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【発明の名称】 自走式土質改良機
【発明者】 【氏名】駒井 盛生

【氏名】鈴木 好和

【要約】 【課題】建設工事現場内に直接搬入できる自走式土質改良機の安定度を高め、危険を防止する自走式土質改良機を提供することを課題とする。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 土を投入するホッパと改良剤を投入するホッパと該ホッパを介して搬入された土と改良剤を解砕乃至混合する混合機を本体フレームに載置した自走式土質改良機において、前記土を投入するホッパを下部走行体の前後方向の一側に大きく突設させると共に、前記本体フレームの所定の位置にアウトリガー装置を設けたことを特徴とする自走式土質改良機。
【請求項2】 前記自走式土質改良機の下部走行体を履帯式としたことを特徴とする請求項1記載の自走式土質改良機。
【請求項3】 前記アウトリガー装置を下部走行体の前後方向の何れか一方に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の自走式土質改良機。
【請求項4】 前記アウトリガー装置を下部走行体の前後に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の自走式土質改良機。
【請求項5】 前記アウトリガー装置を油圧シリンダにより鉛直方向に伸縮可能としたことを特徴とする請求項1乃至4記載の自走式土質改良機。
【請求項6】 前記アウトリガー装置を前記本体フレームに固設した支柱としたことを特徴とする請求項1乃至4記載の自走式土質改良機。
【請求項7】 前記アウトリガー装置を前記本体フレームに回動可能に枢着した支柱としたことを特徴とする請求項1乃至4記載の自走式土質改良機。
【請求項8】 前記アウトリガー装置に接地圧低減用のポンツーンを設けたことを特徴とする請求項1乃至7記載の自走式土質改良機。
【請求項9】 前記ポンツーンを車輪式としたことを特徴とする請求項8記載の自走式土質改良機。
【請求項10】前記ポンツーンを履帯式としたことを特徴とする請求項8記載の自走式土質改良機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建設工事により発生する土砂及び泥土等の建設発生土に改良剤を添加して土質改良し再生する自走式土質改良機の転倒を防止するためのアウトリガー装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、建設工事により発生した建設発生土(以下「発生土」という)は、特別の処理を施さずにそのまま使用するか、又は、特定の場所に設けた土質改良プラントにおいて発生土を再生し、その再生した改良土をダンプ等で移送して利用していた。しかし、特別の処理を施さずに使用できる発生土であればそのまま使用しても問題ないが、再生する必要がある発生土をそのまま使用することは発生土の粒度にバラツキがあり、また、強度的にも問題があった。一方、特定の場所に設けた土質改良プラントにおいて再生した改良土をダンプで移送して利用する方法はプラントでの処理能力を大きくできる長所があるもののプラントと建設工事現場間の搬送に時間とコストが掛かり、特に都市土木においてはダンプによる搬入と搬出は人家の密集地域では敬遠されがちであった。
【0003】そこで近年建設工事により発生した発生土をその工事現場において再生し再利用するための自走式土質改良機が出現し、発生土を改良して再生する技術として確立されつつあり、その技術を駆使した装置は環境を考慮した機械として市場で高い評価を獲得しつつある。そして、この自走式土質改良機は発生土投入ホッパ、改良剤投入ホッパ、解砕・混合機、スクリーンと発生土、改良土をこれらの装置間で運搬するコンベア及び動力源等から構成されているため前後方向に長い装置となり安定度の点で問題があった。特に、発生土投入ホッパは下部走行体の前後方向の一側に大きく突設させているため、該ホッパ内に投入される発生土の量により安定度が変化し、また、発生土及び改良土がコンベアにより運搬されるため重心位置が変わり、発生土や土質改良剤がホッパに投入される前は重心位置が図3のG0であるのに対し、発生土がホッパに投入された後はG1、改良土が後方から搬出されるときはG2に重心位置が夫々移動する。