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【発明の名称】 ディスポーザー設置用キッチン
【発明者】 【氏名】矢田 洋平

【氏名】玄 晴夫

【要約】 【課題】室内や隣戸へのディスポーザー音の伝搬を、低域の音の伝搬をも含めて、効果的に抑えることができるようにすること。

【解決手段】シンク5が、ディスポーザー2から伝えられる振動によって振動するのを抑える制振シンクに構成されているディスポーザー設置用キッチン1によって解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シンクが、ディスポーザーから伝えられる振動によって振動するのを抑える制振シンクに構成されていることを特徴とするディスポーザー設置用キッチン。
【請求項2】 シンク本体の背面に制振層が設けられて制振シンクに構成されている請求項1に記載のディスポーザー設置用キッチン。
【請求項3】 シンク本体が0.5〜2.5mmの範囲の厚さ寸法のステンレス鋼板からなる請求項1又は2に記載のディスポーザー設置用キッチン。
【請求項4】 シンク本体が制振鋼板からなる請求項1又は2に記載のディスポーザー設置用キッチン。
【請求項5】 シンク本体に制振用のマスが設けられて制振シンクに構成されている請求項1乃至4のいずれか一に記載のディスポーザー設置用キッチン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスポーザー設置用キッチンに関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】キッチンにおける生ゴミ処理のための設備機器であるディスポーザーが、ゴミの低減やキッチンの衛生に大いに役立つものとして、特に集合住宅を中心として広く普及していく傾向にある。
【0003】しかしながら、ディスポーザーは、キッチンのシンクの下の収納空間部内に設置され、シンクの排水口を通じて投入した生ゴミを粉砕して処理するものであるため、生ゴミを粉砕する時に発する騒音が室内や隣戸に伝わってうるさく、そのため、この騒音をいかに小さく抑えるかという解決すべき課題がある。
【0004】この課題解決に向けて、従来より、ディスポーザーへの生ゴミ投入部に付ける蓋に改良を加えたり、ディスポーザーを防振支持するようにしたり、ディスポーザーへの給水機構に工夫を加えたり、ディスポーザー本体の構造を改善することなどが行われている。
【0005】しかしながら、いずれの方法も、ある程度の効果はみられるものの、必ずしも、満足のいくような騒音防止効果を得られるとは言い難い。特に、ディスポーザーが魚や鶏の骨などの比較的かたいものを粉砕する時に生じる低域の音は、蓋を防音蓋にしたり、給水機構に改良を加えたり、ディスポーザー本体を改良しただけではなかなか抑えられない。また、ディスポーザーの防振支持によって低域の音の伝搬を制御しようとすると、その構造は非常に複雑なものになってしまう。
【0006】本発明は、上記のような問題点に鑑み、室内や隣戸へのディスポーザー音の伝搬を、低域の音の伝搬をも含めて、効果的に抑えることができるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題において、本発明者らは、研究を重ねた結果、ディスポーザーからの音の振動がシンクに伝えられ、シンクが振動することによって、音が室内や隣戸に伝搬していく、これが騒音の大きな原因の一つとなっている事実を突き止めた。そして、この事実解明に基づき、ディスポーザーからの音の振動によってシンクが振動してしまうのを抑えることで、室内や隣戸への音の伝搬を効果的に抑えることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】即ち、上記の課題は、シンクが、ディスポーザーから伝えられる振動によって振動するのを抑える制振シンクに構成されていることを特徴とするディスポーザー設置用キッチンによって解決される。
【0009】このディスポーザー設置用キッチンでは、ディスポーザーから生じる音の振動がシンクに伝えられても、シンクは、その振動によって振動するのを抑えるように作用する。これにより、室内や隣戸へのディスポーザー音の伝搬を、低域の音の伝搬をも含めて、効果的に抑えることができる。
