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【発明の名称】 地下貯水槽の構築方法
【発明者】 【氏名】大関 宗孝

【氏名】橋本 博英

【氏名】松浪 康行

【要約】 【課題】軟弱地盤上での組立施工性を向上させることができる地下貯水槽の構築方法の提供。

【解決手段】筒状に形成された外周壁12と該外周壁12の底部に設けられた底版13と外周壁12の上部に設けられた頂版14とを具備し地盤中に埋設される地下貯水槽11の構築方法であって、金属製の円環状の補助リング70を構築し、該補助リング70上に、複数の円弧状の側版16,17を載置させて外周壁12を構築する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状に形成された外周壁と該外周壁の底部に設けられた底版と前記外周壁の上部に設けられた頂版とを具備し地盤中に埋設される地下貯水槽の構築方法であって、金属製の円環状の補助リングを構築し、該補助リング上に、複数の円弧状の側版を載置させて前記外周壁を構築することを特徴とする地下貯水槽の構築方法。
【請求項2】 前記側版として、半径方向から見て台形状に形成されたものを用い、これら側版を、周方向に隣り合うもの同士で短辺側および長辺側を互いに逆にした状態で前記補助リング上に載置させることを特徴とする請求項1に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項3】 周方向に隣り合う前記側版同士を、軸線方向に対し傾斜する傾斜連結部材で連結させることを特徴とする請求項2に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項4】 前記側版として下部にインサートが埋設されたものを用い、前記補助リング側から前記インサートにボルトを螺合させることにより前記側版を前記補助リングに支持させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項5】 前記側版を軸線方向においても複数重ね合わせ、前記補助リングおよび軸線方向に隣り合う前記側版同士を、軸線方向に貫通する軸線方向連結部材で連結させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項6】 前記外周壁の外径よりも大きな外径の前記補助リングを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項7】 前記補助リングと一体になるようにコンクリートを打設することにより前記底版を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項8】 前記補助リングの下部に、周方向にわたってシール材を設け、その後、前記コンクリートを打設することを特徴とする請求項7に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項9】 前記補助リングに鉄筋を配筋し、その後、該鉄筋を埋設させるように前記コンクリートを打設することを特徴とする請求項7または8に記載の地下貯水槽の構築方法。
【請求項10】 前記側版として上部にインサートが埋設されたものを用い、前記頂版側から前記インサートにボルトを螺合させることにより前記頂版を前記側版に連結させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の地下貯水槽の構築方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防火用貯水槽や受水槽等として使用される地下貯水槽を構築するための地下貯水槽用側版およびこれを用いた地下貯水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、防火用貯水槽や受水槽等として使用される地下貯水槽は、軸線方向から見て長方形状をなす円弧状の側版を組み立てて円筒状の外周壁とし、該外周壁を、潜函工法によって地盤に沈設し、その後、底部にコンクリートを打設して底版を施工し、その後、上部に頂版を配設して、さらに埋め戻しを行うことによって地盤中に構築されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のように側版を組み立てて円筒状の外周壁とするのでは、側版の工場からの運搬は容易であるものの、軟弱地盤上で組立を行う場合に、側版の重量が大きく組立が困難であるという問題があった。
【0004】したがって、本発明は、軟弱地盤上での組立施工性を向上させることができる地下貯水槽の構築方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の地下貯水槽の構築方法は、筒状に形成された外周壁と該外周壁の底部に設けられた底版と前記外周壁の上部に設けられた頂版とを具備し地盤中に埋設される方法であって、金属製の円環状の補助リングを構築し、該補助リング上に、複数の円弧状の側版を載置させて前記外周壁を構築することを特徴としている。
【0006】このように、金属製の円環状の補助リングを予め構築し、該補助リング上に、複数の円弧状の側版を載置させて外周壁を構築するため、軟弱地盤上であっても、側版の載置面である補助リングが載置面を安定させることになる。
【0007】本発明の請求項2に記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項1に記載の方法に関して、前記側版として、半径方向から見て台形状に形成されたものを用い、これら側版を、周方向に隣り合うもの同士で短辺側および長辺側を互いに逆にした状態で前記補助リング上に載置させることを特徴としている。
【0008】このように、側版として、半径方向から見て台形状に形成されたものを用い、これら側版を、周方向に隣り合うもの同士で短辺側および長辺側を互いに逆にした状態で補助リング上に載置させるため、このようにして接合された隣り合うもの同士を、上側から挿通される連結部材で連結させることができる。
【0009】本発明の請求項3に記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項2に記載の方法に関して、周方向に隣り合う前記側版同士を、軸線方向に対し傾斜する傾斜連結部材で連結させることを特徴としている。
【0010】このように、軸線方向に対し傾斜する傾斜連結部材で、周方向に隣り合う側版同士を連結させることになるため、傾斜連結部材の角度を、隣り合う側版の連結方向に、より近くすることができる。
【0011】本発明の請求項4に記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法に関して、前記側版として下部にインサートが埋設されたものを用い、前記補助リング側から前記インサートにボルトを螺合させることにより前記側版を前記補助リングに支持させることを特徴している。
【0012】このように、側版として下部にインサートが埋設されたものを用い、補助リング側からインサートにボルトを螺合させることにより側版を補助リングに支持させるため、側版を補助リング上で安定させることができる。
