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【発明の名称】 オフセットブーム式建設機械
【発明者】 【氏名】飯塚 達郎

【氏名】田畑 修司

【要約】 【課題】油圧配管のうちアッパブームの両端側に位置する部位にそれぞれ回転継手を設けることにより、配管の取付構造を簡略化する。

【解決手段】アームシリンダ18用の油圧配管23を、ロアブーム8に取付けたロアブーム側配管部24と、アッパブーム10上に配設したアッパブーム側金属配管部26と、アームステー13に取付けたアームステー側配管部27とから構成し、これらの配管部24,26,27間を回転継手30,31によって左,右方向に回動可能に連結する。また、バケットシリンダ20用の油圧配管32も同様に、配管部33,35と金属配管部34とを回転継手38,39によって連結する。これにより、アッパブーム10上に配置するホース配管等を省略してクランプ等の部品点数を削減でき、その取付構造を簡略化することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建設機械の車体に設けられブームシリンダにより俯仰動されるロアブームと、該ロアブームの先端側にアッパブーム連結ピンを介して連結されオフセットシリンダにより左,右方向に回動されるアッパブームと、該アッパブームの先端側にアームステー連結ピンを介して左,右方向に回動可能に連結されたアームステーと、前記ロアブームとアームステーとの間に設けられ該アームステーをロアブームに対して略平行に保持するリンクと、基端側が前記アームステーに取付けられアームシリンダにより俯仰動されるアームと、該アームの先端側に設けられ作業具用シリンダにより回動される作業具と、少なくとも前記アームシリンダおよび作業具用シリンダに圧油を給排するため前記ロアブームとアームステーとの間に延設された複数の油圧配管とを備えてなるオフセットブーム式建設機械において、前記各油圧配管は、前記ロアブームに取付けられ前記車体側の油圧源に接続されるロアブーム側配管部と、前記アッパブームの長さ方向に沿って延設され該ロアブーム側配管部に接続されるアッパブーム側配管部と、前記アームステーに取付けられ該アッパブーム側配管部と前記アームシリンダまたは作業具用シリンダとを接続するアームステー側配管部と、前記ロアブーム側配管部とアッパブーム側配管部との間を左,右方向に回動可能に連結する第1の回転継手と、前記アッパブーム側配管部とアームステー側配管部との間を左,右方向に回動可能に連結する第2の回転継手とから構成としたことを特徴とするオフセットブーム式建設機械。
【請求項2】 前記第1の回転継手は前記アッパブーム連結ピンを基準とした位置に並んだ状態で配設し、前記第2の回転継手は前記アームステー連結ピンを基準とした位置に並んだ状態で配設し、前記アッパブーム側配管部は第1の回転継手と第2の回転継手とによって両端側を支持する構成としてなる請求項1に記載のオフセットブーム式建設機械。
【請求項3】 前記第1の回転継手は前記アッパブーム連結ピンの中心を通って前記ロアブームの長さ方向と直交する第1の直線上に並んだ状態で配置し、前記第2の回転継手は前記アームステー連結ピンの中心を通って前記第1の直線と平行に延びる第2の直線上に並んだ状態で配置する構成としてなる請求項1または2に記載のオフセットブーム式建設機械。
【請求項4】 前記アッパブーム側配管部は金属配管または可撓性のホース配管によって形成してなる請求項1,2または3に記載のオフセットブーム式建設機械。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアッパブーム等を車体の左,右両側にオフセットさせて側溝掘り等の土木作業を行うのに好適に用いられるオフセットブーム式建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オフセットブーム式建設機械としては、例えばオフセットシリンダを用いてバケット等の作業具を左,右方向に移動することにより、車両の左側または右側で側溝等の掘削作業を行う構成とした油圧ショベルが知られている。
【0003】この種の従来技術による油圧ショベルは、車体の前部側に作業用のフロントが設けられている。そして、フロントは、車体に俯仰動可能に設けられたロアブームと、該ロアブームの先端側に左,右方向に回動可能に設けられたアッパブームと、該アッパブームの先端側に左,右方向に回動可能に設けられたアームステーと、ロアブームとアームステーとの間に設けられ該アームステーをロアブームに対して平行に保持するリンクと、アームステーに俯仰動可能に設けられたアームと、該アームの先端側に回動可能に設けられたバケットとを備えている。
