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【発明の名称】 油圧回転式グラップルの旋回装置
【発明者】 【氏名】和田 弘

【要約】 【課題】旋回作業車に取り付けられる油圧回転式グラップルにおいて、該グラップルの旋回装置をコンパクトにすることを課題とする。

【解決手段】旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーター45と油圧シリンダ35からなる油圧回転式グラップル装置4において、油圧シリンダへ油圧を供給するスイベルジョイント30のシャフト40を切り欠いて段付形状とし、該スイベルジョイント30の回転中心を、平面視において旋回モーター45本体の外径内に配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーターと油圧シリンダからなる油圧回転式グラップル装置において、油圧シリンダへ油圧を供給するスイベルジョイントのシャフトが、平面視において旋回モーター本体と重なるように配設したことを特徴とする油圧回転式グラップルの旋回装置。
【請求項2】 前記スイベルジョイントのシャフト部を切欠き、該スイベルジョイントの回転中心を旋回モーター側へ近づけたことを特徴とする請求項1記載の油圧回転式グラップルの旋回装置。
【請求項3】 前記スイベルジョイントのシャフト部を段付形状にして、該段付部と反対側の側面に油圧管継ぎ手孔を配設し、該スイベルジョイントの回転中心を旋回モーター側へ近づけたことを特徴とする請求項1記載の油圧回転式グラップルの旋回装置。
【請求項4】 旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーターと油圧シリンダからなる油圧回転式グラップル装置において、旋回モーター軸を直接歯車加工して、内歯車加工の回転部と嵌合させたことを特徴とする油圧回転式グラップルの旋回装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋回作業車に搭載したバックホー等の作業機の構造に関し、作業機アタッチメントとして使用される小型グラップルの旋回装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧回転式グラップル装置は、旋回作業車の作業機アタッチメントの一つとして、建設現場や廃棄物処理施設等で広く使用されている 該油圧回転式グラップル装置の旋回装置の従来技術としては、たとえば、特開昭60−73919号公報に開示されるごとく、グラップル装置の回転軸心に固設された歯車の外歯に、旋回モーターの旋回モーターシャフトに取り付けられた別体の歯車を嵌合させることで、グラップル装置を旋回させていた さらに、特開昭60−208564号公報においては、ベアリングの内輪に歯車加工を施し、該内輪を回転させて、内輪に支持されたグラップル装置を旋回させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の旋回装置の構造においては、前記旋回モーターの旋回モーターシャフトをグラップル装置の回転中心から距離をおいて配設していたので、必然的に旋回モーターを配設するスペースが必要となり、グラップルの旋回装置全体として大型になってしまっていたのである。すなわち、旋回モーターをグラップル装置の回転中心の近傍に配置可能として、旋回装置を小型化することが望まれているのである。さらに、該小型化により、超小型旋回作業車にも装着可能とすることが望まれているのである。また、該グラップル装置の回転中心に、油圧供給のためのスイベルジョイントが配設される場合においては、前記旋回モーターが該スイベルジョイントと干渉しないことが必要である すなわち、上述のごとく、旋回モーターをグラップル装置の回転中心近傍に配設する為には、スイベルジョイントの配置及び構造、さらには旋回装置内の油圧ホースの取り回しを改良することが必要であるさらに、旋回モーターの旋回駆動をグラップル装置に伝える歯車については、旋回モーターシャフトに別体の歯車を配設していた。従来技術において、ベアリングの内歯に該歯車を配設する構成とする際には、該歯車を内装することができる大きさのベアリングを選定しなければならなかった。言い換えれば、該歯車の存在により小径ベアリングの選定の選択肢が狭められ、ひいては該歯車が存在する限りは旋回装置を小型に設計することに限界があったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。すなわち、請求項1に記載のごとく、旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーターと油圧シリンダからなる油圧回転式グラップル装置において、油圧シリンダへ油圧を供給するスイベルジョイントのシャフトが、平面視において旋回モーター本体と重なるように配設することである。
【0005】また、請求項2に記載のごとく、前記スイベルジョイントのシャフト部を切欠き、該スイベルジョイントの回転中心を旋回モーター側へ近づけることである。
【0006】また、請求項3に記載のごとく、前記スイベルジョイントのシャフト部を段付形状にして、該段付部と反対側の側面に油圧管継ぎ手孔を配設し、該スイベルジョイントの回転中心を旋回モーター側へ近づけることである。
【0007】また、請求項4に記載のごとく、旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーターと油圧シリンダからなる油圧回転式グラップル装置において、旋回モーター軸を直接歯車加工して、内歯車加工の回転部と嵌合させることである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明の旋回作業車の全体構成図、図2はグラップル装置の構造を示す側面図、図3はグラップル装置の旋回装置の側面図、図4は同じく前面図、図5はグラップル装置の旋回装置の平面一部断面図、図6はスイベルジョイントの平面図、図7は同じく側面図、図8は旋回モーターの側面図である。