【0013】本発明の請求項5記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法に関して、前記側版を軸線方向においても複数重ね合わせ、前記補助リングおよび軸線方向に隣り合う前記側版同士を、軸線方向に貫通する軸線方向連結部材で連結させることを特徴としている。
【0014】このように軸線方向に貫通する軸線方向連結部材で、軸線方向に隣り合う側版同士を連結させることになるため、連結方向と軸線方向連結部材の方向とが一致することになる。
【0015】本発明の請求項6記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法に関して、前記外周壁の外径よりも大きな外径の前記補助リングを用いることを特徴としている。
【0016】このように、外周壁の外径よりも大きな外径の補助リングを用いるため、潜函工法で補助リングとともに外周壁を地盤中に沈設する際に、外周壁の地盤との間のフリクションを大幅に低減することができる。
【0017】本発明の請求項7記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法に関し、前記補助リングと一体になるようにコンクリートを打設することにより前記底版を形成することを特徴としている。
【0018】このように、補助リングと一体になるようにコンクリートを打設することにより底版を形成するため、底版と外周壁との連結が容易かつ確実にできる。
【0019】本発明の請求項8記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項7に記載の方法に関して、前記補助リングの下部に、周方向にわたってシール材を設け、その後、前記コンクリートを打設することを特徴としている。
【0020】このように、補助リングの下部に、周方向にわたってシール材を設け、その後にコンクリートを打設するため、補助リングとコンクリートとの間を確実にシールすることができる。
【0021】本発明の請求項9記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項7または8に記載の方法に関して、前記補助リングに鉄筋を配筋し、その後、該鉄筋を埋設させるように前記コンクリートを打設することを特徴としている。
【0022】このように、補助リングに鉄筋を配筋し、その後、該鉄筋を埋設させるようにコンクリートを打設するため、補助リングで鉄筋の位置決め固定を容易に行うことができ、配筋を容易に行うことができる。
【0023】本発明の請求項10記載の地下貯水槽の構築方法は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法に関して、前記側版として上部にインサートが埋設されたものを用い、前記頂版側から前記インサートにボルトを螺合させることにより前記頂版を前記側版に連結させることを特徴としている。
【0024】このように、頂版側から側版のインサートにボルトを螺合させることにより頂版を側版に連結させるため、側版に容易に頂版を連結させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。地下貯水槽11は、図1および図2に示すように、円筒状に形成された外周壁12と該外周壁12の底部に設けられた底版13と外周壁12の上部に設けられた頂版14とを具備し地盤中に埋設されるものである。
【0026】まず、外周壁12について説明する。外周壁12は、図1〜図3に示すように、円弧状の複数具体的には二種類の側版(地下貯水槽用側版)16,17が複数接合されて構成されている。
【0027】ここでは、二種類の側版16,17としてコンクリート製のものが用いられている。なお、以下の側版16,17の説明における「軸線方向」は側版16,17の円弧の中心軸線の方向であり、「半径方向」は側版16,17の円弧の半径方向(言い換えれば厚さ方向)であり、「周方向」は側版16,17の円弧の円周方向である。
【0028】一種類目の側版16は、図3および図4に示すように、半径方向から見て等脚台形状をなすとともに、長辺側を下側に短辺側を上側にして配設されるもので、長辺側の下面部(接合面)20に対する周方向の両側の側面部(接合面)21,21の角度が等しくされている(具体的には60°)。
【0029】この側版16には、半径方向における中央の所定位置に、短辺側の上面部(接合面)22から長辺側の下面部20まで軸線方向に平行に貫通する貫通孔23が、3箇所周方向に所定の等ピッチで形成されている。
【0030】また、この側版16の両側面部21,21には、それぞれ、半径方向における中央の所定位置に、2箇所、軸線方向に対し所定の角度で斜めをなしてインサート(傾斜連結部材)24a,24bが、周方向における位置をずらして埋設されている。
【0031】加えて、この側版16の上面部22の半径方向における中央であって、周方向においてすべての貫通孔23のそれぞれの同側に隣り合う所定位置に、軸線方向に平行をなしてインサート25が埋設されている。
【0032】さらに、この側版16の上面部22の半径方向における中央であって、周方向において貫通孔23同士の間となる所定位置に凹部27が形成されており、各凹部27の底部にはそれぞれ軸線方向に平行をなしてインサート28が埋設されている。
【0033】加えて、この側版16の下面部20の半径方向における中央であって、周方向において両外側の貫通孔23のそれぞれの内側となる所定位置に、軸線方向に平行をなしてインサート29が埋設されている。
【0034】さらに、この側版16の下面部20の半径方向における中央であって、両インサート29のそれぞれの内側となる所定位置に凹部30が形成されている。なお、凹部30と上面部22の凹部27とはそれぞれ対応するもの同士が軸線方向に平行な同一直線状に配置されている。
【0035】加えて、この側版16の上面部22、両側面部21および下面部20には、図4に示すように、連続するシール溝32が複数具体的には二本、半径方向における上記した貫通孔23、インサート24a,24b,25,29および凹部27,30の両外側位置に形成されている。ここで、これらシール溝32には、図5に示すように、それぞれ環状の水膨張ゴム等からなるシール材33が配置されることになる。すなわち、これらシール材33は、それぞれ全長にわたってシール溝32に配置された状態で側版16に巻回されることになり、その結果、側版16には、シール材33が半径方向に複数具体的には二本設けられることになる。なお、シール材33は、シール溝32に配置された状態で該シール溝32よりも所定量(例えば1mm程度)突出する厚さとされている。
【0036】もう一種類の側版17は、図3および図6に示すように、半径方向から見て等脚台形状をなすとともに、短辺側を下側に長辺側を上側にして配設されるもので、長辺側の上面部(接合面)35に対する周方向の各側面部(接合面)36の角度が互いに等しくかつ上記側版16の下面部20に対する側面部21の角度と等しくされている。
