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【発明の名称】 給水栓
【発明者】 【氏名】坪田 充夫

【氏名】須藤 崇宏

【氏名】大野 正

【氏名】横井 博

【氏名】松村 義弘

【氏名】安達 正範

【要約】 【課題】把手部を有し、給水栓本体に突設されて回動操作されるハンドルを備えた給水栓において、給水栓全体の意匠性を確保しつつ安全性も確保できるようにする。

【解決手段】給水栓本体10と、把手部32を有し、給水栓本体10に突設されて回動操作されるハンドル30と、を備えた給水栓である。ハンドル30の回動操作により形成される給水栓本体10と把持部32との間隙にハンドル30を操作する手の指が挟まれるのを防止する防止手段35を、ハンドル30又は給水栓本体10の少なくとも一方に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給水栓本体と、把手部を有し、前記給水栓本体に突設されて回動操作されるハンドルと、を備えた給水栓において、前記ハンドルの回動操作により形成される前記給水栓本体と前記把持部との間隙にハンドルを操作する手の指が挟まれるのを防止する防止手段を、ハンドル又は給水栓本体の少なくとも一方に備えたことを特徴とする給水栓。
【請求項2】 前記防止手段は、指と干渉して該指を給水栓本体側に突出し難くする突出防止部であることを特徴とする請求項1に記載の給水栓。
【請求項3】 前記防止手段は、前記間隙に指が侵入可能な状態において、該間隙の角度を45度以上とする広角形成部であることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の給水栓。
【請求項4】 前記把手部は開口部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の給水栓。
【請求項5】 前記ハンドルは給水栓本体の側方に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の給水栓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本各発明は、給水栓本体と、把手部を有し、前記給水栓本体に突設されて回動操作されるハンドルと、を備えた給水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】給水栓の中には、例えば、図6に示すように、把手部32を有するハンドル30を給水栓本体10より突設させたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この給水栓においては、ハンドル30の回動操作により形成される給水栓本体10と把手部32との間隙に指を挟み込むことがある。例えば、このハンドル30が、図7(a)に示すように、把手部32の上面を給水栓本体10の上面12と面一とした「元の状態」から、図7(b)に示すように、給水栓本体10の上面12の上方へと傾動させた「他の状態」へと操作されるものであると仮定する。かかる場合には、把手部32を他の状態から元の状態へと復帰操作する際に、図7(b)及び(c)に示すように、操作する手の指80が給水栓本体10の上面12と把手部32の下面との間隙に侵入して挟み込まれることがある。従って、この種の給水栓は、安全性の面で改良する余地がある。
【0004】尚、ハンドル30を給水栓本体10より十分に離間する状態に配置すれば、指80が挟み込まれることが無く、安全ではある。しかし、この態様によると、給水栓本体10とハンドル30との一体感が損なわれ、給水栓全体の意匠性を確保することが困難となる。
【0005】本各発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、給水栓全体の意匠性を確保しつつ安全性も確保できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、先ず、請求項1の発明が採った手段は、「給水栓本体と、把手部を有し、前記給水栓本体に突設されて回動操作されるハンドルと、を備えた給水栓において、前記ハンドルの回動操作により形成される前記給水栓本体と前記把持部との間隙にハンドルを操作する手の指が挟まれるのを防止する防止手段を、ハンドル又は給水栓本体の少なくとも一方に備えたことを特徴とする給水栓」である。
【0007】本発明によると、防止手段によってハンドルを操作する手の指の挟み込みを防止できるため、安全性を確保できる。尚、本発明の給水栓においては、ハンドルと給水栓本体とを十分に離間させなくても安全性を確保できるため、ハンドルと給水栓本体とを近接させることで両者の一体感を高めて意匠性を向上させることができる。
