| 【発明の名称】 |
作業機械の折曲式アーム |
| 【発明者】 |
【氏名】三ッ谷 有史
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| 【要約】 |
【課題】回動シリンダと並列することなくそれ単独で延びるアーム部の領域の撓みを抑制して正確な位置決め作業を行なうことができる作業機械の折曲式アームの提供を目的としている。
【解決手段】本発明は、第1の支持部41(43)と第2の支持部42(44)とが第1のアーム部4(6)の長手方向に沿って互いに所定距離離間して位置されることによって、第1のアーム部4(6)には、第2の回動シリンダ12(14)と並列的に延びる第1の領域Aと、第2の回動シリンダ12(14)と並列することなくそれ単独で延びる第2の領域Bとが形成され、第2の領域Bには、2つの支持部41,42(43,44)同士を連結するように第2の領域Bの長手方向に沿って延び且つ第2の領域Bを補強する補強部35(37)が形成されていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1つの支点を中心に回動可能な第1のアーム部と、この第1のアーム部に回動可能に連結される第2のアーム部とを備え、第1のアーム部には、第1のアーム部を前記支点を中心に回動させる第1の回動シリンダが連結支持される第1の支持部と、第2のアーム部を第1のアーム部に対して回動させる第2の回動シリンダが連結支持される第2の支持部とが設けられている作業機械の折曲式アームにおいて、第1の支持部と第2の支持部とが第1のアーム部の長手方向に沿って互いに所定距離離間して位置されることによって、第1のアーム部には、第2の回動シリンダと並列的に延びる第1の領域と、第2の回動シリンダと並列することなくそれ単独で延びる第2の領域とが形成され、前記第2の領域には、前記2つの支持部同士を連結するように第2の領域の長手方向に沿って延び且つ第2の領域を補強する補強部が形成されていることを特徴とする折曲式アーム。 【請求項2】 前記補強部は、第1のアーム部の長手方向と略直交する方向で第1のアーム部から立ち上がるように延びる一対の略平行な板部と、これら板部同士を連結する連結部とによって箱型に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の折曲式アーム。 【請求項3】 一対の略平行な板部によって補強部の長手方向両端部に形成される開口は、前記連結部によって閉じられていることを特徴とする請求項2に記載の折曲式アーム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、クレーンや油圧ショベル等の作業機械に使用される折曲式アームに関する。 【0002】 【従来の技術】複数のアーム部を回動可能に連結することによって複雑に折れ曲がることができる折曲式アームは、油圧ショベルのブーム・アーム機構やクレーンのジブ機構等、建設作業機械に様々な形態で使用されている。 【0003】図13にはそのような折曲式アームの従来の一般的な構造が示されている。図示の折曲式アーム100は、基台102に支持ピン101を介して回動可能に連結された第1のアーム部104と、第1のアーム部104の先端に支持ピン103を介して回動可能に連結された第2のアーム部106と、第2のアーム部106の先端に支持ピン105を介して回動可能に連結された第3のアーム部108とから構成されている。また、第3のアーム部108の先端には、例えば荷吊り用のフック119が設けられている。 【0004】基台102と第1のアーム部104との間には、第1のアーム部104を基台102に対し支持ピン101を中心に回動させる油圧作動の第1の回動シリンダ110が架設されている。この場合、第1の回動シリンダ110のシリンダ部は基台102に固着された第1のブラケット120に回動可能に連結され、第1の回動シリンダ110のロッド部は第1のアーム部104の基端部に固着された第2のブラケット122に回動可能に連結されている。 【0005】また、同様に、第1のアーム部104と第2のアーム部106との間にも、第2のアーム部106を第1のアーム部104に対し支持ピン103を中心に回動させる油圧作動の第2の回動シリンダ112が架設されている。この場合も、第2の回動シリンダ112のシリンダ部は、第1のアーム部104の途中部分に固着された第3のブラケット124に回動可能に連結され、第2の回動シリンダ112のロッド部は第2のアーム部106の基端部に固着された第4のブラケット126に回動可能に連結されている。また、第2のアーム部106と第3のアーム部108との間にも、同様にして、第3の回動シリンダ114および第5・第6のブラケット128,130が設けられている(実開昭58−87789号公報等も参照)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図13に示される従来の折曲式アーム100において、回動シリンダ110,112,114を支持する各ブラケット122,124,126,128はそれぞれ、別個の部材として形成されるとともに、アーム部104,106の長手方向に沿って互いに離間された状態で、アーム部104,106に個別に固着されている。 【0007】そのため、最先端のアーム部108を除き、各アーム部104(106)には2個所に回動シリンダ110,112(112,114)のための取付用ブラケット122,124(126,128)が存在し、各アーム部104(106)は、回動シリンダ112(114)と並列的に延びる領域(第3のブラケット124と第4のブラケット126との間および第5のブラケット128と第6のブラケット130との間の領域)Aと、回動シリンダ112(114)と並列することなくそれ単独で延びる領域(第2のブラケット122と第3のブラケット124との間および第4のブラケット126と第5のブラケット128との間の領域)Bとに分けられる。 