【0037】この側版17には、側版16と同様、半径方向における中央の所定位置に、長辺側の上面部35から短辺側の下面部(接合面)37まで軸線方向に平行に貫通する貫通孔23が、3箇所周方向に所定の等ピッチで形成されている。
【0038】また、この側版17の両側面部36には、それぞれ、半径方向における中央の所定位置に2箇所、軸線方向に対し所定の角度で斜めをなして上面部35まで貫通する斜貫通孔39a,39bが、周方向における位置をずらして形成されている。両側面部36のそれぞれの斜貫通孔39a,39bの上面部35側には、半径方向における中央に凹部40a,40bが形成されている。
【0039】加えて、この側版17の上面部35の半径方向における中央であって、周方向においてすべての貫通孔23のそれぞれの同側に隣り合う所定位置に、側版16と同様、軸線方向に平行をなしてインサート25が埋設されている。
【0040】さらに、この側版17の上面部35の半径方向における中央であって、周方向において貫通孔23同士の間となる所定位置には、それぞれ、側版16と同様、凹部27が形成されており、これら凹部27のそれぞれの底部には、側版16と同様、軸線方向に平行をなしてインサート28が埋設されている。
【0041】加えて、この側版17の下面部37の半径方向における中央であって、周方向において両外側の貫通孔23のそれぞれの内側となる所定位置に、側版16と同様、軸線方向に平行をなしてインサート29が埋設されている。
【0042】さらに、この側版17の下面部37の半径方向における中央であって、両インサート29のそれぞれの内側となる所定位置に、側版16と同様、凹部30が形成されている。なお、これら凹部30と上面部35の凹部27とはそれぞれ対応するもの同士が軸線方向に平行な同一直線状に配置されている。
【0043】加えて、この側版17の上面部35、両側面部36および下面部37には、側版16と同様、図6に示すように、連続するシール溝32が複数具体的には二本、半径方向における上記した貫通孔23、インサート25,29および凹部40a,40b,27,30の両外側位置に形成されている。ここで、これらシール溝32にも、上記と同様、それぞれ環状の水膨張ゴム等からなるシール材33が配置されることになる(図5参照)。すなわち、これらシール材33は、それぞれ全長にわたってシール溝32に配置された状態で側版17に巻回されることになり、その結果、側版17には、半径方向に複数のシール部材33が設けられることになる。
【0044】なお、図3に示すように、長辺側が下面部20とされ短辺側が上面部22とされた側版16と、これとは逆に長辺側が上面部35とされ短辺側が下面部37とされた側版17とが周方向に交互に配置されて円筒状となることになり、この場合は、具体的には二つの側版16と二つの側版17の合計四つで下側の円筒状の下段リング51が形成されるようになっている。そして、このような下段リング51の上側に、同様に二つの側版16と二つの側版17の合計四つで円筒状の上段リング52が形成されるようになっている。このように軸線方向に複数具体的に二段の下段リング51および上段リング52が重ね合わせられることにより、外周壁12が構成される。
【0045】このとき、同じ段を構成する周方向に隣り合う側版16と側版17とが側面部21,36同士を当接させると、側版16のインサート24aと側版17の斜貫通孔39aとが互いに同一直線上に配置されることになり、側版16,17の軸線方向に対し傾斜するようにPC鋼棒からなる斜ボルト(傾斜連結部材)54aが、斜貫通孔39aに挿通されてその一端部がインサート24aに螺合される。さらに、この状態で斜ボルト54aの他端側は凹部40a内で上側に突出することになり、この部分にはナット(傾斜連結部材)56が螺合される。なお、凹部40aは、底面が斜ボルト54aの軸線方向に直交形成されており、斜ボルト54aに螺合されたナット56はこの底面に当接する。
【0046】同様に、側版16のインサート24bと側版17の貫通孔39bとについても互いに同一直線上に配置されることになるため、PC鋼棒からなる斜ボルト(傾斜連結部材)54bが、この貫通孔39bを通ってその一端部がインサート24bに螺合される。さらに、この状態で斜ボルト54bの他端側は凹部40b内において上側に突出することになり、この部分には上記と同様のナット56が螺合される。なお、凹部40bは、底面が斜ボルト54bの軸線方向に直交形成されており、斜ボルト54bに螺合されたナット56はこの底面に当接する。
【0047】以上により、周方向に隣り合う側版16と側版17とが軸線方向に対し傾斜するインサート24a、斜ボルト54aおよびナット56と、同様に軸線方向に対し傾斜するインサート24b、斜ボルト54bおよびナット56とで連結される。
【0048】なお、側版16,17で下段リング51が形成された後に、該下段リング51の上側に側版16,17で上段リング52が形成されることになるが、上述した側版17の上面部35の凹部40a,40bは、上段リング52を形成するために側版16を下段リング51の上側に重ねる際にじゃまにならないように、斜ボルト54a,54bおよびナット56を下段リング51内に収容させるためのものである。
【0049】また、下段リング51に上段リング52を形成する際には、図3および図7に示すように、その前に下段リング51の凹部27に駒部材58がそのボルト部59を凹部27のインサート28に螺合させることで取り付けられることになる。この駒部材58は、小径側を切断した円錐状の一対の切頭円錐部61,62が大径側を接合させた形状をなしている。そして、下側の切頭円錐部62で下段リング51の相補形状の凹部27に嵌合されることになり、この状態で上側の切頭円錐部61が下段リング51の同一平面の上面部22,35から上側に突出する形状をなしている。
【0050】そして、下段リング51の側版16,17のすべての凹部27に取り付けられた駒部材58の頭部60の切頭円錐部61を、相補形状をなす上段リング52の側版16,17の凹部30に嵌め合わせることで上段リング52の側版16,17を下段リング51に対し位置決めすることになる。
【0051】以上により、下段リング51の側版16,17の凹部27とこれに対向する上段リング52の側版16,17の凹部30とで形成される空間64に駒部材58が配置されることになり、しかもこの駒部材58は、凹部27に埋め込まれたインサート28にボルト部59で締結可能となっている。なお、駒部材58は、必ずしもボルト部59で側版16,17に締結する必要はなく、図8に示すように、ボルト部59のない頭部60のみのものがインサート28のない空間64内に載置されるのみでもよい。
【0052】このように位置決めしつつ重ね合わせられた下段リング51の側版16,17および上段リング52の側版16,17は、図3に示すように、下段リング51の側版16の貫通孔23と上段リング52の側版17の貫通孔23とがそれぞれ対応するもの同士同一直線上に配置させられることになり、下段リング51の側版17の貫通孔23と上段リング52の側版16の貫通孔23とがそれぞれ対応するもの同士同一直線上に配置させられることになる。
