トップ :: E 固定構造物 :: E03 上水;下水




【発明の名称】 凍結配管の解氷方法
【発明者】 【氏名】奥村 浩二

【要約】 【課題】送風機やヒーター等の設備を要せず、従って初期の設備費が安い凍結配管の解氷方法を提供する。

【解決手段】外装管と内挿管との間の連通空間を有する二重管で構成された水道配管において、該連通空間に流体供給口が少なくとも2個以上設けられ、その内の2個が管路の高い位置と低い位置とにそれぞれ配置され、該水道配管が凍結した際に、高低どちらか一方の流体流通口から加温流体を導入し、連通空間を流通させて凍結配管を解氷し、廃加温流体を別の若しくは同じ流体流通口又は管路最低位置に設けられた流体流通口から排出する凍結配管の解氷方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鞘管内に水道管が内挿された二重管が用いられた配管において、鞘管の内周面と水道管の外周面との間で構成される連通空間に少なくとも2個の流体流通口が設けられ、配管が凍結した際に、上記流通空間の一つの流体流通口から凍結配管を解氷しうる温度の加温流体を導入して凍結を解氷し、他の流体流通口若しくは同じ流体流通口から上記加温流体を排出する事を特徴とする凍結配管の解氷方法。
【請求項2】 少なくとも2個の液体流通口が二重管配管全長の両方の端部近傍にそれぞれ1個ずつ配置されていることを特徴とする請求項1記載の凍結配管の解氷方法。
【請求項3】 液体流通口の1個が配管の比較的高い位置に配置され、他の液体流通口の少なくとも1個が配管の比較的低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至2記載の凍結配管の解氷方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結した水道配管を解氷する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】凍結防止配管としては、実開平3−103363号公報に開示されているように、外装管に水道管が内挿された二重管の、外装管の内周面と水道管の外周面との間に連通空間が形成され、この連通空間に水道管内の流体の凍結を防止しうる温度の空気が流通可能とされた凍結防止配管が知られている。この配管の構造は、上記二重管が集合されて二重管の連通空間が内部に開放された箱体に温風を吹き込み、この温風を二重管の連通空間内に送り込んで凍結防止を図るものである。
【0003】しかしながら、上記公知配管でも、万一配管が凍結した際でも流通させる空気の温度を高くすれば解氷は可能であるが、この凍結防止配管においては、温風を連通空間に供給するために送風機やヒーター等の常設を必要とし、初期の設備費が高くつくという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、送風機やヒーター等の設備を常設する必要がなく、従って初期の設備費が安い凍結配管の解氷方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の凍結配管の解氷方法(発明1)は、鞘管内に水道管が内挿された二重管が用いられた配管において、鞘管の内周面と水道管の外周面との間で構成される連通空間に少なくとも2個の流体流通口が設けられ、配管が凍結した際に、上記流通空間の一つの流体流通口から凍結配管を解氷しうる温度の加温流体を導入して凍結を解氷し、他の流体流通口若しくは同じ流体流通口から上記加温流体を排出する事を特徴とする凍結配管の解氷方法である。
【0006】請求項2記載の凍結配管の解氷方法(発明2)は、少なくとも2個の液体流通口が二重管配管全長の両方の端部近傍にそれぞれ1個ずつ配置されていることを特徴とする発明1の凍結配管の解氷方法である。
【0007】請求項3記載の凍結配管の解氷方法(発明3)は、液体流通口の1個が配管の比較的高い位置に配置され、他の液体流通口の少なくとも1個が配管の比較的低い位置に配置されていることを特徴とする発明1乃至2の凍結配管の解氷方法である。
【0008】鞘管の内面と水道管の外面との間で構成される連通空間に設けられる少なくとも2個の流体流通口は、配管が凍結した際に、上記流通空間の一つの流体流通口から凍結配管を解氷しうる温度の加温流体を導入して凍結を解氷し、他の流体流通口から上記加温流体を排出するためのものである。
【0009】流体流通口は連通空間に加温流体を導入及び排出が可能であれば良く、例えば、連通空間に直接設けられていても良く、あるいは、水栓機器を収納した水栓ボックスと水分配ヘッダーを収納したヘッダーボックスとに連通空間を開口させこれらのボックスにそれぞれ設けられても良い。また、設けられる液体流通口は2個とは限らない。例えば加温流体が温水であるような場合を考慮して、流体を完全に排出可能な位置、例えば配管の最低位置等にも設けられていても良い。
【0010】また、流体流通口は、二重管の凍結した部分の連通空間に加温流体を案内できなければならず、そのために、二重管配管全長の両方の端部近傍にそれぞれ1個ずつ配置されていることが望ましい。この配置とすれば、二重管全長が凍結した場合でも全管路の解氷が可能となる。
【0011】解氷可能な温度の加温流体としては、例えば、風呂の残り湯等の温水や布団乾燥機、ドライヤー等の温風を用いることができる。例えば、加温流体が例えばドラーヤー等の温風の場合には、温風の導入及び排出は、配管の凍結部位に温風が導入できればどの流体流通口を利用しても良いが、排出用に使用される流体流通口は、導入に利用した流体流通口から一番遠い部位に配置されたものを利用すると配管全長が解氷可能となるので好ましい。
【0012】また、加温流体が温水等の液体である場合でも、温水はどの流体流通口から連通空間内に導入されても良いが、流体流通口が配管の比較的高い位置と比較的低い位置とに配置されていると、重力による自然流下で温水が連通空間内に流入されるために、通常は、配管の比較的高い位置に配置された流体流通口を好適に用いることができる。温水の導入時には、温水を導入する流体流通口以外の他の全ての流体流通口を閉鎖しておくと、連通空間内に温水が滞留した状態となるので、温水の持つ熱量を有効に解氷に利用できる。解氷後の温水は最低位置に配置されている流体流通口から排出して連通空間内に温水が残存しないようにする。
