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【発明の名称】 自動運転ショベルおよびその運転方法
【発明者】 【氏名】永野 好幸

【氏名】榑沼 透

【氏名】石橋 英人

【氏名】橋本 昭

【氏名】安田 元

【要約】 【課題】再生操作時の安全性を確保すると共に、安全を確保するための手段を簡便な手段で実現した自動運転ショベルを提供すること。

【解決手段】教示された掘削から放土までの一連の動作を、再生操作により繰り返し動作するショベルと、該ショベルから遠隔の位置に設置され該ショベルの自動運転操作を行う遠隔操作装置5と、から構成される自動運転ショベルにおいて、前記ショベルの車内にロック状態では教示操作を無効とするキースイッチ型インターロック機構84を設けると共に、遠隔操作装置5にロック状態では再生操作を無効とするキースイッチ型インターロック機構85を設け、両機構84,85は、同一キー90で解除可能に構成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 教示された掘削から放土までの一連の動作を、再生操作により繰り返し動作するショベルと、該ショベルから遠隔の位置に設置され該ショベルの自動運転操作を行う遠隔操作装置と、から構成される自動運転ショベルにおいて、前記ショベル内にロック状態では教示操作を無効とする車内キースイッチ型インターロック機構を設けると共に、前記遠隔操作装置にロック状態では再生操作を無効とする遠隔操作装置キースイッチ型インターロック機構を設け、前記両機構は、同一キーで解除可能に構成されていることを特徴とする自動運転ショベル。
【請求項2】 請求項1記載の自動運転ショベルにおいて、前記両機構は、ロック状態では前記キーの抜き差しが可能であって、ロック解除状態では前記キーの抜き差しが不可能なようにに構成されていることを特徴とする自動運転ショベル。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の自動運転ショベルの運転方法において、前記ショベルに搭乗してエンジンを起動し、教示処理および再生処理を行う自動運転コントローラの電源を投入するステップと、前記車内キースイッチ型インターロック機を解除状態にして教示操作を行い、教示操作終了後、前記車内キースイッチ型インターロック機構構をロック状態にするステップと、前記エンジンを停止するステップと、当該ショベルの降車後、前記遠隔操作装置から、当該ショベルのエンジンを起動し、前記エンジンの回転数を設定するステップと、前記遠隔操作装置キースイッチ型インターロック機を解除状態にして再生操作を行い、再生操作終了後、遠隔操作装置キースイッチ型インターロック機構構をロック状態にするステップと、からなることを特徴とする自動運転ショベルの運転方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動運転を行うショベルに係わり、特に、掘削から放上までの一連の作業を教示し、自動的に前記作業を繰り返す自動運転ショベルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建設機械の代表例として油圧ショベルが知られているが、近年、油圧ショベルによる掘削から放土までの一連の単調な繰り返し作業は、自動運転によって行うようになってきている。例えば、特公昭54−7121号公報には、油圧ショベルに掘削から放土までの一連の作業動作を教示して、その教示動作を自動的に繰り返し行わせる技術が開示されている。
【0003】この自動運転ショベルでは、自動運転に先立って作業動作の教示が行われるが、その教示操作は、通常、作業者が自動運転ショベルの運転室に搭乗して、掘削から放土までの一連の作業を教示している。また、再生操作は、安全上の観点から作業者は運転室から降り、再生操作のし易い場所に設置された遠隔操作装置から操作を行っている。このような状況下で、作業者は、自動運転ショベルの乗降時や、自動運転ショベルの周囲での作業をしている時は充分注意しているが、ショベルが大型であったり、また大型の付帯設備が設置されているような場合には、遠隔操作装置から作業者が見えにくいため、別の作業者によって誤って再生操作が行われてしまったり、また、飛散した石等が遠隔操作装置の操作部に当たって再生処理が開始されてしまう恐れがある。このような状態は是非回避しなければならない。