【0053】そして、上記のようにして、各同一直線上に配置された貫通孔23に上段リング52側からPC鋼棒からなる縦ボルト(軸線方向連結部材)67が軸線方向に挿通されることになり、この縦ボルト67は、上段リング52および下段リング51を貫通して該下段リング51の下側に配置される後述する補助リング70の定着ナット(軸線方向連結部材)71に下端部が螺合される。さらに、上段リング52から上方に突出する上端部にもナット(軸線方向連結部材)72が螺合され、これにより、補助リング70と下段リング51と上段リング52とが連結されることになる。この結果、上下すなわち軸線方向に隣り合う側版16,17同士が、軸線方向に貫通する縦ボルト67、定着ナット71およびナット72で連結されることになる。
【0054】次に、底版13について説明する。底版13は、図2に示すように、外周壁12の下端を下から支持する金属製(具体的には鋼製)の円環状の補助リング70と、該補助リング70を一体化しつつ打設される底版コンクリート(コンクリート)74と、該底版コンクリート74内に配設される補強用の鉄筋75(図10参照)と、プレハブピット76とを有している。
【0055】補助リング70は、図9に示す円弧状のリング形成体78を周方向に連結させて構成されるものでその中心軸線を上下方向に沿わせて配設される。
【0056】リング形成体78は、円弧状の平板からなる上板部79および下板部80とこれら上板部79および下板部80を平行をなすようにそれぞれの外径側で固定支持する円弧状に湾曲された側板部81とが一体化された断面コ字状の円弧状の基部材77と、該基部材77の周方向における両端部にそれぞれ取り付けられた継手板82と、基部材77の側板部81に所定のピッチで接合される複数具体的には二つの補強板83と、基部材77の内側に側板部81と同心状なしかつ上板部79から所定距離下側に配置された状態で両継手板82および二つの補強板83の各間に固定されたガイド板84とを有する形状に鋼材を溶接固定したものである。
【0057】そして、リング形成体78は、図3に示すように、隣り合うもの同士が継手板82同士を接合させ継手板82のそれぞれ四隅に形成された取付孔86を介して高張力ボルト等のボルト87およびナット88で互いに連結されて全体として円環状になることになる。この場合は、具体的には90度ずつの四つのリング形成体78で一つの補助リング70を形成するようになっている。
【0058】なお、図10に示すように、補助リング70の下部、具体的には基部材77の下板部80と側板部81との間の内側の角部に、底版コンクリート74との間に介在するように流動性シール材(シール材)90が全周にわたり連続して塗布されることになる。このため、補強板83および継手板82には、このような流動性シール材90の連続塗布を可能とするためのスカラップ91が周方向に貫通形成されている。ここで、この流動性シール材90は、側板部81と上板部79との間の内側の角部や、側板部81の中間部分の内側に塗布してもよく、このような塗布位置に応じて、全周の連続塗布を可能とするスカラップ91を補強板83および継手板82に形成することになる。
【0059】また、鉄筋75は、円環状とされたリング形成体78の上述したガイド板84上に載置され必要により固定されることで位置決めがなされ配筋されることになる。加えて、補助リング70の外径は、外周壁12の外径よりも若干大径とされている。
【0060】リング形成体78の上板部79には、図9および図10に示すように、半径方向における中央の所定位置に、軸線方向に平行に貫通する貫通孔93が、3箇所周方向に所定の等ピッチで形成されている。そして、上板部79の各貫通孔93の形成位置の下面には、それぞれ、中央に板厚方向に貫通する貫通孔94が形成された支圧板95がその貫通孔94を上板部79の貫通孔93に合わせて溶接固定されており、すべての支圧板95の下面には、定着ナット71が支圧板95の貫通孔94に合わせて溶接固定されている。そして、上述した縦ボルト67が、上板部79の貫通孔93および支圧板95の貫通孔94に挿通されて定着ナット71に螺合されるのである。
【0061】さらに、図9に示すように、リング形成体78の上板部79の半径方向における中央であって、周方向において両外側の貫通孔93のそれぞれの内側となる所定位置に、軸線方向に平行をなして貫通孔97が形成されている。この貫通孔97は外周壁12の下段リング51の側版16,17をリング形成体78に仮結合させるためのものであり、具体的には、図3に示すように、補助リング70のこの貫通孔97に、下段リング51の側版16,17のインサート29の対応するものが位置を合わせた状態で、上板部79の下側から貫通孔97に挿通された仮止めボルト98がインサート29の対応するものに螺合されるのである。
【0062】なお、この仮結合状態で、下段リング51の側版16,17と補助リング70とは、それぞれ対応する貫通孔23と貫通孔93,94とを同一直線上に配置させることになる。
【0063】また、この仮結合を行う前に、必要に応じて、補助リング70の上板部79の半径方向における貫通孔93よりも外側に、全周にわたって連続するように流動性シール材が塗布されることになり、該流動性シール材の上に外周壁12が構築されることになる。
【0064】プレハブピット76は、図11および図12に示すように、底面101に透孔102を形成した円筒形状のピット本体103の外面に、複数本(図のものは16本)の鋼等の結合筋104を、上に向って開く傾斜状態で放射状に突設し、透孔102にソケット105を取り付けてなるものである。ピット本体103は、鉄筋106,107を内部に埋め込んだ鉄筋コンクリート製であり、透孔102は底面101の偏心位置に円形に形成されている。プレハブピット76の結合筋104は、図13に示すように、現場打ちの底版コンクリート74の中に埋め込まれ、その結果、プレハブピット76は底版コンクリート74に一体に結合される。
【0065】結合筋104は、ピット本体103の外周面に形成された段部108から上に斜めに突き出して設けられている。ソケット105は、プラグ(図示せず)の嵌着によって透孔102を閉塞するもので、鉄筋106に固定され、ウレタン等のシール部材109によってコンクリートとの間を液密にされてピット本体103に一体に取り付けられている。
【0066】そして、プレハブピット76のピット本体103の底部には、ポリエチレン等で製造されたメッシュと不繊布とを積層したフィルタ110が金網111によって取り付けられるようになっている。
【0067】次に、頂版14について説明する。頂版14は、図14に示すように、円盤状をなすもので、その軸線を含む面と該面から平行をなして等距離離間する二面とで分割された形状の複数具体的には二つの外側の頂版形成体114と二つの内側の頂版形成体115とで構成されている。
