| 【発明の名称】 |
建設機械用バッテリの固定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 詠
【氏名】中山 好
【氏名】千葉 貞治
|
| 【要約】 |
【課題】部品点数および製造工程の削減を可能とした建設機械用バッテリの固定装置を提供する。
【解決手段】建設機械用バッテリの固定装置は、バッテリ収容室に配置され、その上面にバッテリ12が載置されるバッテリ台10と、バッテリ台10との間にて、フックロッド16およびナット部材26によりバッテリ12を上下方向に挟持し、バッテリ12の上下方向および水平方向の移動を拘束する断面L字形の押圧部材14と、バッテリ台10にプレス加工により一体形成され、前記水平方向と直交する水平方向へのバッテリ12の移動を拘束する2つの凸部28とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建設機械のバッテリ収容室にバッテリを着脱可能に固定する建設機械用バッテリの固定装置において、前記バッテリ収容室に配置され、前記バッテリが載置されるバッテリ台と、前記バッテリ上に配置される押圧部材と、下端に前記バッテリ台に対して掛止されるフック部を有するとともに上端部に前記押圧部材を貫通するねじ部を有したフックロッドと、前記フックロッドの前記ねじ部に螺合され、前記押圧部材を介して前記バッテリを前記バッテリ台に押し付け、上下方向の移動を拘束するナット部材と、前記バッテリ台に一体に形成され、前記バッテリの水平方向の移動を拘束する凸部とを具備したことを特徴とする建設機械用バッテリの固定装置。 【請求項2】 前記押圧部材は一対設けられ、これら押圧部材は水平方向両側から前記バッテリを挟持する挟持部をそれぞれ有することを特徴とする請求項1に記載の建設機械用バッテリの固定装置。 【請求項3】 前記凸部は、前記バッテリの周囲を囲むべく分布されていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械用バッテリの固定装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は油圧ショベル等の建設機械に装備されるバッテリの固定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】油圧ショベル等の建設機械は、そのエンジンのスタータモータや油圧システムの電磁弁等に給電するためにバッテリを備え、このバッテリは建設機械のバッテリ収容室に収容されている。より詳しくは、バッテリ収容室にはバッテリを載置するためのバッテリ台が配置され、このバッテリ台にはバッテリの水平方向の移動を阻止する複数のストッパが突設されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来、上述のストッパはバッテリ台とは別体であって、バッテリ台に溶接されるか、または、ボトルおよびナットにより締結されている。それゆえ、このようなバッテリの固定装置はバッテリ台とは別にストッパを必要とすることから部品点数の増加を招く。また、バッテリ台に対するストッパの溶接や締結は固定装置の製造工程を増加させるので、コスト高を招くばかりでなく、その生産性を低下させる。 【0004】本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、部品点数および製造工程を低減し、その生産性の向上を図ることができる建設機械用バッテリの固定装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するための、請求項1に係る本発明の建設機械用バッテリの固定装置は、バッテリ収容室に配置され、バッテリが載置されるバッテリ台と、バッテリ上に配置される押圧部材と、下端にバッテリ台に対して掛止されるフック部を有するとともに上端部に押圧部材を貫通するねじ部を有したフックロッドと、フックロッドのねじ部に螺合され、押圧部材を介してバッテリをバッテリ台に押し付け、上下方向の移動を拘束するナット部材と、バッテリ台から一体に突設され、バッテリの水平方向の移動を拘束する凸部と備える。 【0006】上述の固定装置によれば、バッテリは押圧部材とバッテリ台との間にて挟持された状態にあるので、バッテリに上下方向の外力が加わっても、バッテリが上下に移動することはない。また、バッテリに水平方向の外力が加わり、バッテリがバッテリ台上を移動しようとても、この移動もまたバッテリ台上の凸部により阻止される。 【0007】このような凸部はブレス加工によりバッテリ台と一体に形成されるので、部品点数や製造工程の増加を招くものではない。請求項2に係る本発明の固定装置は押圧部材を一対備えており、これら押圧部材は水平方向両側からバッテリを挟持する挟持部をそれぞれ有する。このような押圧部材はその組付け時、バッテリの上下方向の移動のみならず水平方向の移動をも拘束することから、バッテリ台の凸部は押圧部材の挟持部間を結ぶ線分と交差する方向にのみに配置される。 【0008】しかしながら、請求項3に係る本発明の固定装置のように、凸部はバッテリの周囲を囲むべき分布されていてもよい。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は建設機械としての油圧ショベルの一部を示す。油圧ショベルは、油圧ショベルはクローラ型の走行体(図示しない)上に旋回体2を備え、この旋回体2はその前側にフロント作業機構4を操作するための運転室6を備えている。なお、フロント作業機構4は、ブーム(図1にブームの一部のみを図示)、アームおよびバケット、そして、これらを回動させる油圧シリンダ等から構成されている。 【0010】また、旋回体2には運転室6の後方にエンジンや油圧ポンプ等を収容した機械室8が配置されている。この機械室8と運転室6との間には、作動油タンク、ツールボックスおよびユーティリティボックス等が配置され、そして、旋回体2の最後尾にカウンタウエイト9取り付けられている。機械室8は、エンジンのスタータや油圧システムの電磁弁等に給電するバッテリのためのバッテリ収容室をも兼用し、それゆえ、機械室8には図2に示すようにバッテリ台10が配置されている。このバッテリ台10はプレートからなり、その周縁に下方に折曲されたフランジ12を有する。なお、バッテリ台10は機械室8の底、つまり、旋回体2のベースフレーム(図示しない)に固定されている。 