| 【発明の名称】 |
構造体 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 慎一郎
【氏名】林 和志郎
【氏名】林 宏三郎
|
| 【要約】 |
【課題】内部に空間が形成される構造体を短期間に組み立てできる。
【解決手段】一方の側が略平坦な基盤面7である基盤部5と、この基盤部5の他方の側に突出させた柱状部19とを備えた複数の構造部材3a〜3dを連結して組み立てた構造体1であって、構造部材3a〜3dは剛性を有する軽量材料で形成され、基盤部5は四隅近傍に設けられた縁連結部11を有するとともに一方の側と他方の側とを通じさせる通孔16を有し、柱状部19は二重筒状に形成されるとともに先端21に設けられた端連結部23を有し、縁連結部11に係合可能な縁連結部材33、35、37、39を介して基盤部5同士を連結し、端連結部23に係合可能な端連結部材46を介して柱状部の先端21同士を連結する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方の側に略平坦な面を有する基盤部と、該基盤部の他方の側に突出させた柱状部とを備えた複数の構造部材を連結して組み立てた構造体であって、前記構造部材は剛性を有する軽量材料で形成され、前記基盤部同士および前記柱状部の先端同士を連結して組み立ててなる構造体。 【請求項2】 請求項1において、前記基盤部は該基盤部の縁近傍に設けられた縁連結部を有し、前記柱状部は該柱状部の先端に設けられた端連結部を有し、前記縁連結部に係合可能な縁連結部材を介して前記基盤部同士が連結され、前記端連結部に係合可能な端連結部材を介して前記柱状部の先端同士が連結されてなる構造体。 【請求項3】 請求項1または2において、前記柱状部は筒状に形成されてなる構造体。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記基盤部は前記一方の側と前記他方の側とを通じさせる孔を有してなる構造体。 【請求項5】 請求項3または4において、前記筒状の柱状部の内側に芯材を入れて該柱状部の先端同士を連結してなる構造体。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内部に空間が形成される構造体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、内部に空間が形成される構造体、たとえば公園、道路、駐車場などの地下に設けられる雨水貯留用の構造体は、地盤を掘削して凹みをつくり、その底に砕石や砂などを敷設した後、この上に鉄筋コンクリートなどを打設して基礎をつくる。この基礎の上に鉄筋コンクリートまたは鉄骨コンクリートなどの柱と梁による構造体を構築し、この構造体の内部に形成された空間に雨水を貯留する。このようにして構築された構造体の上に土などを覆って先の公園、道路、駐車場などに使用する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように構造体は、鉄筋コンクリートや鉄骨コンクリートなどの柱と梁によって構築されるので、構造体自体が重いものとなり、基礎を十分に強度のあるものとしなければならない。さらに、柱や梁の構築には、コンクリートを打設するための仮枠設置工事や仮設工事、その他の付帯設備を要し、施工に時間がかかるとともに資材、材料を多く要する。その上、施工に熟練を要するので、施工に十分な配慮が必要となる。 【0004】本発明は、内部に空間が形成される構造体を短期間に組み立てできることを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、一方の側に略平坦な面を有する基盤部と、該基盤部の他方の側に突出させた柱状部とを備えた複数の構造部材を連結して組み立てた構造体であって、前記構造部材は剛性を有する軽量材料で形成され、前記基盤部同士および前記柱状部の先端同士を連結して組み立ててなることを特徴とする。 【0006】このようにすることにより、この構造体は基盤部同士が連結され、かつ柱状部の先端同士が対向して連結される。そして、基盤部の略平坦な面が最上端と最下端に位置した構造体となる。略平坦な面が最上端と最下端に位置するので、構造体を平坦な面上に設置する場合に安定した状態で配置される。 【0007】構造部材は剛性を有するので、上記のようにして連結して組み立てられた構造体は、剛性が確保される。この構造体にかかる荷重は、先ず最上段に位置する構造部材の基盤部に受け止められ、さらに柱状部で支えられる。最上段の構造部材によって支えられた荷重は、その下に位置する構造部材の柱状部からその基盤部に伝達される。