【0068】両外側の頂版形成体114のそれぞれ内側の頂版形成体115の対応するものとの接合面117の上部には、凹部118が複数具体的には二箇所のそれぞれ形成されており、図15に示すように、凹部118にはこれが配設された接合面117に一致して接合板119が埋設されている。両接合板119にはそれぞれ板厚方向に貫通する貫通孔120が形成されている。各頂版形成体114の内側に接合される頂版形成体115の頂版形成体114側の接合面121には、凹部118のそれぞれの接合板119の貫通孔120に対向する位置にインサート123が埋設されている。すなわち、両外側の頂版形成体114とそれぞれの内側の頂版形成体115の対応するものとを位置合わせした状態で、すべての接合板119の貫通孔120を通して内側の頂版形成体115のインサート123にボルト124を螺合させることで、両外側の頂版形成体114とそれぞれの内側の頂版形成体115とを固定状態にすることになる。
【0069】加えて、図14に示すように、内側の両頂版形成体115の、他方の頂版形成体115側の接合面126の上部には、凹部127がそれぞれ一箇所ずつ形成されている。図16に示すように、各凹部127にはこれが配設された接合面126に一致して接合板128が埋設されている。両接合板128にはそれぞれ板厚方向に貫通する貫通孔129が形成されている。両頂版形成体115の接合面126には、他方の頂版形成体115の凹部127のそれぞれの接合板128の貫通孔129に対向する位置にインサート131が埋設されている。すなわち、内側の両頂版形成体115同士を互いに位置合わせした状態で、両接合板128のそれぞれの貫通孔129を通して他方の頂版形成体115のインサート131にボルト132を螺合させることで、両内側の頂版形成体115同士を固定状態にすることになる。
【0070】なお、内側の両頂版形成体115には、図15および図16に示すように、それぞれ、他の内側の頂版形成体115への接合面126および外側の頂版形成体114への接合面121の両方に、シール溝134が複数具体的には二本、凹部127より下側に形成されている。そして、これらシール溝134には、それぞれ環状の水膨張ゴム等からなるシール材135が配置されることになる。なお、シール材135は、シール溝134に配置された状態で該シール溝134より所定量(例えば1mm程度)突出する厚さとされている。
【0071】その結果、両外側の頂版形成体114とそれぞれの内側の頂版形成体115との間が内側の頂版形成体115に巻回された上下二重のシール材135でシールされることになり、合わせて、内側の両頂版形成体115同士の間がそれぞれに巻回された上下二重のシール材135でシールされることになる。
【0072】さらに、各頂版形成体114,115には、図3に示すように、軸線方向に貫通する貫通孔137が外周側の各所定位置に軸線方向に貫通形成されており、すべての貫通孔137のそれぞれの上部側には凹部138がそれぞれ形成されている。これら貫通孔137は、上述した外周壁12の上段リング52のインサート25の対応するものと位置が合うように配置されており、インサート25と位置合わせされた状態の貫通孔137に凹部138側から長ボルト(ボルト)140を挿入させて該長ボルト140の下端部をインサート25の対応するものに螺合させ、該長ボルト140の凹部138内で突出する上端部にナット141を螺合させることで頂版14が外周壁12に連結されることになる。
【0073】加えて、各頂版形成体114,115には、外周壁12側の下面の所定位置に凹部142が形成されている。これら凹部142は、外周壁の12から上方に突出する縦ボルト67の上端部およびこれに螺合されるナット72を収容させるものである。
【0074】さらに、両外側の頂版形成体114には、図2に示すように、それぞれ、厚さ方向に貫通する吸管投入孔144が所定位置に形成されており、吸管投入孔144の周囲には、円筒状の台部145が形成されている。そして、この台部145に、図2および図14に示すように、内側に吸管投入孔146が形成された円筒状の吸管投入孔ブロック147が載置されている。ここで、図17に示すように、台部145には上面部149に位置決め棒150が複数突設されており、吸管投入孔ブロック147には、下面部152にシース管153が複数埋設されていて、吸管投入孔ブロック147を台部145に載置させる際にすべての位置決め棒150をすべて対応するシース管153に嵌合させることで吸管投入孔144,146が同軸上に配置されることになる。
【0075】ここで、吸管投入孔ブロック147の半径方向におけるシース管153より内側には、台部145への載置前に流動性シール材155が全周にわたって連続するように塗布されることになり、この状態で台部145に載置されることでこの流動性シール材155が台部145との接合部分をシールする。
【0076】次に、上記構成の地下貯水槽11の施工手順について以下に説明する。図18に示すように、四つの鋼製のリング形成体78をそれぞれ隣り合うもの同士で継手板82を接合させボルト87およびナット88で連結させて円環状の補助リング70を、その上板部79を上側に配置するように組み立てる。
【0077】そして、必要に応じて、補助リング70の上板部79上の半径方向における貫通孔93よりも外側の所定位置に、全周にわたって連続するように流動性シール材を円周状に塗布する。
【0078】一方、運搬車上等で、使用するすべての側版16にシール材33を、すべてのシール溝32に配置させるようにして巻回し、かつ、使用するすべての側版17にもシール材33を、すべてのシール溝32に配置させるようにして巻回しておく。
【0079】そして、図19に示すように、補助リング70の上板部79上に、短辺側が上面部22とされる側版16を二つ、互いに補助リング70上で対向する位置となる所定位置に載置させ、仮止めボルト98をそれぞれ補助リング70の貫通孔97の対応するものに通過させた後に側版16の下面部20のインサート29の対応するものに螺合させることで、補助リング70と側版16とを仮結合させる。
【0080】このとき側版16のそれぞれの二本のシール材33の下面部20に配置された部分が、補助リング70の上板部79の貫通孔93,97を挟んで径方向における両側に当接しこの部分をシールすることになる(図10参照)。これに合わせて、必要に応じて補助リング70の上板部79上に塗布された流動性シール材も側版16との当接部分をシールする。
【0081】次に、図20に示すように、これら側版16のそれぞれの両側面部21に潤滑剤156を塗布するとともに、これら側版16の各側面部21とそれぞれ隣り合う上面部22との間の角部にそれぞれ流動性シール材157を半径方向にわたり塗布し、さらに、各側面部21とそれぞれ隣り合う下面部20との角部にそれぞれ流動性シール材158を半径方向にわたって塗布する。
【0082】この状態で、既設の側版16同士の両間位置に、それぞれ長辺側が上面部35とされる側版17を上側から半径方向における位置をあわせつつ嵌め入れる。このとき、上記潤滑剤156でこの嵌め入れが円滑に行われることになる。そして、図21に示すように、このようにして補助リング70の上板部79上に載置された側版17を、仮止めボルト98をそれぞれ補助リング70の貫通孔97の対応するものに通過させた後に側版17の下面部37のインサート29の対応するものに螺合させることで、補助リング70に仮結合させる。