【0004】特開平10−292419号公報では、自動運転ショベルの教示操作手段を携帯可能なものとし、かつそれにインターロック機能を持たせて安全性を図っている。この教示操作手段は、ショベルや遠隔操作装置への装着時以外は自動運転ショベルの操作を無効とするものであり、教示操作手段が作業者自身が携帯している場合は、教示操作手段は自動運転ショベルから切り離されるので、不測の再生動作が行われることがなく、作業者の安全が図られるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の教示操作手段を携帯型にする場合でも、教示操作時にはそれなりの大きさを有する教示操作手段を携帯してショベルに乗降しなければならず、教示操作手段を携帯するすることは煩わしく、また携帯中に破損させてしまう可能性もある。
【0006】本発明の目的は、上記の間題点に鑑みて、再生操作時の安全性を確保すると共に、安全を確保する手段を簡便な手段で実現した自動運転ショベルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
【0008】第1の手段は、教示された掘削から放土までの一連の動作を、再生操作により繰り返し動作するショベルと、該ショベルから遠隔の位置に設置され該ショベルの自動運転操作を行う遠隔操作装置と、から構成される自動運転ショベルにおいて、前記ショベル内にロック状態では教示操作を無効とする車内キースイッチ型インターロック機構を設けると共に、前記遠隔操作装置にロック状態では再生操作を無効とする遠隔操作装置キースイッチ型インターロック機構を設け、前記両機構は、同一キーで解除可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】第2の手段は、第1の手段に記載の自動運転ショベルにおいて、前記両機構は、ロック状態では前記キーの抜き差しが可能であって、ロック解除状態では前記キーの抜き差しが不可能なように構成されていることを特徴とする。
【0010】第3の手段は、第1の手段または第2の手段に記載の自動運転ショベルの運転方法において、前記ショベルに搭乗してエンジンを起動し、教示処理および再生処理を行う自動運転コントローラの電源を投入するステップと、前記車内キースイッチ型インターロック機を解除状態にして教示操作を行い、教示操作終了後、前記車内キースイッチ型インターロック機構構をロック状態にするステップと、前記エンジンを停止するステップと、当該ショベルの降車後、前記遠隔操作装置から、当該ショベルのエンジンを起動し、前記エンジンの回転数を設定するステップと、前記遠隔操作装置キースイッチ型インターロック機を解除状態にして再生操作を行い、再生操作終了後、遠隔操作装置キースイッチ型インターロック機構構をロック状態にするステップと、からなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図1乃至図9を用いて説明する。
【0012】図2は、本実施形態に関わる自動運転ショベルおよびその作業形態の一例を示す側面図である。
【0013】同図において、1はストックヤードに貯留された土石を掘削して、後述するクラッシヤ3に放土する自動運転ショベル本体、2は図示されていないダンプトラツク等によって運搬されてきた土石等を貯留するストックヤード、3は自動運転ショベル本体1によって放土された土石を破砕するクラッシャ、4は破砕された砕石を図示されていない運搬用ダンプトラックに積み込むホィールローダ、5は自動運転ショベル本体1の再生操作を行うのに適した任意の場所に設置した遠隔操作装置である。
【0014】さらに、自動運転ショベル本体1は、走行体10と、走行体10上に旋回可能に設けた旋回体11と、作業者が搭乗して操作を行う運転室18と、旋回体11に回動可能に設けたブーム12と、ブーム12の先端に回動可能に設けられたアーム13と、アーム13の先端に回動可能に設けられたバケット14と、ブーム12,アーム13,バケツト14とをそれぞれ回動動作させるためのシリンダ15,16,17と、自動運転ショベル本体1の動力であるエンジン80と、自動運転ショベル本体1の自動運転以外の機能を制御するエンジンコントローラ82と、自動運転機能の制御を行う自動運転コントローラ6と、自動運転コントローラ6が各シリンダに送り込む油量を制御するための電磁制御弁81と、遠隔操作装置5との間で信号の送受信を行う無線機61とから構成されている。
【0015】また、自動運転ショベル本体1には、旋回体11の旋回角を検出する角度センサ111、旋回体11とブーム12との回動角を検出する角度センサ112と、ブーム12とアーム13の回動角を検出する角度センサ113と、アーム13とバケツト14の回動角を検出する角度センサ114が設けられている。
【0016】また、クラッシヤ3は、走行体30と、ホッパ31と、コンベア32から構成されており、33はクラッシヤ3によって破砕された土石を示す。
【0017】さらに、遠隔操作装置5は、非常停止ボタン52と、再生操作を行うための再生操作部53と、自動運転ショベル本体1のエンジン回転数を操作するためのエンジン操作部54と自動運転ショベル本体1の無線機61との間で信号の送受信を行う無線機51と、遠隔操作装置インターロック用キースイッチ55を備える。