【0013】(作用)本発明の凍結配管の解氷方法は、二重管構造とされた水道管の外装管内面と内挿管である水道管外面との間に形成された連通空間に、凍結を解氷可能な温度の加温された流体を流通させることで凍結配管の解氷を行うので、配管敷設時に、予め送風機やヒーターを設備化して常設設備とする必要がなく、初期の設備費が安価である。しかも加温流体として例えば、風呂の残り湯等の温水や布団乾燥機、ドライヤー等の温風を用いることができるので、誰でもが解氷作業を行うことが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本発明は、通常の二重管構造の流体供給管に適用が可能であり、特に水道配管に好適に適用できる。なお、本説明例は、塩化ビニル樹脂製外装管に塩化ビニル樹脂製水道管が内挿された二重管が、通常の家庭内壁内に配管された水道配管の例である。
【0015】図1は、本発明の凍結配管の解氷方法の実施の一例を示す一部切り欠き斜視図である。本実施例では、ヘッダーボックス1にはその底面に流体排出用の流体流通口(以降、流体排出口という)11が開口され、内部に水分配用ヘッダー12が格納されて床Fの下に配置されている。一方、水栓ボックス2には水道栓21と流体供給用の流体流通口(以降流体供給口という)22とが設けられて室内壁Wに配置されている。ヘッダーボックス1と水栓ボックス2との間の水道管3は外装管4に挿入されて二重管5とされ、内挿管である水道管3の外面と外装管4との間に形成される連通空間51はヘッダーボックス1内空間と水栓ボックス2内空間との両方の空間に開放されて連続した空間を形成し、かつ、この空間は外気とは遮断されていて空間を流通する流体が外部に漏れることがないようにされている。
【0016】従って、本例の場合では、水栓ボックス2が水道配管の高い位置に配置され、ヘッダーボックス1が低い位置に配置され、流体供給口22が管路最高位置となり、流体排出口11は管路の最低位置となっていて、流体供給口22から供給された流体は連通空間51を通って流体排出口11から排出される。
【0017】水栓ボックス2、ヘッダーボックス1の材質は特に限定されないが、ステンレススチール、防錆処理された鉄、アルミニウム、等の金属、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ABS、FRP等の合成樹脂や複合樹脂などを加工されたものから選ばれると、錆の心配がなく好適に使用できる。
【0018】二重管5は、水栓ボックス2からヘッダーボックス1にかけて、水の滞留がないように配管され、水栓ボックス2に供給された流体は、連通空間51を通ってヘッダーボックス1に流下し、ヘッダーボックス1内に滞留することなく排出口11を通って、例えば排水溝(図示せず)等に排出され、水栓ボックス2からヘッダーボックス1に至る前記連続した空間内(流体の経路)には、流体は滞留しないようにされている。
【0019】さて、この水道管3が凍結した際には、加温流体として温水が用いられる場合には、常時は閉じられている水栓ボックス2の流体供給口蓋23を外し、流体供給口22から加温された流体を水栓ボックス2内に供給する。供給された加温流体は水栓ボックス2から連通空間51に入り二重管5の内挿管である凍結した水道管3を加温する。水道管3内の凍結水は加温により解氷され、加温流体は温度が低下して下方のヘッダーボックス1に導かれ、排出口11から排水溝等に排出される。
【0020】なお、流体排出口11に弁(図示せず)を取り付け、温水導入時に弁を閉じて加温流体を供給し、連通空間51内に滞留させて水道管3を加温し、凍結した水を解氷されることも可能である。解氷後、弁を開放し廃温水を排出する。
【0021】また、流体排出口11から温水を供給して解氷し、解氷後同じ流体排出口11から廃温水を排出するようにしても良い。この場合には、供給される温水の液面位置を流体供給口22で観察し、満水となった時点で温水の供給を停止するようにすれば良い。
【0022】加温流体として、例えば布団乾燥機、ドライヤー等の熱風を利用する場合には、温風の導入口及び排出口として流体流通口はどの位置にあるものを利用しても良い。例えば温水の場合と同じく、上方から導入し下方から排出されるようにしても良いしその逆でも構わないが、下方から上方に向かう気流となるようにする方が熱効率の上から有利と言える。またこの場合には、温風は熱容量が小さいので凍結配管の解氷速度が遅くなる傾向があり、そのために、排気用に用いられる流体流通口以外のその他の流体流通口を閉鎖して温風が逃げないようにして解氷作業が行われるべきである。
【0023】なお、加温流体に温水を用いた場合、水栓ボックス2からヘッダーボックス1に至る前記連続した空間内(流体の経路)に部分的な下方屈曲箇所があり温水が滞留する恐れがある場合には、屈曲部最低位置に水抜き弁(図示せず)を設けて解氷後、連続した空間内に残った温水を排出するとか、バキュウムで吸い出すとか、温風を送気して乾燥させるとか、適当な方法で連通空間51内に流体がないと見なし得る状態にしておくことが必要である。加熱流体が温風の場合にはこの心配はない。
【0024】
【発明の効果】以上の通りであるので、本発明の凍結配管の解氷方法においては、予め送風機やヒーターを常設する必要がなく、設備費が安価である。しかも加温流体として例えば、風呂の残り湯等の温水や布団乾燥機、ドライヤー等の温風を用いることができるので、安価に、誰でもが解氷作業を行うことが可能である。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−214478(P2001−214478A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−25430(P2000−25430)