【0083】さらに、側版17のそれぞれの斜貫通孔39aにそれぞれ斜ボルト54aを挿通させ斜ボルト54aの下端部を隣り合う側版16のインサート24aの対応するものに螺合させる。そして、この状態で側版17の凹部40a内で突出するすべての斜ボルト54aのそれぞれの上端部にナット56を螺合させて該ナット56をトルクレンチにより所定のトルクで締め付ける。同様に、側版17のそれぞれの斜貫通孔39bにそれぞれ斜ボルト54bを挿通させ斜ボルト54bの下端部を隣り合う側版16のインサート24bの対応するものに螺合させる。そして、この状態で側版17の凹部40b内で突出するすべての斜ボルト54bのそれぞれの上端部にナット56を螺合させて該ナット56をトルクレンチにより所定のトルクで締め付ける。このようにして、下段の隣り合う四つの側版16,17をすべて連結させて下段リング51を形成する。
【0084】この状態で、側版17のそれぞれの二本のシール材33の下面部37に配置された部分が、補助リング70の上板部79の貫通孔93,97を挟んで径方向における両側に当接しこの部分をシールすることになる(図10参照)。また、各側版17のそれぞれの二本のシール材33の側面部36に配置された部分が、隣り合う側版16のそれぞれの二本のシール材32の側面部21に配置された部分に、インサート24a,24bおよび貫通孔39a,39bを間に挟んで径方向における両側となる位置で当接し、この部分をシールすることになる(図22参照)。これに合わせて、補助リング70の上板部79上に必要に応じて塗布された流動性シール材も側版17との当接部分をシールする。
【0085】なお、この時点までの適宜の時機に、下段リング51のすべての凹部27に、それぞれ駒部材58をそのボルト部59をインサート28の対応するものに螺合させることにより取り付けておく。
【0086】そして、図23に示すように、下段リング51の駒部材58に凹部30を嵌合させるようにして、下段リング51上に、短辺側が上面部22とされる側版16を二つ、下段リング51の各側版17上に載置させ、互いに下段リング51上で対向する位置に位置させる。
【0087】このとき、各側版16の二本のシール材33の下面部20に配置された部分が、下側の側版17の二本のシール材33の上面部35に配置された部分に、インサート29,25、貫通孔23および凹部30,40a,40b,27を間に挟んで径方向における両側となる位置で当接しこの部分をシールすることになる。
【0088】次に、下段リング51のときと同様、これら側版16のそれぞれの両側面部21に潤滑剤156を塗布するとともに、これら側版16の各側面部21とそれぞれ隣り合う上面部22との間の角部にそれぞれ流動性シール材157を半径方向にわたり塗布し、さらに各側面部21とそれぞれ隣り合う下面部20との角部にそれぞれ流動性シール材158を半径方向にわたって塗布する(図20参照)。
【0089】この状態で、図24に示すように、既設の側版16同士の両間位置に、それぞれ長辺側が上面部35とされる側版17を上側から半径方向における位置をあわせつつ嵌め入れ、下段リング51の各駒部材58に下面部37の両凹部30を嵌合させる。このとき、上記潤滑剤でこの嵌め入れが円滑に行われることになる。
【0090】そして、側版17のそれぞれの斜貫通孔39aにそれぞれ斜ボルト54aを挿通させ斜ボルト54aの下端部を隣り合う側版16のインサート24aの対応するものに螺合させる。そして、この状態で側版17の凹部40a内で突出するすべての斜ボルト54aのそれぞれの上端部にナット56を螺合させて該ナット56をトルクレンチにより所定のトルクで締め付ける。同様に、側版17のそれぞれの斜貫通孔39bにそれぞれ斜ボルト54bを挿通させ斜ボルト54bの下端部を隣り合う側版16のインサート24bの対応するものに螺合させる。そして、この状態で側版17の凹部40b内で突出するすべての斜ボルト54bのそれぞれの上端部にナット56を螺合させて該ナット56をトルクレンチにより所定のトルクで締め付ける。このようにして、上段のすべての隣り合う四つの側版16,17を連結させて上段リング52を形成する。
【0091】このとき、各側版16のそれぞれの二本のシール材33の各側面部21に配置された部分が、隣り合う側版17のそれぞれの二本のシール材33の各側面部36に配置された部分に、インサート24a,24bおよび貫通孔39a,39bを間に挟んで径方向における両側位置で当接しこの部分をシールする(図22参照)。また、各側版17のそれぞれの二本のシール材33の下面部37に配置された部分が、下側の側版16のそれぞれの二本のシール材33の上面部22に配置された部分に、インサート25,29、貫通孔23および凹部27,30を間に挟んで径方向における両側位置で当接しこの部分をシールすることになる。
【0092】次に、この状態で、上段リング52の側版16の貫通孔23および下段リング51の側版17の貫通孔23の対応するもの同士と、上段リング52の側版17の貫通孔23および下段リング51の側版16の貫通孔23の対応するもの同士とに、それぞれ、上段リング52の上側から縦ボルト67を挿入し、縦ボルト67を補助リング70の定着ナット71に螺合させる。そして、上段リング52の同一平面をなす上面部22,35から突出するすべての縦ボルト67の上端部にナット72を螺合させ、該ナット72をトルクレンチにより所定のトルクで締め付ける。このようにして、補助リング70、下段リング51および上段リング52を一体的に連結させる。
【0093】このとき、下段リング51の組立時に塗布された流動性シール材158によって、下段リング51の両側版16,17のそれぞれの側面部21,36の対向する下端部の角部同士と補助リング70とで形成される隙間とがすべてパテ埋められることになり、下段リング51の組立時に塗布された流動性シール材157および上段リング52の組立時に塗布された流動性シール材158によって、下段リング51の両側版16,17のそれぞれの側面部21,36の対向する上端部の角部同士と上段リング52とで形成される隙間とがすべてパテ埋めされることになる。
【0094】同様に、上段リング52の組立時に塗布された流動性シール材157によって、後に上段リング52に取り付けられる頂版14と上段リング52の側版16,17の側面部21,36の対向する上端部の角部同士とで形成される隙間もすべてパテ埋めされることになる。
【0095】次に、このようにして一体化された、図25に示すような補助リング70および外周壁12を、潜函工法によって地盤中に沈設する。
【0096】すなわち、この補助リング70が一体化された外周壁12を構築現場の地盤上に置いた後、その内側の土を順次掘削して外部に搬出することにより、補助リング70が一体化された外周壁12を自重により沈下させて地中に埋め込むのである。このとき、外周壁12の外径が補助リング70の外径より小さくされているため、外周壁12の地盤に対するフリクションを小さく抑えることができる。
【0097】上記のようにして、所定深さに沈設させた補助リング70および外周壁12の径方向における内側であって、該内側に形成される地盤の掘削底上に底版13を施工する。
