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【発明の名称】 放水機器の残水垂れ防止方法、残水垂れ防止性放水機器、並びに残水垂れ防止性放水機器用コーティング組成物
【発明者】 【氏名】伊藤 正昭

【氏名】石橋 弘孝

【氏名】一木 智康

【氏名】吉田 篤史

【氏名】安藤 正美

【氏名】林 浩一

【氏名】町田 光義

【氏名】早川 信

【要約】 【課題】残水垂れを生じにくい放水機器を提供すること。

【解決手段】開閉バルブと吐水口を有する放水機器において、給水バルブ閉止後にバルブと吐水口間に溜まる残水を速やかに排水又は止水可能な手段を設けることにより、長時間にわたって残水がたれるのを防止することを特徴とする放水機器の残水垂れ防止方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉バルブと吐水口を有する放水機器において、開閉バルブ閉止後にバルブと吐水口間に溜まる残水を速やかに排水又は止水可能な手段を設けることにより、長時間にわたって吐水口から残水が垂れるのを防止することを特徴とする放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項2】 前記手段は撥水性被膜及び/又は滑水性被膜であることを特徴とする請求項1に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項3】 前記手段は吐水口内面及び/又はその周辺に設けられていることを特徴とする請求項1乃至2に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項4】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、シリコーン含有被膜であることを特徴とする請求項2または3に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項5】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、フッ素樹脂及び/又はフッ素化合物を含有する被膜であることを特徴とする請求項2または3に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項6】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、シリコーン及びフッ素樹脂を含有する被膜であることを特徴とする請求項2または3に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項7】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、シリコーン及びフッ素化合物を含有する被膜であることを特徴とする請求項2または3に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項8】 前記撥水性被膜は、セリア及び/又はイットリア含有被膜であることを特徴とする請求項2または3に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項9】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜には、さらに抗菌剤が含有されていることを特徴とする請求項2乃至8に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項10】 前記撥水性被膜は水との接触角に換算して90度以上であることを特徴とする請求項2乃至9に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項11】 前記撥水性被膜及び滑水性皮膜は、50mm3の水滴の転落角に換算して10度以下であることを特徴とする請求項2乃至7および請求項9に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項12】 前記撥水性被膜及び滑水性皮膜は、20mm3の水滴の転落角に換算して20度以下であることを特徴とする請求項2乃至7および請求項9に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項13】 前記放水機器はカランであることを特徴とする請求項1乃至12に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項14】前記放水機器はシャワーであることを特徴とする請求項1乃至12に記載の放水機器の残水垂れ防止方法。
【請求項15】 開閉バルブと吐水口を有する放水機器において、開閉バルブ閉止後にバルブと吐水口間に溜まる残水を速やかに排水又は止水可能な手段が設けられていることを特徴とする残水垂れ防止性放水機器。
【請求項16】 前記手段は撥水性被膜及び/又は滑水性被膜であることを特徴とする請求項15に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項17】 前記手段は吐水口内面及び/又はその周辺に設けられていることを特徴とする請求項15または16に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項18】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、シリコーン含有被膜であることを特徴とする請求項16または17に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項19】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、フッ素樹脂及び/又はフッ素化合物を含有する被膜であることを特徴とする請求項16または17に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項20】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、シリコーン及びフッ素樹脂を含有する被膜であることを特徴とする請求項16または17に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項21】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜は、シリコーン及びフッ素化合物を含有する被膜であることを特徴とする請求項16または17に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項22】 