【0009】まず、本発明の作業車両の実施例として、クローラ式走行装置を搭載した旋回作業車の構成について説明する。図1において、旋回作業車は、クローラ式走行装置1の上部中央に旋回台軸受7を配置し、該旋回台軸受7により旋回体2を左右旋回可能に軸受支持している。そして、該クローラ式走行装置1の前後一端部において、排土板10を上下回動自在に配設している。
【0010】旋回体2の上方にはエンジン等を被覆するボンネット9が配置され、該ボンネット9の上部には、座席13が固設されている。そして、旋回体2の前端部へ左右回動自在に取り付けられたブームブラケット12には、ブーム6の下端部が上下回動自在に枢支されている。該ブーム6の先端部にはアーム5を枢支し、該アーム5の先端部にはリンク11を介して油圧回転式グラップル装置4が保持されている。これらのブーム6、アーム5、及び、油圧回転式グラップル装置4等により旋回作業車が構成されている。
【0011】そして、前記ブーム6はブームシリンダ15により該ブームブラケット12に対して回動され、アーム5はアームシリンダ16により該ブーム6に対して回動され、油圧回転式グラップル装置4はアタッチメントシリンダ14により前記アーム5に対して回動される。
【0012】以上のように構成された旋回作業車に取り付けられた油圧回転式グラップル装置4の概要について、図2を用いて以下に説明する。該油圧回転式グラップル装置4は、上部に旋回装置20を配設し、該旋回装置20の最下面に配設されるベアリング21の内輪22には、爪部31・32を回動自由に枢支する旋回枠体26を固設している。該旋回枠体26は、互いに平行に配置された二枚の側板28・28と、該側板28.28に垂直に配設された天板29からなり、前面視略「コ」字形をなしている 該天板29は後述するスイベルジョイント30を内装させることができるように、中央部がくりぬかれている。そして、上述のごとく、該天板29を前記ベアリング21の内輪22に固設することで、旋回枠体26が旋回装置20に対して旋回可能としているのである。
【0013】そして、側面視において、該旋回枠体26の下部の左右両端には、前記爪部31・32を回動自由に枢支する回動軸枢支ピン33・34が、上下に位置をずらして配設されている。側面視右側の爪部31の回動軸枢支ピン33には、油圧シリンダ35が枢設されており、該油圧シリンダ35のロッド36の先端は、側面視左側の爪部32の旋回装置20側端部に配設した枢支ピン37に枢結されている さらに、該枢支ピン37には、連動ロッド38の一端が枢設されており、該連動ロッド38の他端は、爪部31に配設された枢支ピン39に枢設されている こうして、連動ロッド38によって、左右の爪部31・32が連結され、後述するスイベルジョイント30から供給される油圧により、油圧シリンダ35のロッド36を摺動させて、爪部31・32を開閉するのである【0014】次に、本発明に掲げる旋回装置20について詳しく説明する。まず、図6及び図7を用いて、本発明に掲げるスイベルジョイント30について説明する。該スイベルジョイント30は、シャフト40と、該シャフト40の下部には回転体41が枢設されている。そして、該シャフト40には、平面視菱形の固設プレート42が挿嵌され固設されている 該固設プレート42の対角角部の二箇所には、固設孔57・57が貫通され、後述するスイベルジョイント係止板56に固設される。そして、該固設プレート42よりも上方のシャフト40の部位を切り欠いて、平面視において半月形状とした段付部48を構成しているさらに、該段付部48の上方には、三箇所の油圧管継ぎ手孔43・43・・・が、その開口が半月形状の円弧面上となるように配設されている そして、該油圧管継ぎ手孔43・43・・・から供給された油圧は、平面視において段付部48内に配設する、シャフト40の軸方向に内設された油圧経路19・19・・・を通って、回転体41の油圧供給口44・44・・・に送られるのである【0015】次に、図8を用いて、本発明に掲げる旋回モーター45について説明する。該旋回モーター45の旋回モーターシャフト24の先端部は、歯車を形成する外歯49がされており、後述するベアリング21の内歯23と嵌合する形状としている また、該旋回モーター45の下部のフランジ部には、固定ボルト孔46・46が配設されている。
【0016】以上のように構成した、スイベルジョイント30及び旋回モーター45を用いた旋回装置20の実施例を、図3ないし図5を用いて説明する旋回装置基盤50には、二枚の側板58・58が平行に間隔を空けて立設され、前面視略「コ」字形とし、さらに、該側板58・58の間に補強板52を介装して、図3に示すごとく、上面及び左側面が開口する形で旋回装置20の旋回装置外枠を形成している 該側板58・58の平面視上部の両端には、前記アタッチメントシリンダ14に回動自由に枢支される枢支孔59・59が配設されている さらに、該側板58・58には、複数の油圧ホース通し窓60・60を開口し、油圧ホースを側板58・58から該旋回装置20の内部に通すことができるようにしている。
【0017】旋回装置基盤50の中心部に設けた半月形状のスイベルジョイント挿嵌孔51には、前記スイベルジョイント30のシャフト40の上部が挿嵌されており、該スイベルジョイント30は旋回装置20の回転中心に配設されている。そして、側面視において、該スイベルジョイント30の左側には、旋回モーター45を段付部48の形状に沿わせるようにして、旋回装置基盤50上に配設している。一方、該スイベルジョイント30の右側には、前記油圧管継ぎ手孔43・43・・・に、油圧ホース47・47が挿嵌されており、該油圧ホース47・47は側面視において右側に延出されているまた、旋回モーター45への油圧は、モーターマニホールド18に連結された油圧ホース17・17により供給される。該モーターマニホールド18はスイベルジョイント30の上部に配設され、油圧ホース17・17が該スイベルジョイント30と干渉しないようにしている。
