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【発明の名称】 建設発生土の流動化処理方法及び装置
【発明者】 【氏名】金子 豊

【氏名】深澤 徹弥

【氏名】鎌田 忠陽

【要約】 【課題】高品質の流動化処理土を短時間で作製することができ、その作製効率を向上させることができる建設発生土の流動化処理方法及び装置を提供する。

【解決手段】被処理土をふるい分けるためのスクリーン6と、スクリーン6の上方に設置され、該スクリーン上にある被処理土に圧力水を噴射して解砕するための噴射ノズル管7,8と、スクリーン6を通過した被処理土と水とからなる泥水に固化材を添加して混合するためのミキサー16とを備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被処理土に圧力水を噴射することにより、被処理土を解砕しながらふるい分ける解砕ふるい分け工程と、ふるい分けられた被処理土と水とからなる泥水に固化材を添加して混合する混合工程とを備えてなる建設発生土の流動化処理方法。
【請求項2】ふるい分けられた被処理土中に含まれる鉄筋屑等の磁性異物を除去する磁性異物除去工程を備えてなる請求項1記載の建設発生土の流動化処理方法。
【請求項3】前記磁性異物除去工程を経た前記被処理土の土量を計測する土量計測工程を備えてなる請求項2記載の建設発生土の流動化処理方法。
【請求項4】被処理土をふるい分けるためのスクリーンと、前記スクリーンの上方に設置され、該スクリーン上にある被処理土に圧力水を噴射して解砕するための噴射部材と、前記スクリーンを通過した被処理土と水とからなる泥水に固化材を添加して混合するためのミキサーとを備えてなる建設発生土の流動化処理装置。
【請求項5】前記噴射部材が前記スクリーン上の異物の排出方向上流側に配置された低圧噴射部材と、排出方向下流側に配置された高圧噴射部材とからなることを特徴とする請求項4記載の建設発生土の流動化処理装置。
【請求項6】前記スクリーンを通過した被処理土中に含まれる鉄筋屑等の磁性異物を除去するための磁選機を備えてなる請求項4又は5記載の建設発生土の流動化処理装置。
【請求項7】前記磁選機を通過した被処理土の土量を計測する装置を備えてなる請求項6記載の建設発生土の流動化処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建設発生土の流動化処理方法及び装置に関し、さらに詳細には、建設発生土(残土)に、水と固化材とを混合して流動化させ、その再利用を図るための流動化処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地下鉄、ビル建設、下水道等の工事現場で発生する建設発生土に水と固化材とを混合して流動化させた処理土(以下、流動化処理土という)が、近年注目されている。この流動化処理土は、その流動性ゆえに施工性に優れ、狭隘部の埋め戻し、裏込め、充填等に適しており、また転圧締め固めも不要である。
【0003】さらに、施工完了後、一軸圧縮強度は約20N程度で人力でも掘削することができ、管継手のボルトの取り外し等にも支障がない等々の利点もある。そして、その最も大きな利点は、建設発生土のリサイクルによる有効再利用が図れることである。
【0004】ところで、建設発生土にはガラ、礫などの過大な異物が含まれている場合があり、これらを除去しなければ高品質な流動化処理土を得ることができない。このため、まず被処理土のふるい分けを行って異物を除去するが、その際土塊も同時に除去されてしまい、建設発生土の有効再利用の観点からは問題がある。
【0005】このような問題に対処すべく、特許第2756112号公報に記載のような流動化処理方法が提案されている。この方法は、まず被処理土を解砕するために第1の混練槽で水又は泥水を添加して混練し、次いでふるい分けをし、さらに第2の混練槽で固化材を添加して流動化処理土を得ようというものあり、土塊を除去することなく流動化処理を行うことができる。
【0006】しかしながら、上記従来の方法は、第1の混練工程、ふるい分け工程、及び第2の混練工程の3つの工程を要する。このため、流動化処理土が得られるまで時間がかかり、処理効率が悪い。また、被処理土には鉄筋屑が含まれる場合があり、このような鉄筋屑が含まれたまま流動化処理を行うと、品質のよい処理土が得られないばかりか、プラント内のトラブル発生の原因となる。さらには、鉄筋屑が含まれた状態で土量の計量を行うと、バッチ毎に正味の土量が異なることとなり、均一に作泥することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のような技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目的を達成するものである。この発明の目的は、流動化処理土を短時間で作製することができ、その作製効率を向上させることができる建設発生土の流動化処理方法及び装置を提供することにある。
