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【発明の名称】 複数吐出部を備える水栓柱
【発明者】 【氏名】亀井 潤介

【氏名】西岡 明

【要約】 【課題】複数の吐出部を備え、使い勝手の良い水栓柱を提供する。

【解決手段】水栓柱1は、中空の柱状ケース2の基部に給水部11,給湯部12が設けられ、柱状ケース2内に、湯水混合栓3・切替弁6・給水管W・給湯管H・連絡管M,送給管M1 ,M2 が内蔵される。切替弁6の流入口は連絡管Mで湯水混合栓3の二次側と接続され、切替弁6の二つの流出口とシャワー用吐出部7及び下方吐出部10とは送給管M1 ,M2 で接続されている。切替弁6に設けた切替ハンドル6aを操作することで、温水をシャワー用吐出部7又は下方吐出部10のいずれかを選択して吐出させることができるから、使い勝手がよい。下方吐出部10を例えばホース専用の吐出部として使用することも可能である。水栓本体及び切替弁を柱状ケースに内蔵させたから、太陽光や風雨によって劣化するのが抑えられ、長寿命化を図れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中空の柱状ケースに、水を導入するための給水部と複数の吐出部とが設けられ、柱状ケース内に、水栓本体と、複数の流出口を有する切替弁と、給水部と水栓本体の一次側とを接続する給水管と、水栓本体の二次側と切替弁の流入口とを接続する連絡管と、切替弁の複数の流出口と柱状ケースに設けた複数の吐出部とをそれぞれ接続する複数の送給管とが内蔵され、前記切替弁を操作することによって水を吐出させる吐出部を選択できるようにしたことを特徴とする複数吐出部を備える水栓柱。
【請求項2】 中空の柱状ケースに、水を導入するための給水部、湯を導入するための給湯部、及び、湯水を吐出するための複数の吐出部が設けられ、柱状ケース内に、湯水混合栓と、複数の流出口を有する切替弁と、前記給水部と湯水混合栓の水流入部とを接続する給水管と、前記給湯部と湯水混合栓の湯流入部とを接続する給湯管と、前記湯水混合栓の温水流出部と切替弁の流入口とを接続する連絡管と、切替弁の複数の流出口と柱状ケースに設けた複数の吐出部とをそれぞれ接続する複数の送給管とが内蔵され、前記切替弁を操作することによって湯水を吐出させる吐出部を選択できるようにしたことを特徴とする複数吐出部を備える水栓柱。
【請求項3】 前記湯水混合栓に流路の切替弁機構が一体に設けられ、当該湯水混合栓に形成した複数の流出口と柱状ケースに設けた複数の吐出部とがそれぞれ送給管で接続され、前記湯水混合栓の切替弁機構を操作することによって湯水を吐出させる吐出部を選択できるようにした請求項2に記載の複数吐出部を備える水栓柱。
【請求項4】 柱状ケースに設ける複数の吐出部のうちの一つを常時ホースが接続されるホース専用の吐出部とした請求項1乃至3のいずれかに記載の複数吐出部を備える水栓柱。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、庭,車庫,公園等の屋外に設置されるのに適した水栓柱に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外に水栓設備を設置する場合、柱状の支持体を立設し、この柱状支持体内に配管を設けると共に、該柱状支持体の普通は上方領域に単水栓等の水栓器具を外部操作可能に取り付けた水栓柱を用いることがある。一般に、この種の水栓柱は、下部がコンクリートで固定されたり、移動可能なコンクリートブロック上に立設されたりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の水栓柱は、水栓器具を柱状支持体に取り付けただけであり、ホースを用いて水を吐出させたい場合、その度ごとにホースを水栓器具に接続し,使い終わったら取り外す作業が必要である。また、複数の水栓器具を柱状支持体に設けたものもあるが、この場合は、水を吐出させたい位置の水栓器具を個別に操作する必要があり、水栓器具の取付位置によって、特に地面近くの下方の水栓器具は、操作しづらい場合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問題を解決できる水栓柱を提供するものである。