法では、機器配置完了後、開閉弁2を開いて給水栓13から水道水を流し、一定時間オゾン水を通水することで配管内部のスライム等を酸化分解させる。その後、オゾン水を流しながら、断続的にエアコンプレッサー(空気圧縮機)11から圧縮空気投入器10を介して圧縮空気を投入し、スライム、錆等を除去するものである。 【0008】オゾン水を給水配管12に流す目的は、給水配管内壁に付着したスライム等の有機物に、オゾン水を接触させ、酸化分解させるためである。有機物に接触したオゾン水中の溶存オゾンは、酸化分解によって消費され、接触界面で濃度が低下し、酸化力が低下する。そのため効果的に殺菌洗浄するには、オゾン水を多量に流すか、高濃度のオゾン水を給水配管内に流す必要があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記従来法は、スライム等の酸化分解のため、高濃度のオゾン水が多量に必要とされるので、大型のオゾン発生機を準備する必要があったから、装置が大型化する問題があった。移動式洗浄工法においては、小型・軽量の要求が強いので、装置の大型化は大きな欠点であった。 【0010】そればかりか、圧縮空気をオゾン水に間欠的に投入するため、圧縮空気を投入する間は、オゾンガスの供給が停止するので、原料ガスが供給されない状態でオゾン発生機を運転するか、圧縮空気の投入と停止に同期させて、オゾン発生機を間欠運転する必要があった。そのため、オゾン発生機の寿命に悪影響を与える欠点があった。 【0011】この発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、オゾン発生機の寿命に悪影響を与えないと共に装置を小型化できる配管洗浄方法を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本発明の構成は、水道用給水配管の殺菌洗浄方法において、給水を停止し量水器の二次側から圧縮空気を供給して給水配管に残留する水道水を給水栓から押し出し、ついで、量水器の二次側からオゾンガスを前記給水配管内に供給して給水配管内の水の被膜にオゾンガスを接触させ、それから、給水しながら圧縮空気を給水配管内に間欠供給することを特徴とする。 【0013】要するに本発明は、オゾンガスを流している間は、圧縮空気を供給しないのでオゾン発生機の寿命に悪影響を与えないようにすると共に、水の被膜にオゾンガスを接触させることによって、少量のオゾンで短時間に殺菌洗浄し得るようにしたことを要旨とするものである。 【0014】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施形の形態を説明する。 【0015】本発明方法は、下記3つの工程からなる。 【0016】(A)給水を停止し、量水器の二次側から圧縮空気を供給して、給水配管に残留する水道水を給水栓から押し出す。 【0017】(B)量水器の二次側から、オゾンガスを前記給水配管内に供給して、給水配管内の水の被膜にオゾンガスを接触させ、スライム等の有機物を酸化分解させる。 【0018】(C)給水しながら圧縮空気を給水配管内に間欠供給して、給水配管内部に高速流水や乱流を発生させ、これらの物理力によって、スライムや錆を剥離、除去する。 【0019】上記工程を実施するには、量水器を取り外し、オゾンガスと圧縮空気を給水配管に注入するための給水管洗浄専用管路を形成して、配管系の着脱を行わずに順次(A)〜(C)の工程を行うのが好ましい。しかしながら、オゾンガス、圧縮空気及びオゾン水の供給口を逐次給水配管に接続して実施しても良い。 【0020】また、量水器の取り外しが困難な場合は、給水を停止し、量水器にもっとも近い給水栓から圧縮空気を供給して給水管内の水を押し出し、ついで同じ給水栓からオゾンガスを供給することも出来る。その後は、給水を開始して、同じ給水栓から圧縮空気を投入し、剥離、洗浄を行えば良い。 【0021】(B)工程では、複数本の給水栓を開き、複数本一括で給水配管内部の水を抜き、且つオゾンガスを通過させても良い。また、給水栓1本づつにオゾンガスを通過させても勿論良い。 【0022】(B)工程では、給水栓から排気されるオゾンガスによって、室内にオゾンガスが充満するので、給水栓の出口にオゾン分解器を取り付け、室内にオゾンガスが充満するのを防止するのが望ましい。 【0023】(B)工程では、給水配管内壁に付着した有機物を覆っている水分の薄膜にオゾンガスを溶解させているので、効率的に酸化分解を行うことが出来る。