| 【発明の名称】 |
管路内の夾雑物排出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 弘司
【氏名】冨田 直岐
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| 【要約】 |
【課題】従来、消火栓を利用した管路内の夾雑物排出装置は、切換え時の作業性や緊急時の対応が万全ではなかった。
【解決手段】配水管1に対し、分岐管2、三方口短管3を連続して共通する直立管路A1、A2を形成する一方、該短管の分岐管路Bの直上に地上より開閉自在に操作できる消火栓6を取付ける。一方、直立管路の直上には夾雑物排出装置4を瞬時に着脱出来る構成とする。夾雑物排出時に取付ける該装置は、連続する直立管路内を降下して分岐管2の本管路21の管底付近で流れ方向に対向して開口する挿入管41と、該挿入管41の先端に装着され直立管路内では同管壁に押し縮められ、分岐管の本管路21内では扇形に拡開するように付勢された夾雑物捕捉面42を具えたので、ほぼ管底に偏って流れる夾雑物を効率的に捕捉排出して課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地中に埋設したほぼ水平な配水管1に介装し本管路21と直上へ分岐して直立管路A1を形成する分岐部22からなる分岐管2と、該直立管路A1と開閉自在に連続する直立管路A2および直立管路A1から分岐した後、並立する分岐管路Bを形成する三方口短管3と、前記直立管路A2上へ瞬時に着脱自在に継合する夾雑物排出装置4と、前記分岐管路B上に搭載して地上より開閉自在に操作する消火栓6とよりなり、夾雑物排出装置4は地上からの操作によって前記直立管路A1、A2内を降下して分岐管2の本管路21の管底付近で流れ方向に対向して開口する挿入管41と、該挿入管41の先端に装着され直立管路A1、A2内では同管壁に押し縮められ、分岐管の本管路21内では扇形に拡開するように付勢された夾雑物捕捉面42を具えたことを特徴とする管路内の夾雑物排出装置。 【請求項2】 請求項1において、挿入管41の先端を斜めに切り欠いて開口部40を形成すると共に斜め尖端側の管壁の一部のみを短冊状に残して取付け部43を形成し、該取付け部43の上端近くに複数の支柱44を回動自在に支着し、該支柱44の相互間へ支柱を外向きに付勢するばね45をそれぞれ跨着したことを特徴とする管路内の夾雑物排出装置。 【請求項3】 請求項2において、直立管路A1に押し縮められる一方の支柱44a先端へ回動自在に係止金具46を止着し、該係止金具46の他端へ押し縮められる他方の支柱44xの係止ピン47と嵌合する切込み48を具え、かつ、係止金具46の中間に分岐管2の管底と突き当たって押し上げられる開放ピン49を下方へ突設したことを特徴とする管路内の夾雑物排出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は管路の途中で夾雑物が管内に混入した場合、効率的に浄化する排出装置に係る。 【0002】 【従来の技術】従来、処理の終わった適性な飲料水などが漸次、細分化されて末端の家庭や事務所などに供給されるのであるが、膨大な管路のネットワークのどこかで漏水、断水、管破裂などの補修の作業も日夜、絶え間なく行われており、補修工事に伴って若干の夾雑物、たとえば土砂などが管内の通水に紛れ込む可能性がないでもない。このような夾雑物が万一含まれると、折角、飲料水として調整した水質が劣化することは言うまでもないから、仮に管内の夾雑物(夾雑物、または固形物など)が紛れ込んだときは必ず排出することが強く求められる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】特許第2588319号の従来技術では、図10のように消火栓のベースパイプ101にL字形のスタンドパイプ102を着脱自在に取り付け、該スタンドパイプ102内に昇降自在にシャフト103を設け、該シャフト103の先端に主管路(消火栓管路)104の管底近傍に届き得る排出器105を連結した構成を示している。すなわち、通常は図示しない消火栓をベースパイプ101の上に連結しているが、必要あるときは消火栓の上部を取り外してベースパイプの上にスタンドパイプ102を繋ぎ換え、先端の排出器から主管路104の内部、特に管底を流れるような比較的重い夾雑物を吸い上げるとしている。 【0004】この従来技術は、管路浄化の必要が生じたときには消火栓上部を取り外して特別の器具と繋ぎ換えなければならないという煩瑣な作業を強いられる。