このようにして荷重は順次下に位置する構造部材に伝えられ、最終的に最下段に位置する構造部材の基盤部に伝えられて地盤に伝達される。 【0008】構造部材は軽量材料で形成されるので、一つ当たりの構造部材は軽量である。構造部材一つ当たりの重量が小さいので持ち運びが容易となり、かつ構造部材の組み立てが容易となる。その上、構造体は複数の構造部材の基盤部同士および柱状部の先端同士を直接的に連結して組み立てられるので短期間に組み立てられる。 【0009】本構造体は、基盤部と基盤部との間に柱状部が介在するので、構造体の内部に空間が形成される。この空間は、たとえば構造体を地下に埋設して雨水を貯留することに利用できる。この場合、基盤部は一方の側と他方の側とを通じさせる孔を有すると良い。水を貯留するときに、水がこの孔を通して上下方向に移動することを可能にする。 【0010】また、基盤部はこの基盤部の縁近傍に設けられた縁連結部を有すると良い。縁連結部に係合可能な縁連結部材を使用することにより、この縁連結部材を介して基盤部同士が連結される。同様に、柱状部はこの柱状部の先端に端連結部を有すると良い。端連結部に係合可能な端連結部材を使用することにより、この端連結部材を介して柱状部の先端同士が連結される。 【0011】本構造体は、主としてこの構造体の上に荷重がかかる場合に使用できる。たとえば公園、道路、駐車場などの地下に設けられる雨水貯留施設や防火用水施設、河川の下に設けられる水貯留施設、車両の軌道路盤の下に設けられ振動や騒音を低減する路盤施設などに利用できるものである。 【0012】基盤部の形状は、その一方の側が略平坦な面で、他方の側に柱状部を突出させたものであれば特に限定されない。たとえば板状の基盤と、その基盤の縁に沿って他方の側に設けられた縁枠とを有し、さらに他方の側の縁枠間に補強用のリブを設けて補強した構造が好ましい。このようにすると基盤部の重量を小さくし、使用される材料の量を少なくすることができる。基盤の形状は、たとえば正方形、長方形などの多角形としても良い。柱状部の外側断面形状は、特に限定されないが円形、多角形などとしても良い。 【0013】基盤部の縁近傍に設けられる縁連結部は、たとえば基盤部の一方の側の略平坦な面に設けられた係合孔(または係合穴)とし、縁連結部材の側には、これに係合する突起を設けても良い。あるいは基盤部の一方の側の略平坦な面に突起を設け、縁連結部材の側に孔を設けても良い。縁連結部の設けられる位置は、縁の近くが好ましいが、特に基盤が矩形の場合には、その四隅の位置に孔または突起を設けると良い。四隅の位置に設けられた縁連結部とこれに係合する縁連結部材を使用することにより、1点に上下で八つの構造部材の隅を集合させた状態で連結できる。 【0014】また、柱状部は筒状に形成されると良い。筒状に形成された柱状部は軽量であり、かつ剛性があり耐荷重性に優れる。特に、柱状部を先端に向かって漸次径が縮小した筒状に形成されると良い。こうすることにより構造部材を運搬ないし輸送する際に、幾つかの構造部材の筒状の柱状部を重ね合わせて運搬、輸送でき、運搬、輸送の効率を向上させることができる。 【0015】また、筒状の柱状部の内側に芯材を入れて、この柱状部の先端同士を連結すると良い。こうすると構造部材にかかる荷重を筒状の柱状部と芯材の両方で分担して支えることができ、構造体の耐荷重性を向上させることができる。構造部材の基盤部に突出ないし延在させる柱状部の数は一つまたは複数とする。特に、柱状部を四つ突出させると、安定した複数段の構造体とすることができる。 【0016】柱状部の先端に設けられる端連結部は、たとえば柱状部の先端面に係合孔(または係合穴)を設け、端連結部材の側には、これに係合する突起を形成しても良い。あるいは柱状部の先端面に突起を設け、端連結部材の側に係合孔(または係合穴)を形成しても良い。柱状部の先端に設けられる端連結部の位置は、柱状部が円柱状または筒状の場合は、その円周上の適宜の位置に係合孔または突起を設ける。 【0017】基盤部および柱状部の大きさ、肉厚などは構造体にかかる荷重を十分支える大きさとする。基盤部および柱状部の材質は、同じものとする方が製造上好ましい。構造部材は、先に記したように、剛性を有する軽量材料で形成される。剛性を有する軽量材料としては、ポリプロピレンなどの合成樹脂、アルミニウム合金などの軽金属、軽量コンクリートなどであるが、特に水に対する耐腐食性を有する材料とすると良い。 【0018】本構造体は、構造部材の柱状部によって空間が形成される。構造部材の空間率または空隙率S、すなわちS=(V1−V2)/V1但し、V1:空間を形成する部材1個の容積V2:空間を形成する部材1個の質量から換算した体積は、大きいほど良いが、空間率Sが大きすぎると、上からかかる荷重に対しての耐荷重性、横からかかる荷重に対する強度が小さくなるおそれがある。