| 【発明の名称】 |
集合住宅の配管構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】駒田 俊行
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| 【要約】 |
【課題】階高を高くすることのなく、配管のメンテナンスに別の住戸内での工事を不要とし、メンテナンス性に優れた配管構造を提供する。
【解決手段】建物躯体1の共用部分30に、互いに上下階に並ぶ複数の住戸2に沿って各階部分を貫通した竪配管スペース3を設ける。各住戸2の床スラブ4に、この床スラブ4の下面に梁状に張り出して上面が溝状の配管ピット5となるピット形成部6を設ける。ピット形成部6は、衛生設備7〜11の設置部31の近傍から竪配管スペース3に延びて設ける。配管ピット5内には、設備配管15,16のうちの排水管や汚水管となる横引き配管15b,16bを収納する。配管ピット5には床材と同様な表面の蓋18を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数階の集合住宅において、建物躯体に、互いに上下階に並ぶ複数の住戸に沿って各階部分を貫通した竪配管スペースを共用部分に設け、前記各住戸の床スラブに、この床スラブの下面に梁状に張り出して上面が溝状の配管ピットとなるピット形成部を、衛生設備の設置部の近傍から前記竪配管スペースに延びて設け、前記竪配管スペースに設置された設備配管の竪管と前記衛生設備とに接続される横引き配管を前記配管ピット内に設け、この配管ピットに蓋を設けた集合住宅の配管構造。 【請求項2】 前記ピット形成部を、隣合う住戸間の界壁に沿って設けた請求項1記載の集合住宅の配管構造。 【請求項3】 前記ピット形成部を、下階の住戸の間仕切壁に沿って設けた請求項1記載の集合住宅の配管構造。 【請求項4】 前記ピット形成部を廊下幅に相当する横断面幅とした請求項1記載の集合住宅の配管構造。 【請求項5】 各階の住戸における前記配管ピット形成部を、納戸または収納家具の設置される収納空間内に設けた請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の集合住宅の配管構造。 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の集合住宅の配管構造を備えた集合住宅であって、階高が2650〜2850mmである集合住宅。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はマンション等の集合住宅の配管構造に関する。 【0002】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、マンション等の集合住宅における汚水管や排水管等の設備配管は、上下に並ぶ住戸を貫通して配管されている。そのため、配管のメンテナンスおよび更新では、別の住人の住戸内での工事が必要になるという問題点があった。 【0003】また、近年、長寿命の集合住宅として、住人の世代変化等に応じた間取り等の自由性を得るため、躯体部分(スケルトン)と、住人の希望通りに変更できる部分(インフェル)とを分離したスケルトン・インフェル分離思想のものが提案されている。このような集合住宅では、二重床構造として、その床下に横引き配管類が設けられる。しかし、このような二重床構造の集合住宅では階高が高くなり、法規上で建物全体の高度規制や日陰規制のある地区では、建てられる階の数が少なくなるばかりか、コスト増にもなる。例えば、通常では階高が2750mm程度で済むところが、3000mm以上必要になってしまう。 【0004】さらに、床スラブ内の空間(ボイド工法等で生じる空間)を横引き配管,配線類に利用することも提案されているが、汚水管や排水管は管径が大きいため、このような空間に通すことが難しい。床スラブ内の空間にこのような汚水管や排水管を通すようにすると、床スラブの全体厚さが厚くなりすぎ、コスト増となるうえ、階高も高くなるという問題が生じる。 【0005】この発明は、このような課題を解消し、配管のメンテナンスに別の住人の住戸内での工事が不要で、階高を高くすることのない配管が可能な集合住宅の配管構造を提供することを目的とする。この発明の他の目的は、一般的な階高としながら、配管のメンテナンスに別の住人の住戸内での工事が不要な集合住宅を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明の集合住宅の配管構造は、複数階の集合住宅において、建物躯体に、互いに上下階に並ぶ複数の住戸に沿って各階部分を貫通した竪配管スペースを共用部分に設ける。