【0018】図3は、運転室18内の様子を示す一部破断した斜視図である。
【0019】同図に示すように、運転室18内奥には教示操作部9、車内インターロック用キースイッチ84、車内エンジン停止釦83、自動運転コントローラ電源スイッチ87等が設置されている。
【0020】図1は、自動運転ショベル本体1に搭載される車載装置7および遠隔操作装置5の概要を示すブロック図である。なお、図1において図2に示す符号と同符号の箇所は同一の構成を示す。
【0021】同図において、56は、再生操作部53、エンジン操作部54、または非常停止釦52からの指令をコマンドとして生成するコマンド生成部、51はコマンド生成部56で生成された各種のコマンドを自動運転コントローラ6に伝送するための無線機、541はエンジンを起動する操作を行うためのエンジン起動釦、542はエンジンを停止する操作を行うためのエンジン停止釦、543はエンジン回転を上げる操作を行うためのエンジン回転UP(アップ)釦、544はエンジン回転を下げる操作を行うためのエンジン回転DOWN(ダウン)釦、531は再生動作を開始する操作を行うための運転開始釦、532は、再生動作を停止する操作を行うための運転停止釦である。
【0022】ここで、遠隔操作装置インターロック用キースイッチ55はキー90を差し込み回転させる構造であり、回転させることによりキースイッチ55内のスイッチ551が開閉し、開閉に応じてプルアップ抵抗552から異なる電位が再生操作部53に伝えられる。なお、キー90はロック位置では抜き差し可能であるが解除位置では抜き差し不可なものである。
【0023】6は自動運転コントローラを示し、7は自動運転ショベル本体1に車載された装置を示す。67は教示操作部9からの操作により自動運転ショベル本体1の現在位置を教示位置として後述する教示位置格納部68に格納する教示処理部、68は教示処理部67によって作成されて再生時の教示データを格納する教示位置格納部、65は再生動作の手順を順次実行するための再生コマンドを格納する再生コマンド格納部、66は再生コマンドを解釈して教示位置格納部68から所定の教示位置データの出力を指示するコマンドインタプリタ部、69は教示位置データが出力処理される教示位置出力処理部、70は自動運転ショベル本体1の動作が円滑に動作するように、教示位置出力処理部69から出力される教示位置データから演算によって補間された教示位置データを作成して出力するサーボ前処理部、71はサーボ前処理部70から出力された補間後の教示位置データと後述する現在位置演算部72から出力された現在位置データを対比して自動運転ショベル本体1を所定の位置に制御するための駆動信号を電磁制御弁81に出力するサーボ制御部、61は遠隔操作装置5から伝送されてきたコマンドを受信する無線機である。
【0024】ここで、無線機61は、無線機51からの受信信号が途絶えたり、または無線機61が故障して受信できない場合には、その状態を検出して、検出信号を後述する再生起動・停止処理部63に伝送して、再生起動・停止処理部63からコマンドインタプリタ部66に停止信号を伝送して自動運転ショベル本体1の動作を停止させる。
【0025】62は無線機61によって受信されたコマンドを後述する再生起動・停止処理部63またはエンジン制御部64に出力するとともに、教示操作部9からのコマンドを教示処理部67に出力するコマンド受信部、63は再生操作部53から伝送されたコマンドを入力処理してコマンドインタプリタ部66に再生起動コマンドまたは再生停止コマンドを出力する再生起動・停止処理部、64はエンジン操作部54の操作や内部処理によりエンジン回転数を設定するアナログ信号をエンジンコントローラ82に出力するエンジン制御部である。
【0026】801はエンジンに燃料を供給する燃料噴射装置、802は燃料電磁弁の制御信号を強制的にカットしエンジンを停止させるためのエンジン停止用リレー、803はエンジンを起動するためのセルモータである。
【0027】エンジン停止用リレー802は通常閉じているがエンジン制御部64の信号により開くことにより燃料噴射装置801への信号をカットしエンジン80を停止させる。またセルモータ803はエンジンキースイッチ85をST状態(スタート状態)にすることにより起動されると共に、エンジン制御部64の制御信号でも駆動可能である。822はエンジン制御を自動運転コントローラ6が行うのか、後述するエンジン設定ダイヤル821で行うのかを切り換えるスイッチ、821は自動運転ショベル本体1の運転室内に設置され、通常エンジン設定を行うエンジン設定ダイヤル、85は自動運転ショベル本体1の運転室内に設置され、エンジンを起動するとともにショベル本体に電源を供給するためのエンジンキースイッチであり、エンジンキー100は差し込み回転させる構造となっており、これを回転することによりスイッチ851が開閉し、それに応じてプルアップ抵抗852から異なる電位が出力されエンジンコントローラ82に伝えられると同時に、自動運転コントローラ電源供給リレー853を開閉する。またST状態にすることによりセルモータ803が駆動される。
