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【発明の名称】 旋回作業車
【発明者】 【氏名】清野 英樹

【氏名】米倉 澄

【要約】 【課題】旋回作業車におて、カウンタウェイトの組み付け性を向上させると共に、該旋回作業車の外観美を向上させる。さらに、スイベルジョイントの組み付け性の向上および油圧ポートの増設を容易に行えるようにする。

【解決手段】カウンタウェイト31を複数の部材により構成し、該カウンタウェイト31の分割面を上下方向に構成し、カウンタウェイト31の下部内側に旋回フレーム14中央へ向けて水平に突出した突出部33cを設けるとともに、旋回フレーム14のカウンタウェイト取り付け部に前記突出部に対応した挿入孔を設け、スイベルジョイント筒の取り付け部上下にわたり走行フレーム側への油圧機器用接続部を設けたスイベルジョイントを装備した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 旋回体の後部外周に沿ってカウンタウェイトを装備した旋回作業車において、カウンタウェイトを上下方向に複数分割構成し、該カウンタウェイトの分割面に沿って複数の溝を設けたことを特徴とする旋回作業車。
【請求項2】 カウンタウェイトの下部内側に旋回フレーム中央へ向けて水平に突出した突出部を設けるとともに、旋回フレームのカウンタウェイト取り付け部に前記突出部に対応した挿入孔を設けたことを特徴とする旋回作業車。
【請求項3】 スイベルジョイントの筒部を走行フレームに固定し、シャフト部を旋回体に固定する旋回作業車において、スイベルジョイント筒の取り付け部上下にわたり走行フレーム側への油圧機器用接続部を設けたスイベルジョイントを装備したことを特徴とする旋回作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋回作業車の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、旋回作業車の構造としては、走行フレーム上に旋回体を配設し、該旋回体を走行フレームに対して回動自在に構成している。走行フレームと旋回体の油圧配管はスイベルジョイントにより行われるものであり、該スイベルジョイントの下部は走行フレームの底部に固設されるものである。旋回作業車のカウンタウェイトの取り付け構造としては、特願平9−268214号公報および特願平9−276496号公報に記載された技術が知られている。特願平9−268214号公報においては、カウンタウエイトを2分割するにあたって、各分割ブロックを構造部材の各々に馬乗り状態に装着される鞍状凹陥部を形成したウエイト本体部に、両構造部材の間の部位で上下に重ね合わせられる張り出し部を連設する構成とした。特願平9−276496号公報においては、カウンタウエイトは、上部旋回体に対し後方開閉自在に支持して、エンジンルーム後方を開放できるように構成したものである。そしてこのようにすることによって、エンジンの整備を地上から行えるようにできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スイベルジョイントの配置構成において、走行フレームの底部にスイベルジョイントを配設した場合には、スイベルジョイントにさらに油圧ポートを設けることは困難である。特願平9−268214号公報および特願平9−276496号公報に記載された技術においては、カウンタウェイトの外観および組み立て性を考慮していないものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。請求項1に記載のごとく、旋回体の後部外周に沿ってカウンタウェイトを装備した旋回作業車において、カウンタウェイトを上下方向に複数分割構成し、該カウンタウェイトの分割面に沿って複数の溝を設けた。
【0005】請求項2に記載のごとく、カウンタウェイトの下部内側に旋回フレーム中央へ向けて水平に突出した突出部を設けるとともに、旋回フレームのカウンタウェイト取り付け部に前記突出部に対応した挿入孔を設けた。
【0006】請求項3に記載のごとく、スイベルジョイントの筒部を走行フレームに固定し、シャフト部を旋回体に固定する旋回作業車において、スイベルジョイント筒の取り付け部上下にわたり走行フレーム側への油圧機器用接続部を設けたスイベルジョイントを装備した。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は旋回作業車の全体構成を示す側面図、図2はカウンタウェイトの構成を示す側面図、図3は同じく後面図、図4はサイドウェイトの側面図、図5は同じく平面図、図6は同じく正面図、図7はカウンタウェイトの分割構成を示す後面図、図8は係止具の構成を示す平面図、図9は同じく正面図、図10はサイドウェイトの係止構成を示す後面一部断面図、図11は走行フレームの平面図、図12は同じく側面図、図13は同じく後面図、図14はスイベルジョイント台の構成を示す平面図、図15はスイベルジョイントの配置構成を示す側面一部断面図である。
