| 【発明の名称】 |
油圧ショベルにおけるフロント作業機構用バケットリンク |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 敬弘
【氏名】広井 武彦
|
| 【要約】 |
【課題】バケットリンクを鋳鉄を主材として形成し、これにフックを溶接によって固定できるようにすることにより、構造が簡単で安価なバケットリンクを得る。
【解決手段】バケットを連結するための一端側の第1連結部22と、バケットシリンダのロッドを連結するための他端側の第2連結部24と、これら両連結部22,24間に位置する主体部26とを有するリンク本体21を鋳鉄により一体に形成すると共に、前記主体部26の内部に鋼板製のプレート28を一体に鋳込み、かつ前記主体部26にこのプレート28を露出させるための窓孔29を開設して、この窓孔29から露出するプレート28の露出部に荷物吊り下げ用のフック30を溶接により固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧ショベルにおけるフロント作業機構のバケットとこのバケットを回動操作するバケットシリンダとの間に取り付けるためのバケットリンクであって、前記バケットを連結するための一端側の第1連結部と、バケットシリンダのロッドを連結するための他端側の第2連結部と、これら両連結部間に位置する主体部とを有し、これらの各部が鋳鉄により一体に形成されると共に、前記主体部の内部に鋼板製のプレートが一体に鋳込まれていて、このプレートが主体部に開設した窓孔を通じて外部に露出し、このプレートの露出部に荷物吊り下げ用のフックが溶接により固定されていることを特徴とする油圧ショベルにおけるフロント作業機構用バケットリンク。 【請求項2】 前記窓孔をプレートより小さく形成することにより、このプレートの外周部を主体部の内部に埋め込み状態に係止させたことを特徴とする請求項1に記載のバケットリンク。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルにおけるフロント作業機構のバケットとこのバケットを回動操作するバケットシリンダとを連結するためのバケットリンクに関するものである。 【0002】 【従来の技術】建設機械の一種に油圧ショベルがある。この油圧ショベルは、図4に示すように、履帯3からなる左右一対の走行手段2,2を備えた下部走行体1と、この下部走行体1に対して旋回可能に連結した上部旋回体4とから構成され、上部旋回体4には運転室5,上部旋回体4から前方に延出するフロント作業機構6等が設けられている。 【0003】前記フロント作業機構6は、基端部を上部旋回体4に連結されて上下方向に回動自在のブーム7と、このブーム7の先端に屈伸自在なるように連結されたアーム8と、このアーム8の先端に回動自在に取り付けられたバケット9と、これらのブーム7とアーム8及びバケット9を駆動するための油圧シリンダ10,11,12とを有するもので、前記運転室5内に設けられている操作レバー等の操作手段で各油圧シリンダ10,11,12を操作することにより、土砂の掘削やその他の作業を行うものである。 【0004】このような油圧ショベルのフロント作業機構6においては、前記バケット9と油圧シリンダ12のロッド12aとがバケットリンク13により相互に連結されていて、このバケットリンク13を介してバケット9が油圧シリンダ12で回動操作されるようになっている。フロント作業機構6は、またクレーン作業を行えるように構成したものもある。クレーン作業を行うには、ワイヤ等を吊り下げる機構を設けるが、この機構はバケットリンク13に取り付ける構成とするのが一般的である。このためにバケットリンク13にはフック14が形成され、このフック14に各種作業用の荷物15が吊り下げられるようになっている。 【0005】ここで、前記バケットリンク13は通常、鋳鉄により形成され、これに鋼鉄製の前記フック14が取り付けられている。ところが、鋳鉄は炭素の含有量が多いため、それにフック14を溶接で固定するのは困難である。このため従来のバケットリンクは、例えば特開平9−310371号公報に開示されているように、フックを鋼板製の基板にあらかじめ溶接し、この基板をバケットリンクにボルトで固定するようにしていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のバケットリンクは、部品点数が多いために構造が複雑で加工や組立作業等に手数を要し、製造が面倒で価格も高いという欠点があった。前記バケットリンクを複数の鋼板を溶接することにより形成し、これにフックを直接溶接したものも知られているが、鋼鉄製のバケットリンクは鋳鉄製のものより高価であるため、このような構成ではバケットリンクを安価に形成することはできない。 