場合によっては極めて多数の繋ぎ換え作業を狭隘な消火栓ピットなどで行わなければならず、迅速な作業に支障をきたす原因となる。とくに消火栓の位置が地表面より深い場所に取り付けられているときは、消火栓自体を取り外す作業は困難であり、安全面からも疑問の残る場合が少なくない。一方、夾雑物排出中は消火栓が外されているから、たまたま消火栓の使用が必要な緊急事態が重なったときには直ちに対応できず、消火栓の性格上、使用中に空白の時間が生じることを前提とする構成は好ましいものではない。 【0005】また、本管104へ排出器を挿入して比重差によって管底近くを流れる夾雑物を吸引するにしても、排出器105の外径はスタンドパイプ102以上は大きく取れないから、その開口面が本管104の流路全面をカバーすることは到底不可能である。開口面の両側を通過し下流へ流れ去る夾雑物がかなり多量に達することも容易に予想される。本管流のうち、排出器より下流に流れ去る部分(以下、後流と呼ぶ)と、排出器から排水される排出流との比率、すなわち後流:排出流の数値が大きいほど、排出器の両脇を後流と共に下流へ流れ去ろうとする夾雑物の量も多くなり、排出される夾雑物の量が減小して装置の効率を低下させる。この効率は管路内の流速、排出器の負圧や開口面積、などに左右されることは言うまでもないが、何れにしても夾雑物排出の目的を阻害する一つの課題であることは否定できない。 【0006】本発明は以上に述べた課題を解決するために、消火栓の地下ピットを利用して管路内の夾雑物を排出するに当たり、消火栓自体の取り外しを要さず、夾雑物排出作業中でも緊急事態が発生するや直ちに消防用ホースの使用と切り換える緊急用としての機能が保証され、消火栓も既存の消火栓をそのまま流用するだけで最大の効率を以て逃がすことなくほぼ完全に夾雑物を捕捉排出する新しい夾雑物排出装置の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明に係る管内の夾雑物排出装置は、地中に埋設したほぼ水平な配水管1に介装し本管路21と、直上へ分岐して直立管路A1を形成する分岐部22を形成する分岐管2と、該直立管路A1と開閉自在に連続する直立管路A2および直立管路A1から分岐した後、並立する分岐管路Bを形成する三方口短管3と、前記直立管路A2上へ瞬時に着脱自在に継合する夾雑物排出装置4と、分岐管路Bに搭載して地上より開閉自在に操作する消火栓6とよりなり、夾雑物排出装置4は地上からの操作によって前記直立管路A1、A2内を降下して分岐管2の管底付近で流れ方向に対向して開口する挿入管41と、該挿入管41の先端に装着されて直立管路内では同管壁に押し縮められ、分岐管の本管路21内では扇形に拡開するように付勢された夾雑物捕捉面42を具えたことによって前記の課題を解決した。 【0008】分岐管2の直立管路A1、三方口短管3の直立管路A2は1本の連続した垂直の管路を形成して三方口短管より分岐管2の本管路21まで連通しているから、直立管路の直上へ取り付けた夾雑物排出装置4の挿入管41を直立管路内へ挿通して下降させる。挿入管41の先端近くに支着された夾雑物捕捉面42は挿入管41が直立管路内を通過中は直立管路の管壁に押し縮められているが、通過し終わって広い分岐管の本管路内へ到達すると、管壁による拘束力から開放され、夾雑物捕捉面42へは本来の外向きの付勢力が働いて本管路のほぼ下半分近くを横断するように拡開し、本管路の管底付近に沈降しつつ流動する比重の大きい夾雑物を含む管内水を重点的に管内圧によって押し上げ、管路外へ排出することによって配水管路内の夾雑物をほぼ完全に捕捉し効果的に排出する。消火栓も三方口短管の分岐管路Bの先端に既設の消火栓をそのまま流用すればよいから、新規な費用負担に苦しむ懸念もなく、かつ、消火活動と夾雑物排出作業とは瞬時に切り換え自在であるから、本来の緊急性をいささかも損なう虞れがない。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態の一部断面正面図を示し、管内の夾雑物排出時におかれた態様である。一方、図2は本発明の実施形態のうち、通常の使用状態(通水状態)を示すものである。本発明の基本は既存の消火栓設備をそのまま利用して管路内の水質を保全する点にあり、地域に敷設された膨大な水道管のネットワークの要所に多数設けられた既存の消火栓の機能と設備をそのまま転用する点に特徴がある。 