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【発明の名称】 縦樋取水構造、取水用ソケット並びに取水装置
【発明者】 【氏名】杉本 研造

【要約】 【課題】取水口11とオーバーフロー孔12とをほぼ同一位置に設けることにより、メンテナンスを容易にすると共に取水効率を向上し得るようにする。

【解決手段】縦樋4の中途部に上下に仕切る仕切板10を設け、仕切板10の上方に取水口11を形成すると共に、仕切板10の下方にオーバーフロー孔12を形成するようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】縦樋の中途部に上下に仕切る仕切板を設け、該仕切板の上方に取水口を形成すると共に、前記仕切板の下方にオーバーフロー孔を形成したことを特徴とする縦樋取水構造。
【請求項2】上下の縦樋間を連結可能な筒状のソケット本体を着脱可能に設け、該ソケット本体の中間部に仕切板を設け、前記ソケット本体側面の前記仕切板よりも上方の位置に取水口を形成すると共に、前記ソケット本体側面の前記仕切板よりも下方の位置にオーバーフロー孔を形成したことを特徴とする取水用ソケット。
【請求項3】前記ソケット本体の前記仕切板設置位置外周に係止部を設けたことを特徴とする請求項2記載の取水用ソケット。
【請求項4】上下に分断された縦樋の間を請求項2または請求項3記載の取水用ソケットで連結し、該取水用ソケットによる縦樋の連結部分を、貯水槽へ雨水を導くための呼込管内に収容したことを特徴とする取水装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、取水口とオーバーフロー孔とをほぼ同一位置に設けることにより、メンテナンスを容易にすると共に取水効率を向上し得るようにした縦樋取水構造、取水用ソケット並びに取水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物の縦樋を流下する雨水を取水するようにした取水装置は、従来、実開平7−10169号公報や実開平7−12561号公報などに記載されている。
【0003】上記取水装置は、要するに、縦樋内に取水器を配設し、この取水器から取水管路を介して外部の貯水槽へ雨水を導くようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の取水装置では、取水器と貯水槽とが分離され、これらが取水管路で連結されているため、貯水槽のオーバーフロー設備が取水器から分離されているため点検や補修などのメンテナンスが面倒であるなどの問題があった。
【0005】また、取水器と貯水槽の水準との間に落差が発生するため、空気抜きが必要になるなどの問題があった。
【0006】更に、縦樋の内部に取水器を設けているため、取水器の取付けスペースが狭く、しかも、取水効率が悪いなどの問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、取水口とオーバーフロー孔とをほぼ同一位置に設けることにより、メンテナンスを容易にすると共に取水効率を向上し得るようにした縦樋取水構造、取水用ソケット並びに取水装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載された取水構造では、縦樋の中途部に上下に仕切る仕切板を設け、該仕切板の上方に取水口を形成すると共に、前記仕切板の下方にオーバーフロー孔を形成したことを特徴としている。
【0009】このように構成された請求項1にかかる発明によれば、前記取水口とオーバーフロー孔とが上下に位置されるので、点検や補修などのメンテナンスが容易であり、しかも、特別な空気抜きを設けずにオーバーフローを行わせることが可能となる。
【0010】請求項2に記載された取水用ソケットでは、上下の縦樋間を連結可能な筒状のソケット本体を着脱可能に設け、該ソケット本体の中間部に仕切板を設け、前記ソケット本体側面の前記仕切板よりも上方の位置に取水口を形成すると共に、前記ソケット本体側面の前記仕切板よりも下方の位置にオーバーフロー孔を形成したことを特徴としている。
【0011】このように構成された請求項2にかかる発明によれば、ソケット本体に取水口とオーバーフロー孔とが一体に形成されているので、各種の貯水槽に対し容易に適用することが可能となる。
【0012】請求項3に記載された取水用ソケットでは、前記ソケット本体の前記仕切板設置位置外周に係止部を設けたことを特徴としている。
【0013】このように構成された請求項3にかかる発明によれば、フィルターや浄化器や蓋体を取水用ソケットの係止部に取付けることにより、容易に機能を追加することが可能となる。
【0014】請求項4に記載された取水構造では、上下に分断された縦樋の間を請求項2または請求項3記載の取水用ソケットで連結し、該取水用ソケットによる縦樋の連結部分を、貯水槽へ雨水を導くための呼込管内に収容したことを特徴としている。
【0015】このように構成された請求項4にかかる発明によれば、前記取水用ソケットが呼込管内に収容されているので、外部からの障害をなくすことができる。また、取水用ソケットが縦樋とほぼ同径となるので、取水用ソケットの取付けが容易で、しかも、取水用ソケットからの取水効率も100%とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0017】図1〜図4は、この発明の実施の形態1を示すものである。