前記撥水性被膜は、セリア及び/又はイットリア含有被膜であることを特徴とする請求項16または17に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項23】 前記撥水性被膜及び滑水性被膜には、さらに抗菌剤が含有されていることを特徴とする請求項16乃至22に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項24】 前記撥水性被膜は水との接触角に換算して90度以上であることを特徴とする請求項16乃至23に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項25】 前記撥水性被膜及び滑水性皮膜は、50mm3の水滴の転落角に換算して10度以下であることを特徴とする請求項16乃至21および請求項23に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項26】 前記撥水性被膜及び滑水性皮膜は、20mm3の水滴の転落角に換算して20度以下であることを特徴とする請求項16乃至21および請求項23に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項27】 前記放水機器はカランであることを特徴とする請求項15乃至26に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項28】 前記放水機器はシャワーであることを特徴とする請求項15乃至26に記載の残水垂れ防止性放水機器。
【請求項29】 常温硬化性シリコーンを含有してなることを特徴とする、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜を形成するための、残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項30】 常温硬化性フッ素樹脂を含有してなることを特徴とする、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜を形成するための、残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項31】 常温硬化性シリコーンと、フッ素樹脂を含有してなることを特徴とする、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜を形成するための、残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項32】 さらに抗菌剤を含有することを特徴とする請求項29乃至31に記載の残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項33】 前記コーティング組成物により形成した撥水性被膜の表面は水との接触角に換算して90度以上を呈することを特徴とする請求項29乃至32に記載の残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項34】 前記コーティング組成物により形成した撥水性被膜及び滑水性被膜の表面は50mm3の水滴の転落角に換算して10度以下であることを特徴とする請求項29乃至32に記載の残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項35】 前記コーティング組成物により形成した撥水性被膜及び滑水性被膜の表面は20mm3の水滴の転落角に換算して20度以下であることを特徴とする請求項29乃至32に記載の残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物。
【請求項36】 請求項29乃至35に記載の放水機器を作製可能とするコーティング組成物を、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に適用する工程、前記コーティング組成物を硬化させる工程を含む放水機器の残水垂れ防止方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉バルブと吐水口を有する放水機器において、開閉バルブ閉止後にバルブと吐水口間に溜まる残水が連続的或いは断続的に垂れるのを防止する放水機器に関する。また、残水垂れ防止性放水機器を作製可能とするコーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】放水機器の開閉バルブを閉じると水は止まる。しかし、吐水口内に溜まった水が吐水口先端から連続的又は断続的に垂れることがある。このような水垂れは使用者が不快に感じるだけでなく、洗面器内などに水の垂れた筋状の汚れ(水垢)が付着する場合もある。水垢は一定の決まった箇所に付着する傾向があり、この水垢汚れは、界面活性剤、弱酸、弱アルカリ等の洗剤をタワシやブラシに付けて強く陶磁器表面をこする方法では充分に除去することができない。また、水垂れを止めようとして開閉バルブを必要十分以上の力で閉止する場合があり、落としコマ式の水栓ではバルブのゴムシートのへたりを早めてしまう悪影響を及ぼすことも考えられる。従来では残水垂れを防止するような技術は少なく、カラン用スパウトの先端に整流網を取り付け、水の表面張力を利用して吐水口内に空気が入りにくくする構造にすることで水垂れを防止している方法がある程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シャワーや整流網のない放水機器では水垂れが断続的に生じるため前記した問題を生じる。一方、整流網を具備したカランを有する放水機器では残水垂れには効果的だが整流網は本来吐水流を整流にするために使用する物である。水垂れを防止するにはある程度以下の網目サイズにするか網を2〜3枚重ねる必要があるため吐水時の抵抗が大きくなり、流量が減少するという問題がある。そこで、本発明では、上記不具合の生じにくい放水機器を提供することを目的とする。また、残水垂れ防止性放水機器のコーティング組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記した放水機器の吐水口から生じる残水垂れは以下のような理由で生じると考えられる。
(1)開閉バルブを閉じるとバルブと吐水口間に残水が溜まる。残水は吐水口先端で水の表面張力によりとどまろうとするが、吐水口内に空気が入ると残水が押し出されて垂れ出てくる。
(2)更に残った水が吐水口内を伝って先端に集まり表面張力以上の重力が働くと水滴として垂れる。従って、残水垂れを生じなくするには、水が残らないように排水されるか、残水を吐水口で止水することが最もよい方法であると考えられる。
