| 【発明の名称】 |
排水用配管部材 |
| 【発明者】 |
【氏名】八木 博史
【氏名】福田 和幸
【氏名】柳詰 政春
【氏名】仲石 正雄
|
| 【要約】 |
【課題】旋回羽根等の突出物を設けないで、排水性能を向上させることができる排水用配管部材を提供すること。
【解決手段】立管部7に横枝管部8が接合されてなる排水用配管部材において、前記横枝管部8の底面部であって、横枝管部8の管軸に対して直交する水平方向の中央位置に、排水の流に沿い且つ立管部7に近づくに従いその深さが深くなる凹溝9が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 立管部に横枝管部が接合されてなる排水用配管部材において、前記横枝管部の底面部であって、横枝管部の管軸に対して直交する水平方向の中央位置に、排水の流に沿い且つ立管部に近づくに従いその深さが深くなる凹溝が形成されていることを特徴とする排水用配管部材。 【請求項2】 前記立管部と横枝管部の接合部における横枝管部周縁の上部に、立管部内に突出する庇部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の排水用配管部材。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、立管部に横枝管部が接合されてなる排水用配管部材に関する。 【0002】 【従来の技術】集合住宅の排水システムにおける重要な点は、衛生器具その他からの排水を、安全且つ速やかに自然重力により系外へ排出させることである。即ち、排水管内に入ってくる排水による管内の空間の増減に対して、空気を供給又は排出して、常に管内を大気圧に近い状態に保ち、排水トラップの破封を防止し、排水の流れを円滑にさせることである。排水システムの性能は、排水トラップの破封が生じない排水の最大流量をもって評価されている。即ち、所定の許容管内圧力変動値(通常は、プラスマイナス40mm水柱)内における最大排水流量(リットル/秒)をもって、その排水システムの排水性能とされている。 【0003】前記排水性能を高めるために、排水立管内の排水に旋回を付与すべく、旋回羽根を設けた排水集合管などが提案されている(例えば、特開平8−85988号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記旋回羽根を設けたものでは、排水に洗濯水が混じると、旋回羽根によって排水が攪拌されて泡立ち、横主管の設計が不適切な場合には、該泡により管内の通気空間が閉じられて、管内圧力変動が大きくなるという問題があった。また、旋回羽根を設けたものでは、該羽根に排水が衝突して音を発するという問題があった。 【0005】更に、旋回羽根等の突出物を設けると、管内径が小さくなり、汚物等の通過の障害になったり、汚物が羽根に付着したりし、更には、管内清掃が困難になるという問題もあった。そこで、本発明は、旋回羽根等の突出物を設けないで、排水性能を発揮させることができる排水用配管部材を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴とするところは、立管部に横枝管部が接合されてなる排水用配管部材において、前記横枝管部の底面部であって、横枝管部の管軸に対して直交する水平方向の中央位置に、排水の流に沿い且つ立管部に近づくに従いその深さが深くなる凹溝が形成されている点にある。本発明の構成によれば、横枝管部から立管部内に流入する排水は、凹溝に沿って流入するので、凹溝のないものに比べ、その流線が下方を向くことになり、流入排水により立管部内が閉塞されることがなくなり、通気空間を十分に確保することができ、管内圧力変動を小さく抑えることができる。 【0007】また、本発明によれば、従来の旋回羽根のような突出物がないので、排水の泡立ちや騒音発生が生じ難く、更に、突起物が存在しないので、清掃が容易になる。なお、前記立管部と横枝管部の接合部における横枝管部周縁の上部に、立管部内に突出する庇部を形成するのが好ましい。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図7に示す排水システムは、10階程度までの中低層集合住宅におけるものであり、床スラブ1に設けられた穴2に、本発明に係わる排水用配管部材である第1の異型管3が挿通され、該異型管3の上部に第2の異型管3が接続されている。