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【発明の名称】 コンクリート駆体貫通排水管の改修方法
【発明者】 【氏名】川島 清

【要約】 【課題】集合住宅等におけるコンクリート駆体に埋設された旧鉄管の排水管を、住人が居住したまま短期間かつ低コスト、低騒音で、新しい排水管に改修する改修方法を提供する。

【解決手段】コンクリート駆体を貫通する旧鉄管を、コンクリート駆体の両側端で切断した後、コンクリート駆体を貫通する旧鉄管の内側に旧鉄管よりも長いステンレス管を挿入し、そのステンレス管に新しい排水管を接続することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート駆体を貫通する旧鉄管をコンクリート駆体の両側端で切断してスリーブとした後、そのスリーブの内側にスリーブよりも長いステンレス管を挿入し、そのステンレス管に新しい排水管を接続することを特徴とするコンクリート駆体貫通排水管の改修方法。
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート駆体貫通排水管の改修方法に関する。
【従来の技術】従来の30年位前に建てられた、団地等の集合住宅等における排水管の一例は、図5に示すように配管されている。図5は隣接する二戸の家Aと家Bとの排水管の配管状態を示す平面図である。この二戸の家A、Bの水周りの配置は、コンクリートの壁1を挟んでほぼ対称の間取りになっている。すなわち、A1は家Aの浴室であり、B1は家Bの浴室であり、A2は家Aの洗面器A3を備えた洗面所であり、B2は家Bの洗面器B3を備えた洗面所である。又A4は家Aの流しA5を備えた台所であり、B4は家Bの流しB5を備えた台所である。2は家Aに設けた継手であり、この継手2には排水管3と排水管4と排水管5とが接続されている。そして排水管3には、家Aの浴室A1からの排水管6と台所A4からの排水管7とが接続されている。また、排水管4には継手8が接続され、この継手8には家Aの洗面所A2から予めの排水管9と、家Aと家Bとを仕切るコンクリートの壁1に埋設された鋼管からなる排水管10が接続されている。この排水管10は、家Aと家Bとの間の壁1となるコンクリートを打ち込む前に予め配管しておき、その後壁1となるコンクリートを流し込んで埋設されているか、あるいは、コンクリートを打ち込む時に予め配管用の捨て穴(コンクリートスリーブ)を形成しておき、その捨て穴に排水管10を配管し、その後捨て穴と排水管10の外周との隙間にコンクリートを打ち込んで埋設されている。さらにこの排水管10の家B側には排水管11が接続され、この排水管11には、家Bの洗面所B2からの排水管12と、家Bの浴室B1からの排水管13と台所B4からの排水管14とが接続されている。また前記の継手2に接続した排水管5は、家Aの化粧タイル15Aが張られた床15から各階の床を縦方向に貫通させて配管した縦排水管16に接続されている。そしてこの縦排水管16は、各階を仕切る床15のコンクリートを流し込む前に予め配管しておき、その後に各階の床となるコンクリートを流し込んで埋設されているか、あるいは、コンクリートを打ち込む時に予め配管用の捨て穴(コンクリートスリーブ)を形成しておき、その捨て穴に排水管16を配管し、その後捨て穴と排水管16の外周との隙間にコンクリートを打ち込んで埋設されている。このように配管された排水管は、鋼管の配水管の内部に錆が発生して腐するとともに、台所の配水管から排出される油や洗剤等がこの錆と結合し固形化してスケールとなって配水管が詰まり、筑後20年から30年が経過すると、配水管の閉塞率が30%から60%にも達してしまい、極端な場合には水周りから排水が溢れ出てしまうことがある。このため排水管の閉塞率を低くし、排水の効率を高めるために、トーラーや高圧洗浄によりスケールを除去しようとするが、これらの手段によるスケールの除去にも限界があり、最終的には排水管を新しいものに交換する必要がある。
【発明が解決しようとする課題】この古い排水管を新しい排水管に交換するには次のような問題が発生する。すなわち、図5に示す排水管10と縦排水管16とは、家と家とを仕切る壁1や各階を仕切る化粧タイル15Aが張られた床15のコンクリートの中に強固に埋設固定された状態にある。このため、これらの排水管を除去するには、それらの排水管の周囲にあるコンクリートを削岩機等により壊して取り出す必要がある。しかしながら、この排水管の取り出し工事は、乾式工事の場合大きな騒音や振動が発生し、居住者の生活環境を著しく阻害するとともに、取り出す排水管周囲の化粧タイル15A等の多大な破損や床面の防水層の破損を伴う危険性もある。また、湿式取り出し工事(コア抜き機械)による場合も、機械の設置スペースの制限もあり、また機械操作で使用する水の階下への漏水を防止する手段を用意しなければならない。仮にそれらの騒音や振動や漏水等を我慢したとしても、長時間の工事のため仮排水を別途に設けないと、工事期間中の居住者の生活が出来ないこともあり、また居住者の家庭に病人等がいる場合、一時避難を余儀なくされされる場合もある。また、排水管の取り出しのために損傷されたコンクリートの埋め戻しや、破損した化粧タイル15Aの復旧補償には、多大な費用と労力を要し、経済的負担が増大する問題がある。 また、工事期間中他の住居を借りる場合には、工事費の他に家賃が必要になり、経済的負担が増大する問題がある。