前記各住戸の床スラブに、この床スラブの下面に梁状に張り出して上面が溝状の配管ピットとなるピット形成部を、衛生設備の設置部の近傍から前記竪配管スペースに延びて設ける。前記配管ピット内には、前記竪配管スペースに設置された設備配管の竪管と前記衛生設備とに接続される横引き配管を設け、この配管ピットに蓋を設ける。上記共用部分は、例えば共用の廊下に面する部分等が好ましい。この構成によれば、竪配管は共用部分に設置され、各住戸の横引き配管は、その住戸の床スラブに設けた配管ピット内に設けられるため、別の住戸内での工事が不要となる。また、横引き配管は、溝状の蓋付きの配管ピット内に配置されるため、蓋を開けることで、容易に横引き配管のメンテナンスを行うことができる。配管ピットを形成したピット形成部は、床スラブの下面に突出するが、梁状に張り出すだけであるため、下階の住戸の室内からは、梁型等のように突出するだけであり、下階の住戸の居住空間への影響が少ない。そのため、階高を高くしないで済ませることができる。 【0007】上記構成において、前記ピット形成部を、隣合う住戸間の界壁に沿って設けても良い。この構成の場合、ピット形成部における下階の天井面への張出部分が、隣合う住戸間の界壁に沿うことになるので、壁際に沿った梁型のように突出するだけとなる。そのため、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。また、前記ピット形成部は、下階の住戸の間仕切壁に沿って設けても良い。この構成の場合も、ピット形成部における下階の天井面への張出部分が、壁際に沿うことになるので、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。また、前記ピット形成部を廊下幅に相当する横断面幅としても良い。この構成の場合、ピット形成部における下階の天井面への張出部分が、廊下の天井部となる。廊下は、天井高さが若干低くなっても、実用上の支障が少ない。そのため、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難い。また、廊下の天井面が全幅に渡って低くなるため、ピット形成部が目立たない。また、各階の住戸における前記ピット形成部を、納戸または収納家具の設置される収納空間内に設けても良い。収納空間は、天井付近の高さ部分は人の手が直接に届かず、使い難いため、天井高さが若干低くなっても影響が少ない。そのため、このように収納空間に配管ピットを配置することで、下階への影響をできるだけ少なくしてピット形成部を設けることができる。 【0008】この発明の集合住宅は、この発明の上記のいずれか構成の配管構造を備えるものであって、階高を2650〜2850mmとしたものである。階高は2750mm程度が最も好ましいが、その上下100mm程度の違いがあっても良い。この発明の集合住宅によると、この発明の配管構造を採用するため、一般的な2650〜2850mmの階高としながら、配管のメンテナンスに別の住戸内での工事が不要なものとできる。 【0009】 【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1〜図6、および図9,図10と共に説明する。まず、図9,図10と共に概略構成を説明する。この集合住宅の配管構造は、複数階の集合住宅において、建物躯体1に、互いに上下階に並ぶ複数の住戸2に沿って、各階部分F1〜Fnを貫通した竪配管スペース3を、共用廊下等の共用部分30に設ける。各住戸2の床スラブ4に、この床スラブ4の下面に梁状に張り出して上面が溝状の配管ピットとなるピット形成部6を設ける。ピット形成部6は、水廻り設備の設置部31の近傍から竪配管スペース3に延びて設ける。建物躯体1は、例えば鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造とされるが、鉄骨造であっても、これらが併用された構造であっても良い。図示の例では、各階部分F1〜Fnに複数の住戸2が一列に並んで設けられて、これら複数の住戸2に沿って、共用廊下が設けられたものとされている。共用廊下となる共有部分30は、建物躯体1の片面に設けられ、他の片面にはバルコニー32が設けられている。 【0010】図1は、1つの住戸2の一部を示す平面図である。住戸2には、共用廊下等となる共用部分30に、竪配管スペース3が設けられている。この竪配管スペース3は、住戸2の共用廊下に面する壁面から住戸2側へ凹む平面配置とされ、その壁面は共用廊下に開口していて、開閉蓋(図示せず)が設けられている。