即ち、酸化分解によって消費された溶存オゾンの供給をバルクのオゾン水から溶液中の拡散によって供給する従来法よりも、有機物を覆っている水分の薄膜に直接オゾンガスを溶解させ、酸化分解によって消費された溶存オゾンを、オゾンガスから供給する本発明方法の方が遥かに効率的であるからである。 【0024】その結果、本発明によれば、小型のオゾン発生機を使用することで、従来の高濃度オゾン水と同等以上の酸化分解を実現でき、しかも短時間のオゾン接触によって、従来法と同程度の酸化分解を達することが出来ることが実験により確認されている。 【0025】B工程で給水配管にオゾンガスを供給するときは、給水栓は開とする必要があるが、オゾンガスの供給は連続でも断続でも良い。 【0026】本発明で使用するオゾンガス濃度は、15g/m3以上の濃度で前記給水配管内に供給するのが好ましい。これより薄い濃度であると、さび、こぶ、スライム等を短時間で充分に除去することが出来なくなる。 【0027】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する【実施例】図2に示すように、量水器3を取り外し、給水栓5本を有する戸建て住宅の給水管12に、逆止め弁4、オゾン供給機器及び圧縮空気供給機器で構成した給水洗浄管路を設置した。 【0028】オゾン供給機器は、逆止め弁7、オゾン発生機8、酸素ボンベ9及びオゾンガス濃度計15から構成される。オゾン発生機8、空気圧縮機11には、供給、停止を自動的に行うための電磁弁が設置されている。圧縮空気投入器10には、空気圧縮機11へ圧縮空気が逆流しないようにするための逆止め弁6が設置されている。 【0029】まず、開閉弁2を閉じて5本の給水栓13を全部開き、空気圧縮機11からの圧縮空気を約3分間間欠供給し、給水管12内の水を給水栓13から全て追い出した。 【0030】その後5本の給水栓の各1本づつを開いて、同様に圧縮空気を供給し、給水管12内に残留する水を確実に全て追い出した。 【0031】次に、圧縮空気の供給を止め、5本の給水栓13の1本だけを開とし、他の4本の給水栓13を閉じ、オゾン発生機8から濃度30g/Nm3 のオゾンガスを毎分3リットルの流量で3分間通過させた。 【0032】他の4本の給水栓13についても同様にオゾンガスを通過させ、オゾンガスの供給を停止させた。この時、給水栓の蛇口部には、マンガン触媒式のオゾン分解器14を取り付け、オゾンガスが部屋に充満しないように配慮した。 【0033】次に、オゾン分解器14を取り外し、開閉弁2を開き、5本の給水栓13から水を流し、同時に空気圧縮機11から圧縮空気を10分間間欠供給した(5秒供給―10秒停止を繰り返す)。通水流量は、流量計5によってモニターした。 【0034】間欠供給開始から約5分間は、給水栓13から流れ出る水に多量の赤錆が含まれていることが確認でき、時間の経過につれて着色が薄くなり、10分経過後には、目視では着色が確認できなくなった。 【0035】本実施例で使用したオゾン発生器のオゾン出力は、5.4g/hであり、移動には支障をきたさない大きさ・重量であり、洗浄時間も1時間以内で完了できた。 【0036】上記のようにして洗浄した給水配管を内視鏡で観察すると、オゾン水を使用した場合と同程度には洗浄されていることが観察された。 【0037】本発明においては、オゾン水を使用する方法のように、オゾンガスを流している間は圧縮空気を供給しないので、オゾン発生機の寿命に悪影響を与えない。 【0038】また、本発明においては、給水配管内の水の被膜にオゾンガスを接触させているので、少量のオゾンで短時間に殺菌洗浄することができ、使用するオゾン発生機を小型にすることができる。 【0039】 【発明の効果】以上のべた如く、本発明によれば、洗浄する給水配管の水の被膜に直接オゾンガスを接触させるので、少量のオゾンで短時間に殺菌洗浄することが出来るから、小型のオゾン発生機を使用することが出来、洗浄装置を小型化できる等、従来のオゾン水を使用する方法と比べてその利点は極めて大きい。 【0040】
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000232885 【氏名又は名称】株式会社ロキテクノ
|
| 【出願日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080274 【弁理士】 【氏名又は名称】稲垣 仁義
|
| 【公開番号】 |
特開2001−288790(P2001−288790A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−102605(P2000−102605) |
|