【0018】まず、構成を説明すると、図1中、符号1は地面、符号2は地面1上に構築された住宅などの建物、符号3は建物2の軒樋、符号4は建物2の縦樋、符号5は貯水槽、符号6は貯水槽5の架台である。図2中、符号7は貯水槽5の下部に設けられた蛇口などの取水栓、符号8は貯水槽5の上蓋である。
【0019】この実施の形態1のものでは、縦樋4の中途部に上下に仕切る仕切板10を設け、該仕切板10の上方に取水口11を形成すると共に、前記仕切板10の下方にオーバーフロー孔12を形成する。
【0020】具体的には、貯水槽5の上端近傍位置にて縦樋4を上部縦樋13と下部縦樋14とに分割する。そして、縦樋4の外径とほぼ等しい内径を有して上部縦樋13の下端と下部縦樋14の上端との間を連結可能な筒状のソケット本体15を着脱可能に設ける。ソケット本体15の中間部に前記仕切板10を設け、ソケット本体15側面の仕切板10よりも上方の位置に上部縦樋13の下端を係止可能な複数の係止部16を設け、仕切板10と係止部16との間に前記取水口11を周方向複数形成する。また、ソケット本体15側面の前記仕切板10よりも下方の位置に下部縦樋14の上端を係止可能な複数の係止部17を設け、仕切板10と係止部17との間に前記オーバーフロー孔12を周方向複数形成する。
【0021】更に、ソケット本体15の前記仕切板10設置位置外周にフィルターや浄化器や蓋体を取付け可能な突起などの係止部18を設ける。
【0022】そして、貯水槽5の上端からほぼ水平に呼込管19を延設し、上記構造の取水用ソケット20による縦樋4の連結部分全体を、呼込管19の一端内に収容する。また、この呼込管19の一端部に、開閉可能な蓋体21を設けるようにする。
【0023】次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0024】上部縦樋13を流下してきた雨水は、ソケット本体15の内部に設けられた仕切板10で流下を阻止される。そして、ソケット本体15の仕切板10上方に形成された取水口11から呼込管19へ排出され、呼込管19から貯水槽5へと送られる。
【0025】貯水槽5内が満杯となって貯水が呼込管19のレベルとなると、ソケット本体15の仕切板10下方に形成されたオーバーフロー孔12から下部縦樋14へ貯水が排出される。この際、特別な空気抜きを設けずにオーバーフローを行わせることが可能である。
【0026】また、貯水槽5内の上澄み液は、常時、蛇口などの取水栓7から取り出して使用することができる。
【0027】実施の形態1の発明によれば、取水口11とオーバーフロー孔12とが上下に位置されるので、呼込管19一端部の蓋体21を取外すことにより、点検や補修などのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0028】また、ソケット本体15に取水口11とオーバーフロー孔12とが一体に形成されているので、各種の貯水槽5に対し容易に適用することが可能となる。
【0029】しかも、ソケット本体15外周の前記係止部18に、フィルターや浄化器や蓋体を取付けることにより、容易に機能を追加することが可能となる。
【0030】更に、前記取水用ソケット20が呼込管19内に収容されているので、外部からの障害をなくすことができる。また、取水用ソケット20が縦樋4とほぼ同径となるので、取水用ソケット20の取付けが容易で、しかも、取水用ソケット20からの取水効率も100%とすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態2】図5〜図8は、この発明の実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0032】まず、構成を説明すると、この実施の形態2のものでは、縦樋4の外周に貯水槽30が同心状に配置されている。そして、取水用ソケット20外周の係止部18には貯水槽30の上蓋を兼ねたフィルター31が係止されている。貯水槽30は太陽光線を遮断可能な暗色(黒色)などとする。
【0033】このフィルター31は、底面32が円錐状に傾斜されており、底面32の中心には取水用ソケット20に対する嵌着部33が設けられている。底面32の上面側には高さの等しい筒状仕切板34が多重で且つ同心状に設けられている。また、底面32の外周には、筒状仕切板34よりも高い外周部筒状仕切板35が設けられている。外周部筒状仕切板35の外周面には、周方向複数箇所に開口部36が設けられている。また、外周部筒状仕切板35と隣接する筒状仕切板34との間の底面32部分には、周方向複数箇所に開口部37が設けられている。更に、外周部筒状仕切板35の外周面には、貯水槽30内面との間で圧縮保持力を発生させる保持用突起部38が設けられている。
【0034】次に、この実施の形態2の作用について説明する。
【0035】縦樋4の外周に貯水槽30を同心状に配置することにより、縦樋4から貯水槽30への取水管路が不要となってその分故障箇所を少なくすることができる。また、貯水槽30の設置スペースの確保が不要となる。貯水槽30の設置・固定も、縦樋4の取付けと同時にできる。取水用ソケット20を用いることによりオーバーフロー設備も一体化され、しかも、オーバーフロー水の排水は縦樋4をそのまま使用して行うことができる。
【0036】更に、縦樋4の外周に貯水槽30を同心状に配置しているので、外力(台風、通過車、通行人)によって縦樋4が破損するのを、貯水槽30が保護して防止することができる。