そして、それに伴い下部走行体の前端近傍及び後端近傍の反力RF、RRが変化し、接地圧が異常に高くなり軟弱地盤では地盤が沈下し自走式土質改良機の安定度が悪くなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実に鑑みなされたものであり、その目的は建設工事現場内に直接搬入できる自走式土質改良機の安定度を高め、危険を防止する自走式土質改良機を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本発明では土を投入するホッパと改良剤を投入するホッパと該ホッパを介して搬入された土と改良剤を解砕乃至混合する混合機を本体フレームに載置した自走式土質改良機において、前記土を投入するホッパを下部走行体の前後方向の一側に大きく突設させると共に、前記本体フレームの所定の位置にアウトリガー装置を設けたこと、前記自走式土質改良機の下部走行体を履帯式としたこと、前記アウトリガー装置を下部走行体の前後方向の何れか一方に設けたこと、前記アウトリガー装置を下部走行体の前後に設けたこと、前記アウトリガー装置を油圧シリンダにより鉛直方向に伸縮可能としたこと、前記アウトリガー装置を前記本体フレームに固設した支柱としたこと、前記アウトリガー装置を前記本体フレームに回動可能に枢着した支柱としたこと、前記アウトリガー装置に接地圧低減用のポンツーンを設けたこと、前記ポンツーンを車輪式としたこと、及び、前記ポンツーンを履帯式としたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図1乃至図8に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係る自走式土質改良機の全体側面図を示し、図2は本発明の実施形態に係る自走式土質改良機の正面図を示し、図3は本発明の実施形態の自走式土質改良機の重心説明図を示す。また、図4は油圧シリンダを用いたアウトリガー装置の取付図を示し、図5は固定式の支柱を用いたアウトリガー装置の取付図を示し、図6は回動可能な支柱を用いたアウトリガー装置の取付図を示す。そして、図7はポンツーンを車輪式としたアウトリガー装置の取付図を示し、図8はポンツーンを履帯式としたアウトリガー装置の取付図を示す。
【0007】図1において、1は自走式土質改良機本体で、2は該自走式土質改良機本体1を構成する下部走行体で、該下部走行体2には本体フレーム3が固設され、該本体フレーム3の前端には発生土を投入するホッパ4(以下「発生土用ホッパ」という)が下部走行体2の前端から大きく突出して設けられ、該発生土用ホッパ4の下方に発生土を運搬するコンベア5の一端が取り付けられ、また、該コンベア5の他端が自走式土質改良機本体1の中心近傍になるように前傾に配設し、該コンベア5の他端近傍で自走式土質改良機本体1の中心近傍には下部に開口を有し、土質改良剤を投入するホッパ6(以下「改良剤用ホッパ」という)が設けられ、該改良剤用ホッパ6の下方で、かつ、前記コンベア5の他端下方に開口を有し、発生土と改良剤を解砕・混合する混合機7が載置されている。そして、該混合機7の下部には該混合機7の下部開口から排出された改良土を搬出するためのコンベア8の一端が取り付けられ、該コンベア8の他端は前記本体フレーム3の後端に載置された振動スクリーン9の上方にくるように前傾して配設されている。そして、アウトリガー装置は前記本体フレーム3の前部に少なくとも1本以上乃至前記本体フレーム3の後部に少なくとも1本以上設けられている。
【0008】図4は油圧シリンダによりアウトリガー装置10(11)を伸縮可能としたもので、本体フレーム3にボルト孔を開穿したブラケット3aが固着され、一方、油圧シリンダ10a(11a)にはボルト孔を開穿したブラケット10b(11b)が固着され、該ブラケット10b(11b)と前記ブラケット3aを対峙させてボルト10c(11c)及びナット10d(11d)により固定している。そして、前記油圧シリンダ10a(11a)のロッド10e(11e)の先端には接地圧を低くするためのポンツーン10f(11f)が着脱可能に設けられている。
【0009】図5はアウトリガー装置12を固定式の支柱とした場合で、伸縮できない支柱12aを前記本体フレーム3にボルト孔を開穿したブラケット3aが固着され、一方、支柱12aにはボルト孔を開穿したブラケット12bが固着され、該ブラケット12bと前記ブラケット3aを対峙させてボルト12c及びナット12dにより固定している。そして、前記支柱12aの先端には接地圧を低くするためのポンツーン12eが着脱可能に設けられている。尚、前記ブラケット3a乃至ブラケット12bに開穿したボルト孔はアウトリガー装置12の上下方向の調整ができるように長孔となっている。
【0010】図6はアウトリガー装置13を前記本体フレーム3に回動可能としたもので、前記本体フレーム3に固着したブラケット3a、3aに回動用ピン孔及び固定用ピン孔を穿設し、一方、支柱13aの上端にも回動用ピン孔及び固定用ピン孔を穿設し、両者をピン13bで回動可能に枢着し、ピン13cで固定している。そして、該支柱13aの下端にポンツーン13dを着脱可能に設けている。