空間率Sの上限は97%までとする。反対に空間率Sが小さいと、部材の上記強度を大きくできるが、部材の占める体積が大きくなり、柱状部が形成する空間が小さくなる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る構造体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜16において、同一または同等の構造、作用部分には同一符号を付けて示す。 【0020】図1は、本発明に係る構造体の第1実施形態を示す正面図である。図2は、図1の平面図である。本実施形態の構造体1は、内部に空間72が形成されるもので、たとえば公園、道路、駐車場などの地下に埋設される雨水貯留施設、雨水浸透施設または雨水貯留・浸透施設などに適用できる。また、構造体の上にかかる荷重を支え、振動、騒音を低減する装置、施設など多目的の用途に適用できるものである。 【0021】図1、2に示すように、構造体1は、最下段(第1段目)に位置し平面的に配置された構造部材3aと、構造部材3aの上に位置し配置された第2段目の構造部材3bと、さらに、第2段目の構造部材3bの上に位置し配置された第3段目の構造部材3cおよび第3段目の構造部材3cの上に位置し最上段(第4段目)に配置される構造部材3dとを有する。 【0022】これら複数の構造部材3a〜3d(以下「構造部材3a〜3d」を総称して「構造部材3」という)は、前後左右および上下に3次元的に連結される。したがって、構造体1は、後述の複数の構造部材3の基盤部5同士および柱状部の先端21同士が互いに連結され組み立てられる。また、構造体1の側面には、側部材59が設けられる。 【0023】図3は、構造部材3を示し、(A)は平面図、(B)は(A)の II−II 線正面・断面図である。因みに、図3(B)において、中央線31より左側は外側図、中央線31より右側は断面図を示す。構造部材3は、一方の側に略平坦な面である基盤面7を有する基盤部5と、この基盤部5の他方の側に突出させた柱状部19とを備える。構造部材3は剛性を有する軽量材料で形成され、この実施形態では合成樹脂であるポリプロピレンで形成される。 【0024】構造部材の基盤部5は、略平坦な面である基盤面7を有する板状の基盤6と、基盤の縁8に沿って基盤6の他方の側に形成された縁枠9とを有する。基盤6の他方の側(縁枠9の設けられた側)には図示していない補強リブが格子状に設けられる。 【0025】基盤部5は、その縁近傍である四つの隅10に縁連結部11を有する。縁連結部11は、基盤面7の面から窪ませた面11aと、この面11aに設けられた中心寄り(または中央寄り)の内側孔14および外寄り(または縁寄り)の外側孔15とで形成される。構造部材の基盤部5同士は、この縁連結部11に係合可能な後述の縁連結部材33、35、37、39(図5〜8)を介して連結される。縁連結部11に縁連結部材33〜39を係合する際は、通常中心寄りの内側孔14が利用される。 【0026】基盤部5の縁辺中間位置に形成された四箇所の縁連結部12は、たとえばこの基盤部5の大きさの二分の一の大きさの別の構造部材を連結する際に利用される。縁連結部12は、縁連結部11と同様に、基盤面7の面から窪ませた面12aと、この面12aに設けられた中心寄り(または中央寄り)の二つの内側孔14および外寄り(または縁寄り)の二つの外側孔15とを有する。通常上記の別の構造部材を連結する際には外寄りの外側孔15を利用する。 【0027】基盤6は、一方の側(基盤面7の位置する側)と他方の側(補強リブのある側)とを通じさせる通孔(孔)16を有する。通孔16は、基盤の中心30に対して点対称に矩形の孔が16箇所、補強リブを避けた位置に設けられる。 【0028】柱状部19は、基盤部5の他方の側に中心30を点対称に四つ突出させて二重筒状に設けられる。柱状部19は、先端21に向かって漸次径が縮小する外筒27と、先端21から内側に折り返して基盤面7位置まで漸次径が縮小して延在させた内筒28とを有する。内筒28の基盤部側端面は閉塞され、内筒28の内側に補強リブ29が形成される。 【0029】上記のように、柱状部19は外筒27と内筒28とを有するので、基盤面7の外筒27と内筒28との間に環状の開口が形成される。また、柱状部19の先端21の面には円形の開口が形成される。 【0030】図4は、図2における I−I 線の要部断面図で、構造部材3a〜3cの相互の連結関係を示す。破砕部分Pは、図1の位置2a(構造体の側面でない連結部分)の部分の断面を示す。柱状部19a、19bは、その先端21に設けられた端連結部23を有する。