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【発明の名称】 洗浄タンク
【発明者】 【氏名】坂元 健二

【氏名】安藤 茂

【氏名】常田 昌広

【氏名】大島 功治

【氏名】竹下 朱美

【氏名】遠藤 慎良

【要約】 【課題】雨水や浴槽水を飲料以外の用途に対する生活用水として有効に利用することができると共に、経済性、メンテナンス性に優れた簡便な浄化タンクを提供すること。

【解決手段】雨水や、風呂排水等の中水に含まれる小さなゴミや土砂などの汚濁物を沈降作用によって除去する沈降部を通過した後に濾過部へ導く沈殿濾過槽と該沈殿濾過槽で処理された水を貯留する貯水槽から構成された浄化タンクにおいて、前記貯水槽の最高貯留水位より高い位置に前記沈殿濾過槽から流出する水の殺菌を行う殺菌手段を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 雨水や、風呂排水等の中水に含まれる小さなゴミや土砂などの汚濁物を沈降作用によって除去する沈降部を通過した後に濾過部へ導く沈殿濾過槽と、該沈殿濾過槽で処理された水を貯留する貯水槽から構成された浄化タンクにおいて、前記貯水槽の最高貯留水位より高い位置に前記沈殿濾過槽から流出する水の殺菌を行う殺菌手段を配置したことを特徴とする浄化タンク。
【請求項2】 雨水や、風呂排水等の中水に含まれる小さなゴミや土砂などの汚濁物を沈降作用によって除去する沈降部を通過した後に濾過部へ導く沈殿濾過槽と、該沈殿濾過槽で処理された水を貯留する貯水槽から構成された浄化タンクにおいて、前記沈殿濾過槽から流出する水の通水経路中でかつ、前記貯水槽の最高貯留水位より高い位置に溶解性殺菌洗浄薬剤を置く容器を配置したことを特徴とする浄化タンク。
【請求項3】 前記溶解性殺菌洗浄薬剤に少なくとも1つ以上の色素成分が含まれていることを特徴とする請求項2記載の浄化タンク。
【請求項4】 前記溶解性殺菌洗浄薬剤に含まれる色素成分としてメチレンブルーを用いたことを特徴とする請求項3記載の浄化タンク。
【請求項5】 前記溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器は容器下部から溶解性殺菌洗浄薬剤を層状に重畳状に配置可能な形状であり、かつ容器下部に重畳状に配置された前記溶解性殺菌洗浄薬剤の一部を通過する流路が確保された形状であることを特徴とする請求項2〜4記載の浄化タンク。
【請求項6】 前記溶解性殺菌洗浄薬剤は複数に重畳可能な固形状をなしていることを特徴とする請求項2〜5記載の浄化タンク。
【請求項7】 前記貯水槽の上部には水位を殺菌洗浄手段の下面に維持するための排水口が設けられていることを特徴とする請求項1〜6記載の浄化タンク。
【請求項8】 前記沈殿濾過槽の沈降部上部で、濾過部よりもよりも高い位置に供給水排水口を設けたことを特徴とする請求項1〜7記載の浄化タンク。
【請求項9】 前記浄化タンクの貯水槽へ水道水を供給する水道水供給手段と、開閉弁と貯水タンクの水位を検出可能な水位センサとを設け、貯水タンクの水位が予め定められた上限に達すると前記開閉弁を閉じ、貯水タンクの水位が予め定められた下限になると前記開閉分を開くように制御する制御部を設けたことを特徴とする請求項1〜8記載の浄化タンク。
【請求項10】 上記沈殿濾過槽の沈降部下部にはドレン口が設けられ、このドレン口に向けて槽の底面が下方傾斜していることを特徴とする請求項1〜9記載の浄化タンク。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雨水や浴槽水などを浄化しトイレなどに使われる生活用水として有効に利用するために用いられる浄化タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雨水や浴槽水の大半は何ら利用される機会を経ず、通常の生活用水と同様に下水に放出されていた。しかも飲料以外の用途に対する生活用水については、上水道を使用するのが一般的であった。そのことは生活用水全体について経済性を考えた場合、非常に無駄が多いといえる。これに対し近年、水質が比較的良好な雨水や浴槽水に着目し、それを集水してタンクに貯留し、トイレの洗浄水等の生活用水として有効に利用する装置が考案されている(実願平8−10988、実願平8−78)。これらの装置には特に風呂水等に含まれる黄色ブドウ球菌や大腸菌などの雑菌を殺菌する装置が組み込まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの装置において実願平8−78については、貯水槽に貯えられた貯留水が配水される際に水を殺菌する機構となっている。