【0098】すなわち、図10に示すように、まず補助リング70の下板部80と側板部81との間の内側の角部に、流動性シール材90を全周にわたり連続するように塗布する。加えて、底版13内の鉄筋75の配筋を行う。他方、図13に示すように、掘削底の所定位置に、プレハブピット76の設置に必要なだけ部分的に掘り下げてピット穴159を設けるとともに、該ピット穴159に再生砕石160を投入し敷き詰める。
【0099】次いで、ピット穴159に、フィルタ110が取り付けられたプレハブピット76を設置してその中に排水ポンプ(図示せず)を入れ、透孔102からプレハブピット76内に湧き出す地下水を汲み出しながら、プレハブピット76の周りを再生砕石160で固定しまた残りの掘削底にも再生砕石160を敷き詰める。また、適当な時機にプレハブピット76の段部108にベントナイト等の止水材161を取り付ける。
【0100】排水ポンプによる湧水の汲出しを中断することなく継続し、上記準備作業の終了後、敷き詰められた砕石160上に捨てコンクリート(生コンクリート)163を打設する。そして、捨てコンクリート163が適度に凝結するまで排水ポンプによる湧水の汲出しを続行し、捨てコンクリート163が適度に凝結したところで、捨てコンクリート163の上にさらに底版コンクリート(生コンクリート)74を打設して、その上面を鏝仕上げする。これにより、底版コンクリート74は、補助リング70の内側に充填されるとともに外周壁12の下段リング51の下部にも密着する。そして、底版コンクリート74の上面が適度に凝結するまで排水ポンプによる湧水の汲出しを続行し、底版コンクリート74の上面が適度に凝結したところで排水ポンプを停止させ、湧水をプレハブピット76から凝結中の底版コンクリート74の上に溢れさせて底版コンクリート74を水中養生する。
【0101】水中養生中、底版コンクリート74の上に張られた水は、底版コンクリート74下の湧水圧を相殺する。このため、凝結中の底版コンクリート74に湧水圧によって水道が形成されることがなく、水道に起因する漏水欠陥が確実に防止される。また、湧水はフィルタ110によって濾過されているので、汚泥やごみ類によって養生が阻害されることもない。
【0102】底版コンクリート74が固化して強度が所定値に達したら、排水ポンプで底版コンクリート74上の湧水とプレハブピット76内の湧水を汲み上げてそれらを空にする。そしてソケット105にプラグをねじ込んで透孔102を塞さいだ上で、モルタルで埋めて透孔部分を平らにする。必要に応じてプレハブピット76の底面にモルタルを打設してピットの深さ調整をする。
【0103】このようにして、底版13の構築が完了するが、この状態でプレハブピット76は、その複数の結合筋104が底版コンクリート74中に埋め込まれて該底版コンクリート74と一体に結合されてその強度を向上させ、また止水材161が底版コンクリート74とプレハブピット76と間を液密に保つ。さらに、底版コンクリート74は、鉄筋75、補助リング70および外周壁12の下段リング51と一体化される。
【0104】そして、外周壁12の目地に必要に応じてさらにコーキングを行った後、頂版14を施工する。
【0105】まず、運搬車上等で、内側に配置される両頂版形成体115にそれぞれ二本のシール材135を、各シール溝134に収まるように巻回しておく。
【0106】次に、図3に示すように、外周壁12の上面上に、すべての頂版形成体114,115をそれぞれ所定位置に載置させる。このとき、頂版形成体114,115の凹部142に、外周壁の12から上方に突出する縦ボルト67の上端部およびこれに螺合されるナット72を収容させることになる。また、このとき、頂版形成体114,115のすべての貫通孔137をそれぞれ外周壁12のインサート25の対応するものと同一直線上に位置するように配置する。
【0107】ここで、各外側の頂版形成体114と内側の頂版形成体115との接合箇所は、内側の頂版形成体115のそれぞれの上下に配置された二本のシール材135に各外側の頂版形成体114が当接することでシールされることになる(図15参照)。また、内側の頂版形成体115同士の接合箇所は、両内側の頂版形成体115のそれぞれの上下に配置された二本のシール材135同士が当接することでシールされることになる(図16参照)。
【0108】また、各頂版形成体114,115と外周壁12との接合部分は、外周壁12の上段リング52を構成するすべての側版16,17にそれぞれ二本ずつ巻回されたシール材33の上面部22および上面部35に位置する部分が頂版形成体114および頂版形成体115に当接することでシールされることになる(図26参照)。なお、必要に応じて、外周壁12と頂版形成体114,115との間の目地に流動性シール材を塗布する。
【0109】次に、図3に示すように、すべての長ボルト140を、それぞれ、頂版形成体114,115の貫通孔137に挿通させつつその下端部を外周壁12のインサート25に螺合させ、さらに長ボルト140の凹部138内で突出する上端部にナット141を螺合させて締め付けることになる。合わせて、図15に示すように、頂版形成体114のすべての凹部118から接合板119の貫通孔120を介してインサート123にそれぞれボルト124を螺合させるとともに、図16に示すように、頂版形成体115のすべての凹部127から接合板128の貫通孔129を介してインサート131にそれぞれボルト132を螺合させる。さらに、図2および図17に示すように、両外側の頂版形成体114のそれぞれの台部145に、流動性シール材155を塗布した吸管投入孔ブロック147をセットする。以上により、頂版14をその形状として外周壁12に取り付けることになる。
【0110】最後に、このようにして組み上がった地下貯水槽11に対し埋め戻しを行って地下貯水槽11の施工が完了する。
【0111】なお、以上の実施の形態においては、上下に重なり合う側版16,17同士を一組について三本の縦ボルト67および三箇所の定着ナット71および三つのナット72で連結させるため、側版16,17にそれぞれ、軸線方向に平行な貫通孔23を三本形成する場合を例にとり説明したが、この数はこれに限定されることはない。例えば、図27に示すように側版16を、図28に示すように側版17を、それぞれ軸線方向に沿う貫通孔23を二本形成し、側版16,17の一組を二本の縦ボルト67および二箇所の定着ナット71および二つのナット72で連結させることも可能である。この場合、ナット72の締結をジャッキで行うことも可能である。
【0112】以上に述べた実施の形態によれば、鋼製の円環状の補助リング70を予め構築し、該補助リング70上に、複数の円弧状の側版16,17を載置させて外周壁12を構築するため、軟弱地盤上であっても、側版16,17の載置面である補助リング70が載置面を安定させることになる。したがって、軟弱地盤上での組立施工性を向上させることができる。
【0113】また、側版16,17として、半径方向から見て台形状に形成されたものを用い、これら側版16,17を、周方向に隣り合うもの同士で短辺側および長辺側を互いに逆にした状態で補助リング70上に載置させるため、このようにして接合された隣り合うもの同士を、上側から挿通される斜ボルト54a,54bおよびこれらの上端部に螺合されるナット56で連結させることができる。