【0005】本発明では、上記メカニズムに関する考察に基づいて、給水バルブと吐水口を有する放水機器において、給水バルブ閉止後にバルブと吐水口間に溜まる残水を速やかに排水又は止水可能な手段を設けることにより、長時間にわたって水が垂れるのを防止することを特徴とする放水機器における残水垂れ防止方法、及び、給水バルブ閉止後にバルブと吐水口間に溜まる残水を速やかに排水又は止水可能な手段が設けられていることを特徴とする残水垂れ防止性放水機器を提案する。
【0006】本発明の好ましい態様においては、上記残水垂れを防止すべく、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜を形成することを特徴とする放水機器の残水垂れ防止方法、及び吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜が形成されていることを特徴とする残水垂れ防止性放水機器を提供する。撥水性および滑水性被膜が形成された部分は、表面エネルギーの違いから撥水性及び滑水性被膜が形成されていない部分より供給される水をその境界部分で止水又は排水する効果を発現する。また、撥水性および滑水性被膜が形成された部分は、水が滞留せずに流れ落ちる。したがって、洗面設備に具備された放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜が形成されているようにすることにより放水機器の吐水口から断続的な残水の垂れが生じ難くなる。
【0007】また、本発明では、常温硬化性シリコーン、又は、常温硬化性フッ素樹脂、若しくはフッ素樹脂と常温硬化性シリコーンを含有してなることを特徴とする、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に撥水性被膜及び/又は滑水性被膜を形成するための、放水機器用コーティング組成物及び上記コーティング組成物を、放水機器が有する吐水口内面及び/又はその周辺に適用する工程、前記コーティング組成物を硬化させる工程を含む放水機器への残水垂れ防止方法を提供する。硬化成分に常温硬化性物質を用いてコーティングすることで、既存の放水機器の吐水口内面においても残水垂れを生じにくくさせることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的構成について説明する。本発明の放水機器(図1)としては、その吐水方式や形状は以下に限定されるものではないが、例えば、図2に示したカラン、シャワー、口内洗浄器(図示せず)、トイレタンク用手洗い水栓(図示せず)等であり、その吐水口としては蛇口、スパウト、散水板等が好適に利用可能である。
【0009】本発明における吐水口内面とは、例えばカランおよび口内洗浄器では吐水口の噴出口及びその内面であり、その周辺とは更に整流板なども含む。シャワーでは吐水穴の内面であり、その周辺とは散水板の表面、裏面およびそれに相当する部位を指す。
【0010】本発明における撥水性被膜とは、接触角測定器による水との接触角が90度以上である被膜をいう。好ましくは110度以上であり、より好ましくは140度以上である。
【0011】本発明における滑水性被膜とは、例えば、フッ素系高分子とシリコン系樹脂をグラフトさせ、かつ親水性原子団を結合させてナノ層分離構造を構成した被膜、水酸基含有シロキサンポリマーと架橋剤から構成された被膜、又はゾルーゲル法で製膜された被膜表面をCH3―基とCF3―基を持つシラン誘導体で修飾した構成を持つ被膜等であり、50mm3の水滴の転落角に換算して10度以下、好ましくは5度以下、より好ましくは1度以下の被膜をいう。より好適には20mm3の水滴の転落角に換算して20度以下、好ましくは10度以下、より好ましくは5度以下の被膜である。
【0012】本発明におけるシリコーン含有被膜とは、シリコーン中のケイ素原子に1つ以上の有機基が結合されているシリコーン、すなわち、平均組成式RpSiXqO(4−p−q)/2(式中、Rは、炭素数1〜18の一価の有機基、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、p及びqは、0<p<2、0<q<4、0<p+q<4を満足する数である)で表されるシリコーンを硬化させて得た被膜である。
【0013】また、本発明における放水機器用コーティング組成物において、常温硬化性シリコーンとは、シリコーン中のケイ素原子に1つ以上の有機基が結合されているシリコーン、すなわち、平均組成式RpSiXqO(4−p−q)/2(式中、Rは、炭素数1〜18の一価の有機基、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、p及びqは、0<p<2、0<q<4、0<p+q<4を満足する数である)で表される常温で硬化して被膜形成可能なシリコーンである。
【0014】上記シリコーンは、2官能シラン誘導体モノマー(分子当り2個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に2つの酸素原子が結合した2官能シロキサン結合を形成するモノマー)及び/又は3官能シラン誘導体モノマー(分子当り3個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に3つの酸素原子が結合した3官能シロキサン結合を形成するモノマー)を必須成分とし、必要に応じて4官能シラン誘導体モノマー(分子当り4個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に4つの酸素原子が結合した4官能シロキサン結合を形成するモノマー)を配合させた組成物を、加水分解、縮重合させることにより得られる。
【0015】ここで、2官能シラン誘導体としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン等が好適に利用できる。