【0008】この発明の別の目的は、処理工程において鉄筋屑などの磁性異物を除去し、プラント内でのトラブルが発生することがなく、高品質の流動化処理土を得ることができる建設発生土の流動化処理方法及び装置を提供することを目的とする。この発明のさらに別の目的は、鉄筋屑などの磁性異物の除去後に土量を計測し、バッチ毎に均一な作泥状態とすることができる建設発生土の流動化処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を達成するために、次のような手段を採用している。すなわち、この発明は、被処理土に圧力水を噴射することにより、被処理土を解砕しながらふるい分ける解砕ふるい分け工程と、ふるい分けられた被処理土と水とからなる泥水に固化材を添加して混合する混合工程とを備えてなる建設発生土の流動化処理方法にある。
【0010】この発明によれば、解砕ふるい分け工程において、圧力水の噴射による被処理土の解砕とふるい分けとが同時に行われる。このため、工程数が少なく、流動化処理を短時間で効率良く行うことができる。
【0011】また、この発明は、前記ふるい分け工程を経た被処理土中に含まれる鉄筋屑等の磁性異物を除去する異物除去工程を備え、これによりプラント内でのトラブルが発生することがなく、しかも高品質の流動化処理土を得ることができる。さらに、この発明は、前記磁性異物除去工程を経た前記被処理土の土量を計測する土量計測工程を備え、これにより正味の土量を計量することができ、バッチ毎に均一な作泥状態とすることができる。
【0012】この発明は、上記方法を実施するための装置にも係り、被処理土をふるい分けるためのスクリーンと、前記スクリーンの上方に設置され、該スクリーン上にある被処理土に圧力水を噴射して解砕するための噴射部材と、前記スクリーンを通過した被処理土と水とからなる泥水に固化材を添加して混合するためのミキサーとを備えてなる。
【0013】上記流動化処理装置は、より具体的には、前記噴射部材が前記スクリーン上の異物の排出方向上流側に配置された低圧噴射部材と、排出方向下流側に配置された高圧噴射部材とからなる。また、前記スクリーンを通過した被処理土中に含まれる鉄筋屑等の磁性異物を除去するための磁選機を備え、さらには、前記磁選機を通過した被処理土の土量を計測する土量計測装置とを備えてなる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、この発明による流動化処理方法の実施の形態を示す処理系統図である。発生土ピット1にストックされた被処理土は、バケット掘削機等によりバイブレータスクリーン4を経てベルトコンベア2のホッパ3に投入される。バイブレータスクリーン4は過大な異物を除去するための粗目のスクリーンであり、これは必ずしも設置しなくともよい。被処理土はベルトコンベア2により搬送され、ホッパ5(図2〜図5参照)を通して細目のバイブレータスクリーン6上に供給される。
【0015】バイブレータスクリーン6の上方には圧力水の噴射ノズル管7,8が配置され、給水ポンプ9,10により水タンク11の水が管路12,13を経て噴射ノズル管7,8に供給され噴射される。圧力水はバイブレータスクリーン6上の被処理土に向けて噴射され、これにより被処理土は解砕されながらふるい分けられ、一定以上の大きさの礫や異物が除去される。管路12,13には流量計14,15が設けられ、バイブレータスクリーン6上に供給される圧力水の量が計測される。
【0016】噴射ノズル管7,8のうち一方の噴射ノズル管7は高圧噴射ノズル管、他方の噴射ノズル管8は低圧噴射ノズル管であり、図2はそれらの配置状態を概略的に示す平面図、図3は正面図である。図3において、矢印Aは礫やガラすなわち異物の排出方向を示し、低圧噴射ノズル管7は排出方向上流側にバイブレータスクリーン6の網体6aを横切るように配置され、高圧噴射ノズル管8は排出方向下流側にバイブレータスクリーン6の網体6aを横切るように2本配置されている。
【0017】そして、被処理土は、まず、低圧噴射ノズル管8の複数のノズル口から噴射される低圧水により主として湿潤性を与えられ(もちろん解砕もされる)、次いで高圧噴射ノズル管7の複数のノズル口から噴射される高圧水により解砕される。このように低圧及び高圧の噴射ノズル管7,8を用い、被処理土を湿潤させたうえで解砕することにより、泥水化に必要な過不足ない水量で効率良く解砕処理を行うことができる。
【0018】再び図1を参照し、バイブレータスクリーン6上で解砕され、同時にふるい分けられた被処理土は、泥水となりミキサ16に投入される。その際、泥水は磁選機17を通過し、鉄筋屑等の磁性異物が除去される。磁選機17は、回転ドラム式のものであり、磁性異物を含んだ被処理土がドラム外周面に達すると、磁性異物は永久磁石磁界によってドラム外周面に吸着されながら下方へ運ばれ、ドラム下部にあるデバイダ18の後方で磁界から離脱し、落下する。一方、非磁性体である土はドラム外周面に沿って自然に落下し、これにより磁性異物が分離された被処理土がミキサ16に投入される。このように、磁性異物を除去することにより、高品質の流動化処理土を作製することができ、またプラント内でのトラブルの発生を防止することができる。
【0019】ミキサ16に投入された泥水には、セメントサイロ19から管路20を経てセメントが添加される。また、必要に応じて混和剤タンク21から管路22を経て混和剤が添加される。混和剤の量は管路22に設けた流量計23により計測される。泥水とセメント、混和剤は、撹拌機25により混合・撹拌され、このようにして流動化処理土が作製される。