構造部材3aと構造部材3bとは、端連結部23に係合可能な端連結部材46を介して柱状部の先端21同士を係合させ連結される。 【0031】端連結部23は、柱状部の先端21の平坦な面と、この面の円周方向に等間隔に設けられた八つの係合孔24とで形成される。本実施形態はこの八つの係合孔24の内の二つの係合孔24に後述の端連結部材46(図9)の突起48を挿入し係合させる。構造部材19bと構造部材19cとは、破砕部分Pに示すように、基盤6b、6cに設けられた内側孔14b、14cに第1縁連結部材33(図5)の突起41を挿入して係合させ連結させる。 【0032】図5は、第1実施形態における第1縁連結部材33を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。第1縁連結部材33は、構造部材の基盤部5同士を連結させるもので、板状部材34の両面の隅に片面四つ、合計八つの突起41が設けられる。第1縁連結部材33は、平面的に見て四つの構造部材の縁連結部11が隣接して1点に集まり、上下段合わせて八つの構造部材の縁連結部11の集まるところ(図1、2における位置2a)を連結するもので、突起41がそれぞれの縁連結造の内側孔14(図3)に挿入される。 【0033】突起41の形状は、内側孔14に嵌入できるものであれば特に限定されないが、突起41の先端側を、図5(B)に示すように、テーパー状にすると嵌入し易い。板状部材34は、適宜の位置に切り欠き34aと孔34bが形成される。切り欠き34aと孔34bが形成されることにより、板状部材34の材料が必要十分な剛性を保ちつつ節約される。板状部材34の厚みT1は縁連結部11の窪ませた深さの略2倍とする。 【0034】図6は、本実施形態における第2縁連結部材35を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。第2縁連結部材35は、第1縁連結部材33と同様に、構造部材の縁連結部11同士を連結するものであるが、連結する位置は、構造体の側である(図1、2における位置2b)。第2縁連結部材35に設けられる突起41は、板状部材36の両面の同じ隅に片面二つ、合計四つ設けられる。板状部材36は、適宜の位置に切り欠きや孔、たとえば図6(A)の実施形態においては、孔36aが形成される。図6におけるその他の部分の構造と作用は、図5の第1縁連結部材33と同じであるのでその説明を省略する。 【0035】図7は、本実施形態における第3縁連結部材37を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。第3縁連結部材37は、第1縁連結部材33と同様に、構造部材の縁連結部11同士を連結するものであるが、連結する位置は、構造体の最上面と最下面側である(図1、2における位置2c)。第3縁連結部材37に設けられる突起41は、板状部材38の片面の隅に四つ設けられる。板状部材38は、適宜の位置に切り欠きや孔、たとえば図7(A)に示すように、切り欠き38aと孔38bが形成される。板状部材38の厚みT2は縁連結部11の窪ませた深さと略同じとする。図7におけるその他の部分の構造と作用は、図5の第1縁連結部材33と同じであるのでその説明を省略する。 【0036】図8は、本実施形態における第4縁連結部材39を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。第4縁連結部材39は、第3縁連結部材37と同様に、構造部材の縁連結部11同士を連結するものであるが、連結する位置は、構造体の側である(図1、2における位置2d)。第4縁連結部材39に設けられる突起41は、板状部材40の片面の二つの隅に設けられる。板状部材40は、適宜の位置に切り欠きや孔、たとえば図8(A)に示すように、孔40aが形成される。板状部材の厚みT2は縁連結部11の窪ませた深さと略同じとする。 【0037】図9は、本実施形態における端連結部材46を示し、(A)は平面図、(B)は正面図および断面図である。図9(B)においては、中心線49の左側が正面図、右側が断面図を示す。連結する位置は、構造部材の柱状部の先端21同士である。端連結部材46は、環状板材47の両面に片面二つづつ、合計四つの突起48が設けられる。突起48の位置は、環状板材47の円周方向の八等分位置に設けられ、中心を挟む一対である。上面に設けられる一対の突起48と下面に設けられる一対の突起48は、角度で90度の相違がある。環状板材47の円周方向の八等分位置には四つの孔47aが設けられる。環状板材47に設けられる段部47bは、端連結部材46に剛性を持たせるために形成される。 