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【発明の名称】 水受けタンク及び洗面化粧台
【発明者】 【氏名】山田 篤

【要約】 【課題】シャワー水栓を備える洗面化粧台において、キャビネットに引き出しを設けたために電気温水器がキャビネットの背面側に配置される場合でも、シャワーホースから落下する水を確実に受けることのできる手段を提供する。

【解決手段】キャビネット1内の電気温水器10に隣接して水受けタンク20を配置する。水受けタンク20は、縦長の収納本体部21の上部開口22の側方へ張り出すように水受け部23が付設される。収納本体部21底面は排水孔25に向かう下り勾配が付与され、水受け部23には上部開口22へ向かう下り勾配が付与されている。水受け部23を電気温水器10の上方に位置させることにより、シャワーホース5に付着してキャビネット1内に持ち込まれる水を確実に収納本体部21内へ集めることが可能である。集められた水は排水ホース26から外部へ排出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗面化粧台に設置されたシャワー水栓における、洗面器又は洗面カウンターを挿通してキャビネット内に収納されるシャワーホースを伝って流れる水を受けるためのタンクであって、キャビネット内に配置される電気温水器に隣接して取り付けられ、電気温水器の上方領域に張り出すように形成された水受け部が上部開口に付設されていることを特徴とする水受けタンク。
【請求項2】 上部開口の縁部に、シャワーホースを挿通させるガイド部を形成した請求項1に記載の水受けタンク。
【請求項3】 洗面器又は洗面カウンターを挿通してキャビネット内に収納されるシャワーホースの一端にシャワーヘッドが接続されて成るシャワー水栓を備え、キャビネット内に電気温水器が設置された洗面化粧台において、請求項1又は2に記載の水受けタンクを設けたことを特徴とする洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャワー水栓を備え、且つ、キャビネット内に電気温水器が設置される洗面化粧台に関連する技術であって、詳しくは、シャワー水栓のシャワーホースを伝って流れる水を確実に受けることのできる水受けタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】図5に、シャワー水栓3を備える洗面化粧台Yの一例を示す。シャワー水栓3は、一端にシャワーヘッド4が接続されたシャワーホース5を、洗面器2(又は洗面カウンター)を挿通させたキャビネット1内へ引き出し可能に収納せしめたものである。このため、シャワーの使用中に引き出されたシャワーホース5に付着した水が、シャワーホース5を伝ってキャビネット1内へ持ち込まれることがしばしば起こる。そこで従来は、キャビネット1の底面1aに水受けトレイ7を設置すると共に、シャワーホース5が水受けトレイ7の上方領域内に収まるようにするためのホースガイド6を設けて、シャワーホース5から落下する水が確実にトレイ7に集められるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図示の如く、洗面化粧台Yのキャビネット1内に電気温水器10を設置した場合は、前記水受けトレイ7の配置が制限されるという問題が生ずる。すなわち、図6に示すように、電気温水器10をキャビネット1の手前側領域に設置できる場合は、電気温水器10の背面側領域において、水受けトレイ7をシャワーホース5の直下位置に配置することが可能である。しかるに、図7に示すように、キャビネット1の一方側半部に引き出し8を設けた場合において、キャビネット1内の残り半部を収納空間として利用するには、電気温水器10を当該引き出し8の背面側領域に設置しなくてはならない。そうすると、前記従来の水受けトレイ7は、図6に示すようなシャワーホース5の直下位置へ設置することができなくなるという問題が発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、洗面化粧台において、引き出しを設けたために電気温水器がキャビネット背面側のシャワーホースの直下領域に配置される場合でも、シャワーホースから落下する水を確実に受けることのできる手段の提供を目的とするものである。本発明が上記目的のために採用した水受けタンクの特徴とするところは、キャビネット内に配置される電気温水器に隣接して取り付けられ、電気温水器の上方領域に張り出すように形成された水受け部を上部開口に付設したことにある。本発明に係る水受けタンクは、上記構成に基づき、電気温水器がシャワーホースの直下領域に位置する場合であっても、シャワーホースから落下する水を、上部開口とこれに付設した水受け部で確実に受けることができる。
【0005】また、前記水受けタンクにおいて、上部開口の縁部に、シャワーホースを挿通させるガイド部を形成してもよい。かかる構成により、シャワーホースの動作が安定し、シャワーヘッドの操作感が損なわれることもない。さらに、シャワーホースとガイド部との間に適宜の抜止め手段を設ければ、引き出し過ぎによりシャワーホースが水受けタンク外へ飛びだすのを防止することができる。
【0006】なお本発明は、シャワー水栓が備えられ、キャビネット内に電気温水器が設置され、且つ、前記水受けタンクが設けられた洗面化粧台の構造を提供する。かかる構成の洗面化粧台は、キャビネットに引き出しを設けることができ、しかも、キャビネット内の収納空間を確保することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、シャワー水栓3を備え、キャビネット1内に電気温水器10が設置された洗面化粧台Xにおいて、本発明に係る水受けタンク20を設けた例を示すものである。同図は、引き出しを設ける等の理由により、電気温水器10がキャビネット1の背面付近に設置される場合において、当該電気温水器10に隣接して水受けタンク20を配置した状態を示している。なお図面において、従来例を示す前記図5で用いたのと同じ符号は、共通の部材を示している。