【0008】まず、本発明の作業車両の実施例として、クローラ式走行装置を搭載した旋回作業車の構成について説明する。図1において、旋回作業車は、クローラ式走行装置1の上部中央に旋回台軸受7を配置し、該旋回台軸受7により旋回体8を左右旋回可能に軸受支持している。該クローラ式走行装置1の前後一端部において、排土板10を上下回動自在に配設している。
【0009】旋回体8の上方にはエンジンを被覆するボンネット15とキャビネット21が配設されている。旋回体8の前端部へ左右回動自在に取り付けられたブームブラケット12には、ブーム6の下端部が上下回動自在に枢支されている。該ブーム6の先端部はアーム5の基部が枢支されており、該アーム5の先端部にはバケット4等の機器が装着されるものである。ブームシリンダ23の下端はブームブラケット12に回動自在に枢支されており、該ブームシリンダ23を伸縮することにより、ブーム6をブームブラケット12に対して回動するものである。ブーム6の上部にはアームシリンダ25が配設されており、該アームシリンダ25の伸縮によりアーム5がブーム6に対して回動するものである。アーム5の基部にはバケットシリンダ24が配設されており、該バケットシリンダ24の先端にはリンク機構を介して、バケット4が接続されている。該バケット4は、アーム5の先端部において回動自在に枢支されており、バケットシリンダ24の伸縮により、アーム5に対して回動するものである。旋回体8の後部にはカウンタウェイト31が配設されるものである。
【0010】カウンタウェイト31は旋回体の後部外周形状に沿って装着されるものである。旋回体8の後部に配設されたカウンタウェイト31は3つの部材により構成されている。後面視中央にメインウェイト32が配設されており、該メインウェイト32の側方にサイドウェイト33・34が配設されるものである。カウンタウェイト31はメインウェイト32およびサイドウェイト33・34により構成されるものである。カウンタウェイト31は旋回体8の後部において、平面視円弧状に構成されている。サイドウェイト33・34はカウンタウェイト31の弧端を構成するものである。
【0011】カウンタウェイト31は旋回体8の下部を構成する旋回体フレーム14の後部に固設される。カウンタウェイト31の取り付け構成において、メインウェイト32とサイドウェイト33・34はそれぞれ個別に旋回体フレーム14に固設されるものである。すなわち、旋回体フレーム14にメインウェイト32およびサイドウェイト33・34を固設することにより、カウンタウェイト31が構成されるものである。
【0012】サイドウェイト33・34において、メインウェイト32側の側部には溝が設けられている。サイドウェイトの構造について、後面視、メインウェイト32の左側に配設されるサイドウェイト33を用いて説明する。なお、サイドウェイト33とサイドウェイト34は左右対称の構造となっているものである。サイドウェイト33の構造外側面には上下方向に溝33b・33bが設けられている。該溝33b・33bは略平行に設けられており、サイドウェイト33のメインウェイト32に接続する側の端部の形状に略一致するように構成されている。なお、本発明はカウンタウェイト31を上下方向に複数分割し、該カウンタウェイト31の分割面に沿って複数の溝を設けるものであり、溝はサイドウェイト33・34にのみ構成するものではない。上記の構成のほかに、メインウェイト32のサイドウェイト配設側に、上下方向に分割面沿って複数の溝を設けることも可能である。また、メインウェイト32とサイドウェイト33・34の両側に上下方向に分割面に沿って複数の溝を設けることも可能である。さらに、溝の本数も二本に限定するものではなく、一本、もしくは三本以上設けることも可能である。すなわち、カウンタウェイト31の分割面近傍に設ける溝は、分割面に沿って設けるものであり、分割部の外観を向上できるものであれば良い。
【0013】サイドウェイト33の前部は高さが低く、後部の高さはメインウェイト32の側部の高さに一致するように構成されている。サイドウェイト33の上端は後方に向け、弧を描きながら高くなる構成となっている。これにより、サイドウェイト33およびメインウェイト32を旋回体フレーム14に取り付けた際に、サイドウェイト33とメインウェイト32を一体的に見せることができる。さらに、サイドウェイト33およびメインウェイト32を旋回体フレーム14に取り付けた際に、サイドウェイト33とメインウェイト32の間に隙間が生じる構成になっている。