【0010】特に、シンクそれ自体を制振シンクとしているから、ディスポーザーから固体(例えば、ディスポーザーとシンクとの接続部分など)を通じてシンクに伝わる振動はもとより、ディスポーザーから空気を通じてシンクに伝わる振動をもシンクで減衰させてシンクの振動を抑えることができ、シンクを通じた室内や隣戸への音の伝搬を効果的に抑えることができる。
【0011】シンクを、シンク本体の背面に制振層を設けて制振シンクとする場合は、シンク本来の使い勝手を損なわせることなく、シンクの振動を効果的に抑制することができる。制振層は、例えば、シート状の制振材をシンク本体の背面部に接合したり、あるいは、塗布型制振材をシンク本体の背面部に塗布することなどによって形成することができる。
【0012】シンク本体を0.5〜2.5mmの範囲の厚さ寸法のステンレス鋼板からなるものとすることでシンクを制振シンクとする場合は、シンク本体それ自体で自らの振動を抑えることができ、しかも、シンクを構造的にしっかりとしたものにすることができる。厚さ寸法が0.5mmを下回って小さいと十分な制振効果を得にくくなり、2.5mmを上回って大きいと、シンク本体の加工が難しくなったり、重量が大きくなりすぎて取扱いに支障を生じたりすることがある。好ましくは、厚さ寸法は0.8mm以上、より好ましくは1.0mm以上であるのがよい。また、上限は2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下であるのがよい。
【0013】また、シンク本体を制振鋼板からなるものとすることでシンクを制振シンクとする場合は、シンク本体を厚さ寸法の大きいものにしなくとも、また、シンク本体の重量を小さく抑えつつ、自らの振動を効果的に抑えることができる。
【0014】また、シンクを、シンク本体に制振用のマスを設けて制振シンクとする場合は、制振しようとする特定周波数の振動にねらいを定めてその周波数の振動を集中的に制振することができ、従って、とりわけ骨類などのかたいものを粉砕する際の低域の音による騒音の伝搬を効果的に抑えることが可能となる。このマス方式は、上記の制振層式ものや、厚肉式のもの、制振鋼板式のものなどとの組み合わせにおいて用いると、より一層効果的である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1(イ)に示す第1実施形態において、1はディスポーザー設置用キッチン、2はディスポーザーである。キッチン1は、その背面側を隣戸3との界壁4に沿わせるように設置されており、ディスポーザー2は、キッチン1のシンク5の下方に設けられている収納空間部6内のスペースを利用して設置されて、シンク5の排水口に接続され、生ゴミをこの排水口を通じてディスポーザー2内に投入できるようになっている。
【0017】上記のキッチン1において、シンク5は、ステンレス鋼板からなるシンク本体7の背面に制振層8が設けられているもので、これにより、ディスポーザー2から伝えられる振動によって振動するのを自ら抑える制振シンクに構成されている。本実施形態では、この制振層8は、シート状制振材からなっており、このシート状制振材8をシンク本体7の背面に貼り付けて接合することによって設けられている。シート状制振材8としては、鉄、鉛などの比重の大きい成分を含む各種シートが用いられてよく、特に制限はない。ただ、シンク本体7の背面側の形状は、必ずしも平坦ではないので、シンク本体7の背面形状に沿いうるような柔軟で弾力性のあるシートを用いるとよい。なお、予め、シンク本体7の背面側の形状に対応するような形状に成形した制振シートを用い、これをシンク本体7の背面側に接合するようにしてもよい。
【0018】上記のキッチン1では、ディスポーザー2で生ゴミを粉砕している間にディスポーザー2から発せられる音の振動は、ディスポーザー2とシンク5とを接続している部分や、ディスポーザー2の周囲の空気を通じてシンク5に伝えられるが、シンク5は、制振層8を備えた制振シンクに構成されているので、ディスポーザー2からの音の振動によって振動するのが抑えられる。これにより、ディスポーザー2からの音の振動が、シンク5を通じて室内や隣戸3に伝えられるのを抑えることができて、室内や隣戸7へのディスポーザー音の伝搬を、低域の音の伝搬をも含めて、効果的に抑えることができる。しかも、シート状制振材8は、シンク本体7の背面に取り付けられているから、シンク本来の使い勝手を損なわせることもない。
