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【発明の名称】 建設機械のエアクリーナ
【発明者】 【氏名】岡野 宗樹

【要約】 【課題】渦流れの発生等によるロスを減少させたエアクリーナを提供することを課題としている。

【解決手段】ラジエータ等を冷却する空気流れ内にエアクリーナを配置した建設機械において、エアクリーナ本体又はカバーを設けて外部形状を流線型ににして空気抵抗を減少させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラジエータ等を冷却するための空気流れ内にエアクリーナを配置した建設機械において、エアクリーナ本体又はカバーを設けて外部形状を流線型ににして空気抵抗を減少させたことを特徴とする建設機械のエアクリーナ。
【請求項2】 前記エアクリーナ本体の上流側、下流側又は双方に流線型のカバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の建設機械のエアクリーナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建設機械のエアクリーナの外部形状に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】大気中には微細なダストが浮遊しており、また、エンジン自体の排出ガスにもカーボンの微粒子が含まれている。さらに、建設機械は土埃等の粉塵の多い場所で作業することが多い。従って、エンジン(ディーゼルエンジン又はガソリンエンジン)を使用している建設機械は、エンジンの燃焼効率や排気特性を高めるために吸入空気を清浄化するエアクリーナが使用される。しかし、建設機械は配置スペースが限られているためにエアクリーナを冷却空気の流れ経路に配置されることが多い。
【0003】図7は従来のエアクリーナの配置を示した図である。図7において、建設機械の最後部にはカウンタウエイト51が配置され、エンジン52がその少し前(図の左側)に配置される。エンジン52の一方の出力軸に空冷用のファン53が取り付けられると共にファン53の前方(図の下方)にはラジエータ54やオイルクーラ55が配置されている。また、オイルクーラ55前方の比較的近接したスペースにエアクリーナ60が配置される。これは、反対側(図の上方)のスペースにはエンジン52からの排気ガス用マフラー58の排出口58aが配置されており、エンジン52のエア吸入口は排出口58aから離れた位置に配置する必要があり、他方ではエンジン52から近い位置に配置し、エアダクト57を短くする必要があるからである。従って、エアクリーナ60はラジエータ54やオイルクーラ55を冷却するための空気流れの上流に配置されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したように、従来の建設機械等ではエアクリーナがラジエータ54やオイルクーラ55を冷却するための空気流れ経路(図の矢印で示した経路)に配置されている。また、従来のエアクリーナ60は円筒状の形状をしている。図8に示すように、円筒形状の物体60を定常流れ61の気流中に配置すると円筒形の前部には中心線付近で流れが停滞し、後部には渦流が発生し、エネルギーロスが生じる。従って、このロス分だけファン53を大きくするか又は速く回転する必要がある。この発明は、上述のような背景の下になされたもので、渦流れの発生等によるロスを減少させたエアクリーナを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用している。即ち、請求項1記載の発明は、エアクリーナ本体又はカバーを設けて外部形状を流線型ににして空気抵抗を減少させたことを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エアクリーナ本体の上流側、下流側又は双方に流線型のカバーを設けたことを特徴としている。
【0007】 【発明の実施形態】図1は本発明を実施した実施形態で双方にカバーを設けた例を示す。図3〜図6に変形例を示す。以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。図1において、エアクリーナ本体11は従来のエアクリーナ60と同様な構成で円筒形状である。エアクリーナ本体11の空気流れの上流側に流線型カバー12と後流側に流線型カバー13を設けて、空気流れが図2に示すように、渦の生じない定常流れとなるように構成した。流線型カバー12,13は摩擦係数の小さなプラスチック等の樹脂材料又は金属板で形成し、接着剤で固定してもよいし、鋲などの手段で固定してもよい。また、エアクリーナのケースの外形状自体を流線型に構成してもよい。
【0008】図3は後流側(もしくは上流側)に流線型カバー15を設けた例である。カバー15は4角錐形状に構成され、エアクリーナ本体11の側壁11a、11bによって生じるであろう渦流の発生を防止した例である。図3のカバー15は製作を容易にするため平面で形成しているが、一部又は全面を曲面で形成してもよい。図4は側面に対しては曲面で形成した例である。
【0009】図5はエアクリーナ本体11が壁のコーナに配置された場合の例である。コーナに筒状のエアクリーナ本体11が配置されるとその前後において空気流れに停滞流及び渦流が生じて空気流れに著しいエネルギーロスが生じる。これを防止するために略3角形の筒状カバー17及び18を配置して、全体の形状を流線型にしている。カバー17,18を設けた場合の空気流れを図の実線矢印で示す。以上のように、流線型カバーは配置される場所の空気流れに応じて適宜に変形する。
【0010】図6は壁に接するように配置された場合の例である。この場合にもその前後において空気流れに停滞流及び渦流が生じて空気流れに著しいエネルギーロスが生じる。エアクリーナ本体11の前後において、流れを流線型にするカバー19,20を設けることで停滞流及び渦流の発生を防止している。この場合の空気流れを図の実線矢印で示す。
【0011】以上に説明したように本実施形態ではエアクリーナ本体を流線型にし、又はカバーを設けて外部形状を流線型ににして空気抵抗を減少させている。従って、エアクリーナがラジエータやオイルクーラを冷却するための空気流れ経路に配置されても空気流れに対して流線型カバーを設けることにより、或いはエアクリーナ本体を流線型にすることにより、エアクリーナが存在しない場合とほぼ同様な定常の空気流れが得られる。この結果、エンジンの出力軸に取り付けるファンを格別大きなものを使用しなくてもラジエータ等は十分に冷却されるという効果が得られる。即ち、エンジンの燃費の向上及びヒートバランスの性能向上が図れるという効果がある。
【0012】以上、この発明の実施形態、実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成によれば、ラジエータやオイルクーラを冷却するための空気流れ経路にエアクリーナを配置した場合において、空気流れのエネルギーロスを生じさせないので、従来技術に比べてエンジンの燃費の向上及びヒートバランスの性能向上が図れるという効果がある。ひいてはエアクリーナの配置場所を選択する範囲が広がるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】501132804
【氏名又は名称】住友建機製造株式会社
【出願日】 平成12年6月14日(2000.6.14)
【代理人】 【識別番号】100100435
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 健治
【公開番号】 特開2001−355255(P2001−355255A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2000−178284(P2000−178284)