【0008】尚、本発明においては、「防止手段」の具体的な形態を特に限定するものではなく、例えば、後述する請求項2の発明における「突出防止部」や請求項3の発明における「広角形成部」等、種々の形態のものを採用することができる。
【0009】次に、請求項2の発明が採った手段は、「前記防止手段は、指と干渉して該指が給水栓本体側に突出し難くする突出防止部であることを特徴とする請求項1に記載の給水栓」である。
【0010】本発明によると、突出防止部によってハンドルを操作する手の指が把手部の側から給水栓本体の側へと突出し難くなるため、この指が給水栓本体の所定面と把持部との間隙へと侵入し難くなり、これにより指の挟み込みが防止される。
【0011】ここで、本発明における「突出防止部」の態様は種々選択可能である。例えば、把手部が上方へと操作されることで把手部の下面と給水栓本体の上面との間に間隙が形成される態様では、把手部の下面より下方に延設された略壁状のものや、給水栓本体の上面より上方に延設された略壁状のもの等を例示できる。また、把手部が下方へと操作されることで把手部の上面と給水栓本体の下面との間に間隙が形成される態様では、把手部の上面より上方に延設された略壁状のものや、給水栓本体の下面より下方に延設された略壁状のもの等を例示できる。さらに、突出防止部の形態としては、略壁状に延設されたものに限らず、把手部全体から延設されたもの等、種々のものを採用することができる。
【0012】次に、請求項3の発明が採った手段は、「前記防止手段は、前記間隙に指が侵入可能な状態において、該間隙の角度を45度以上とする広角形成部であることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の給水栓」である。
【0013】給水栓本体と把手部との間隙の角度が45度未満の時にこの間隙に指が存在すると、指が挟み込まれる。これについては、「発明の実施の形態」にて詳述する。このような現象に対して、本発明によると、間隙に指が侵入可能な状態であっても、広角形成部によってこの間隙の角度が45度以上とされるため、指の挟み込みが防止される。
【0014】ここで、「間隙に指が侵入可能な状態」とは、指を単なる円柱と想定した場合に、この円柱の中心軸が給水栓本体と把持部との間隙に存在可能な状態を示す。そして、円柱の直径寸法は、指のサイズを考慮して設定すればよい。例えば、成人男性の親指は直径15〜20mm程度であり、成人男性の他の指や成人女性の親指は直径10〜15mm程度、成人女性の他の指や子供の指は5〜10mm程度である。よって、直径20mm程度の円柱の軸心が間隙に存在可能な状態であっても、間隙の角度が45度以上となるように広角形成部を設定するのがよい。好ましくは直径15mm程度、さらに好ましくは直径10mm程度の細い円柱を想定したとしても、間隙の角度が45度以上となるようにするのが好適である。
【0015】本発明においては、「広角形成部」を把手部に設けても、給水栓本体に設けても、把手部及び給水栓本体の双方に設けてもよい。給水栓本体と把手部との間隙は、把手部に広角形成部を設ける場合には給水栓本体と広角形成部とによって形成され、給水栓本体に広角形成部を設ける場合には把手部と広角形成部とによって形成され、把手部及び給水栓本体の双方に広角形成部を設ける場合には両広角形成部によって形成される。
【0016】尚、把手部に広角形成部を設ける場合又は給水栓本体に広角形成部を設ける場合の何れの場合であっても、広角形成部を間隙側に凸状に湾曲形成することが好適である。このようにすることで、間隙の角度として、45度以上の角度を確保し易くなるからである。
【0017】次に、請求項4の発明が採った手段は、「前記把手部は開口部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の給水栓」である。
【0018】一般に、把手部が開口部を備える場合には、操作者はこの開口部に指を挿入することができ、ハンドルの操作勝手がより高くなるが、その反面、この開口部に挿入された指は、給水栓本体の側へと突出し易く、指が挟み込まれ易い。本発明によれば、このような態様の給水栓においても、指の挟み込みを防止できる。
【0019】次に、請求項5の発明が採った手段は、「前記ハンドルは、給水栓本体の側方に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の給水栓」である。