【0014】サイドウェイト33とメインウェイト32の間に生じる隙間の形状は、サイドウェイト33の側部形状とメインウェイト32の側部形状により構成されるので、前記溝33bに似た形状となる。これにより、旋回体8の外観において、サイドウェイト33とメインウェイト32の間の隙間が、サイドウェイト33に設けた溝33b・33bと同様に、カウンタウェイト31に設けられた溝に見える。すなわち、サイドウェイト33とメインウェイト32の間に隙間を設け、サイドウェイト33に該隙間に似た形状の溝を設けることにより、カウンタウェイト31の美観を向上することができる。サイドウェイト33とメインウェイト32の間の距離が少々ずれた場合においても、溝33b・33bによりズレが目立つことが無い。
【0015】このようにカウンタウェイト31を構成することにより、サイドウェイト33・34およびメインウェイト32に要求される寸法および取り付けの精度を下げても美観を維持することができ、旋回作業車の製造に係るコストを低減することができる。さらに、サイドウェイト33・34とメインウェイト32の間に隙間を構成するため、カウンタウェイト31の組み立て性が向上する。
【0016】サイドウェイト33の内側には、突起部33cが設けられている。該突起部33cはサイドウェイト33の下部内側に設けられており、該突起部33cは旋回体8の内側かつ水平方向に延出されるものである。さらに、外側面より内側面に貫通するねじ孔33fが設けられている。サイドウェイト33は、後述する係止具41を介して、旋回フレーム14に取り付けられる構成となっている。前記突起33cを係止具41に挿入するとともに、ネジ孔33f・33fに挿嵌したボルト等により、サイドウェイト33と係止具41を固定するものである。
【0017】サイドウェイト33はボルト等の結束具および突起部33cの係合により固定されるものである。このため、ボルト等の結束具を取り去った場合においても、図7に示すごとく、突起部33cの係合によりサイドウェイト33・34が落下することがない。これにより、サイドウェイト33の取り付け性を向上できるとともに、落下防止を行える。また、上述した突起部はサイドウェイト33のみではなく、メインウェイト32にも構成することも可能である。メインウェイト32に突起部を設け、メインウェイトの落下防止および組立性の向上など、上記と同様の効果を得ることができるものである。本発明は、カウンタウェイト31を構成する部材の内側に旋回フレーム14の中央側へ向けて水平に突出した突起部を設け旋回フレーム14に係合もしくは挿嵌し、該カウンタウェイト31の落下防止および組立性の向上を図るものであり、カウンタウェイト31を構成する部材において、突起を設ける部材を特に限定するものではない。
【0018】次に、係止具41の構成について、図8および図9を用いて説明する。係止具41は台部43および係止部42により構成される。係止部42は図9に示すごとく、正面視長方形に構成されており、下部中央に切り欠き部42cが設けられている。係止部42の切り欠き部42cにサイドウェイト33の突起部33cを挿入されるものである。係止部42にはネジ溝を設けたネジ孔42b・42bが設けられており、該ネジ孔42bにサイドウェイト33に挿嵌したボルト等が螺装されるものである。係止部42の下面には、該係止部42に直交するように台部43が固設されているものである。台部43がボルト等により旋回体フレーム14に固設され、係止具41が旋回体フレーム14に固定されるものである。すなわち、旋回フレーム14に係止具41を固設することにより、該旋回体フレーム14のカウンタウェイト取り付け部に、サイドウェイト33の突出部である突起部33cに対応した挿入孔を設けることが可能となる。
【0019】図10を用いて、サイドウェイト33の取り付け構造について説明する。サイドウェイト33はボルト45により係止具41に固設されるとともに、該サイドウェイト33の突起部33cが係止部42の切り欠き部42cに挿入されている。そして、サイドウェイト33と係止部42を接続するボルト45が取り外された場合には、サイドウェイト33の突起部33cが係止具41に係止される。
【0020】ボルト45が取り外されると、サイドウェイト33の上部が外側に傾動する。これに伴い、突起部33cが上方に傾動され、係止部42に当接する。これにより、サイドウェイト33の傾動が阻止されると共に、サイドウェイト33の下部が側面断面視、カギ状に構成されているため、該サイドウェイト33の下部が旋回フレーム14に当接する。サイドウェイト33が係止具41および旋回体フレーム14に当接することにより、サイドウェイト33を取り付け位置において係止することが可能となる。これにより、サイドウェイト33の落下防止および、組み付け性を向上できるものである。