【0004】また、フロントには、ロアブーム、アーム、バケットをそれぞれ俯仰動させるブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダが設けられると共に、アッパブームをロアブームに対して左,右方向に回動させるオフセットシリンダが設けられている。そして、これらの油圧シリンダは、それぞれの油圧配管を介して車両の油圧ポンプ等に接続されている。
【0005】さらに、これらの油圧配管のうち、アームシリンダとバケットシリンダに圧油を給排するための各油圧配管等は、ロアブームとアームステーとの間に延設されている。そして、この油圧配管は、ロアブームに固定され油圧ポンプに接続された金属製のブーム側配管と、アームステーに固定されアームシリンダまたはバケットシリンダに接続された金属製のステー側配管と、ブーム側配管とステー側配管との間を接続し、アッパブームの長さ方向に沿って延びた可撓性のホース配管とから構成されている。
【0006】そして、側溝掘り等の掘削作業時には、オフセットシリンダによってアッパブームをロアブームに対し左,右方向に回動(オフセット)させ、アームステー、アーム、バケット等を車体の左側または右側に移動させることにより、この位置でブーム、アーム、バケット等を駆動して側溝等を掘削するものである。
【0007】この場合、アームステーがロアブームに対して左,右方向にオフセットするときには、ステー側配管もブーム側配管に対して左,右方向に変位する。このため、各ホース配管は、ブーム側配管とステー側配管の間に予め弛みをもった状態で配設され、その途中部位は、アッパブームの外面側に設けられた複数のクランプ部材等によって整列状態に保持されている。そして、アームステーがオフセットするときには、ホース配管がブーム側配管とステー側配管との間で撓み変形しつつ、これらの間の変位を吸収するものである。
【0008】これに対し、例えば特開平6−220879号公報に記載された他の従来技術では、ロアブームとアッパブームとを連結する連結ピンを円筒状に形成し、この連結ピン内に設けたスイベルジョイントによってロアブーム側の金属配管とアッパブーム側の金属配管とを回動可能に接続する構成としている。この場合、スイベルジョイントは、アッパブーム等が回動するときに各金属配管の変位を吸収することにより、油圧配管を接続した状態に保持し、ホース配管等の省略を可能とするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来技術では、複数のホース配管を予め弛ませた状態でアッパブームの長さ方向に延設し、その途中部位を複数のクランプ部材によって整列状態に保持する構成している。
【0010】このため、油圧配管の取付時には、クランプ部材等によって部品点数が増大し、その取付作業に手間がかかる。また、掘削等の作業中には、例えばホース部材の弛み部分が周囲の障害物に接触し易いという問題がある。
【0011】一方、他の従来技術では、連結ピンの内部にスイベルジョイントを設ける構成としているため、連結ピンの強度が低下し易い上に、スイベルジョイントを含めた連結ピンの構造が複雑化し、その組立作業に手間がかかるという問題がある。
【0012】また、金属配管は、連結ピンの上,下両端側からピン内部のスイベルジョイントに接続されているため、一部の配管はアッパブームの下面側に配置されることになり、掘削作業等の途中にあっては、下側の配管が周囲の障害物と接触して損傷される虞れがある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、クランプ部材等の部品点数を削減して油圧配管の取付構造を簡略化でき、その取付時の作業性を向上できるようにしたオフセットブーム式建設機械を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために本発明は、建設機械の車体に設けられブームシリンダにより俯仰動されるロアブームと、該ロアブームの先端側にアッパブーム連結ピンを介して連結されオフセットシリンダにより左,右方向に回動されるアッパブームと、該アッパブームの先端側にアームステー連結ピンを介して左,右方向に回動可能に連結されたアームステーと、前記ロアブームとアームステーとの間に設けられ該アームステーをロアブームに対して略平行に保持するリンクと、基端側が前記アームステーに取付けられアームシリンダにより俯仰動されるアームと、該アームの先端側に設けられ作業具用シリンダにより回動される作業具と、少なくとも前記アームシリンダおよび作業具用シリンダに圧油を給排するため前記ロアブームとアームステーとの間に延設された複数の油圧配管とを備えてなるオフセットブーム式建設機械に適用される。