【0018】このように構成し、旋回モーター45をシャフト40の段付部48の分だけ、スイベルジョイント30の回転中心に配設することができるのである すなわち、旋回モーター45を旋回装置20の回転中心に近い位置に配設することが可能となり、旋回装置20全体をコンパクトにすることができるのであるさらに、油圧管継ぎ手孔43・43・・・を、旋回モーター45の反対側の側面に配設しているので、旋回モーター45とスイベルジョイント30の間に油圧ホース47・47が存在しないのである。このため、スイベルジョイント30に近接して旋回モーター45を配設することができるのである。すなわち、旋回モーター45を旋回装置20の回転中心に近い位置に配設することが可能となり、旋回装置20全体をコンパクトにすることができるのである【0019】また、該旋回装置基盤50の下部には、ベアリング21の外輪25が、座金53・53を介装して外輪固定ボルト54・54・・・で固設されている。そして、該ベアリング21の内輪22には内歯23が加工されている 該内輪22には、下部に爪部31・32を配設する旋回枠体26が内輪固定ボルト55・55・・・で固設されている さらに、該ベアリング21の内輪22は外輪25に対して下方にずらして配設されており、スイベルジョイント係止板56を内輪22の上面、かつ外輪25に内装されるように配設している。そして、該スイベルジョイント係止板56の中心部には、スイベルジョイント30が嵌装され、前記固設プレート42により、スイベルジョイント30が固設されている。さらに、上述の旋回モーター45の旋回モーターシャフト24は、旋回装置基盤50及びスイベルジョイント係止板56を貫通しており、前記外歯49がベアリング21の内歯23と嵌合している【0020】以上のように構成し、旋回モーター45の駆動が、外歯49と内歯23の嵌合によりベアリング21の内輪22に伝わることで、該内輪22と固設された前記旋回枠体26を回転させるのである。このように、旋回モーターシャフト24の外歯49をベアリング21の内歯23に直接嵌合させるので、別体の歯車を介装する必要がなくなるのである。こうすることで、別体の歯車の配設に必要なスペースを削減することができ、内径の小さいベアリングを選択することができるのである すなわち、旋回装置の設計の際に、小型のベアリングの選択が可能となり、旋回装置20全体をコンパクトにすることができるのであるさらに、旋回モーターシャフト24の駆動を、別体の歯車を介することなく直接内歯23に伝えることができるので、前記旋回枠体26の回転角を調節する操作性を向上させることができるのである【0021】
【発明の効果】本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1のごとく、旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーターと油圧シリンダからなる油圧回転式グラップル装置において、油圧シリンダへ油圧を供給するスイベルジョイントのシャフトが、平面視において旋回モーター本体と重なるように配設したので、旋回モーターを旋回装置の回転中心に近い位置に配設することが可能となり、旋回装置全体をコンパクトにすることができるのである【0022】また、請求項2に記載のごとく、前記スイベルジョイントのシャフト部を切欠き、該スイベルジョイントの回転中心を旋回モーター側へ近づけたので、旋回モーターを旋回装置の回転中心に近い位置に配設することが可能となり、旋回装置全体をコンパクトにすることができるのである【0023】また、請求項3に記載のごとく、前記スイベルジョイントのシャフト部を段付形状にして、該段付部と反対側の側面に油圧管継ぎ手孔を配設し、該スイベルジョイントの回転中心を旋回モーター側へ近づけたので、旋回モーターを旋回装置の回転中心に近い位置に配設することが可能となり、旋回装置全体をコンパクトにすることができるのであるさらに、油圧管継ぎ手孔を、旋回モーターの反対側の側面に配設したので、油圧ホースが旋回モーターと干渉する事がないので、旋回モーターをスイベルジョイントの回転中心に配設することができるのである すなわち、旋回モーターを旋回装置の回転中心に近い位置に配設することが可能となり、旋回装置全体をコンパクトにすることができるのである【0024】また、請求項4に記載のごとく、旋回作業車のアーム先端に作業機アタッチメントとして装備した旋回モーターと油圧シリンダからなる油圧回転式グラップル装置において、旋回モーター軸を直接歯車加工して、内歯車加工の回転部と嵌合させたので、別体の歯車を介装する必要がなくなり、該別体の歯車の配設に必要なスペースを削減することができ、使用するベアリングにおいて、回転部の内径が小さいものを選択することができるのである すなわち、設計において小型のベアリングの選択が可能となり、旋回装置全体をコンパクトにすることができるのである 旋回モーターシャフトの駆動を、別体の歯車を介することなく直接内歯に伝えることができるので、前記旋回枠体の回転精度を向上させることができるのである
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
【出願日】 平成12年5月26日(2000.5.26)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−336171(P2001−336171A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−155708(P2000−155708)