請求項1に記載した本発明に係る水栓柱の特徴とするところは、中空の柱状ケースに、水を導入するための給水部と複数の吐出部とが設けられ、柱状ケース内に、水栓本体と、複数の流出口を有する切替弁と、給水部と水栓本体の一次側とを接続する給水管と、水栓本体の二次側と切替弁の流入口とを接続する連絡管と、切替弁の複数の流出口と柱状ケースに設けた複数の吐出部とをそれぞれ接続する複数の送給管とが内蔵され、前記切替弁を操作することによって水を吐出させる吐出部を選択できるようにしたことである。前記の如く構成した本発明水栓柱は、切替弁を操作するだけで所望する吐出部から水を吐出させることができるから、使い勝手が非常に良い。
【0005】なお前記水栓柱において、内蔵する水栓本体を湯水混合栓とすることが可能である。この場合の水栓柱の構成は、請求項2に記載する如く、中空の柱状ケースに、水を導入するための給水部、湯を導入するための給湯部、及び、湯水を吐出するための複数の吐出部が設けられ、柱状ケース内に、湯水混合栓と、複数の流出口を有する切替弁と、前記給水部と湯水混合栓の水流入部とを接続する給水管と、前記給湯部と湯水混合栓の湯流入部とを接続する給湯管と、前記湯水混合栓の温水流出部と切替弁の流入口とを接続する連絡管と、切替弁の複数の流出口と柱状ケースに設けた複数の吐出部とをそれぞれ接続する複数の送給管とが内蔵され、前記切替弁を操作することによって湯水を吐出させる吐出部を選択できるようにしたことを特徴とするものとなる。かかる構成の水栓柱は、切替弁により使用する吐出部を任意に選択できるのみならず、湯水混合栓を内蔵させたことにより、所望に応じて温水を吐出させることができるから、寒冷期における使用、例えば洗車やペットの足洗い等を快適に行える。
【0006】さらに、湯水混合栓を内蔵させた水栓柱において、湯水混合栓に流路の切替弁機構を一体に設け、当該湯水混合栓に形成した複数の流出口と柱状ケースに設けた複数の吐出部とをそれぞれ送給管で接続し、前記湯水混合栓の切替弁機構を操作することによって湯水を吐出させる吐出部を選択できるようにすることも可能である。
【0007】ところで、本発明に係る水栓柱において、柱状ケースに設ける複数の吐出部のうちの一つを、常時ホースが接続されるホース専用の吐出部としてもよい。これにより、ホースの着脱作業を不要にすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕図1〜図3に、本発明の第1の実施形態に係る複数吐出部を備える水栓柱1を示す。本例の水栓柱1は、例えば図1に示すように、排水手段26を備えた屋外のコンクリート製の洗い場27に完全固定の状態で立設される。また本例の水栓柱1は、湯水混合栓が内蔵されており、給水源から水を供給するための給水配管13、及び、給湯機器Q等の給湯源から湯を供給するための給湯配管14が、柱状ケース2の基部に接続されている。なお、これら給水配管13,給湯配管14は、洗面化粧台15やキッチンシンク等に設置される湯水混合水栓16へ、水又は湯を供給するための配管から分岐させて設けることができる。
【0009】前記水栓柱1は、図2に示す如く、中空の柱状ケース2内部の上方領域に湯水混合栓3が配置され、この湯水混合栓3の下側に止水機能を含む流路の切替弁6が設けられる。柱状ケース2には、給水配管13が接続される給水部11、給湯配管14が接続される給湯部12、シャワーヘッド20に接続したシャワーホース21との接続部7aを有するシャワー用吐出部7、及び、通常のホース等が接続される下方吐出部10が、壁部の内外を貫通するように設けられている。そして、給水部11と湯水混合栓3の水流入部とを連絡する給水管W、給湯部12と湯水混合栓3の湯流入部とを連絡する給湯管H、湯水混合栓3の温水流出部と切替弁6とを連絡する連絡管M、並びに、切替弁6の複数の流出口とシャワー用吐出部7及び下方吐出部10とをそれぞれ連絡する送給管M1 ,M2 が、柱状ケース2内に納められている。
【0010】前記シャワー用吐出部7のホース接続部7aには、シャワーホース21をワンタッチで着脱可能なカップリング部材を設けてもよい。さらにシャワー用吐出部7は回動可能としてもよい。他方、下方吐出部10における接続部10aについても、例えばホース30を押し込むだけのワンタッチで接続できるようなカップリング部材を設けてもよい。