【0016】3官能シラン誘導体としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリtーブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリtーブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリtーブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリtーブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリtーブトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリtーブトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリtーブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリtーブトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリtーブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリtーブトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルトリtーブトキシシラン、γーアミノプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、γーアミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γーアミノプロピルトリtーブトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γーメルカプトプロピルトリtーブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリtーブトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリtーブトキシシラン等が好適に利用できる。
【0017】4官能シラン誘導体としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラtーブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】上記シリコーンのうち、γーグリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)基、γー(メタ)アクリロキシ基等を有するものは、シロキサン架橋以外の有機架橋が形成可能であり、常温硬化性を得る上で好ましい。
【0019】また、常温硬化性を高めるために、硬化剤を添加してもよい。硬化剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性化合物類;n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンベンタミン、エタノールアミン類、γーアミノプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロピルトリメトキシシラン、γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン化合物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン化合物;アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物;錫アセチルアセトナート、ジブチル錫オクチレート等の錫化合物;コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート等の含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、pートルエンスルホン酸、トリクロル酢酸等の酸性化合物類などが好適に利用できる。
【0020】更に、硬化被膜の硬度、耐擦傷性を向上させるために、或いは、高屈折率化させて光沢性を向上させるために、金属酸化物微粒子を添加してもよい。金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アンチモン、酸化鉄、酸化チタン、希土類酸化物等が利用できる。
【0021】常温硬化性シリコーンを含有する放水機器用コーティング組成物においては、コーティング組成物の保存安定性を向上させるために非水系の溶媒に分散されているのが望ましい。非水系の溶媒としては、アルコール、ケトン、エステル、トルエン、キシレン、ヘキサン等が好適に利用できる。
【0022】本発明の請求項18に係る放水機器の製造方法は、鋳造、管材加工、射出成形などで作製された放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に上記シリコーンを含有する塗料を塗布した後に、シリコーンを硬化させることによる。吐水口内面及び/又はその周辺に塗布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマスキングして行う。塗布する方法としては、ディッピング、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。また、シリコーンの硬化には、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法が利用できる。
【0023】本発明におけるフッ素樹脂含有被膜に用いられるフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレンー六フッ化プロピレンコポリマー、エチレンーポリ四フッ化エチレンコポリマー、エチレンーポリ塩化三フッ化エチレンコポリマー、四フッ化エチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテルーフルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステルーフルオロオレフィンコポリマー等が好適に利用できる。
【0024】本発明におけるフッ素化合物含有被膜に用いられるフッ素化合物には、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ジルコニウム、フッ化ハフニウム、フッ化マンガン、フッ化鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッケル、フッ化銅、フッ化アルミニウム、フッ化ガリウム、フッ化インジウム、フッ化ビスマス、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジウム、フッ化ネオジウム、フッ化サマリウム、フッ化ユーロピウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウム等が好適に利用できる。
【0025】本発明の請求項19に係る放水機器の一実施態様においては、放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺にフッ素樹脂を含有する被膜を形成する。上記放水機器の一製造方法は、鋳造、管材加工、射出成形などで作製された放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に上記フッ素樹脂を含有する塗料を塗布した後に、フッ素樹脂を硬化させることによる。吐水口内面及び/又はその周辺に塗布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマスキングして行う。塗布する方法としては、ディッピング、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。また、フッ素樹脂の硬化にも、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法が利用できる。