【0020】作製された流動化処理土は、ミキサ16のゲート26を経て撹拌機27及びレベル計28を備えたアジテータ29に放出される。なお、ミキサ16にはロードセル等からなる荷重計24が設けられ、この荷重計24の計測値に基づいて、後述するように土量やセメント量が計測される。
【0021】図4及び図5は上記処理工程を実施するための装置を示し、図4は正面図であり、図5は右側面図である。流動化処理装置40は、ホッパ5から被処理土が投入されるバイブレータスクリーン6、磁選機17、ミキサ16及びアジテータ29を備え、これらの装置はフレーム50内に上方から順に配置されている。バイブレータスクリーン6は、モータ41の駆動により偏心ロータ機構42が回転し、スクリーンに振動を与える形式のものである。なお、圧力水の噴射ノズル管は、図示されていないが、バイブレータスクリーン6のスクリーン上方に配置されている。
【0022】バイブレータスクリーン6で解砕ふるい分けされた被処理土は、重力の作用により磁選機17を通って磁性異物が除去され、ミキサ16に供給される。このように重力を利用することにより、各装置間での搬送機器が不要となり、また設置スペースも小さくて済む。
【0023】上記装置は制御装置により自動運転され、その運転状態を図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。自動運転が開始すると、ミキサ16(攪拌機25)の運転が開始し、バイブレータスクリーン6及び磁選機17を通ってミキサ16に投入される水量及び被処理土の土量が計測される。
【0024】<水計量>水計量に際しては、まずオペレータにより設定された水設定値(全水量)より、高圧噴射ノズル管7から噴射すべき設定水量(この実施の形態では230 リットル)が差し引き演算され、低圧噴射ノズル管8から噴射すべき設定水量Xが設定される。この演算、設定は制御装置によって実行される。高圧噴射ノズル管7から噴射される水量は流量計14により計測され、設定値すなわち230 リットル以上になると、ポンプ9の運転が停止する。また、低圧噴射ノズル管8から噴射される水量は流量計15により計測され、設定値X以上になるとポンプ10の運転が停止し、低圧及び高圧噴射水量のいずれもが設定値以上になった時点で水計量が終了する。
【0025】<土計量>オペレータにより土設定値(0以上)が設定されると、計量が開始されるとともにベルトコンベア2の運転が開始し、被処理土がバイブレータスクリーン6を通ってミキサ16に投入される。ここで、計量される土量は、磁性異物除去後にミキサ16に投入される土量であり、荷重計24により計測されるミキサ16内の泥水の全重量から前記のようにして計量された全水量を差し引いた値である。
【0026】被処理土の計量値が設定値の90%に達すると、ミキサ16の運転が一旦停止し、ミキサ停止状態で計量が続行される。これは、ミキサが運転中であると荷重計24による計測値が上下に変動し、正確な計測値が得られないからである。そして、計量値が設定値に達すると計量が終了する。このように、土量は磁性異物除去後の正味の量として計量されるので、バッチ毎の作泥状態を均一にすることができる。
【0027】<セメント計量、攪拌>次に、図7に示すように、再びミキサ16の運転が開始され、オペレータにより設定されたセメントの設定値が0以上であると、ミキサ16に投入されたセメント量が荷重計24により計測される。その際、土計量の場合と同様に設定値の90%に達したら、ミキサ16の運転停止状態で計量される。セメントの計量後、ミキサ16の運転が再開し、所定の攪拌時間が経過すると攪拌が完了する。
【0028】そして、レベル計28によって計測されるアジテータ29のレベルが設定レベル以下であれば、ミキサゲート26が開き、作製された流動化処理土がアジテータ29に放出され、アジテータ29(攪拌機27)が運転を開始する。流動化処理土の放出後、次バッチの処理の要求があれば、図6のフローに戻り、以下、上記のようなサイクルを繰り返す。
【0029】上記実施の形態は例示にすぎず、この発明は種々の改変が可能である。例えば、上記実施の形態では低圧水の噴射ノズル管1本、高圧水の噴射ノズル管を2本配置したが、ノズル管の本数や配列、ならびに高低圧噴射ノズル管の配置は、作泥に必要な水量と解砕効果とを考慮して種々の態様を採ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、解砕ふるい分け工程において、圧力水の噴射による被処理土の解砕とふるい分けとが同時に行われるので、少ない工程で流動化処理土を短時間で作製することができ、その作製効率を向上させることができる。また、処理工程において鉄筋屑などの磁性異物を除去することにより、プラント内でのトラブルが発生することがなく、しかも高品質の流動化処理土を得ることができる。さらに、鉄筋屑などの磁性異物の除去後に土量を計測するので、バッチ毎に均一な作泥状態とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000168506
【氏名又は名称】鉱研工業株式会社
【出願日】 平成12年5月25日(2000.5.25)
【代理人】 【識別番号】100104363
【弁理士】
【氏名又は名称】端山 博孝
【公開番号】 特開2001−329565(P2001−329565A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−155032(P2000−155032)