【0011】バッテリ台10上にはたとえば2個のバッテリ12が載置されており、これらバッテリ12間には所定の間隔が確保されている。そして、バッテリ12上には2つの押圧部材14が配置されている。これら押圧部材14は断面L字形をなし、2つのバッテリ12に跨り、これらバッテリ12の上部角部に当て付けられている。すなわち、各押圧部材14はバッテリ12の上面を押さえる押圧部14aと、バッテリ12の側面上部を押さえる挟持部14bを有し、これら挟持部14bは第1の水平方向でみて、その両側からバッテリ12を挟持している。 【0012】2つのバッテリ12間には2つのフックロッド16が配置されている。これらフックロッド16の上端部はねじ部18として形成され、このねじ部18は対応する側の押圧部材14を貫通して上方に突出している。各フックロッド16の下端は図3に示すようにフック部20として形成され、このフック部20はバッテリ台10に掛止されている。より詳しくは、図3および図4から明かなようにバッテリ台10には、各フックロッド16のフック部20の先端を挿通させる挿通孔22がそれぞれ形成されている一方、各挿通孔22に隣接して孔または切欠からなる開口24が形成されている。したがって、各フックロッド16のフック部20は先ず挿通孔22に挿通された後、その先端を開口24から突出させることで、バッテリ台10に掛止されている。なお、挿通孔22および開口24は、バッテリ12間にて同一のライン上に配置されているのが好ましい。 【0013】一方、図2に示すように各フックロッド16のねじ部18にはナット部材26が螺合されており、このナット部材16はその締付けにより押圧部材14を介してバッテリ12をバッテリ台10に上方から押し付けている。したがって、バッテリ12は押圧部材14とバッテリ台10との間にて上下方向から挟持される一方、2つの押圧部材14はバッテリ12を水平方向からも挟持する。 【0014】さらに、バッテリ台10には2つの凸部28が一体に形成されている。これら凸部28は、図4から明かなように挿通孔22および開口24が配置されるラインに対して直交する第2の水平方向(つまり、2つの押圧部材14の挟持部14b間を結ぶ線分に対して交差する方向)に離間し、そして、両バッテリ12の側面下部を第2水平方向でみて、その両側から挟持するように配置されている。 【0015】図5から明かなように凸部28はバッテリ台10をプレスして形成され、バッテリ台10と一体である。上述したバッテリ12の固定装置によれば、バッテリ12は押圧部材14の押圧部14aとバッテリ台10との間により上下方向に拘束された状態にあるので、バッテリ12に上下方向の外力が加わっても、バッテリ12の上下方向の移動を確実に阻止できる。 【0016】また、バッテリ12は押圧部材14の挟持部14b間、そして、バッテリ台10の凸部28間にて第1および第2の水平方向にそれぞれ拘束された状態にあるので、バッテリ12に水平方向の外力が加わっても、バッテリ12における水平方向の移動を確実に阻止できる。なお、ナット部材26を緩めた後、バッテリ台10に対するフックロッド16の掛止を解除すれは、バッテリ台10からバッテリ12を容易に取り外すことができる。 【0017】バッテリ台10の凸部28はプレス加工より一体形成されているので、凸部28のための部材を別に設ける必要もなく、バッテリ台10の形成と同時に凸部28を得ることができる。つまり、凸部28の機能を得るために、バッテリ台10とは別体のストッパをバッテリ台10に溶接したり、ボルト・ナットにより締結する必要はなく、固定装置の部品点数や製造工程の削減が図られ、そのコストを低減し、なおかつ、その生産性を向上することができる。 【0018】さらに、2つの押圧部材14はその挟持部14b間にてバッテリ12を第1の水平方向に挟持しているので、バッテリ台10に凸部28に加えて、第1の水平方向に離間した凸部を設ける必要はない。本発明は上述した実施の形態に制約されるものではなく、図6および図7に他の実施の形態を示す。 【0019】図6に示した固定装置は、矩形の平坦な板材からなる単一の押圧部材30を有し、この押圧部材30はバッテリ12間に跨り、かつ、これらバッテリ12の中央に位置し、フックロッド16を介してバッテリ12の上面を同様に押さえ付けている。バッテリ台10には、図7を参照すればより明かなように2つのバッテリ12を囲むようにして凸部28が分布され、これら凸部28もまたバッテリ台10にプレス加工により一体形成されている。 【0020】このような固定装置にあっても、バッテリ12の上下方向および水平方向の移動を押圧部材30および凸部28により確実に阻止することができる。図6の固定装置は、押圧部材30が1個だけであるから、フックロッド16およびナット部材26もまた1個ずつ備えていればよく、部品点数のさらなる削減が可能となる。 【0021】なお、上述の実施態様では何れも、バッテリ台10に複数の凸部28を設けているが、これら凸部に代えて、バッテリ12を囲むような枠状の凸部であってもよいし、また、バッテリ台10は1個または3個以上のバッテリ12を載置するものであってもよい。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る本発明の建設機械用バッテリの固定装置によれば、バッテリが載置されるバッテリ台に凸部を一体に形成して、バッテリの水平方向の移動を阻止するようにしたから、固定装置の部品点数のみならず、その製造工程を削減でき、その生産性を向上できる。 【0023】請求項2に係る本発明の固定装置によれば、押圧部材もまたバッテリの水平方向の移動を阻止する機能を発揮するから、バッテリ台に形成すべき凸部の数を削減できる。請求項3に係る本発明の固定装置によれば、バッテリ台にバッテリを囲むよううに凸部を分布させているので、押圧部材およびフックロッド等はバッテリの上下方向の移動を阻止するものであればよく、部品点数のさらなる削減が可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005522 【氏名又は名称】日立建機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年5月19日(2000.5.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−329567(P2001−329567A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−148130(P2000−148130) |
|