このため、貯水槽内に長期的に保存された貯留水の殺菌に関して考慮されていない。このことより、長期的に貯水槽内に貯留水が保持される場合、貯水槽内で菌が繁殖し臭気が発生する、また菌により貯水槽内壁が汚れるなどの問題が生じてしまうことがあった。また実願平8−10988については貯水槽内の貯留水の殺菌を行う機構となっているが、この殺菌装置は貯留水量に応じて殺菌手段の駆動が制御されていない。よって貯留水が少ない場合、殺菌手段を無駄に駆動させてしまうことがあった。また、殺菌手段は貯水槽の貯留水に常に水没した位置に配置された構成となっており、特別な攪拌手段が設けられていない限り、貯水槽内の殺菌は殺菌手段近傍でしか行われず貯水槽内全体の殺菌を行うことができないという問題があった。また貯留水による殺菌手段の汚れ、腐食等により殺菌手段の能力低下などの問題が生じてしまうことがあった。またさらには、殺菌手段が常に貯留水内に水没した位置に設置されているため、部品の交換などのメンテナンス性が悪い等の問題も生じていた。
【0004】そこで本発明の目的は、雨水や浴槽水をトイレなどの生活用水として利用するときにおこる上述した各種の問題を解消することにあり、また経済性、メンテナンス性に優れた簡便な浄化タンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段および作用・効果】
【0005】上記課題を解決するために、本発明に係る浄化タンクは、雨水や、風呂排水等の中水に含まれる小さなゴミや土砂などの汚濁物を沈降作用によって除去する沈降部を通過した後に濾過部へ導く沈殿濾過槽と該沈殿濾過槽で処理された水を貯留する貯水槽から構成された浄化タンクにおいて、前記貯水槽の最高貯留水位より高い位置に前記沈殿濾過槽から流出する水の殺菌を行う殺菌手段を配置したことを特徴とする。
【0006】このことにより濾過槽から流出する水に対して殺菌が行われるため貯留水の水量に関わらず、均一に無駄なく殺菌を行うことができる。また貯水槽に流入する水をその都度殺菌しているため、別途攪拌手段を設けなくても貯水槽全体が殺菌される。また殺菌手段が、貯水槽の最高貯留水位よりも高い位置に配置されていることから、貯留水による汚れ、腐食の心配がない。また殺菌手段が貯留水中に水没していないため、メンテナンスが容易である。
【0007】本発明に係わる浄化タンクの一様態としては、雨水や、風呂排水等の中水に含まれる小さなゴミや土砂などの汚濁物を沈降作用によって除去する沈降部を通過した後に濾過部へ導く沈殿濾過槽と該沈殿濾過槽で処理された水を貯留する貯水槽から構成された浄化タンクにおいて、前記沈殿濾過槽から流出する水の通水経路中でかつ、前記貯水槽の最高貯留水位より高い位置に溶解性殺菌洗浄薬剤を置く容器を配置したことを特徴とする。
【0008】このことにより、上述したメリットに加え以下のような効果が期待できる。溶解性殺菌洗浄薬剤を用いると、溶解性洗浄薬剤の溶解量は溶解性殺菌洗浄薬剤を通過する流水量に応じて決定されるため、貯留水の殺菌成分濃度のコントロールが容易にできる。また、洗浄剤が含まれることにより、貯水槽内の洗浄および、貯水槽内の貯留水をトイレ等に配水する際、トイレの便器等の洗浄効果も持たせることができる。洗浄薬剤を用いることで装置がコンパクトになる。
【0009】また、好ましくは前記溶解性殺菌洗浄薬剤に少なくとも1つ以上の色素成分が含まれていることを特徴とする。
【0010】このことにより、色素成分により貯留水が着色していることから、溶解性殺菌洗浄薬剤が無くなったことがすぐに使用者が認知できるため、溶解性殺菌洗浄薬剤が無くなった状態で洗浄タンクが使用され、殺菌されない水が供給されるのを防ぐことができる。
【0011】さらに好ましくは、前記溶解性洗浄薬剤に含まれる色素成分としてメチレンブルーを用いたことを特徴とする。
【0012】メチレンブルーは色素成分であるにも関わらず、殺菌力があることが知られている。このことより、色素成分としてメチレンブルーを用いることで、使用者が溶解性殺菌洗浄薬剤が無くなったのを認知できるとともに貯留水の殺菌も同時に行うことができる。
【0013】また、さらに好ましくは前記溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器は容器下部から溶解性殺菌洗浄薬剤を層状に重畳状に配置可能な形状であり、かつ容器下部に重畳状に配置された前記溶解性殺菌洗浄薬剤の一部を通過する流路が確保された形状であることを特徴とする。