【0010】図2の消火栓桝8は、地上から掘り下げられて地下埋設管路に達する専用ピットであり、管路を形成する配水管1はこの図の例ではダクタイル鋳鉄管であり、その管に介装する分岐管2もダクタイル鋳鉄管で、水平、かつ直線の本管路21は配水管1と同径同軸の連続した流路を形成し、直立した分岐部22は直立管路A1を形成する。 【0011】分岐管2の分岐部22の上部フランジ上へ調整管23を介装する。調整管23は消火栓や夾雑物排出装置の取り付け高さを調整する役割を果たし、上部に載置する補修弁7に接続する。補修弁7は通常使用の状態(図2)から消火栓や夾雑物排出装置の使用(図1)に切り換えるときに、一旦、配水管1との連通を閉じて水圧を断つためであるが、本発明では補修弁7内に上下共通する直立管路を貫通することが条件となるからバタフライバルブなどは不適当であり、ボールバルブなど弁開時には管路に弁体が残らないことが必要である。 【0012】補修弁7の上方に三方口短管3を締結する。そのために三方口短管3の三方の開口部はそれぞれフランジを具えた形状が好ましく、下部開口部31と上部開口部32とを結ぶ直立管路A2と、その中途から別れて別に直立する分岐開口部33に結ぶ分岐管路Bの2管路に分岐する。それぞれの開口部にはフランジを具えて上部開口部32上には夾雑物排出装置4を、分岐開口部33上には消火栓6を締結する。そのため上部開口部32上には取付け部を延出し、通常の使用中(図2)には止水キャップ34を被冠して外部との連通を遮断する。また消火栓6は既設品をそのまま転用し一切の改変は不用である点に本発明の実施上の価値がある。 【0013】本発明の要旨である夾雑物排出装置を本管路へ装着した状態を図1に略示するが、分岐管2の本管路21まで深く潜入して本管路の管底近くを漂流する夾雑物を排出する機能が特徴である。そのために直立管路内を下降して本管路21まで到達し、流れに対向して開口する挿入管41と、この位置で管路を横切って拡開し漂流する夾雑物を全面でほぼ完全に捕捉する夾雑物捕捉面42が夾雑物排出装置4の主体となる。この機能を円滑に作動するため、夾雑物排出装置全体の位置関係を図1の実施形態で例示すれば、地上より操作可能なハンドル52,ハンドル52の回動を挿入管41の昇降運動に転換する挿入ロッド53,該挿入ロッド53の先端を軸支する上部ボックス54よりなる垂直部分と、前記上部ボックス54へ水平に取り付けた排出バルブ55,および該排出バルブ55と瞬時に着脱自在の排出ホース56の水平部分よりなる。排出ホースの着脱は町野式などの慣用手段を適用することが望ましい。 【0014】図3〜図6は本発明のうち、要部である夾雑物排出装置4を示したもので、主体は挿入管41と夾雑物捕捉面42によって構成される。図3は装置が分岐管2の本管路21内で拡開して流水中の夾雑物を捕捉する態様を示す。挿入管41は耐食性のステンレス鋼管や銅管などで製作し、分岐管2の分岐部22の内径(直立管路A1)よりも小さい外径よりなる。挿入管41、夾雑物捕捉面42など主要な部材の説明を以下に分説すると、図4(A)(B)(C)は挿入管41の先端近くの三面図であり、先端を斜めに切り欠いて夾雑物を吸引するため流れに対向して開口する一方、開口部40の裏側に相当する管壁の一部を垂直方向に切り込んで短冊形の取付け部43を残し、この切り欠きの側面に断面L字形の当て板50を添着する。 【0015】図5(A)〜(D)はこの取付け部43に支着する支柱44の組立て手順を例示したもので、複数(本実施形態では4ケ)の支柱44を共通する支点ピン51で扇形に回動自在に重ね合わせ、それぞれの支柱間へ相互に外向き(広がり勝手)へ付勢するばね45を跨着する。ばね45によって拡開した扇形の支柱同士の最大交叉角度は170°と設定した。これは扇形状に拡開した支柱がスムースに押し縮められる角度の上限が180°であるから、10°の余裕を持たせて直立管路の管壁に突き当たると滑らかに絞られて折り畳まれるように図ったものである。さらに折り畳み時や直立管路内で管壁に拘束されて昇降するとき、スムースに移動できるように支柱44の先端にRを付けておくことが推奨される。 【0016】図6はそれぞれの支柱44間へ張設する夾雑物捕捉面42自体(A)と支柱44に取付けた状態(B)を示し、開いたときは半円状の捕捉面を形成し、支柱が閉じたときは蛇腹状に折り畳まれた状態となる。夾雑物捕捉面の要件としては流れ来る水だけはスムースに透過し、水中に混入したある一定サイズ以上の夾雑物は捕捉して透過を阻止するために網状体を使用する。材質的には耐食性のステンレス鋼、銅、ニッケルなどの非鉄金属、プラスチック材の織成布など水質維持に十分配慮しなければならない。捕捉の対象となる夾雑物がたとえば75μm以上であれば、網状体のメッシュも呼び寸法が75μmと設定する。