【0019】図1(ロ)に示す第2実施形態のキッチン1では、シンク5を、シンク本体7の背面側に塗布型制振材9を塗布して、制振シンクに構成したものである。塗布型制振材9は広く提供されており、各種塗布型制振材が用いられてよい。制振層を塗布型制振材9で形成することにより、シンク本体7への制振層9の形成を容易に行うことができる。
【0020】図2(イ)に示す第3実施形態のキッチン1では、シンク本体7の背面側に制振用の錘10…を設けることで、シンク5を制振シンクに構成したものである。このキッチン1では、錘10の重さや、数、配置関係を設定することにより、制振しようとする特定周波数の振動にねらいを定めてその周波数の振動がシンク5を通じて室内や隣戸3に伝わるのを抑えることができる。従って、骨類を粉砕する際の低域の音による騒音の伝搬を効果的に抑えるようにすることができる。
【0021】図2(ロ)に示す第4実施形態のキッチン1では、図1(イ)に示す第1実施形態のキッチン1の制振シンク5に、制振用錘10…を設けたものである。この制振シンク5では、シート状制振材8による制振作用と、制振錘10…による特定周波数の振動抑制作用とにより、シンク5を通じた室内や隣戸3へのディスポーザー音の伝搬を、低域の音の伝搬をも含めて、効果的に抑えることができる。
【0022】図3(イ)に示す第5実施形態のキッチン1では、シンク本体7を形成しているステンレス鋼板の厚さ寸法を、例えば1.2mmの厚肉に設定することで、シンク本体7そのものを制振材として機能させるようにしているものである。シンク5を通じた振動の伝搬を簡素な構造で抑制することができる。
【0023】図3(ロ)に示す第6実施形態のキッチン1は、シンク本体7が、鋼板間に粘弾性樹脂層を挟み込んで接合した制振鋼板11からなっている。シンク本体7の重量をさほど大きくすることなく、効果的に振動を抑えることができる。
【0024】因みに、キッチンのシンクを、制振シンクにした場合と、普通のシンクにした場合とについて、ディスポーザーの騒音低減効果を比較したところ、図4に示すような結果を得た。この結果より、キッチンのシンクを制振シンクにするこで、ディスポーザーからの騒音を効果的に低減しうるのがわかる。
【0025】以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、シンクを制振シンクにするいくつかの例を示したが、これらに限られるものではなく、要は、シンクが、ディスポーザーから伝えられる振動によって振動するのを抑える構造となされていればよい。また、本発明のディスポーザー設置用キッチンは、集合住宅に限らず、戸建て住宅のキッチンや、各種厨房に広く用いることができるものであることはいうまでもない。また、制振用の錘を使用したシンクの自己制振手段は、上記の第2、第5及び第6の各実施形態のキッチンのシンクにおいて用いられてよいし、また、第1、第2の実施形態におけるような制振層を、第5及び第6の各実施形態におけるシンク本体に設けるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】上述の次第で、本発明は、以上のとおりのものであるから、室内や隣戸へのディスポーザー音の伝搬を、低域の音の伝搬をも含めて、効果的に抑えることができる。のみならず、キッチン側の改善によるものであるため、市販のディスポーザーすべてに対して騒音低減効果を発揮することができる。しかも、シンクへのディスポーザーの取付け構造を複雑化させてしまうこともない。
【出願人】 【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
【出願日】 平成12年3月8日(2000.3.8)
【代理人】 【識別番号】100104525
【弁理士】
【氏名又は名称】播磨 祐之
【公開番号】 特開2001−254418(P2001−254418A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−63677(P2000−63677)