【0014】通常溶解性殺菌洗浄薬剤の寿命は、薬剤を通過する水量、薬剤の大きさにもよるが、数ヶ月と短い。特に雨水や浴槽水といった大容量の水を処理する場合はさらに短いと考えられる。よって使用者がその都度薬剤を容器に設置するのは面倒である。そのために大量の薬剤を装填することが考えられるが、装填した薬剤すべてに流入水が接触すると、必要量以上に薬剤が溶解され、無駄が生じる。そこで上記構成にすることにより、設置した薬剤の一部しか、使用されないため、大量に薬剤を装填した場合でも無駄に消費されることがない。また、薬剤は重畳状に装填されるため、下部の薬剤が消費されると、すぐ上の薬剤により随時補充されるため、長期にわたり安定した殺菌成分を供給できる。このため使用上の使い勝手が向上する。
【0015】さらに好ましくは前記溶解性殺菌洗浄薬剤は複数に重畳可能な固形状をなしていることを特徴とする。
【0016】このことより薬剤を1つずつ溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器に投入するため、薬剤の装填が簡単に行える。
【0017】好ましくは前記貯水槽の上部には水位を殺菌洗浄手段の下面に維持するための排水口が設けられていることを特徴とする。
【0018】このことにより、雨水、浴槽水が貯水槽の容量以上に集水された場合でも、殺菌手段および、溶解性殺菌洗浄薬剤が貯留水中に水没することがない。
【0019】またさらに好ましくは、前記沈殿濾過槽の沈降部上部で、濾過部よりもよりも高い位置に供給水排水口を設けたことを特徴とする。
【0020】このことにより、濾過部が根づまりをおこした場合、タンク内水が集水口側に逆流するのを防ぐことができる。また供給水排出口から供給水が排出されることで、濾過部の根づまりを使用者が容易に認知することができる。
【0021】またさらに好ましくは、前記浄化タンクの貯水槽へ水道水を供給する水道水供給手段と、開閉弁と貯水タンクの水位を検出可能な水位センサとを設けた構成において、貯水タンクの水位が予め定められた上限に達すると前記開閉弁を閉じ、貯水タンクの水位が予め定められた下限になると前記開閉分を開くように制御する制御部を設けたことを特徴とする。
【0022】タンク内の貯水量は降雨量や浴槽水量により作用されるため、水の使用量の方が上回るような場合にあっては、タンク内の水をすべて使い切ってしまい、必要な時に水を供給できないことがある。よって、タンク内の水が無くなった時はその都度水を補給しなければならなかった。上記構成にすることによって、タンク内の必要最小量の水が常に確保されるようになるとともにタンク内の水の管理作業負荷が軽減される。
【0023】さらに好ましくは、上記沈殿濾過槽の沈降部下部にはドレン口が設けられ、このドレン口に向けて槽の底面が下方傾斜していることを特徴とする。
【0024】雨水、浴槽水といった中水は上水とことなり、汚濁物の含まれる量が多い。よって沈降部下部には溜まる汚濁物を除去するドレン口が必要となる。上記構成にすることによりドレン口に向けて槽の底面が下方傾斜していることにより、沈降部下部に沈降した汚泥物を容易に除去できる。
【発明の実施の形態】
【0025】以下、本考案の実施例を図面を用いて説明する。図1は本考案にかかる浄化タンクの一実施例を示す正面略線図であり、図2は溶解性殺菌洗浄容器の正面略線図である。この図に示す本発明の浄化タンクはステンレス鋼板製のタンク本体内を、沈殿濾過槽1と貯水槽2とに区画し、集水用樋3または生活用水排水管4から集水した雨水または浴槽水が前記各槽内を移動するように構成されている。なおタンク本体は、耐久性、耐侯性およびアオコ対策のために、光の透過しないステンレス鋼板(SUS304等)を用い、タンク蓋は軽量化のため耐食アルミニウム材を用いることが望ましい。
【0026】ここで沈殿濾過槽1は沈降部5と連結する濾過部6に画成され前記沈降部5には集水樋3または生活用排水管4を接続すると共にゴミ取り用スクリーン7を内装せしめ、前記濾過部6には開放下部から上方のオーバーフロー口8に向けて濾過材が層状に設けられている。特に濾過部に使用される濾過材として、活性炭とゼオライトを用いることが好ましい。その理由としては、活性炭とゼオライトを組み合わせることにより、有機物やアンモニア等を効果的に濾過できるからである。前記濾過材はパッケージ式になっており、その取り替えは容易である。