第1異型管3には、横枝管4が接続され、該横枝管4には、図示省略の台所、風呂、洗濯機、洗面台などの排水設備が接続されている。第2異型管3には便器5が接続されている。第1異型管3の下端部及び第2異型管3の上端部には、それぞれ立管6が接続されている。前記第1及び第2異型管3は、同じものとされ、該異型管3は、立管部7に横枝管部8が接続されてなるものである。 【0009】床スラブ1の前記穴2は、モルタル等で埋め戻されるので、該穴2の直径aはできるだけ小さい方が好ましく、また、横枝管部8の突出量bも、便器5等の接続のコンパクト化を図るために、可及的に短いのものが好ましい。図1に示すものは、前記異型管3の詳細断面図であり、前記横枝管部8の底面部に、横枝管部8から立管部9に向かう排水の流れに沿う凹溝9が形成されている。そして、図2に示す様に、この凹溝9は、横枝管部8の管軸に対して直交する水平方向の中央位置に形成され、立管部7に近づくに従い、その深さが深くなるように形成されている。 【0010】なお図1における仮想線で示す曲線は、凹溝を有しない従来の異型管の横枝管部の底面位置を示している。前記凹溝9のRは、できるだけ大きなものとするのが好ましい。前記横枝管部8に凹溝9を設けると、図1の実線の矢印で示すように、排水の流れは、管内面から剥離することなく流れるので、管内の通気空間を充分に確保できる。一方、凹溝を有しない従来のものでは、排水流は、点線の矢印で示す様に、管内面から剥離して、対向管壁まで達し、管内を塞いでしまうので、通気空間を充分に確保することができない。 【0011】即ち、図3、4に示す如く、横枝管部8の排水の流れは、凹溝9内に流入するので、凹溝9両側の流れは横枝管部8水平方向の中央位置に寄ろうとし、該中央位置の流れに対して乗り上げて、下方に押しやるので、該中央位置の対向する管壁側への流れが下方に抑え付けられ、管内面から剥離することなく流れるものと推測される。その結果、図3の斜線で示す部分の通気空間Sが確保できる。図5、6に示すものは、前記立管部7と横枝管部8の接合部における横枝管部周縁の上部に、立管部7内に突出する庇部10を形成したものである。この庇部10は、横枝管部8の管軸に対して直交する水平方向の中心位置において、立管部7内面からの突出量が最も大きくされ、左右の端部に至るに従い、その突出量が少なくなるよう形成されている。立管部管軸に向かっての最大突出量は、5mmとされている。 【0012】このように庇部10を設けることにより、立管6からの排水流が横枝管部8に逆流することが防止される。そして、この庇効果により、立管6からの排水と横枝管4からの排水の合流がスムーズに行え、泡立ちが抑えられる。また、横枝管部8への通気空間が大きくとれる。従来の凹溝を有さないものでは、10階建てにおいて、その排水能力が3.5リットル/秒であったものが、本実施の形態によれば、6リットル/秒に向上した。 【0013】また、本実施の形態によれば、従来の旋回羽根を設けたものに比べて、音の低減、泡立ちの低減が図られ、また、清掃の容易化が図られる。また、図7に示す寸法a、bを大きくする必要がなくなる。なお、本発明は、前記実施の形態に示したものに限定されるものではなく、図8に示す様なY型異型管や、図10に示すT型異型管、その他の排水用配管部材に適用できるものである。尚、図9に示すものは、図8の異型管における凹溝形状の詳細を示す面図である。 【0014】 【発明の効果】本発明によれば、従来のような旋回羽根を設けずに、排水性能を向上させることができた。また、従来の旋回羽根を設けたものに比べて、音の低減、泡立ちの低減が図られ、また、清掃の容易化が図られる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
|
| 【出願日】 |
平成12年2月15日(2000.2.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061745 【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
|
| 【公開番号】 |
特開2001−227019(P2001−227019A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−36915(P2000−36915) |
|