また、竪配管スペース3は、メーターボックス(図示せず)等の取付スペースを兼用する。各住戸2の床スラブ4には、図2,図3に斜視図で示すように、その床スラブ4の下面に梁状に張り出して上面が溝状の配管ピット5となるピット形成部6が設けられている。このピット形成部6は、住戸2内の浴槽7,洗い場8,洗面器具9,流し台10,便器11等の衛生設備の設置部31の近傍から、竪配管スペース3に延びて設けられている。この実施形態では、ピット形成部6の大半部が、隣合う住戸2,2間の界壁12に沿って設けられいる。ピット形成部6の残る一部は、収納空間であるウォークインクローゼット13と、浴槽7とを仕切る間仕切壁14に沿って設けられている。また、ピット形成部6のうち、衛生設備の設置部31に近い部分は、ウォークインクローゼット13等となる収納空間内に設けられている。ピット形成部6の設けられた部屋26は、例えば子供部屋等とされる。 【0011】ピット形成部6は、図4に断面図で示すように、床スラブ4および界壁12と一体に形成され、内部に鉄筋が配筋される。このピット形成部6は、例えば、床スラブ4のハーフプレキャストコンクリート版4a上に、現場打ちコンクリート部4bを打設して、界壁12と共に床スラブ4を形成するときに、これら床スラブ4および界壁12と一体に形成される。 【0012】図1〜図3に示すように、配管ピット5内には、竪配管スペース3に設置された設備配管の竪管15a,16aと、各衛生設備(浴槽7,洗い場8,洗面器具9,流し台10,便器11等)とに接続される横引き配管15b,16bが設けられる。ここでは、設備配管の中で管径の大きい配管である排水管15および汚水管16の横引き配管15b,16bが、配管ピット5内に設置される。排水管15の横引き配管15bは、浴槽7,洗い場8,洗面器具9および流し台10に接続される。汚水管16の横引き配管16bは便器11に接続される。 【0013】配管ピット5には、図3に示すように蓋18が設けられる。この蓋18は、配管ピット5が配置される住空間の床面材17と同一の表装面とした蓋18が、床面材17と同一平面となるように開閉自在に設けられ、蓋18がその住空間の床面材の一部に兼用される。なお、床スラブ4における、浴槽7,洗い場8,洗面器具9,流し台10,便器11等の衛生設備の設置部分と配管ピット5との間には、床面が浅く凹んだ配管用の床面凹み部4c(図5)が設けられている。例えば、図1に示すように、流し台10を設置した場所が、配管ピット5の配置された他の衛生設備の配置部から廊下25を介した部分である場合に、その廊下25を横断するように、床面凹み部4cが設けられる。この床面凹み部4cに、流し台10に接続される横引き管15bが配管されている。この床面凹み部4cは、その近傍の床面材17と同一表装面とした蓋18で、床面材17と同一平面となるように閉じられる。 【0014】排水管15および汚水管16以外の設備配管(例えば、給水管,ガス管,電気配線用管等)は、図6に示すように、床スラブ4に形成した空間20内に挿通することにより配管される。この空間20は、例えばボイド工法により形成される。具体例を挙げると、下向き溝形に屈曲させた仕切りボード21をハーフプレキャストコンクリート版4a上に設置し、現場打ちコンクリート部4bを打設することにより、前記空間20が形成される。 【0015】この集合住宅の配管構造によると、設備配管の一部である管径の大きい排水管15および汚水管16の横引き配管15b,16bが、上下階に並ぶ複数の住戸2の共用部分である竪配管スペース3での竪管15a,16aから延びて、前記配管ピット5内に設けられ、その配管ピット5に蓋18が設けられる。そのため、これらの配管のメンテナンスは、自分の住戸2内の配管ピット5の蓋18を開いて行うことができ、従来の場合のような別の住人の住戸2内での工事は不要となる。また、配管ピット5となるピット形成部6は、床スラブ4の下面に梁状に張り出すだけであるため、階高を高くしないで済ませることができる。例えば、2750mm程度の階高としても十分であり、二重床とする場合の3000mm以上の階高の場合に比べて、同じ建物高さでも階数を多くとることができ、また低コストで済む。 【0016】ピット形成部6は、この実施形態では、その大半部が隣合う住戸2,2間の界壁11に沿って設けられるので、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。ピット形成部6の残りの部分も、間仕切壁14に沿うように収納空間であるウォークインクローゼット13内に設けられるので、この部分が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。 