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【発明の名称】 防水パンの構造
【発明者】 【氏名】乙倉 堅

【要約】 【課題】基材が補強材で補強された防水パンの構造を提供するものである。

【解決手段】熱可塑性樹脂からなる基材101に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材102、112が基材101の裏面に付着されて成形されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1 】 熱可塑性樹脂からなる基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材が基材の裏面に付着されて成形されていることを特徴とする防水パンの構造。
【請求項2】 熱可塑性樹脂からなる2層の基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材からなる補強材が挟まれて成形されていることを特徴とする防水パンの構造。
【請求項3】 防水パン本体に分割された洗い場床部を乗せてなる防水パンであって、前記防水パン本体には、脚部と、点検口とが設けられ、前記洗い場床部には、縁部を立ち上げた排水勾配のある床面の端に排水口が設けられ、前記洗い場床部が防水パン本体に取り外し自在になされていることを特徴とする請求項1及び2記載の防水パンの構造。
【請求項4】 前記洗い場床部裏面に床暖房ボードが取付けられていることを特徴とする請求項3記載の防水パンの構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室ユニットの洗い場等に用いる防水パンの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術では、特開平11―21039号公報に記載がある。上記公報では、外縁の一部または全周が縦壁を形成し、床板部分が傾斜した集水構造を有する箱状防水パンであって、基材が熱可塑性樹脂からなり、床板裏面にリブ状補強板が設けられて、強度及び表面性能に優れ、しかも工業的にも製造が容易で リサイクルも可能な防水パンになされている。
【0003】上記公報では、防水パンの強度を向上させるために、床板裏面にリブ状補強板が設けられている。
【0004】図12は従来の防水パン30に浴槽31を載置した据え置き式浴室ユニットの構造を示している。図12に示す様に、洗い場床部301が分割された防水パン30は、防水パン本体302の中央に点検口303を開口して、防水パン30と建物床面に設置される脚部305の高さ調整が点検口303からできるようになされている。防水パン本体302の点検口305は、洗い場床部301が点検口の蓋になるような構造になされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報のようなリブ状補強体では、防水パンの強度を向上させるために、全体の肉厚を増したり、リブのピッチを狭くする必要があり、肉厚で形状が複雑になりそのために成形時間が長くなるといった問題がある。
【0006】又、図12に示す様に、従来の防水パン30の取付け構造では、洗い場床部301に溜まった水が床下の防水パン本体302に漏水する為、防水パン本体302と蓋になる洗い場床部301の間に発泡ゴムや、コーキング剤を用いた止水材304を使用する必要があるなど、防水パン30の施工が困難であった。
【0007】又、その止水材304により洗い場床部301を踏んだ時に洗い場床部301が凹んだり、洗い場床部301の床面の動きにより歩行音の発生等の問題があった。
【0008】本発明は、上記のこのような問題点に着眼してなされたものであり、その目的は、基材が補強材で補強された防水パンの構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の防水パンの構造は、熱可塑性樹脂からなる基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材が基材の裏面に付着されて成形されているものである。
【0010】請求項2記載の本発明の防水パンの構造は、熱可塑性樹脂からなる2層の基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材からなる補強材が挟まれて成形されているものである。
【0011】請求項3記載の本発明の防水パンの構造は、防水パン本体に分割された洗い場床部を乗せてなる防水パンであって、前記防水パン本体には、脚部と、点検口とが設けられ、前記洗い場床部には、縁部を立ち上げた排水勾配のある床面の端に排水口が設けられ、前記洗い場床部が防水パン本体に取り外し自在になされているものである。
【0012】請求項4記載の本発明の防水パンの構造は、前記洗い場床部裏面に床暖房ボードが取付けられているものである。
【0013】
【作用】請求項1記載の本発明の防水パンの構造は、熱可塑性樹脂からなる基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材が基材の裏面に付着されて成形されているので、補強材が別部材で制作でき 成形がし易く、且つ、強度のある補強材とすることにより、防水パンの強度を向上させることができる。
【0014】請求項2記載の本発明の防水パンの構造は、熱可塑性樹脂からなる2層の基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材からなる補強材が挟まれて成形されているので、軽量で強度のある補強材とすることができる。又、防水パン基材と発泡樹脂材からなる補強材の場合には、同一の合成樹脂で成形されて、リサイクルのし易い防水パンとすることができる。