【0008】したがって、このような形態では、折曲式アーム100に作用する曲げモーメントが領域Aでは回動シリンダ112(114)とアーム部104(106)の両者によって受けられるが、領域Bではアーム部104(106)のみに曲げモーメントがかかり、この領域Bでアーム100の撓み量が大きくなる。このような大きな撓みは、フック119を介して吊り下げられる吊り荷の位置決め作業を困難にする。 【0009】本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、回動シリンダと並列することなくそれ単独で延びるアーム部の領域の撓みを抑制して正確な位置決め作業を行なうことができる作業機械の折曲式アームを提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は、1つの支点を中心に回動可能な第1のアーム部と、この第1のアーム部に回動可能に連結される第2のアーム部とを備え、第1のアーム部には、第1のアーム部を前記支点を中心に回動させる第1の回動シリンダが連結支持される第1の支持部と、第2のアーム部を第1のアーム部に対して回動させる第2の回動シリンダが連結支持される第2の支持部とが設けられている作業機械の折曲式アームにおいて、第1の支持部と第2の支持部とが第1のアーム部の長手方向に沿って互いに所定距離離間して位置されることによって、第1のアーム部には、第2の回動シリンダと並列的に延びる第1の領域と、第2の回動シリンダと並列することなくそれ単独で延びる第2の領域とが形成され、前記第2の領域には、前記2つの支持部同士を連結するように第2の領域の長手方向に沿って延び且つ第2の領域を補強する補強部が形成されていることを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。 【0012】図1は、本発明の一実施形態に係る折曲式アーム1を示している。図示のように、折曲式アーム1は、基台2に支持ピン3を介して回動可能に連結された第1のアーム部4と、第1のアーム部4の先端に支持ピン5を介して回動可能に連結された第2のアーム部6と、第2のアーム部6の先端に支持ピン7を介して回動可能に連結された第3のアーム部8とから構成されている。また、第3のアーム部8の先端には、例えば荷吊り用のフック9が設けられている。 【0013】基台2と第1のアーム部4との間には、第1のアーム部4を基台2に対し支持ピン3を中心に回動させる油圧作動の第1の回動シリンダ10が架設されている。この場合、第1の回動シリンダ10のシリンダ部10aは基台2に固着されたブラケット20に回動可能に連結され、第1の回動シリンダ10のロッド部10bは第1のアーム部4の基端部に設けられた第1の支持部41に回動可能に連結されている。 【0014】また、第1のアーム部4と第2のアーム部6との間には、第2のアーム部6を第1のアーム部4に対し支持ピン5を中心に回動させる油圧作動の第2の回動シリンダ12が架設されている。この場合も、第2の回動シリンダ12のシリンダ部12aは、第1のアーム部4に設けられた第2の支持部42に回動可能に連結され、第2の回動シリンダ12のロッド部12bは第2のアーム部6の基端部に設けられた第3の支持部43に回動可能に連結されている。 【0015】また、第2のアーム部6と第3のアーム部8との間には、第3のアーム部8を第2のアーム部6に対し支持ピン7を中心に回動させる油圧作動の第3の回動シリンダ14が架設されている。この場合も、第3の回動シリンダ14のシリンダ部14aは、第2のアーム部6に設けられた第4の支持部44に回動可能に連結され、第3の回動シリンダ14のロッド部14bは第3のアーム部8の基端部に設けられたブラケット30に回動可能に連結されている。 【0016】回動シリンダ10,12,14を支持する各支持部41,42,43,44はそれぞれ、アーム部4,6の長手方向に沿って互いに離間している。特に、本実施形態において、第1および第2のアーム部4,6は、先端側領域Xと、基端側領域Zと、先端側領域Xと基端側領域Zとの間に位置する中間領域Yとによって略3等分され、第2および第4の支持部42,44が中間領域Yに位置されている。そのため、最先端のアーム部8を除き、各アーム部4(6)には2個所に回動シリンダ10,12(12,14)のための支持部41,42(43,44)が存在し、各アーム部4(6)は、回動シリンダ12(14)と並列的に延びる第1の領域(第2の支持部42と第1の支持部43との間および第2の支持部44とブラケット30との間の領域)Aと、回動シリンダ12(14)と並列することなくそれ単独で延びる第2の領域(第1の支持部41と第2の支持部42との間および第1の支持部43と第2の支持部44との間の領域)Bとに分けられる。 【0017】したがって、このような形態では、折曲式アーム1に作用する曲げモーメントが第1の領域Aでは回動シリンダ12(14)とアーム部4(6)の両者によって受けられるが、第2の領域Bではアーム部4(6)のみに曲げモーメントがかかり、この第2の領域Bでアーム1の撓み量が大きくなる。そのため、本実施形態に係る折曲式アーム1には、第2の領域Bを補強して第2の領域Bの撓みを抑制する補強部35,37が設けられている。以下、これら補強部35,37について詳細に説明するが、2つのアーム部4,6に設けられる各補強部35,37は構成が同一であるため、ここでは、第1のアーム部4の補強部35を例にとって説明することにする。 