【0020】一般に、ハンドルを給水栓本体の側方に配置すると、掌を横方向に向けながら操作できるため、このハンドルの操作勝手が向上するが、その反面、横方向を向いた操作者の指が給水栓本体の側へと突出し易く、指が挟み込まれ易い。本発明によれば、このような態様の給水栓においても、指の挟み込みを防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に本各発明に係る給水栓の一例を示す。この給水栓は、給水栓本体10と、給水栓本体10の側方に配置された第1のハンドル30と、給水栓本体10の上方に配置された第2のハンドル50と、を備えている。尚、本例の給水栓本体10は、内部に流路を有すると共に弁装置等を内蔵する本体部と、この本体部を被覆するカバーとを備え、カバーにより第1のハンドル30との一体感を高めて給水栓全体の意匠性を向上させているが、本各発明における給水本体はこれに限らず、カバーを備えないものであってもよい。
【0022】本例の給水栓では、第1のハンドル30によって本各発明における「ハンドル」が構成されているが、給水栓が複数のハンドルを備える場合には、全ハンドルについて本各発明を適用してもよい。尚、第1のハンドル30は、吐水方向をカラン15又はシャワー(図示を省略)に切り換えると共に吐水量の調節及び吐止水の制御を行うものであり、第2のハンドル50は、吐水温度を調節するものである。
【0023】第1のハンドル30は、請求項5の発明に従って給水栓本体10の側方に突設配置されている。但し、請求項1〜4の各発明においては、ハンドルを給水栓本体10の上方、前方、下方等の他の個所に配置することもできる。また、本例では、第1のハンドル30が給水栓本体10と近接した状態(例えば、1〜30mm程度、好ましくは1〜10mm程度、さらに好ましくは1〜5mm程度の間隔)に配置され、この第1のハンドル30と給水栓本体10との一体感が高められている。尚、本各発明においては、ハンドルと給水栓本体とをある程度、離間させることもできる。但し、この場合には、ハンドルと給水栓本体との距離を、以下に述べる理由により、50mm以下に止めることが好ましい。先ず、第1の理由は、この距離が50mmを越えると、ハンドルと、給水栓本体との一体感が損なわれる虞があるからである。また、第2の理由としては、上記距離が50mmを越えると、ハンドルが給水栓本体から十分に離間するため、指が挟まれる虞が無くなり、「防止手段」を設ける必要が無くなるからである。
【0024】この第1のハンドル30は、給水栓本体10に内蔵された切換弁装置の操作軸に一体回動可能に取着されたハンドル本体部31と、このハンドル本体部31より突出する把手部32とを備えている。ここで、把手部32の上面は給水栓本体10の上面12と略面一となっている。これにより、給水栓全体の意匠性が特に優れたものとなっている。
【0025】また、把手部32は、請求項4の発明に従って開口部33を備えており、これにより、第1のハンドル30の操作性の向上が図られている。そして、把手部32の給水栓本体10側の下面からは、略壁状の防止手段35が延設されている。この防止手段35は、請求項2の発明における「突出防止部」として機能する共に請求項3の発明における「広角形成部」としても機能するものであるが、請求項1の発明における「防止手段」は本例の態様に限定されない。例えば、突出防止部又は広角形成部のうちの一方の機能を備えるものであってもよい。また、本各発明においては、給水栓本体10の上面12の把手部32側の部位より防止手段35を延設したり、この把手部32側の部位及び把手部32の給水栓本体10側の下面の双方より防止手段35を延設することもできる。さらに、給水栓本体側等に「防止手段」としての凹部を設け、この凹部により給水栓本体10と把持部32との間の指を逃がすことによって指の挟み込みを防止することとしてもよい。但し、給水栓の意匠性を十分に確保する上では、本例に示すように、把手部32の下面等の目立ち難い部位に防止手段を設けるのが好適である。
【0026】本例の給水栓では、図例の如く、把手部32の上面が給水栓本体10の上面12と略面一となったときに止水状態となる。そして、把手部32を下方へと傾動操作し、ハンドル本体部31を回動させると、カラン15を通じた吐水がなされると共に、ハンドル本体部31の回動量に応じて吐水量が調節される。
【0027】一方、図2(a)及(b)に示すように、把手部32を上方へと傾動操作し、ハンドル本体部31を回動させると、シャワーを通じた吐水がなされると共に、ハンドル本体部31の回動量に応じて吐水量が調節される。そして、このシャワー吐水の状態を止水状態としたり、一気にカラン吐水の状態へと切り換える際には、把手部32を下方へと傾動操作する。このとき、防止手段35が突出防止部として機能するため、第1のハンドル30を操作する手の指が防止手段35によって遮られ、給水栓本体10側へと突出し難い。