【0026】本発明の請求項19に係る放水機器の一実施態様においては、放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺にフッ素化合物を含有する被膜を形成する。上記放水機器の一製造方法は、鋳造、管材加工、射出成形などで作製された放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に上記フッ素化合物を含有する塗料を塗布した後に、フッ素化合物を硬化させることによる。吐水口内面及び/又はその周辺に塗布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマスキングして行う。塗布する方法としては、ディッピング、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。
【0027】本発明の請求項20に係る放水機器の一実施態様においては、放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺にシリコーンとフッ素樹脂を含有する被膜を形成する。ここで、シリコーン及びフッ素樹脂には、上記で例示したものが好適に利用できる。特にシリコーンとフッ素樹脂との合計重量に対するフッ素樹脂の重量が40%以上であると、水との接触角が150度以上の超撥水性を呈するので好ましい。本発明の請求項20に係る放水機器の一製造方法は、鋳造、管材加工、射出成形などで作製された放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に上記シリコーン及びフッ素樹脂を含有する塗料を塗布した後に、シリコーンを硬化させることによる。吐水口内面及び/又はその周辺に塗布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマスキングして行う。塗布する方法としては、ディッピング、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。シリコーンの硬化にも、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法が利用できる。
【0028】本発明の請求項21に係る放水機器の一実施態様においては、放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺にシリコーンとフッ素化合物を含有する被膜を形成する。ここで、シリコーン及びフッ素化合物には、上記で例示したものが好適に利用できる。特にシリコーンとフッ素化合物との合計重量に対するフッ素化合物の重量が40%以上であると、水との接触角が150度以上の超撥水性を呈するので好ましい。本発明の請求項21に係る放水機器の一製造方法は、鋳造、管材加工、射出成形などで作製された放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に上記シリコーン及びフッ素化合物を含有する塗料を塗布した後に、シリコーンを硬化させることによる。吐水口内面及び/又はその周辺に塗布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマスキングして行う。塗布する方法としては、ディッピング、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。シリコーンの硬化にも、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法が利用できる。
【0029】本発明の請求項22に係るの一実施態様においては、放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に、セリア及び/又はイットリアを含有する被膜を形成する。セリア及び/又はイットリアを含有する被膜を形成すると、その被膜は製造直後は親水性を呈するが、暫く放置すると撥水性を呈する。従って、放水機器の吐水口から断続的な残水垂れが生じ難くなる。本発明の請求項22に係る放水機器の一製造方法は、鋳造、管材加工などで作製された放水機器の吐水口部品の内面及びその周辺に上記セリウム及び/又はイットリウムのアルコキシドを含有する塗料を塗布した後に、300〜500度の温度で焼成することにより被膜を付けることによる。吐水口内面及び/又はその周辺に塗布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマスキングして行う。塗布する方法としては、ディッピング、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り、フローコート、バーコート等の周知の方法が利用できる。
【0030】本発明の放水機器における撥水性被膜又は放水機器用のコーティング組成物には、抗菌剤が含有されていてもよい。抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属及びその化合物微粒子またはシリカゲルやゼオライトなどの担体へ担持物、第四級アンモニウム塩、ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、イソチアゾール誘導体、チアジチアゾール誘導体、トリアジン誘導体、スルホン誘導体、フェノール誘導体、フェノールエステル誘導体、ピロール誘導体等が好適に利用できる。また、抗菌剤を撥水性又は滑水性被膜と組み合わせて使う場合、撥水性又は滑水性であるために水滴が残存しにくく、水が無い場所では細菌は生育できないことから、より高い抗菌効果を期待することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、放水機器の残水垂れ防止が可能となる。また、残水垂れ防止性放水機器が提供可能となる。さらに、残水垂れ防止性放水機器用のコーティング組成物を提供可能となる。さらに、上記コーティング組成物を用いて、放水機器の水垂れを生じにくくさせる方法を提供可能となる。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−288788(P2001−288788A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2000−102249(P2000−102249)