【0037】一方、取水用ソケット20外周の係止部18に取付けたフィルター31では、取水用ソケット20の取水口11から出た雨水は、最内周の筒状仕切板34によって堰止められ、最内周の筒状仕切板34が満杯になるとオーバーフローして次の筒状仕切板34によって堰止められるという風に、オーバーフローしつつ外周側へ送られ、各セクションで比重差により不純物が沈殿されて浄化されて行く。こうして外周部筒状仕切板35へ達した雨水が、開口部36,37を介して貯水槽30へ貯留される。
【0038】フィルター31に沈殿物が多く堆積した場合には、フィルター31を外して洗浄する。
【0039】こうして得られた貯水は、木の葉やゴミや粉塵などの異物が含まれておらず、また、貯水槽30を暗色(黒色)などとして太陽光線を遮断させることにより藻の発生や腐敗のないきれいな水を長期保存することができるので、広い用途に活用することが可能である。例えば、ガーデニング、菜園、庭園、洗車などの用途に藻発生防止処理を施さずに使用することが可能である。また、風呂洗い、トイレ洗い、水撒きなどの用途に殺菌処理を施さずに使用することが可能である。更に、レジャー・子供用品、靴などの水洗い、魚鑑賞用その他水溜めなどの用途に腐敗防止処理を施さずに使用することが可能である。
【0040】上記以外の部分については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態3】図9〜図11は、この発明の実施の形態3を示すものである。なお、前記実施の形態2と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0042】この実施の形態3のものでは、取水用ソケット20外周の係止部18に係止するフィルター41を、円錐状に傾斜された底面32と、取水用ソケット20に対する嵌着部33と、開口部37および保持用突起部38を有する外周部筒状仕切板35とを備えた受皿42、および、底面32の上部に敷設可能でを多数の毛を植設されたフィルターマット43とで構成して、フィルターマット43の毛44で不純物を付着させ雨水を浄化させるようにしたものである。
【0043】上記以外の部分については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態4】図12〜図15は、この発明の実施の形態4を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0045】この実施の形態4のものでは、緩傾斜を持たせて配置した横置型の貯水槽45を設け、この貯水槽45の上端部で、取水用ソケット20による縦樋4の連結部分全体を収容させるようにしている。
【0046】この貯水槽45の下部には、筒状をしたゴミ受バケット46〜50が周方向に位相をずらせて軸線方向へ多数設けられている。なお、このゴミ受バケット46〜50は、図14中、鉛直下方を基準として中心から左右に45度の範囲内に配置されている。
【0047】また、図15に示すように、各ゴミ受バケット46〜50は、上端が斜めにカットされた形状をしており、貯水槽45の上端側が貯水槽45の底面とほぼ同一高さレベルとなり、貯水槽45の下端側が貯水槽45の底面よりも上方へ突出されて突出部分51でゴミなどの異物を受け得るように取付けられている。各ゴミ受バケット46〜50の下端にはゴムシール52を有するキャップ53が着脱自在に螺着されている。
【0048】上記以外の部分については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、縦樋の中途部に上下に仕切る仕切板を設け、該仕切板の上方に取水口を形成すると共に、前記仕切板の下方にオーバーフロー孔を形成したことにより、取水口とオーバーフロー孔とが上下に位置されるので、点検や補修などのメンテナンスが容易であり、しかも、特別な空気抜きを設けずにオーバーフローを行わせることが可能となる。
【0050】請求項2の発明によれば、上下の縦樋間を連結可能な筒状のソケット本体を着脱可能に設け、該ソケット本体の中間部に仕切板を設け、前記ソケット本体側面の前記仕切板よりも上方の位置に取水口を形成すると共に、前記ソケット本体側面の前記仕切板よりも下方の位置にオーバーフロー孔を形成したことにより、ソケット本体に取水口とオーバーフロー孔とが一体となるので、各種の貯水槽に対し容易に適用することが可能となる。
【0051】請求項3の発明によれば、ソケット本体の前記仕切板設置位置外周に係止部を設けたことにより、フィルターや浄化器や蓋体を取水用ソケットの係止部に取付けて容易に機能を追加することが可能となる。
【0052】請求項4の発明によれば、上下に分断された縦樋の間を請求項2または請求項3記載の取水用ソケットで連結し、該取水用ソケットによる縦樋の連結部分を、貯水槽へ雨水を導くための呼込管内に収容したことにより、取水用ソケットが呼込管内に収容されるので、外部からの障害をなくすことができる。また、取水用ソケットが縦樋とほぼ同径となるので、取水用ソケットの取付けが容易で、しかも、取水用ソケットからの取水効率も100%とすることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成12年1月20日(2000.1.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−200556(P2001−200556A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−11617(P2000−11617)