【0015】そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、各油圧配管は、前記ロアブームに取付けられ前記車体側の油圧源に接続されるロアブーム側配管部と、前記アッパブームの長さ方向に沿って延設され該ロアブーム側配管部に接続されるアッパブーム側配管部と、前記アームステーに取付けられ該アッパブーム側配管部と前記アームシリンダまたは作業具用シリンダとを接続するアームステー側配管部と、前記ロアブーム側配管部とアッパブーム側配管部との間を左,右方向に回動可能に連結する第1の回転継手と、前記アッパブーム側配管部とアームステー側配管部との間を左,右方向に回動可能に連結する第2の回転継手とから構成としたことにある。
【0016】このように構成することにより、複数の油圧配管を、それぞれロアブーム側配管部、アッパブーム側配管部、アームステー側配管部、第1の回転継手および第2の回転継手によって構成することができる。また、ロアブーム側配管部とアームステー側配管部との間には、第1の回転継手と第2の回転継手とを介してアッパブーム側配管部を左,右方向に回動可能に接続することができる。そして、アッパブームが左,右方向に回動(オフセット)するときには、アームステーがアームステー側配管部と共にロアブームに対して左,右方向に移動すると、アッパブーム側配管部が各回転継手を介してロアブーム側配管部とアームステー側配管部との間で回動し、これらの配管部を接続した状態に保持することができる。
【0017】また、請求項2の発明によると、第1の回転継手は前記アッパブーム連結ピンを基準とした位置に並んだ状態で配設し、第2の回転継手は前記アームステー連結ピンを基準とした位置に並んだ状態で配設し、前記アッパブーム側配管部は第1の回転継手と第2の回転継手とによって両端側を支持する構成としている。
【0018】これにより、アッパブームの回動中心となるアッパブーム連結ピンを基準として各第1回の転継手を配置し、アームステーの回動中心となるアームステー連結ピンを基準として各第2回転継手を配置することができる。この結果、アッパブーム側配管部は、例えば各回転継手により支持されアッパブームから離れた状態でアッパブームとアームステーの回動動作に追従して回動することができる。
【0019】また、請求項3の発明によると、第1の回転継手は前記アッパブーム連結ピンの中心を通って前記ロアブームの長さ方向と直交する第1の直線上に並んだ状態で配置し、第2の回転継手は前記アームステー連結ピンの中心を通って前記第1の直線と平行に延びる第2の直線上に並んだ状態で配置する構成としている。
【0020】これにより、アッパブーム側配管部は、アッパブームとの間で第1,第2の回転継手等を介した平行リンク機構を構成することができる。そして、アッパブームが左,右方向にオフセットするときには、アッパブーム側配管部をアッパブームに沿った状態で左,右方向に回動させつつ、第1の回転継手と第2の回転継手との間の間隔をほぼ一定に保持することができる。
【0021】さらに、請求項4の発明によると、アッパブーム側配管部は金属配管または可撓性のホース配管によって形成する構成としている。
【0022】これにより、例えばアッパブーム側配管部を金属配管によって形成した場合には、アッパブーム側配管部の弛み等がなくなり、配管内の油圧変化等によるアッパブーム側配管部の撓み変形を防止することができる。また、アッパブーム側配管部をホース配管によって形成した場合には、ロアブーム側配管部とアームステー側配管部との間に各回転継手を介してアッパブーム側配管部を連結するときに、これらの配管部や回転継手の取付位置の誤差等をホース配管によって吸収することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態によるオフセットブーム式建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】ここで、図1ないし図12は本発明による第1の実施の形態を示し、図中、1は油圧ショベルの下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体2の旋回フレーム3上には、キャブ4、建屋カバー5、カウンタウェイト6等が設けられている。
【0025】7は旋回フレーム3の前部側に俯仰動可能に設けられたフロントで、該フロント7は、図2、図3に示す如く、後述のロアブーム8、アッパブーム10、アームステー13、アーム17、バケット19等を含んで構成されている。