また、夾雑物捕捉面自体の折り畳みをスムースに進めるため、半円形の夾雑物捕捉面の中心付近を同心円で切り欠いて開閉を容易にさせる配慮も望ましい。 【0017】図7(A)(B)は分岐管2の直立管路A1内を下降、または上昇しつつある挿入管41と夾雑物捕捉面42を例示した縦断正面図と縦断側面図であり、理解しやすいように図(B)では取付け部43の図示を省いている。挿入管41の先端に装着された夾雑物捕捉面42の支柱44は、いずれも分岐管2の分岐部22の管壁に拘束され、付勢力(ばね45)に抗して押し縮められたまま直立管路A1内を上下する。 【0018】図8(A)(B)、図9は本発明の別の実施形態を示したものであり、図8においても取付け部43の図示は省いて挿入管41と夾雑物捕捉面42とを明瞭に表わすようにしている。複数(この図の形態では4個)の支柱44a〜44dのうち、直立管路A1の管壁に押圧される一方の支柱44aに係止金具46を回動自在に支着する。図9は係止金具46と支柱44a〜44dだけを取り出して示した部分図である。係止金具46の逆側には前記管壁に押圧される他方の支柱44dに突設した係止ピン47と嵌合する切り込み48を具え、かつ、係止金具46の中間に挿入管41の下降とともに分岐管2の管底に突き当たって押し上げられる開放ピン49を下方へ突設した構成である。図8(A)のように直立管路内では押し縮められた支柱44は係止金具46によって両端が拘束されているが、同図(B)のように下方の分岐管2の水平な本管路21に到達すると、係止金具46から下方へ突出する開放ピン49が持ち上げられて斜めに回動し、係止ピン47と切り込み48の嵌合が外れて拘束から開放され、ばね45の付勢力が発揮して夾雑物捕捉面42が拡開するという方式である。 【0019】通常の管路の使用時(通水中)は図2の通りであるが、図1の夾雑物排出時に切り換える場合の手順としては■補修弁7を閉じ配水管1の水圧を遮断する。 ■三方口短管3を被冠している止水キャップ34を取り外し、夾雑物排出装置4を載置し連結する。 ■補修弁7を開き挿入管を降下する。 ■夾雑物捕捉面42が自動的に拡開する。 ■管内の夾雑物を排出する。 【0020】夾雑物排出中に突如、消火栓6へ切り換える緊急時が発生したときには、挿入管41を三方口短管3の上部開口部32まで上昇させ、消火栓6の口金に図示しない消火ホースを取り付け、消火栓6の栓を回動して開き、消防用の取水に切り換える。 【0021】 【発明の効果】本発明は以上述べた通り、既設の消火栓の設置桝をそのまま使用し、消火栓自体も既存の消火栓そのものを転用し、消火栓桝内の配管を一部換えるだけで最も簡単に管内の夾雑物排出という別異の機能を併せ具えることができる。発明の実施に要するコストが最低で済むことは、地方自治体の財政逼迫の現今、代え難い大きな効果である。消火栓も通常の使用時から夾雑物排出作業に切り換えるに当たっても、取り替え、取り外しは最小限の操作で完結する。また、夾雑物排出作業中に突如、緊急事態が発生しても、ただちに本来の消火用取水に切り換えられるから、緊急性についても抜群であり、消火栓機能のいささかの毀損も生じない効果が大きい。 【0022】また、本発明の技術的特徴として夾雑物排出装置の先端が開閉自在で構成され、狭い直立管路内をスムースに下降すると共に、目的の分岐管内では特に管底付近を横断して沈降しつつ漂流する夾雑物を重点的にほぼ完全に捕捉排出する機能にあり、従来技術には見られない高い排出効果を保証するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000142595 【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
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| 【出願日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089439 【弁理士】 【氏名又は名称】青野 順三
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| 【公開番号】 |
特開2001−200557(P2001−200557A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−12407(P2000−12407) |
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