【0114】したがって、外側の継手板で連結させるものではなく、上側から挿通される斜ボルト54a,54bおよびこれらの上端部に螺合されるナット56で側版16,17の周方向に隣り合うもの同士を連結させることができるものとなるため、地盤の影響で腐食等を生じることがなく、耐久性を向上させることができる上、上側から作業できるため、施工を容易に行うことができる。
【0115】加えて、側版16,17として下部にインサート29が埋設されたものを用い、補助リング70側からインサート29にボルト98を螺合させることにより側版16,17を補助リング70に支持させるため、側版16,17を補助リング70上で安定させることができる。
【0116】また、軸線方向に対し傾斜するインサート24a,24b、斜ボルト54a,54bおよびナット56で、周方向に隣り合う側版16,17同士を連結させることになるため、インサート24a,24bおよび斜ボルト54a,54bの角度を、周方向に隣り合う側版16,17の連結方向に、より近くすることができる。
【0117】したがって、周方向に隣り合う側版16,17同士をインサート24a,24b、斜ボルト54a,54bおよびナット56でより確実に連結させることができる。
【0118】さらに、軸線方向に貫通する縦ボルト67、定着ナット71およびナット72で、軸線方向に隣り合う側版16,17同士を連結させることになるため、連結方向と縦ボルト67の方向とが一致することになる。
【0119】したがって、軸線方向に隣り合う側版16,17同士を縦ボルト67、定着ナット71およびナット72でより確実に連結させることができる。
【0120】さらに、外周壁12の外径よりも大きな外径の補助リング70を用いるため、潜函工法で補助リング70とともに外周壁12を地盤中に沈設する際に、外周壁12の地盤との間のフリクションを大幅に低減することができる。したがって、潜函工法による沈設を容易に行うことができる。
【0121】加えて、補助リング70と一体になるように底版コンクリート74を打設することにより底版13を形成するため、底版13と外周壁12との連結が容易かつ確実にできる。
【0122】さらに、補助リング70の下部に、周方向にわたって流動性シール材90を設け、その後に底版コンクリート74を打設するため、補助リング70と底版コンクリート74との間を確実にシールすることができる。
【0123】加えて、補助リング70に鉄筋75を配筋し、その後、該鉄筋75を埋設させるように底版コンクリート74を打設するため、補助リング70で鉄筋75の位置決め固定を容易に行うことができ、配筋を容易に行うことができる。したがって、鉄筋75の配筋の施工性を向上することができる。
【0124】さらに、頂版14側から側版16,17のインサート25に長ボルト140を螺合させ該長ボルト140にナット141を螺合させることにより頂版14を側版16,17に連結させるため、側版16,17に容易に頂版14を連結させることができる。
【0125】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1に記載の地下貯水槽の構築方法によれば、金属製の円環状の補助リングを予め構築し、該補助リング上に、複数の円弧状の側版を載置させて外周壁を構築するため、軟弱地盤上であっても、側版の載置面である補助リングが載置面を安定させることになる。したがって、軟弱地盤上での組立施工性を向上させることができる。
【0126】本発明の請求項2に記載の地下貯水槽の構築方法によれば、側版として、半径方向から見て台形状に形成されたものを用い、これら側版を、周方向に隣り合うもの同士で短辺側および長辺側を互いに逆にした状態で補助リング上に載置させるため、このようにして接合された隣り合うもの同士を、上側から挿通される連結部材で連結させることができる。したがって、外側の継手板で連結させるものではなく、上側から挿通される連結部材で隣り合うもの同士を連結させることができるものであるため、地盤の影響で腐食等を生じることがなく、耐久性を向上させることができる上、上側から作業できるため、施工を容易に行うことができる。
【0127】本発明の請求項3に記載の地下貯水槽の構築方法によれば、軸線方向に対し傾斜する傾斜連結部材で、周方向に隣り合う側版同士を連結させることになるため、傾斜連結部材の角度を、隣り合う側版の連結方向により近くすることができる。したがって、周方向に隣り合う側版同士を傾斜連結部材でより確実に連結させることができる。
【0128】本発明の請求項4に記載の地下貯水槽の構築方法によれば、側版として下部にインサートが埋設されたものを用い、補助リング側からインサートにボルトを螺合させることにより側版を補助リングに支持させるため、側版を補助リング上で安定させることができる。
【0129】本発明の請求項5記載の地下貯水槽の構築方法によれば、軸線方向に貫通する軸線方向連結部材で、軸線方向に隣り合う側版同士を連結させることになるため、連結方向と軸線方向連結部材の方向とが一致することになる。したがって、軸線方向に隣り合う側版同士を軸線方向連結部材でより確実に連結させることができる。
【0130】本発明の請求項6記載の地下貯水槽の構築方法によれば、側版からなる外周壁の外径よりも大きな外径の補助リングを用いるため、潜函工法で補助リングとともに外周壁を地盤中に沈設する際に、外周壁の地盤との間のフリクションを大幅に低減することができる。したがって、潜函工法による沈設を容易に行うことができる。
【0131】本発明の請求項7記載の地下貯水槽の構築方法によれば、補助リングと一体になるようにコンクリートを打設することにより底版を形成するため、底版と外周壁との連結が容易かつ確実にできる。
【0132】本発明の請求項8記載の地下貯水槽の構築方法によれば、補助リングの下部に、周方向にわたってシール材を設け、その後にコンクリートを打設するため、補助リングとコンクリートとの間を確実にシールすることができる。
【0133】本発明の請求項9記載の地下貯水槽の構築方法によれば、補助リングに鉄筋を配筋し、その後、該鉄筋を埋設させるようにコンクリートを打設するため、補助リングで鉄筋の位置決め固定を容易に行うことができ、配筋を容易に行うことができる。したがって、鉄筋の配筋の施工性を向上することができる。
【0134】本発明の請求項10記載の地下貯水槽の構築方法によれば、頂版側から側版のインサートにボルトを螺合させることにより頂版を側版に連結させるため、側版に容易に頂版を連結させることができる。
【出願人】 【識別番号】000198307
【氏名又は名称】石川島建材工業株式会社
【出願日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2001−214475(P2001−214475A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−25663(P2000−25663)