【0015】請求項3記載の本発明の防水パンの構造は、前記防水パン本体には、脚部と、点検口とが設けられ、前記洗い場床部には、縁部を立ち上げた排水勾配のある床面の端に排水口が設けられ、前記洗い場床部が防水パン本体に取り外し自在になされているので、防水パンを設置する際に、上部の洗い場床部を開けて、防水パン本体の点検口から脚部の高さの調整ができ、防水パンの設置作業を容易にすることができる。
【0016】請求項4記載の本発明の防水パンの構造は、前記洗い場床部裏面に床暖房ボードが取付けられているので、浴室洗い場床部を暖房することができ、冬場での冷えた浴室洗い場の床面を暖めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明の防水パンの表面層に補強材が成形される状態を示す第1の実施例を示している。図1は、本発明の防水パンの表面層に補強材が成形された製品を示す断面図、図2は、本発明の防水パンの基材の加熱工程を示す説明図、図3は、上型で基材を成形する状態を示す断面図、図4は、上下型で本実施例の防水パンを成形する状態を示す断面図である。
【0018】図1に示す様に、本発明の防水パン10の構造は、熱可塑性樹脂からなる単層の基材101を加熱、成形して形成されている。該基材101は、単層からなり、別部材の補強材102が単層の一外面に付着して成形されている。
【0019】図2に示す様に、基材101は、シート状になされ、基材101は枠材19で支持されて成形し易いように加熱される。基材101には アクリル樹脂、ABS樹脂等が用いられる。
【0020】図3、図4に示す様に、防水パン10を形成する基材101は、加熱させて後、基材101は、上型15、下型16に挿入され、上型15と下型16を嵌合して成形されている。
【0021】上型15と下型16の間には、空間161が設けられている。空間161は、補強材101が形成できる大きさの空間になされている。又、下型16に設けられた空間161には、補強材102を形成する発泡樹脂材が充填できる穴(不図示)が穿孔されている。
【0022】このように、下型16に設けられた空間161に発泡樹脂材を充填することによって補強材102は形成されている。発泡樹脂材には、強度のあるウレタン樹脂材が用いられている。その他に発泡石膏も用いることができる。
【0023】発泡樹脂材を用いることによって、防水パン10は、同一樹脂材で形成されている。補強材102は、発泡樹脂材で形成されているため、軽量な補強材102となっている。
【0024】前記補強材102は、該基材101と同質の樹脂材に、金属材若しくは木質材のどちらかを芯材として前記同質の樹脂材と複合させて形成されて強度のある補強材102になされている。
【0025】同質の樹脂材には、上記ウレタン発泡樹脂材の内部芯材として、軽量鋼材、または木質材を用いることで、補強材の強度を増すことができる。軽量鋼材にはハト型鋼等が用いられる。木質材には、構造用合板が用いることができる。
【0026】又、補強材102は、ハット型鋼、もしくは構造用合板、あるいは木片をそのまま基材101に接着剤、取付け具を介して取り付けることができる。
【0027】図5〜図8は、本発明の防水パンの表面層と裏面層に補強材が埋め込まれて成形される状態を示す第2の実施例を示している。図5は、表面層と裏面層に補強材が埋め込まれて成形された製品を示す断面図、図6は、裏面層を型で真空成形する状態を示す断面図、図7は、裏面層に補強材を挿入した状態を示す断面図、図8は、表面層と裏面層の間に補強材が埋め込まれた状態を示す断面図である。
【0028】図5に示す様に、防水パン11を形成する該基材111は、表面層111と裏面層113の2層からなり、別部材で形成された補強材112が2層に埋め込まれて成形されている。
【0029】補強材112は、該基材101と同質の発泡樹脂材か若しくは、金属材若しくは木質材のどちらかで形成されて、強度のある補強材112になされている。
【0030】同質の発泡樹脂材には、上記ウレタン発泡樹脂材が表面層111にウレタン発泡樹脂材自身の付着力を利用して付着されている。又、金属 木質の補強材112としては、軽量鋼材、または構造用合板、木片を用いることで、補強材112の強度を増すようになされている。
【0031】軽量鋼材にはハット型鋼等が用いられる。構造用木材には、構造用合板か、木片が用いられている。このような金属、木質からなる補強材112は、接着剤等を用いて表面層111、裏面層113に埋め込まれて付着されている。
【0032】図6に示す様に、2層の基材の裏面層113が加熱された後、下型18に予め装填されている。その後、図7に示す様に、表面層111を下型18の裏面層113に当接される。
【0033】このようにして、図8に示す様に、上下の型17と18とを嵌合して防水パン11は成形されている。成形には真空成形法が用いられている。
【0034】図9〜図11は、本発明の防水パンが床面を分割された構造を示す第3の実施例を示している。図9は、浴槽と洗い場を一体に支持する防水パンの構造を示す断面図 図10は、浴槽を防水パン眼鏡部に落とし込む防水パンの構造を示す断面図 図11は、分割された防水パンの床部を開けた状態を示す図10の防水パン断面図を示している。
【0035】図9に示す様に、本発明の防水パン12の構造は、防水パン本体122に分割された防水パン床部121を乗せてなる浴槽20の据え置き式になされている。防水パン本体1 22には、洗い場床部121、浴槽20、エプロン22、溝蓋127を載置するようになされている。
【0036】防水パン本体122には、脚部125で建物床面に水平に設置できるようになされている。防水パン本体122には、脚部125の高さ調整ができるような大きさの点検口123が洗い場床部121の下部に開口されている。そのため、作業者が点検口から容易に脚部125の高さ調整等の設置作業をすることができる。