【0028】853は自動運転コントローラ6に電源を供給するリレー、87は自動運転コントローラ6に電源を供給するスイッチである。自動運転コントローラ電源スイッチ87とスイッチ822のON/OFF(オン/オフ)は同期している。86は自動運転ショベル本体1に電源を供給する電源部である。
【0029】84は車内インターロック用キースイッチであり、キースイッチ84はキー90を差し込み回転させる構造であり、回転させることによりスイッチ841が開閉し、それに応じてプルアップ抵抗842からそれに応じて異なる電位が出力されエンジン制御部64および教示処理部67に伝えられる。キー90は、OFF(オフ)時は抜き差し可能であるがON(オン)時の解除位置では抜くことはできない。
【0030】なお、遠隔操作装置インターロック用キースイッチ55と車内インターロック用キースイッチ84に使用されるキー90は同じものを使用し、キー90は一現場に1つしか用意されていない。従って、一方に使用しているときは他方では使用できないことになる。
【0031】図4は教示されて再生コマンド格納部65に格納される再生コマンド(レイアプトプログラム)の一例を示す図である。
【0032】同図において、L1はラベル示し、GOTOコマンドでラベルが示すシーケンスへ戻ることができる。MOVEコマンドは指定した位置に移動することを指示するコマンドであり、引数のP1等は移動する教示位置の番号を示す。Vコマンドは教示位置間を移動する遠さを指示するコマンドであり、その引数は最速を100としたときの%で表される。PACコマンドは位置決め精度を指示するコマンドであり、その引数は位置決めの度合いを示すものである。
【0033】この値を高くした場合、位置決め精度が高くなるため、ショベルは各教示位置で減速または停止するように動作する。この値を低くする程、位置決めが緩くなり各教示位置を移動するショベルの動きは滑らかになる。
【0034】図5は、教示位置格納部68に格納される教示位置データの一例を示す図である。
【0035】同図において、P1〜Pnは、後述するMOVEのラベルP1〜Pnに対応しており、各ラベルP1〜Pnに対応する自動運転ショベル本体1の各部が取るべきブーム角、アーム角、バケット角、旋回角の値が設定されている。
【0036】次いで、サーボ前処理部70における補間処理について説明する。
【0037】サーボ前処理部70は、先にも述べたように、自動運転ショベル本体1の動作を円滑に動作するために設けられるものであり、サーボ前処理部70は、はじめに角度センサ111〜114、現在位置演算部72、サーボ制御部71を介して、現在位置データAを入手し保持する。次いで、教示位置出力処理部69から目標となる教示位置データBを読み込む。ここで両者の差分Cの、例えば、1/10の差分を算出し、現在位置データA+差分C/10の位置データをサーボ制御部71に出力し、一定時間のサーボ制御を待つ。次に、サーボ前処理部70は一定時間後、現在位置データA+差分2C/10をサーボ制御部71に出力し、一定時間のサーボ制御を待つ。以下同様の処理を繰り返して、現在位置データA+差分C(=教示位置データB)をサーボ制御部71に出力して教示位置データBにる補間処理を終了する。以下同様にして、各教示位置データが出力される毎に補間処理を行う。
【0038】次に、自動運転コントローラ6における再生処理時の動作を図2を用いて説明する。
【0039】はじめに、遠隔操作装置5の再生操作部53の再生起動釦531からの指示がコマンド生成部56、無線機51、無線機61、コマンド受信部62、再生起動・停止処理部63を介してコマンドインタプリタ部66に出力される。コマンドインタプリタ部66は指示を受けると、再生コマンド格納部65に格納されている再生コマンドをシーケンシャルに読み出して解釈し、例えば、コマンドがMOVEコマンドの時は、再生コマンドの各ラベルP1〜Pnに対応するパラメータとしての教示位置データを教示位置格納部68から教示位置出力処理部69に出力させる。再生コマンドとして出力された教示位置データは、サーボ前処理部70に入力し、ここでは自動運転ショベル本体1が円滑な速度で動作するように演算されて上述のように補間された教示位置データが作成される。これら補間された教示位置データはサーボ制御部71に入力され、一方、現在位置演算部72において角度センサ111〜114で検出されたセンサ信号を演算して現在位置データを得、サーボ制御部71に入力する。サーボ制御部71は、目標となる補間された教示位置データと検出した現在位置データに基づいて所定のサーボ制御を行い、電磁制御弁81に駆動信号を出力する。