【0008】本実施形態の水受けタンク20は、図2に示す如き構成を有している。縦長の収納本体部21の上部開口22の側方へ張り出すように形成した水受け部23が付設されると共に、上部開口22の縁部に貫通孔状のガイド部24が形成されている。水受け部23には、上部開口22へ向かってわずかな下り勾配が付与されており、ここに落下した水は収納本体部21内へ流れ込むようなされている。貫通孔状のガイド部24は、シャワーホース5の直径よりも大きい孔径を持ち、軸線が鉛直方向に対し適度の傾斜を有するように設定されている。収納本体部21の側面最下部には排水孔25が形成され、該排水孔25に排水ホース26が接続されている。この排水ホース26の先端部は、収納本体部21の該側面上部に設けたホルダー27によって保持される。収納本体部21の底面21aは、上記排水孔25に向かう下り勾配が付与されている。また収納本体部21の上端にはフランジ28が立設され、該フランジ部28にキャビネットへの固定用ビス等を挿通させるための開孔29,29が形成されている。
【0009】前記の如く構成された本発明に係る水受けタンク20は、フランジ部28の開口29,29にビスなどを挿通してキャビネット1の背面パネル等へ固定することにより取着される。このとき、図1及び図3に示すように、収納本体部21を電気温水器10に隣接させ、上部開口22の側方に付設した水受け部23を当該電気温水器10の上方に位置させることにより、水受けタンク20がシャワーホース5の直下領域に位置するよう設定する。そして図3に示すように、シャワーホース5を収納本体部21内へ収納すると共に、上部開口22の縁部に形成したガイド部24内に挿通させる。これにより、シャワー水栓3の使用に伴うシャワーホース5の動きは水受けタンク20内で行われ、電気温水器10との干渉を避けることができるから、シャワーヘッド4を掴んで上げ下げする等の操作を円滑に行える。シャワー水栓3の使用中に付着しシャワーホース5を伝ってキャビネット内へ流れる水は、上部開口22から収納本体部21内へ流れ込むか、あるいは途中で水受け部23上に落下したのち収納本体部21内へ流れ込む。本発明の水受けタンク20は、水受け部23を付設したことにより、シャワーホース5の下方領域の必要十分な範囲をカバーできるから、シャワーホース5に付着してキャビネット1内に持ち込まれる水を全て確実に収納本体部21内へ集めることが可能である。
【0010】このようにして収納本体部21内に集められた水は、適時、排水ホース26を引き出して、先端を水受けタンク20よりも低位に位置させることにより、容易に外部へ排出することができる。
【0011】なお図4に示すように、シャワーホース5の適所に、ガイド部24の孔径より大きい直径を有するリング部材30を取着して、シャワーホース5の引き出し量を規制しておけば、シャワーヘッド4を引き出し過ぎて、シャワーホース5が水受けタンク20内から飛びだすのを防止することができる。
【0012】以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は前述のものに限定されるのではなく、状況に応じて適宜変更することを妨げない。
【0013】
【発明の効果】本発明に係る水受けタンクは、電気温水器の上方領域に張り出す水受け部を上部開口に付設したので、これを電気温水器に隣接させて取り付けることにより、引き出し等を設けたために電気温水器がキャビネットの背面パネル近くのシャワーホースと干渉を生じ得るような箇所に設置される場合であっても、シャワー水栓のシャワーホースを伝って流れる水を確実に受けることができる。シャワーホースは水受けタンク内に収納できるから、シャワーホースの直下領域に電気温水器が位置する場合でも、シャワーホースと電気温水器との干渉を無くすことができるので、シャワー水栓の操作性を良好に保つことできる。またシャワーホースが水受けタンク内に収納されることにより、キャビネット内の収納空間として利用できる領域が明確化される。
【0014】請求項2に記載の如く、水受けタンクにおける上部開口の縁部にシャワーホースを挿通させるガイド部を形成した場合は、シャワーホースの動きを円滑化することができ、また、シャワーホースの引き出し過ぎを防止する手段を講じるのも容易である。
【0015】さらに、本発明に係る水受けタンクを採用することにより、シャワー水栓を備え、且つ、電気温水器がキャビネット内に設置される洗面化粧台において、キャビネットの一部に引き出し等を設けることが可能となる。従来は、シャワー水栓を備える洗面化粧台において電気温水器をキャビネット内に設置する場合は、原則としてキャビネットの扉を観音開き構造にしか出来なかったが、本発明によれば、上述の如く、引き出し構造を採用し得る、という効果が発揮される。
【出願人】 【識別番号】000000479
【氏名又は名称】株式会社イナックス
【出願日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【代理人】 【識別番号】100082016
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敏彦
【公開番号】 特開2001−227022(P2001−227022A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−40945(P2000−40945)