【0038】上記第1実施形態において、縁連結部11、12と縁連結部材33、35、37、39、端連結部23と端連結部材46は嵌入による係合であるが、ボルト、ナットなどのねじを利用した固定手段、その他の固定手段を用いても良い。 【0039】図10は、本実施形態における側部材59を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。側部材59は、構造体1の側面または外面(図1における位置2e)に使用され、構造体1をシート類で覆う場合には、これらシート類を平面で受けて支え保護したり、構造体1が地下に埋設される場合、地盤の砕石、砂などが構造体1の内部空間72に侵入することを防止する。側部材59は、構造体1の外側面となる側60が平坦な面で、この側60の反対側に格子状の補強リブ61が設けられる。 【0040】側部材59は、その上下方向の一端および他端に突起62を有する。突起62は、側部材59を構造部材の基盤部5に係合する際に用いられ、一端および他端にそれぞれ二箇所設けられる。突起62の設けられる位置は、基盤部5の穴(孔)に適合する位置に設けられる。突起62の形状は特に限定されないが、立方体状、リブ状などである。 【0041】さらに、側部材59は、側60の反対側に支え凸部63を有する。支え凸部63は、構造体1の外側から側部材59にかかる圧力に抗することができるように設けられ、先に記した柱状部19の先端寄りに当接する。支え凸部63の形状は、特に限定されないが、先端の形状を柱状部19の外面形状に適合するように、たとえば円柱の柱状部の場合には円弧面にすると良い。 【0042】以上の構造を有する第1実施形態の構造体1は、次のように作用する。すなわち、図1において、構造体1は、二重筒状の柱状部の先端21同士が対向して連結され、かつ基盤部5同士が連結される。このようにすると基盤面7が構造体1の最上端と最下端に位置するので、構造体1を平坦な面に配置した場合、安定した状態に置かれる。 【0043】上記のようにして平坦な面に配置された構造体1は、構造部材3a〜3dが剛性を有するので、これらを連結して組み立てた構造体1自体も剛性を保持する。構造体1の上に荷重がかかった場合、先ず最上段に位置する構造部材3dの基盤部5dで受けとめられる。さらに、この荷重は柱状部19dで支えられ、さらにその下に位置する基盤部5cに伝達され、最終的に最下段に位置する構造部材の基盤部5aに伝えられて地盤に伝達される。このように、構造体1の上にかかる荷重は、構造部材3dの基盤面7で平均的に受けとめられ、かつ構造部材3aの基盤面7で地盤に平均的に伝えられる。 【0044】基盤部5と基盤部5の間は柱状部19が介在するので、構造体1の内部に空間72が形成される。この空間72は、たとえば構造体1を地下に埋設して雨水を貯留することに利用できる。この場合、基盤部に設けられた通孔16(図3)は、水を貯留するときに水がこの通孔16を通して移動することができる。なお、通孔16は、構造体1の用途により設ける場合と設けない場合がある。 【0045】また、構造部材3は軽量材料で形成されるので、一つ当たりの構造部材3は軽量である。構造部材3の一つ当たりの重量が小さいので運搬や組み立て時の取り扱いが容易となり、施工が容易となる。その上、構造体1は複数の構造部材の基盤部5同士および柱状部の先端21同士を直接的に連結して組み立てるので短期間に組み立てることができる。 【0046】基盤部5は、四隅近傍に縁連結部11を有するので、この縁連結部11に係合可能な縁連結部材33、35、37および39を使用することにより、この縁連結部材33、35、37および39を介して基盤部5同士を短時間に連結できる。同様に、柱状部19はこの柱状部の先端21に設けられた端連結部23に係合可能な端連結部材46を使用することにより、この端連結部材46を介して柱状部の先端21同士を短時間に連結できる。基盤部5は、板状の基盤6と、その縁の他方の側に沿った縁枠9とを有し、他方の側に補強リブが設けられるので、基盤部5部分の重量を小さくできる。 【0047】また、二重筒状に形成された柱状部19は軽量であり、かつ耐荷重性に優れる。特に、柱状部19を先端に向かって漸次縮小した筒状に形成されるので、構造部材3を運搬ないし輸送する際に筒状柱状部19を重ね合わせることができる。すなわち、上方の内筒28の内側が下方の内筒の外側に入り込み、複数の構造部材3を積み重ねることができ、運搬効率ないし輸送効率が向上する。さらに、基盤部5に突出させる柱状部19を四つ設けることにより、安定して重ねることができる。 【0048】二重筒状に形成された柱状部の内筒の内側空間と、内筒と外筒の間の空間などに充填材を注入することもできる。充填材としては、たとえば発泡スチロールや発泡スチレンなどの比重が1より小さい物質や、逆に比重が1より大きいモルタル、コンクリートなどの材料を注入することもできる。