【0007】そこで本発明の目的は、バケットリンクを鋳鉄を主材として形成し、これにフックを溶接によって固定できるように構成することにより、構造が簡単で安価なバケットリンクを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明によれば、油圧ショベルにおけるフロント作業機構6のバケットとこのバケットを回動操作するバケットシリンダとの間に取り付けるためのバケットリンクであって、 前記バケットを連結するための一端側の第1連結部と、バケットシリンダのロッドを連結するための他端側の第2連結部と、これら両連結部間に位置する主体部とを有し、これらの各部が鋳鉄により一体に形成されると共に、前記主体部の内部に鋼板製のプレートが一体に鋳込まれていて、このプレートが主体部に開設した窓孔を通じて外部に露出し、このプレートの露出部に荷物吊り下げ用のフックが溶接により固定されていることを特徴とする油圧ショベルにおけるフロント作業機構6用バケットリンクが提供される。 【0009】このような構成を有する本発明のバケットリンクは、鋳鉄製の主体部内に鋼板製のプレートを一体に鋳込み、このプレートにフックを溶接するようにしているため、鋳鉄を主材とするものでありながらフックを溶接により固定することができ、フックをボルトで固定する従来品に比べ、構造及び加工が簡単でフックの取り付けも簡単かつ強固に行うことができ、価格も安価である。 【0010】本発明において好ましくは、前記窓孔をプレートより小さく形成することにより、このプレートの外周部を主体部の内部に埋め込み状態に係止させることである。これにより、プレートと主体部との結合強度を高めてこのプレートが主体部から剥離するのを確実に防止することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明のクレーン作業を行うことができるようにしたバケットリンクについての実施の一形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2に示すようにこのバケットリンク20は、油圧ショベルのバケット9(図4参照)に連結ピンで回動自在に連結するための軸受孔23を備えた一端側の第1連結部22と、バケットシリンダのロッド12a(図4参照)に連結ピンで回動自在に連結するための軸受孔25を備えた他端側の第2連結部24と、これら両連結部間22,24に位置する主体部26とからなるリンク本体21を有し、このリンク本体21が鋳鉄により一体に形成されている。 【0012】前記主体部26は、プレート状をした平坦部26aと、この平坦部26aの左右両側縁にそれぞれ直角に連設された補強用の側壁部26bとからなるもので、これらの平坦部26aと側壁部26bとによって略H字形の断面形状を有するように形成されている。この主体部26の内部には、リンク本体21とは異なる素材からなる鋼板製のプレート28が一体に鋳込まれており、主体部26の一方の面には、このプレート28が露出する窓孔29が設けられている。そして、この窓孔29から露出するプレート28の露出部に、荷物吊り下げ用のワイヤロープ等が止着される鋼鉄製のフック30が溶接により固定されている。このフック30は、鈎形に湾曲した掛け金部30aと、開閉自在の止め金部30bとからなるもので、図4に示すように掛け金部30aにワイヤロープを掛けて荷物15を吊り下げるものである。 【0013】前記窓孔29は、プレート28と同じ形状及び同じ大きさであっても良いが、好ましくは、図2から分かるようにプレート28より小さく形成し、このプレート28の外周部が主体部26の内部に埋め込み状態に係止するようになっていることであり、これにより、プレート28とリンク本体21との結合強度が高められてこのプレート28がリンク本体21から剥離するのを確実に防止することができる。 【0014】ここで、前記プレート28をリンク本体21内に鋳込むに当たっては、図3に示すように、上下の鋳型32a,32bの間に形成されたチャンバー33内の所定の位置に前記プレート28を収容し、チャンバー33内に注湯口34から溶融金属を流し込んで鋳造することにより、前記プレート28が鋳込まれたバケットリンクを得ることができる。 【0015】このように、鋳鉄製のリンク本体21内に鋼板製のプレート28を一体に鋳込み、このプレート28にフック30を溶接することにより、鋳鉄を主材とするバケットリンクでありながら前記フック30を溶接により固定することができ、このフック30をボルトで固定する構造の従来品に比べ、構造及び加工が簡単でフック30の取付も簡単かつ強固に行うことができ、価格も安価である。 【0016】 【発明の効果】このように本発明によれば、鋳鉄を主材とするバケットリンクにフックを溶接によって固定することができるため、構造が簡単で安価なバケットリンクを得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005522 【氏名又は名称】日立建機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年5月25日(2000.5.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089749 【弁理士】 【氏名又は名称】影井 俊次
|
| 【公開番号】 |
特開2001−329561(P2001−329561A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−154152(P2000−154152) |
|