【0011】柱状ケース2の左右外面には、前記湯水混合栓3を操作するための二つのハンドル4,5を実質的に左右対称となるように突出して設けると共に、柱状ケース2の正面には、前記切替弁6を操作する切替ハンドル6aを設けて、これら湯水混合栓3と切替弁6とを外部操作可能としてある。なお湯水混合栓3に設ける二つのハンドル4,5とは、給水量調節用の給水操作ハンドルと給湯量調節用の給湯操作ハンドルの組合せとするほか、サーモスタットを内蔵させて自動温度調節機能を持たせた場合は、前記操作ハンドル4,5の一方を流量調節ハンドル、もう一方を温度調節ハンドルとすることが考えられる。
【0012】柱状ケース2は、例えばステンレス鋼板等の金属・合成樹脂・表面を樹脂被覆した鋼板・セラミックなど、比較的強度が有って耐久性,耐候性に優れている部材で製作するのが望ましい。また柱状ケース2の形状は、角柱状,円柱状,多角柱状等、適宜選択することが可能である。また柱状ケース2の上部開口は着脱可能なキャップ2aで覆蓋され、このキャップ2aを取り外すことにより、ケース内部のメンテナンスを容易に行えるようなされている。さらに柱状ケース2の外面には、シャワーヘッド20を保持するためのシャワーフック22と、適宜形状のハンガー23とを設けてある。
【0013】ところで、湯水混合栓3,給湯管H,連絡管M及び送給管M1 ,M2 には高温の湯を流通させることがあるので、柱状ケース2を合成樹脂,樹脂被覆した金属板,セラミック等の断熱性部材で製作するのがよい。あるいは柱状ケース2を金属等の熱の良導体で製作した場合は、水栓柱1の表面が高温となるおそれがあるので、上記湯水混合栓3,給湯管H,連絡管M及び送給管M1 ,M2 の表面を断熱材で被覆してもよい。さらには必要に応じ、柱状ケース2内を、例えば発泡樹脂やモルタル等で充填してもよい。
【0014】前述の如く構成される水栓柱1は、基部に設けた給水部11及び給湯部12に給水配管13,給湯配管14を接続し、柱状ケース2を所定箇所に立設するだけで施工することができる。本例では湯水の吐出部として、シャワーヘッド20を連結したシャワーホース21が接続されるシャワー用吐出部7と、通常のホース30が接続される下方吐出部10とを設けた。そして、二つの流出口を持つ切替弁6を柱状ケース2に内蔵し、該切替弁6の流入口を連絡管Mで湯水混合栓3の二次側と接続し、該切替弁6の各流出口と前記シャワー用吐出部7及び下方吐出部10とを、それぞれ送給管M1 ,M2 で接続した。従って切替弁6の切替ハンドル6aを操作することにより、湯水混合栓3から連絡管Mを経由して送出される温水を、切替弁6を介して、シャワー用吐出部7又は下方吐出部10のいずれかを選択して吐出させることができる。
【0015】また、湯水を吐出させる吐出部を用途に応じ切替弁6で選択することができるから、下方吐出部10を、ホースを常時接続したホース専用吐出部とすることが可能である。この場合、通常の湯水の使用は、切替弁6でシャワーヘッド20からの吐出を選択すればよいから、下方吐出部10のホースを取り外す必要がなくなる。また、下方吐出部10に接続したホースを巻き取ったものは、柱状ケース2に設けたハンガー23に係止させればよい。
【0016】さらに本例の水栓柱1は、湯水混合栓3を備えたことにより、必要に応じて温水を、シャワー用吐出部7を経由してシャワーヘッド20から、あるいは下方吐出部10に接続したホース等から吐出させることができる。依って、寒冷期における洗車やペットの足洗い等を快適に行うことができる。また湯水の吐出を、シャワーホース21に連結したシャワーヘッド20から又は下方吐出部10に接続したホース30から行うので、湯水の吐出方向を任意の方向とすることができ、依って、打ち水や庭木への散水を容易に行える。
【0017】柱状ケース2には、内蔵した湯水混合栓3から吐出される温水の流量及び温度を調節するためのハンドル4,5、及び、切替弁6を操作するための切替ハンドル6aが設けられるが、本例では、湯水混合栓3の操作ハンドル4,5を、水栓柱1を正面視したときの左右側面に中心軸に対し対称であって且つ回転軸が水平となるように配置し、切替ハンドル6aを水栓柱1の正面に配置した。ハンドル4,5,6aをこのように配置することにより、水栓柱1の正面側で作業する場合において、作業者が立っていても座っていても、左右の操作ハンドル4,5及び正面のハンドル6aを操作するのが容易になる。