【0040】次に、エンジン制御部64における処理について図2および図6を用いて説明する。
【0041】手動運転する場合は、エンジンキースイッチ85がON(オン)に連動してスイッチ853が閉じても、スイッチ87は開放されているので、自動運転コントローラ6にはショベル電源86が供給されず、それに同期して、スイッチ822もOFF(オフ)側にあるので、エンジン設定ダイヤル821の値が手動により操作されてそのままエンジンコントローラ82に伝えられてエンジン80が制御される。
【0042】自動運転する場合は、エンジンキースイッチ85がON(オン)されると共に、スイッチ87,822がON(オン)されて、自動運転コントローラ6にショベル電源86が供給されると共に、エンジン制御部64はエンジン設定ダイヤル821の値とその他の情報によりエンジン制御信号をエンジンコントローラ82に出力してエンジン80が制御可能状態になる。
【0043】これ以降の処理を図6に示すフローチャートを用いて説明する。はじめに、ステップ1では車内インターロック用キースイッチ84の状態を判定する。差し込まれたキー90がOFF(オフ)側に回されていれば未処理のまま終了し、エンジン設定ダイヤル821でエンジン回転数を設定することはできない。キー90がON(オン)側に回されていればステップ2に進む。ステップ2ではエンジン設定ダイヤル821の値を読み込む。ステップ3でステップ2で読み込んだ値をエンジン回転数に変換し、その値をaとする。次いで、ステップ4では現在のエンジン回転数を読み込み、これをbとする。ステップ5では現在のエンジン回転数bと数値a−cとを比較する。ここで、cは現在のエンジン回転数bに幅を持たせるためのものであり、もし現在のエンジン回転数bが数値a−cより低くければ、ステップ6において、エンジン回転出力値dに所定のエンジン回転数値eを加算し、ステップ7で、加算されたエンジン回転出力値dを出力する。ステップ5において、現在のエンジン回転数bが数値a−cより高ければ、ステップ8において、現在のエンジン回転数bと数値a+cとを比較する。もし現在のエンジン回転数bが数値a+cより高ければ、ステップ9において、エンジン回転出力値dから所定のエンジン回転数値eを減算し、ステップ7において減算されたエンジン回転出力値dを出力する。現在のエンジン回転数bが数値a+cより低く、数値a−c高ければ、エンジン制御部64から出力される制御信号は変わらず、例えば、現在のエンジン回転数bがノイズ等で変動しても制御信号は安定状態を保つことができる。
【0044】次に、教示操作を行うときの教示処理部67における処理を図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0045】ステップ1では、車内インターロック用キースイッチ84の状態を判定する。キースイッチ84のキー90が挿入され、OFF(オフ)側に回されていれば未処理のまま終了し、ON(オン)側に回されていればステップ2に進む。ステップ2では教示操作部9で掘削開始位置教示操作が行われたどうかをコマンド受信で判定する。受信していればステップ3に進み、受信していなければステップ5に進む。ステップ3では角度センサ111〜114の値を読み込み現在位置演算部72で位置データに変換、ステップ4で教示位置格納部68に記憶し処理を終了する。ステップ5では教示操作部9で放土開始位置教示操作が行われたどうかをコマンド受信で判定する。受信していればステップ6に進み、受信していなければステップ8に進む。ステッ6では角度センサ111〜114の値を読み込み現在位置演算部72で位置データに変換、ステップ5で教示位置格納部68に記憶し処理を終了する。
【0046】このように、唯一のキー90が車内インターロック用キースイッチ84に装着され、ON(オン)側に設定されて初めて教示処理が可能となる。そのため、教示操作を行う場合には必ず車内インターロック用キースイッチ84をON(オン)側に設定されており抜くことができないので、キー90が抜かれた遠隔操作装置インターロック用キースイッチ55は必ずロック状態にあり、教示中や教示前後のショベルの乗降中の再生処理を未然に防ぐことができる。
【0047】次に、再生操作を行うときの再生操作部53における処理を図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0048】はじめに、ステップ1では、遠隔操作装置インターロック用キースイッチ55の状態を判定する。キースイッチ55がキー90が差し込まれ、ロック側に回されていれば未処理のまま終了し、解除側に回されていればステップ2に進む。ステップ2では運転開始釦531が押されているかどうかを判定する。押されていればステップ3に進み、押されていなければ未処理のまま終了する。ステップ3では再生処理中かどうかを判定する。再生処理中でなければステップ4に進み、再生処理中ならそのまま抜ける。ステップ4では運転開始コマンドをコマンド生成部56に出力し、無線機51を通して自動運転コントローラ6に伝えて再生処理を開始する。
