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【発明の名称】 自動取水装置
【発明者】 【氏名】藤井 道博

【要約】 【課題】ため池等の貯水池水位が変動しても、これに追従して作動するフロート設備により、自動的に一定範囲内の取水水深で取水管のみ口部を保持する装置を提供する。

【解決手段】堰堤1を貫通して設置された取水用導水管2に接続して鉛直方向に固定して設置された下部取水管3に、管口径を順次小さくした複数の取水管4〜6を差込式に組合せて構成し、最小口径取水管6を一定長引出すと次に小さい口径の取水管5,4が連続して引出されるよう連結機構13,14を各段に設け、伸縮可能な複数の取水管の伸縮ガイドとしての塔7に平行に昇降作動するフロート9を設け、取水管4〜6を吊下げ伸縮作動させるワイヤーロープ12を、塔上に配置した転向滑車10と塔下部に配置した転向滑車11を介してフロート9に連結した自動取水装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ため池等の貯水池に設置される取水設備において、堰堤を貫通して設置された取水用導水管に接続して鉛直方向に固定して設置された下部取水管に、管口径を順次小さくした複数の取水管を差込式に組合せて構成し、最小口径取水管を一定長引出すと次に小さい口径の取水管が連続して引出されるよう連結機構を各段に設け、前記伸縮可能な複数の取水管の伸縮ガイドとしての塔に平行に昇降作動するフロートを設け、前記取水管を吊下げ伸縮作動させるワイヤーロープを、塔上に配置した転向滑車と塔下部に配置した転向滑車を介して前記フロートに連結し、このフロートの昇降と前記取水管の伸縮が同一方向に同調作動することで、貯水池水位が変動してもこれに追随作動するフロートによって取水管の取水水深を自動的に一定範囲に保つようにしたことを特徴とする自動取水装置。
【請求項2】 塔上部に配置する転向滑車部を2個の固定滑車並びに固定滑車間に配置した1個の可動滑車とで構成し、その可動滑車をロープの引張り方向に垂直に可動させることでロープ経路長を可変とし、ロープによって吊下げられた取水管の位置を可変できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動取水装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ため池等の貯水池に設置する取水設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、ため池等の貯水池より任意の水深で取水するために、複数ゲートを高さを段階的に変えて設置したものがある。また、階段上に取水栓を設置し、水位に応じて開閉させたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の取水設備は、すべて人為的にゲートまたは取水栓の開放を行う必要があり、また設備の取水位置が固定されているため、水位変動に対し必ずしも一定水深の取水が行うことができなかった。
【0004】従って、取水管理者は常に貯水池の水位を確認して適宜なゲート・取水栓の開閉操作を行う必要がある。特に農業用水を取水する場合、貯水池表面水より取水することが要求されるため、煩雑なゲート操作が必要である。
【0005】そこで本発明が解決しようとする課題は、ため池等の貯水池水位が変動しても、これに追従して作動するフロート設備により、自動的に一定範囲内の取水水深で取水管のみ口部を保持する装置を提供することである。また、作動中の取水水深を任意操作により可変すること、または取水管のみ口部を水面上に突出させ取水を停止させることができる設備を提供することも課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明の自動取水装置は、ため池等の貯水池に設置される取水設備において、堰堤を貫通して設置された取水用導水管に接続して鉛直方向に固定して設置された下部取水管に、管口径を順次小さくした複数の取水管を差込式に組合せて構成し、最小口径取水管を一定長引出すと次に小さい口径の取水管が連続して引出されるよう連結機構を各段に設け、前記伸縮可能な複数の取水管の伸縮ガイドとしての塔に平行に昇降作動するフロートを設け、前記取水管を吊下げ伸縮作動させるワイヤーロープを、塔上に配置した転向滑車と塔下部に配置した転向滑車を介して前記フロートに連結し、このフロートの昇降と前記取水管の伸縮が同一方向に同調作動することで、貯水池水位が変動してもこれに追随作動するフロートによって取水管の取水水深を自動的に一定範囲に保つようにしたものである。
【0007】この自動取水装置において、塔上部に配置する転向滑車部を2個の固定滑車並びに固定滑車間に配置した1個の可動滑車とで構成し、その可動滑車をロープの引張り方向に垂直に可動させることでロープ経路長を可変とし、ロープによって吊下げられた取水管の位置を可変できるようにすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の実施例を示す側面図、図2は正面図である。この図中、1は貯水池の堤、2は堤を貫通して設置された導水管、3は導水管と接続して鉛直方向に固定して設置された取水管、4は中間取水管、5は中間取水管、6は上部取水管、7は取水塔、8は架台、9はフロート設備、10は上部転向滑車、10’は可動滑車、11は下部転向滑車、12はワイヤーロープ、13及び14は連結棒、15は整流フロートである。
【0009】図2に伸縮式取水管とフロート設備のワイヤー接続方法を示す。上部取水管6を垂直に吊るワイヤーロープ12が、上部転向滑車10を介して下方へ進み、下部転向滑車11を介してフロート設備9に接続されている。また、上部取水管6は連結棒13によって中間取水管5を吊り下げ、中間取水管5は連結棒14によって中間取水管4を吊り下げている。この機構により、フロート設備9の昇降作動と取水管4〜6の伸縮作動は同方向で同調作動する。
【0010】図3に取水管の伸縮作動概要図を示す。図3(a)は貯水池水位が設計最低水位にある状態、図3(b)〜(d)は貯水池水位が中間水位にある状態、図3(e)は貯水池水位が設計最高水位にある状態をそれぞれ示す。貯水池水位が設計最低水位から上昇すると、まず最上位の取水管である上部取水管6がフロート設備9の上昇と連動するワイヤーロープ12により上昇する。図3(b)に示すように水位上昇が上部取水管6の長さに達すると、連結棒13により中間取水管5が吊り上げられ、図3(c)に示すように中間取水管5が上昇する。さらに水位が上昇して中間取水管5の長さに達すると、中間取水管5に上部が固定されている連結棒14が図3(d)のように中間取水管4を吊り上げる。さらに水位が設計最高水位になると、図3(e)に示すように全ての中間取水管が伸びた状態になる。
【0011】図4に可動滑車を用いた取水管の伸縮作動概要を示す。通常は、図4(a)に示すように、上部転向滑車10、10の中間配置されている可動滑車10’をワイヤーロープ12に接触しない位置に設置する。緊急時に、上部取水管6ののみ口部の取水水深を変更、またはのみ口部を水面上に突き出し取水を停止することが必要な場合は、図4(b)に示すように、油圧シリンダー(図示せず)により可動滑車10’をワイヤー引張方向に対し垂直下方に可動させ、ワイヤーロープ12の経路を長くすることで、上部取水管6を上方向に引上げる。これにより、上部取水管6ののみ口部の取水水深が変更され、または水面上に突き出して取水を停止することが可能となる。
【0012】
【発明の効果】以上の説明により、本発明の自動取水装置は、ため池等貯水池の水位が変動しても人為的な操作または動力を必要とせず常に一定の取水水深を保持することが出来る。また、必要に応じて油圧シリンダーにより可動滑車を作動させることで、取水水深の変更、または取水の停止を行うことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】599166116
【氏名又は名称】株式会社ケーイーエス
【出願日】 平成12年3月10日(2000.3.10)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
【公開番号】 特開2001−254403(P2001−254403A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−66949(P2000−66949)