【0018】図2〜図5に示されるように、補強部35は、2つの支持部41,42同士を連結するように第2の領域Bの長手方向に沿って延びている。補強部35は、第1のアーム部4の長手方向と略直交する方向でアーム部4から立ち上がるように延びる一対の略平行な板部50,51を有している。各板部50,51の両側には、これらの板部50,51とアーム部4とを連結して応力の分散を図る補強リブ53,54,55,56が設けられている。また、各板部50,51には、回動シリンダ10,12を回動可能に支持するための図示しない支持ピンが挿通される支持部41,42のピン穴41a,42aが形成されている。 【0019】また、板部50,51同士は、連結部52によって互いに連結されている。図6に詳しく示されるように、連結部52は、板部50,51の長手方向に沿って延びる第1の連結部分52aと、第1の連結部分52aの長手方向と略直交する方向で第1の連結部分52aの両側から立ち上がるように延びる第2および第3の連結部分52b,52cとを有している。この場合、第1の連結部分52aは、板部50,51に溶接等によって連結されるとともに、板部50,51間に形成され且つ板部50,51の長手方向に延びる開口を閉じる。また、第2および第3の連結部分52b,52cは、板部50,51に溶接等によって連結されるとともに、板部50,51間に形成され且つ板部50,51の長手方向両端部に位置する開口を閉じる。すなわち、補強部35は、一対の板部50,51と連結部52とによって箱型に形成され、これによって、第2の領域Bを補強して第2の領域Bの撓みを抑制する。なお、本実施形態において、支持部41,42(ピン穴41a,42a)は連結部52の外側に位置されている。すなわち、支持部41,42間に連結部52が位置されている。 【0020】以上説明したように、本実施形態の折曲式アーム1には、最大の曲げモーメントを受ける第2の領域Bに、2つの支持部41,42(43,44)同士を連結するように第2の領域Bの長手方向に沿って延び且つ第2の領域Bを補強する補強部35(37)が形成されている。そして、この補強部35(37)は、アーム部4(6)の長手方向と略直交する方向でアーム部4(6)から立ち上がるように延びる一対の略平行な板部50,51と、これら板部50,51同士を連結する連結部52とによって箱型に形成されている。しかも、一対の板部50,51によって補強部35(37)の長手方向および両端部に形成される開口は、連結部52によって閉じられている。したがって、第2の領域Bは、補強部35(37)によって剛性が大幅にアップし、撓み量が大幅に減少する。そのため、正確な位置決め作業を行なうことができるようになる。また、従来のように回動シリンダの各支持部41,42,43,44をアーム部4,6に個別に溶接するのではなく、対をなす支持部41,42(43,44)を一体でアーム部4,6に溶接できるため、アーム1の製造が容易になる。 【0021】本実施形態の折曲式アーム1をホイールクレーンに適用した一例が図11に、クローラクレーンに適用した一例が図12にそれぞれ示されている。図11の適用形態において、折曲式アーム1は、ジブ機構として使用されており、第1のアーム部4を第3のアーム部8に直接に連結した構成となっている。図示のように、この構成においては、狭い開口Qを通じた建物S越しでの吊り荷Mの位置決め作業を精度良く行なうことができる。一方、図12の適用形態において、折曲式アーム1は、ブーム・アーム機構として使用されており、図1と同様に第1〜第3のアーム部4,6,8を有している。図示のように、この構成では、対象物Gを複数あるポイントPに配置する高度な位置決め作業を正確に行なうことができる。 【0022】なお、本実施形態において、最先端の第3のアーム部8の先端の形態は、フック9の形態の他、シーブを介してウインチ用ワイヤロープを掛ける形態、あるいは、バケットやドリル等の土工部材を設ける形態など、様々な形態をとることができる。また、補強部35(37)の構成は前述した構成に限らない。例えば、図7に示されるように、板部50,51と連結部52とが一体に形成された1つのユニットとして補強部35(37)を構成しても良く、また、図8に示されるように、板部50,51をアーム部4(6)と一体に形成しても良い。また、図9に示されるように、支持部41,42(ピン穴41a,42a)を連結部52の内側に位置させても良い。また、図10に示されるように、各支持部41,42を別個のブラケットとしてアーム部4に設け、ブラケット41,42同士をロッド60によって連結することにより補強部35を構成しても良い。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の折曲式アームによれば、回動シリンダと並列することなくそれ単独で延びるアーム部の領域の撓みを抑制して正確な位置決め作業を行なうことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000140719 【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
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| 【出願日】 |
平成12年6月9日(2000.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−348903(P2001−348903A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−174009(P2000−174009) |
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