【0017】図7は他の実施形態を示す。この実施形態では、図1におけるピット形成部6が、納戸または収納家具の設置される収納空間23内に設けられている。そのピット形成部6が、界壁12に沿って設けられることや、その他の構成は図1の実施形態と同様である。 【0018】この実施形態では、ピット形成部6における下階の天井面への張出部分が、収納空間23の天井部となるので、上階の住戸2のピット形成部6が下階の住戸2の住空間の妨げと成り難く、またより一層目立ち難い。 【0019】図8はさらに他の実施形態を示す。この実施形態では、図1におけるピット形成部6が、玄関24および廊下25と、これに隣接する部屋26とを仕切る間仕切壁14に沿って部屋26の内側に設けられている。その他の構成は図1の実施形態と同様である。 【0020】この実施形態では、ピット形成部6における下階の天井面への張出部分が、間仕切壁14に沿うことになるので、上階の住戸2のピット形成部6が下階の住戸2の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。 【0021】なお、ピット形成部6は、このほか、例えば廊下幅に相当する横断面幅としてもよい。例えば、図8の実施形態において、部屋6内に配置されていたピット形成部6を、廊下25に配置する。このようにした場合には、ピット形成部6における下階の天井面への張出部分が、廊下の天井部となるので、上階の住戸2のピット形成部6が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、またより一層目立ち難い。 【0022】 【発明の効果】この発明の集合住宅の配管構造は、複数階の集合住宅において、建物躯体に、互いに上下階に並ぶ複数の住戸に沿って各階部分を貫通した竪配管スペースを共用部分に設け、前記各住戸の床スラブに、この床スラブの下面に梁状に張り出して上面が溝状の配管ピットとなるピット形成部を、衛生設備の設置部の近傍から前記竪配管スペースに延びて設け、前記竪配管スペースに設置された設備配管の竪管と前記衛生設備とに接続される横引き配管を前記配管ピット内に設け、この配管ピットに蓋を設けたため、配管のメンテナンスに他の住戸内での工事が不要で、メンテナンスが行い易く、また階高を高くすることなく、メンテナンス性の優れた配管が可能となる。前記ピット形成部を、隣合う住戸間の界壁に沿って設けた場合は、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。前記ピット形成部を、下階の住戸の間仕切壁に沿って設けた場合も、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、また目立ち難い。前記ピット形成部を廊下幅に相当する横断面幅とした場合は、ピット形成部における下階の天井面への張出部分が、廊下の天井部となり、また廊下の天井が全幅に渡ってピット形成部となるので、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、またより一層目立ち難い。各階の住戸における配管ピット形成部を、納戸または収納家具の設置される収納空間内に設けた場合は、ピット形成部における下階の天井面への張出部分が、収納空間の天井部となるので、上階の住戸のピット形成部が下階の住戸の住空間の妨げと成り難く、またより一層目立ち難い。この発明の集合住宅は、この発明の上記のいずれか構成の配管構造を備えるものであって、階高を2650〜2850mmとしたものであるため、一般的な階高としながら、配管のメンテナンスに別の住戸内での工事が不要なものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390037154 【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月14日(2000.3.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086793 【弁理士】 【氏名又は名称】野田 雅士 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−254413(P2001−254413A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−70121(P2000−70121) |
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