【0018】なお、柱状ケース2の外面に水栓器具を設けないから、突出部分を少なくすることができ、見栄えが向上する。水栓柱1に設けたハンガー23は、散水終了後に巻き取ったホースを引っかけるほか、ペットの足洗いに際して引き綱を係止させるのに利用することができる。
【0019】〔第2の実施形態〕図4は、水栓柱1に内蔵される湯水混合栓3に、止水機能を含む流路の切替弁機構を一体に設けた実施形態を示すものである。従って、当該湯水混合栓3は、湯水の流出部を2個有するものとなっている。本例では、柱状ケース2内に配設した当該湯水混合栓3に、温度調節操作部を備えた流量調節ハンドル5と流路の切替ハンドル6aとを、柱状ケース2の外部から操作し得るよう設けると共に、この湯水混合栓3と、シャワー用吐出部7及び下方吐出部10とを、それぞれ送給管M1 ,M2 とで連絡した。そして、切替ハンドル6aを操作して、湯水混合栓3に内蔵した流路の切替弁機構を動作させることにより、水又は温水を、シャワー用吐出部7を通じてシャワーヘッド20から吐出させるか、または下方吐出部10に接続したホース(図示せず)等から吐出させるかを任意に選択することが可能なよう構成されている。
【0020】〔第3の実施形態〕図5及び図6に、本発明に係る水栓柱1の異なる実施形態を示す。同水栓柱1の基本構成は、前記第1,第2の実施形態と共通である。本例の特色とするところは、湯水混合栓3と給水部11とを接続する給水管Wの途中、及び、湯水混合栓3と給湯部12とを接続する給湯管Hの途中それぞれに逆止弁8,9を配設した点、そして、これら逆止弁8,9を、柱状ケース2の側面に形成した開孔から着脱操作できるよう構成した点にある。
【0021】かかる構成により、本例の水栓柱1にあっては、柱状ケース2内部に収納した各器具の点検を、上端に装着したキャップ2aを取り外すことにより行い、給水管W及び給湯管Hの途中に設けた逆止弁8,9のメンテナンスは、柱状ケース2の側面から行うことができる。
【0022】なお本例の水栓柱1は、柱状ケース2の基部(地面Gの下に埋設される部分)における片面に、給水部11及び給湯部12の両方を設けた点が若干相違している。また図6に示す如く、水栓柱1の基部に排水口(図示省略)を有する防水パン24を設けると共に、この防水パン24内にスノコ25等の水切り部材を配置した。スノコ25を防水パン24に設けておくことにより、例えばペットなどを洗ったあとで、水切りを行うのが容易になる。また前述の実施形態は、水栓本体を湯水混合栓としているが、これを単水栓とすることも可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る複数吐出部を備える水栓柱は、以下のような効果を発揮する。
■水栓柱に複数の吐出部を設けたので、用途によって使用する吐出部を選択することができる。しかも、いずれの吐出部から水を吐出させるかを切替弁で選択するようにしたから、使い勝手が良い。また所望により、一つの吐出部をホース専用吐出部として設定できるから、ホースの着脱操作を不要にすることが可能である。
■湯水混合栓等の水栓本体及び切替弁を柱状ケースに内蔵させて保護するから、これらが太陽光や風雨に直接曝されることがない。依って、水栓本体及び切替弁の劣化が抑えられ、長寿命化を図れる。
■水栓本体と切替弁とを柱状ケースに内蔵させたことにより、水栓柱の突出部分が少なくなるので、見栄えが向上する。
【出願人】 【識別番号】000000479
【氏名又は名称】株式会社イナックス
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】株式会社三栄水栓製作所
【出願日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【代理人】 【識別番号】100082016
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敏彦
【公開番号】 特開2001−288785(P2001−288785A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2000−374490(P2000−374490)