【0021】次に、走行フレームの構成について図11乃至図13を用いて説明する。走行フレーム51は旋回体支持部54および該旋回体支持部54の左右側方に接続されたクローラ支持部53により構成されている。クローラ支持部53の一端には油圧モータが配設され、該油圧モータによりクローラ支持部53の上下外周に巻回されたクローラを駆動するものである。旋回体支持部54の上方には旋回体8が配設されるものであり、該旋回体支持部54の中央には円形の開口部が設けられている。平面視にて、開口部の中央にはスイベルジョイント台52が設けられている。
【0022】スイベルジョイント台52は旋回体支持部54の底部54b上方に設けられており、該スイベルジョイント台52の上面にはスイベルジョイントを固設するためのブラケット52bが設けられている。スイベルジョイント台52は正面視略門型形状に構成されており、開口部を下方にして低部54b上面に固設されているものである。このため、スイベルジョイント台52の前後部は開口しているものである。そして、該スイベルジョイント台52の上面にブラケット52bは固設されるものである。旋回体支持部54の底部54より一段高い位置にスイベルジョイントを固定するブラケット52bが配設されるものである。
【0023】スイベルジョイント台52の構成について、図14および図15を用いてより詳しく説明する。スイベルジョイント台52の中央には開口部52cが設けられており、該開口部52cの前方および後方にブラケット52bが配設されている。開口部52cはスイベルジョイント台52の中央上面および側面に構成されているものである。これにより、ブラケット52bにスイベルジョイント56を配設した場合、該スイベルジョイント56の下方に空間を設けることができる。
【0024】スイベルジョイント56は筒部および軸部より構成されるものである。スイベルジョイント56の筒部は走行フレームに固設されるものであり、軸部は旋回体8に固設されるものである。スイベルジョイント56の筒部をブラケット52bに固設することにより、スイベルジョイント56の下方に空間ができる。このことにより、該空間を利用して、スイベルジョイント56に油圧ポートを追加することが可能となる。
【0025】すなわち、旋回体支持部54の底面にスイベルジョイント台52を設け、該スイベルジョイント台52上にスイベルジョイント56を配設することにより、スイベルジョイント56下部に新たな油圧ポート57を設けることが可能となる。油圧ポート57の利用としては、排土板10の左右の傾動を行う油圧シリンダへの作動油の供給に用いることが可能である。さらに、スイベルジョイント56の下方において、スイベルジョイント台52の上面および側面には開口部52cが設けられているため、スイベルジョイント56の取り付けが容易であり、該スイベルジョイント56への配管を容易に行うことができる。また、走行フレーム54にスイベルジョイント台52を設けるので、スイベルジョイント筒の取り付け部上下にわたり、走行フレーム側への油圧機器用接続部を設けたスイベルジョイントを装備することが可能となるものである。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載のごとく、旋回体の後部外周に沿ってカウンタウェイトを装備した旋回作業車において、カウンタウェイトを上下方向に複数分割構成し、該カウンタウェイトの分割面に沿って複数の溝を設けたので、カウンタウェイトの取り付け性が向上すると共に、見栄えが良くなり旋回作業車の外観美を向上できる。
【0027】請求項2に記載のごとく、カウンタウェイトの下部内側に旋回フレーム中央へ向けて水平に突出した突出部を設けるとともに、旋回フレームのカウンタウェイト取り付け部に前記突出部に対応した挿入孔を設けたので、カウンタウェイトの取り付け性を向上できると共に、カウンタウェイトの落下防止を容易な構成により行うことができる。
【0028】請求項3に記載のごとく、スイベルジョイントの筒部を走行フレームに固定し、シャフト部を旋回体に固定する旋回作業車において、スイベルジョイント筒の取り付け部上下にわたり走行フレーム側への油圧機器用接続部を設けたスイベルジョイントを装備したので、空間を有効に利用して、スイベルジョイントの取り付けを容易に行うことができると共に、スイベルジョイントの下方空間に新たな油圧ポートを配設することができる。
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成12年5月24日(2000.5.24)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−329571(P2001−329571A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−153122(P2000−153122)