【0011】図7は図4に示す油圧シリンダ式アウトリガー装置10(11)のポンツーン10f(11f)を車輪式とした場合で、油圧シリンダ10a(11a)のロッド10e(11e)の先端に車軸10g(11g)を取り付け、該車軸10g(11g)に車輪10h(11h)が回転可能に枢着されている。
【0012】図8は図4に示す油圧シリンダ式アウトリガー装置10(11)のポンツーン10f(11f)を履帯式とした場合で、油圧シリンダ10a(11a)のロッド10e(11e)の先端にフレーム10i(11i)を固設し、該にフレーム10i(11i)に履帯10j(11j)が装着されている。
【0013】次に本発明の作用を説明する。先ず、図4に示すような油圧シリンダ10a乃至11aを用いた場合は、走行時に該油圧シリンダ10a乃至11aを縮小し、作業時にポンツーン10f乃至11fが接地する程度にまで該油圧シリンダ10a乃至11aを伸長させる。この状態から前記発生土用ホッパ4に発生土を投入すると前傾モーメントが大きくなり自走式土質改良機本体1の重心位置が図3のG0からG1に移動し、自走式土質改良機本体1は前方に傾こうとするがアウトリガー装置10により前傾が防止される。一方、前記混合機7で解砕・混合された改良土がコンベア8を介して振動スクリーン9に運搬された場合は後傾モーメントが大きくなり自走式土質改良機本体1の重心位置が図3のG1からG2に移動し、自走式土質改良機本体1は後方に傾こうとするがアウトリガー装置11により後傾が防止される。
【0014】また、前記アウトリガー装置10、11を更に伸長し、自走式土質改良機本体1を持ち上げて全体を地面から浮かせた場合は、自走式土質改良機本体1の水平度を出すことができ、特に建設工事現場が傾斜地であったり、凹凸がある場所では効果的である。
【0015】次に、図5に示す方法では前記アウトリガー装置10、11のような自走式土質改良機本体1を持ち上げて全体を地面から浮かせることはできないが、ボルト12c及びナット12dを弛めてアウトリガー装置12を上下動させ、アウトリガー装置12のポンツーン12eが接地する程度に調整しておけば、前記アウトリガー装置10、11と同様に前記発生土用ホッパ4に発生土を投入した場合、前傾モーメントが大きくなり自走式土質改良機本体1の重心位置が図3のG0からG1に移動し、自走式土質改良機本体1は前方に傾こうとするがアウトリガー装置12により前傾が防止される。一方、前記混合機7で解砕・混合された改良土がコンベア8を介して振動スクリーン9に運搬された場合は後傾モーメントが大きくなり自走式土質改良機本体1の重心位置が図3のG1からG2に移動し、自走式土質改良機本体1は後方に傾こうとするがアウトリガー装置11により後傾が防止される。
【0016】更に図6の場合も図5と同様の作用がなされるが、その他に走行時に前記ピン13b回りに回動して格納でき、走行をし易くすることができる。
【0017】また、図7に示す車輪式の場合、及び、図8に示す履帯式の場合は作業時の安定度を高める他、走行時の安定度も高めることができる。
【0018】以上の何れの実施形態においてもアウトリガー装置を設けることにより作業時の転倒支点が該アウトリガー装置の位置で定まるため、下部走行体の前後方向の長さを必要以上に長くする必要がなく、走行時の安定度に見合った長さにすれば良く、従って、ステアリング半径を小さくでき、ステアリング時の走行駆動力を軽減できる。
【0019】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0020】
【発明の効果】この発明は、上記実施形態に於いて詳述した構成により、自走式土質改良機の作業時及び走行時の安定度を高めるとともに、アウトリガー装置に油圧シリンダを用いた場合は傾斜地や凹凸が多い場所でも水平度を出すことが可能になり、更に下部走行体をコンパクトにすることができる等きわめて顕著な効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】501132804
【氏名又は名称】住友建機製造株式会社
【出願日】 平成12年6月7日(2000.6.7)
【代理人】 【識別番号】100100435
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 健治
【公開番号】 特開2001−348908(P2001−348908A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−171011(P2000−171011)