【0028】但し、図2(b)の図示破線に示すように、操作する手の指80が防止手段35よりはみ出したり、操作を行わない他の手の指80や他の者の手の指80が給水栓本体10上に載置されている場合には、止水操作等が施される把手部32と、給水栓本体10の上面12との間隙に、これらの指80が侵入することがある。ところが、本例では、防止手段35が広角形成部として機能し、指80の挟み込みを防止する。即ち、間隙に指80が侵入可能な状態では、防止手段35を備える把手部32と給水栓本体10の上面12とで形成される間隙の角度が45度以上となり、指の挟み込みを防止する。そして、間隙の角度が45度未満となる状態では、図2(c)に示すように、間隙に指80が侵入不能な状態となり、当然、指80の挟み込みは生じない。以下、これを詳述する。
【0029】図3(a)〜(c)に示すように、防止手段35を備える把手部32の下端縁37、即ち、防止手段35の下端縁37と給水栓本体10の上面12との間隙38に指が挟まれると、防止手段35の下端縁37から指80に、第1のハンドル30の回動方向の押圧力Fが加わる。この押圧力Fは、指80を給水栓本体10の上面12へと押え付ける方向の応力である「押え分力T」と、間隙38の外へと逃がす方向の応力である「逃がし分力S」とに分解できる。
【0030】ここで、図3(a)に示すように、防止手段35の下端縁37が指80に接触したときに、間隙38の角度(α)が45度である場合には、S=Tとなる。そして、図3(b)に示すように、この角度(α)が45度未満の場合には、S<Tとなる。このように、S<Tの状態であるときに、「逃がし分力S」により指80が間隙38外へと逃がされず、「押え分力T」による指80の挟み込みが発生する。つまり、間隙38の角度(α)が45度以下となっても間隙38に指80が侵入可能であると、指80の挟み込みが発生するのである。一方、図3(c)に示すように、間隙38の角度(α)が45度を越える場合には、間隙38に指80が存在しても、S>Tとなり、「逃がし分力S」により指80が間隙38外へと逃がされ、指80の挟み込みが回避される。
【0031】尚、本例では、防止手段35の下端縁37、即ち、広角形成部の間隙32側の端縁が直線状となっているが、請求項3の発明においては、図4に示すように、この防止手段35を間隙32側に凸状に湾曲形成することもできる。このような態様によると、間隙の角度として45度以上の角度を確保し易くなる。
【0032】また、本例の給水栓では、把手部32が下方から上方へと傾動操作される際に機能する防止手段を備えていない。これは、上方から下方へと傾動操作される際には、特に指挟みの危険性が高く、下方から上方へと傾動操作される際には、この危険性がそれ程高くないからである。但し、本例の如く、把手部32が給水栓本体10の下面よりも下方へと傾動される態様においては、図5に示すように、給水栓本体10の下面における把手部32側の部位に防止手段35を形成することとしてもよい。これに対して、把手部32の上面より防止手段35を延設してもよいが、把手部32の意匠性の向上を図るためには、図5に示す態様が好適である。
【0033】本例では、給水栓本体10の側方に配置される把手部32が、給水栓本体10の上面12よりも上方及び下面よりも下方へと傾動操作される態様の給水栓について述べたが、本各発明においては、把手部32が、給水栓本体10の上方のみ、若しくは、下方のみへと傾動操作される態様の給水栓も含む。また、本例では、把手部32の下面のうちで、給水栓本体10側の部位のみに略壁状の防止手段35を設けており、把手部32と防止手段35との境界が比較的明らかとなっているが、本各発明においては、これらの境界が必ずしも明らかである必要はない。例えば、把手部32の下面全体より防止手段35を延設することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本各発明によると、給水栓全体の意匠性を確保しつつ安全性も確保できる。
【出願人】 【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社ケーブイケー
【出願日】 平成12年3月10日(2000.3.10)
【代理人】 【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
【公開番号】 特開2001−254408(P2001−254408A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−67326(P2000−67326)