【0027】なお、この沈殿濾過槽1の集水側下部には沈降部5で沈殿した汚濁物を取り除くためのドレン口9を設け、この槽の底部が、前記ドレン口9に向けて下方傾斜した構造となっている。その理由は、堆積した汚泥物の排出を容易に行うことができるためである。また、沈降部5の濾過部6よりもよりも高い位置に供給水排水口17が設けられている。その理由はタンクないの水が集水側に逆流するのを防ぐのと濾過部6の根づまりを検知するためである。また貯水槽2の上部に排水口10を設けて、過剰の雨水等を排出する構成となっている。この理由は、濾過水が、貯水槽の容量以上に集水された場合でも、殺菌手段および、溶解性殺菌洗浄薬剤が貯留水中に水没することがないようにするためである。
【0028】また、貯水槽2は沈殿濾過槽1の濾過部6の上方のオーバーフロー口8を経て流入した濾過水を貯留するための槽であり、外設した配水装置11に接続されている。また、貯水槽の最高貯留水位より高い位置に前記沈殿濾過槽1から流出する水を処理する溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器12が設置されている。
【0029】また前記溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器12は図2に示すように容器下部から溶解性殺菌洗浄薬剤を層状に重畳状に配置可能な形状であり、かつ容器下部に重畳状に配置された前記溶解性殺菌洗浄薬剤の一部を通過する流路が確保された形状となっている。溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器12内部には複数個の固形薬剤13が重畳状に装填されており、もっとも下部に位置する固形薬剤13が沈殿濾過槽1から流入する濾過水により溶解され、貯留水の殺菌が行われる。ここで、もっとも下部に位置する固形薬剤13が沈殿濾過槽1から流入した水により溶解し、消失されると、すぐ上の固形薬剤13が落下してきて長期間、安定した殺菌が行えるようになっている。
【0030】また槽にはフロート14が取り付けられており、フロート14により水位不足が検出されると、水確保のため、配水側上部に設けた水道水供給手段15内の開閉弁18が開閉し水道水が補充されるようになっている。ここで、貯水槽2内の水位を検知する水位センサと水道水供給手段の開閉弁の開閉を制御する制御部の役割をフロート14が兼用しているが、上記目的を達成するもので有ればフロートでなくてもこれに変わる物であっても良い。また上記貯水槽2の配水側底部には沈殿物を取り除くためのドレン口16を設けられている。
【0031】このようにして集水用樋3または生活用水配水管4から沈殿濾過槽1に流れ込んだ雨水等はまず、ゴミ取り用スクリーン7を通して大きなゴミ等が除去されたのち沈降部5に流れ込み、ここで小さなゴミや土砂などの汚濁物が沈降作用によって除去されて一次浄化される。次に一次浄化された雨水等は、沈殿の上澄み液として濾過部6に流れ込み、ここで二次浄化される。その後、二次浄化された雨水等は濾過部6のオーバーフロー口8を経て濾過液として溶解性殺菌洗浄薬剤設置容器12に流入し、流れ込んだ流量に応じて殺菌洗浄成分が溶解され殺菌洗浄力をもった貯留水が貯水槽に貯えられる。このように生活用水として浄化された雨水、浴槽水等は外接したポンプ等の配水装置を利用して所定の給水ポイントに供給される。
【0032】ここで本実施例において、殺菌手段として溶解性殺菌洗浄薬剤を用いた例を示したが、殺菌手段としては、殺菌成分を供給できる物で有れば、電解銀発生装置でもよいし、次亜塩素酸発生装置でもよいしなんでもよい。
【0033】以上説明したように本発明によると、雨水等や浴槽水等を飲料以外の用途に対する生活用水として有効に利用することができるとともに、貯水された貯留水が薬剤、により殺菌されるため、長期の保存が可能となる。また薬剤を装填する容器が複数の薬剤を装填でき、装填された薬剤が随時使用されるような構造であるため、薬剤の供給を頻繁に行う必要がなく、メンテナンスが楽な浄化タンクを提供することができる。
【0034】以上説明したように本発明によれば、雨水や浴槽水を飲料以外の用途に対する生活用水として有効に利用することができると共に、経済性、メンテナンス性に優れた簡便な浄化タンクを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成12年4月7日(2000.4.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−288783(P2001−288783A)
【公開日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【出願番号】 特願2000−106318(P2000−106318)