【課題を解決するための手段】この発明はこれらの問題を解決するために、コンクリート駆体を貫通する旧鉄管をコンクリート駆体の両側端で切断しスリーブとした後、そのスリーブの内側にスリーブよりも長いステンレス管を挿入し、そのステンレス管に新しい排水管を接続する改修方法とした。
【発明の実施形態】以下この発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。この発明における家Aと家Bとの全体の配管状態は、前述した図5に示す従来の配管状態と同一なので、それらの部分には図5で説明した従来と同じ部品番号にアルファベットを付してその説明を省略し、従来とは異なる部分のみを説明する。まず図5に示す従来の排水管の状態から、コンクリートを貫通する旧鉄管の排水管10を、コンクリート駆体としての壁1の両側端C−C,D−Dで切断しスリーブ状にするとともに、縦排水管16も図4に示すコンクリート駆体としての床15の上下の両側端E−E,F−Fで切断しスリーブ状にする。そして切断した上記の継手や排水管はすべて廃棄し、これにより壁1には図1に示す旧のスリーブ状の排水管10と、床15には図4に示す旧のスリーブ状の縦排水管16だけが残る。なお、切断して廃棄する継手や排水管の構造と寸法等は予めわかっているので、排水管10と縦排水管16とを切断する前に、廃棄する予定の継手や排水管の構造と寸法が同じ構造と寸法を持つ新しい排水管を予め準備し、それらの新しい継手や排水管には、従来の部品番号と同じ番号にAまたはBのアルファベット付して図示してある。次に、壁1に残った旧の排水管10と、床15に残った旧の縦排水管16との中をボーリングしその中に付着したスケールを除去する。次に、ボーリングが完了した壁1に残った旧の排水管10の中に、それらの排水管10と縦排水管16の内径よりも外径が若干小さい薄肉のステンレス管17を、図2に示すように挿入し、その切断したそれらの端面にコーキング剤21を塗布する。次いで、家Aと家Bとの排水管の配管は、予め準備した廃棄する予定だった継手や排水管の構造と寸法とが同じ構造と寸法を持つ新しい排水管を、図2に示す継手18、19とにより、ステンレス管17に図3に示すように接続する。また、各階を仕切るコンクリートの床15の縦排水管16への配管は、図4に示すように、各階を仕切るコンクリートの床15に残された縦排水管16に、それらの縦排水管16、16を貫通し、縦排水管16の内径よりも外径が若干小さい薄肉のステンレス管17を図4に示すように挿入し、切断した縦排水管16の端面にコーキング剤21を塗布する。また、そのステンレス管17には、各階において、予め準備した廃棄する予定だった排水管5と同じ構造と寸法を持つ新しい排水管5Aを、図4に示すように継手20により接続する。従って前述したように、切断して廃棄する継手や排水管の構造と寸法は予めわかっているので、排水管10と縦排水管16とを切断する前に、廃棄する予定の継手や排水管の構造と寸法が同じ構造と寸法を持つ新しい排水管とステンレスの縦排水管とを予め準備しておけば、この発明の排水管の取り替え工事は、下記の作業のみで完了する。すなわち、壁1のコンクリートを貫通する排水管10の両側端C−C,D−Dを切断する作業と、床15のコンクリートを貫通する縦排水管16の床15の上下の両側端E−E,F−Fで切断する作業と、壁1と床15に残った排水管10と縦排水管16との内部のスケールを除去する作業と、それらの内部にステンレス管17を挿入してコーキング剤を塗布する作業と、それらステンレス管17に予め準備した新しい排水管を接続する作業とにより完了する。
【発明の効果】以上のようにこの発明は、排水管の交換工事の工事期間が極めて短縮され、コストが著しく低減される効果があるとともに、騒音や振動が発生しないから生活環境が悪化することがない等の効果がある。また、住人が居住したままで交換工事が出来るので、工事期間中転居する必要が無いから、経済的にも負担が軽減される効果がある。さらに、ステンレス管は腐蝕することが無いから、耐久性にも優れる効果があるとともに、ステンレス管の肉厚が鋼管や樹脂管や複合管等の他の配管材に比較して極めて薄く、充分な強度と耐火性があるため、従来の排水管の内部にインサート施工されても、排水に必要な断面積は高比率で維持され、中古住宅の閉塞が進んだ排水管と比較して、多大な排水路の確保が可能となる効果がある。またこの工法は、住人が居住したまま手早く排水管の交換が出来る効果が得られるとともに、壁面や床面等の住宅施設を損傷することがないから、経済的負担が極めて小さくなる効果がある。
【出願人】 【識別番号】500180525
【氏名又は名称】川島 清
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−254414(P2001−254414A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−112768(P2000−112768)