【0049】このように、唯一のキー90が遠隔操作装置インターロック用キースイッチ55に差し込まれ、解除側に設定されていなければ再生処理は行われない。そのため、キースイッチ55がロック側に設定されていれば再生処理は行われず、不測の再生処理を未然に防止することができる。
【0050】次に、作業者による教示操作から再生操作および停止操作への一連の動作を図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0051】まず、ステップ1において、作業者は遠隔操作装置5において電源を投入する。次に、ステップ2で作業者は自動運転ショベル本体1に搭乗し、ステップ3ではエンジンキー85を操作してエンジン80を起動し、同時にリレー853を閉じる。ステップ4では、自動運転コントローラ電源スイッチ87をON(オン)にして自動運転コントローラ6に電源を供給する。この際スイッチ822も連動してON(オン)状態になり、これ以降エンジン回転数はエンジン制御部64の信号で制御される。ステップ5では車内インターロックスイッチ84にキー90を差し込んでON(オン)にしてロック解除状態にする。これによりエンジン回転数設定ダイヤル821でエンジン回転数が設定可能になると同時に、教示操作を行うことが可能となる。ステップ6では、エンジン回転数設定ダイヤル821で適正なエンジン回転数を設定する。ステップ7で教示操作を行い、ステップ8では教示が正しく行われたかどうかを確認する確認運転を行う。次に、ステップ9で車内エンジン停止釦83を操作してエンジンを停止する。この際、エンジン制御部64はリレー802を開いてエンジンを停止し、エンジン停止後、再びリレー802を閉じて再びエンジンが起動できる状態にする。ステップ10で、車内インターロック用キースイッチ84をOFF(オフ)にしてキー90を引き抜く。ステップ11にて、作業者は自動運転ショベル本体1を降車して遠隔操作装置5に移動する。ステップ12で、エンジン起動釦541が押され、その指令はコマンド生成部56、無線機51、無線機61、コマンド受信部62を通ってエンジン制御部64に伝えられ、エンジン制御部64はセルモータ803を駆動してエンジン80を起動させる。ステップ13では、エンジン回転数UP(アップ)釦543やエンジン回転数DOWN(ダウン)釦544を操作してエンジン回転数を適正な値に設定する。釦543,544からの指令は、コマンド生成部56、無線機51、無線機61、コマンド受信部62を通ってエンジン制御部64に伝えられ、エンジン制御部64は、エンジンコントローラ82に制御信号を送りエンジン回転数を設定する。次いで、ステップ14において、遠隔操作装置インターロックキースイッチ55に携帯していたキー90を差し込みロック解除状態にする。ステップ15では、運転開始釦531を押すことにより再生処理が開始される。また、自動運転を停止する場合は、ステップ16で運転停止釦532を押すことにより自動運転が停止される。ステップ17では、遠隔操作装置インターロックキースイッチ55をロック状態にしてキー90を引き抜いておくことにより不測の再生操作を防ぐことができる。
【0052】
【発明の効果】本願請求項1に記載の発明によれば、教示操作を行う場合は、キーが差し込まれて車内インターロック用キースイッチのロック状態が解除されて教示操作が行われるので、遠隔操作装置インターロック用キースイッチは必ずロック状態にあり、教示中や教示前後のショベルの乗降中の再生処理を未然に防止することができる。
【0053】また、キーが遠隔操作装置インターロック用キースイッチに差し込まれ、ロック解除されていなければ再生処理は行われないので、不測の再生処理を未然に防止することができる。
【0054】本願請求項2に記載の発明によれば、教示中や教示前後のショベルの乗降中の再生処理を確実の防止することができる。
【0055】本願請求項3に記載の発明によれば、上記の効果に加えて、ショベルの乗降時にはエンジンを止めるので、自動運転ショベルの安全性をより一層向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100078134
【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
【公開番号】 特開2001−348913(P2001−348913A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−174288(P2000−174288)