注入する充填材は、内筒、外筒に注入することにより一体に接着または固着する物質ないし材料が好ましいが、一体とならない充填材の場合は、開口を塞ぐ蓋が取り付けられるように形成すれば良い。 【0049】充填材の比重が1より小さい場合は、構造体を水に浮かせることができる。たとえば、各構造部材に植物を育成できる土ないしこれに相当する材料または土のいらない植物などを植えて、湖水や池に浮かべ植物を育成する容器として使用することができる。比重が1より大きい場合は、構造体を水中に沈めて、漁礁や海岸線の砂の保護、あるいは消波ブロックとして用いることもできる。 【0050】図11は、本発明に係る構造体の第2実施形態を示し、筒状の柱状部19の内側に芯材50を入れた場合の要部断面図である。図12は、芯材50を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。芯材50は、中空截頭円錐体51の大径側の端面に中空円柱状の突出部52を設けたものである。この芯材50を二重筒状の柱状部19の内筒28内に挿入して、この柱状部の先端21同士を連結する。 【0051】このようにすると、上に位置する構造部材、たとえば構造部材19bにかかる荷重の一部は、この芯材50bに伝達され、その突出部52bに当接する突出部52aを介して芯材50aに伝達され、芯材50aから構造部材の内筒28aに伝達される。芯材50aからの荷重の一部は、補強リブ29aに伝達される。このように荷重は外筒27と内筒28の他に芯材50も介して伝達されるので、構造体1の耐荷重性を向上させることができる。図11におけるその他の部分の構造と作用は、図1から10に示した第1実施形態の場合と同じであるのでその説明を省略する。 【0052】図13は、本発明に係る構造体の第3実施形態を示し、筒状柱状部19a、19bの先端内側に内筒連結部材55を挿入した場合の要部断面図である。図14は、第3実施形態における内筒連結部材を示し、(A)は平面図、(B)は III-III 線断面図である。内筒連結部材55は、円筒56と、この円筒56の中間に垂直に設けられた環状の横リブ57と、円筒56の縦方向に設けられた複数の縦リブ58とを有する。縦リブ58は、円筒56の円周方向に等間隔に複数設けられ、その数は内筒連結部材55の大きさにより適宜の数とする。 【0053】内筒連結部材55の形状は、第3実施形態に示した形状に限定されず、たとえば一面の両側に同軸状に形成された截頭円錐体で中空または中実のものでも良い。二つの柱状部の先端21同士が当接した内筒内に内筒連結部材55を設けることにより二つの構造部材を連結することができる。図13におけるその他の部分の構造と作用は、第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。 【0054】図15は、本発明に係る構造体の第4実施形態を示し、構造部材の基盤部5側に蓋部材65を設けた状態の要部断面図である。図16は、第4実施形態の蓋部材65を示し、(A)は正面図、(B)は下面図である。図16に示すように、蓋部材65は、円板66と、この円板66の片面に設けられた二つの同心の環状突起68、69とを有する。環状突起68は外筒27の内周に、環状突起69は内筒28の外周にそれぞれ係合する。 【0055】構造部材の基盤面7は、柱状部の外筒27と内筒28の間が開口している。このため、構造体の上端面および下端面に圧力がかかる場合には、この開口に位置するシート類が破損するおそれがある。シート類が破損すると、予期しない漏水、汚染水などが浸入する。また、砂、砕石などの異物も柱状部の外筒27と内筒28の間の開口から侵入するおそれがある。水や異物などが浸入すると構造体1の機能に影響することがあるので、この場合は開口に蓋部材65を設けるものである。図15におけるその他の部分の構造と作用は、第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。 【0056】 【発明の効果】本発明によれば、内部に空間が形成される構造体を短期間に組み立てることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】594060118 【氏名又は名称】林 慎一郎
|
| 【出願日】 |
平成12年6月14日(2000.6.14) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−355259(P2001−355259A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−178095(P2000−178095) |
|