【0037】洗い場床部121は排水勾配のある床面になされ、外周縁が立ち上がり、外周縁上部には浴室壁が立設されている。外周縁が立ち上がっているので、下部の防水パン本体122に排水が漏れない形状になされている。端部に排水を集水できる排水口126が設けられている。
【0038】洗い場床部121は、このように防水パン本体122から分割された構造になされ、取り外し自在となっている。
【0039】洗い場床部121の裏面には、床暖房ボード124が貼着されている。洗い場床部121が取り外し容易な構造になされているので、床暖房ボード124の保守が容易にできるようになされている。
【0040】図10、図11は、浴槽21の設置が落とし込み式の構造になされた防水パン13の構造になされている。
【0041】防水パン13は、防水パン本体132と洗い場床部131とが分割されている。前記洗い場床部131には、排水勾配のある床面と、床面の縁に排水口134とが設けられ、前記洗い場床部131が防水パン本体132から取り外し自在になされている。
【0042】洗い場床部131の側面には エプロン23、浴槽21が設置されている。防水パン本体132には 脚部136で建物床面に水平に設置されている。脚部136の高さ調整は防水パン本体132に開口された点検口133から作業できるようになされている。
【0043】図11に示す様に、洗い場床部131は 取り外し自在になされているので、点検時 、補修時の洗い場床部131を開け易いように、排水口134、浴槽排水口等に接続されている配管は、可撓性のホース137で配管されている。
【0044】この様に、本発明の防水パン10、11の構造は、熱可塑性樹脂からなる基材101、111、113に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材102、112が基材の裏面に付着されて成形されているので、補強材102、112が別部材で制作でき 成形がし易く、且つ、強度のある補強材とすることにより、防水パン10、11の強度を向上させることができる。
【0045】又、本発明の防水パン10、11の構造は、前記補強材102、112が、発泡樹脂材で形成されているので、軽量で強度のある補強材102、112とすることができる。又、防水パン基材101、111、113と補強材102、112とが同じ合成樹脂からなっているので、リサイクルのし易い防水パン10、11とすることができる。
【0046】又、本発明の防水パン10、11の構造は、前記補強材102、112に、金属材若しくは木質材が用いられているので、補強材102、112に軽量鋼材、合板等を用いことにより、補強材を介しての防水パンの取付けにボルト、ビス等が使用でき、防水パン10、11の取付けのし易い構造とすることができる。
【0047】更に又、本発明の防水パン12、13の構造は、前記洗い場床部121、131には、排水勾配のある床面と、床面の縁に排水口126、134とが設けられ、前記洗い場床部121、131が防水パン本体122、132に取り外し自在になされているので、防水パン12、13を設置する際に、上部の洗い場床部121、131を開けて、防水パン本体122、132の点検口123、133から脚部126、136の高さ調整ができ、防水パン12、13の設置作業を容易にすることができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の防水パンの構造は、熱可塑性樹脂からなる基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材が基材の裏面に付着されて成形されているので、補強材が別部材で制作でき 成形がし易く、且つ、強度のある補強材とすることにより、防水パンの強度を向上させることができる。
【0049】請求項2記載の本発明の防水パンの構造は、熱可塑性樹脂からなる2層の基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材からなる補強材が挟まれて成形されているので、軽量で強度のある補強材とすることができる。又、防水パン基材と発泡樹脂材からなる補強材の場合には、同一の合成樹脂で成形されて、リサイクルのし易い防水パンとすることができる。
【0050】請求項3記載の本発明の防水パンの構造は、前記防水パン本体には、脚部と、点検口とが設けられ、前記洗い場床部には、縁部を立ち上げた排水勾配のある床面の端に排水口が設けられ、前記洗い場床部が防水パン本体に取り外し自在になされているので、防水パンを設置する際に、上部の洗い場床部を開けて、防水パン本体の点検口から脚部の高さの調整ができ、防水パンの設置作業を容易にすることができる。
【0051】請求項4記載の本発明の防水パンの構造は、前記洗い場床部裏面に床暖房ボードが取付けられているので、浴室洗い場床部を暖房することができ、冬場での冷えた浴室洗い場の床面を暖めることができる。
【0052】
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【識別番号】000122597
【氏名又は名称】岡山積水工業株式会社
【出願日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【代理人】 【識別番号】100102956
【弁理士】
【氏名又は名称】九十九 高秋
【公開番号】 特開2001−248198(P2001−248198A)
【公開日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願番号】 特願2000−62098(P2000−62098)