【0026】8は旋回フレーム3に連結されたロアブームで、該ロアブーム8には、その先端側に位置してアッパブーム10と連結されるブラケット部8A,8Aが設けられている。そして、ロアブーム8は、旋回フレーム3とロアブーム8との間に設けられたブームシリンダ9によって俯仰動されるものである。
【0027】10はロアブーム8の先端側に回動可能に設けられたアッパブームで、該アッパブーム10には、図4に示す如く、その基端側に位置してボス部10Aが設けられ、該ボス部10Aは、アッパブーム連結ピン11を介してロアブーム8の各ブラケット部8A間に連結される共に、アッパブーム連結ピン11の軸線O1 −O1 を中心として左,右方向に回動可能となっている。
【0028】また、アッパブーム10の先端側には、後述のアームステー連結ピン14を用いてアームステー13のブラケット板13A,13A間に連結されるボス部10Bが設けられている。この場合、アッパブーム10は、図5に示す如く、その長さ方向がアッパブーム連結ピン11の中心O1 とアームステー連結ピン14の中心O2 とを通る直線L0 −L0 に沿って延びている。
【0029】そして、アッパブーム10は、図3に示す如く、ロアブーム8とアッパブーム10との間に設けられたオフセットシリンダ12によって駆動され、アッパブーム連結ピン11を中心として左,右方向に回動(オフセット)される構成となっている。
【0030】13はアッパブーム10のボス部10Bに回動可能に設けられたアームステーで、該アームステー13は、図4、図5に示す如く、ボス部10Bの上,下両側に配置された一対のブラケット板13A,13Aと、該各ブラケット板13Aの左,右両側に固着され、後述のアーム17とアームシリンダ18とが取付けられた一対の縦板13B,13Bとを含んで構成されている。
【0031】また、各ブラケット板13Aは、アームステー連結ピン14を介してアッパブーム10のボス部10Bに連結され、これによりアームステー13は、図4中に示すアームステー連結ピン14の軸線O2 −O2 を中心として左,右方向に回動可能となっている。また、各縦板13Bには、図9に示す如く、後述のバケットシリンダ用油圧配管32が挿通される配管挿通穴15が形成されている。
【0032】そして、アームステー13は、アッパブーム10が左,右方向に回動するときに、ロアブーム8とアームステー13との間に設けられたリンク16によってアッパブーム10と逆向きに回動され、ロアブーム8に対して平行な状態に保持されるものである。
【0033】17は基端側がアームステー13に連結されたアームで、該アーム17は、図2に示す如く、アームステー13とアーム17との間に設けられたアームシリンダ18によって俯仰動される。
【0034】19はアーム17の先端側に連結された作業具としてのバケットで、該バケット19は、アーム17とバケット19との間に設けられたバケットシリンダ20によって回動されるものである。
【0035】ここで、フロント7のブームシリンダ9、オフセットシリンダ12、アームシリンダ18、バケットシリンダ20等は、上部旋回体2に設けられた油圧ポンプ(図示せず)から後述の油圧配管21,22,23,32等を介して圧油が給排されることにより駆動される。
【0036】21,21は図1中のブームシリンダ9に圧油を給排するブームシリンダ用油圧配管(1本のみ図示)、22,22はオフセットシリンダ12に圧油を給排するオフセットシリンダ用油圧配管を示している。
【0037】23,23はロアブーム8とアームステー13との間に延設された油圧配管としてのアームシリンダ用油圧配管で、該各油圧配管23は、図4、図5に示す如く、後述のロアブーム側配管部24、アッパブーム側金属配管部26、アームステー側配管部27、回転継手30,31を含んで構成され、アームシリンダ18に圧油を給排するものである。
【0038】24,24は例えば金属配管等によって形成されたロアブーム側配管部で、該各ロアブーム側配管部24は、クランプ25等を用いてロアブーム8の上面側に固定され、基端側が油圧ポンプに接続されると共に、先端側がロアブーム8のブラケット部8Aの上側に配置されている。
【0039】26,26は例えば略直線状の金属配管等によって形成されたアッパブーム側配管部としてのアッパブーム側金属配管部で、該各金属配管部26は、図4、図5に示す如く、基端側が後述の回転継手30を用いてロアブーム側配管部24の先端側に回動可能に接続されると共に、この回転継手30と後述の回転継手31とによってアッパブーム10の上面側から離れた位置に支持されている。
【0040】そして、金属配管部26は、後述するバケットシリンダ用油圧配管32,32のアッパブーム側金属配管部34,34と共に左,右方向に間隔をもった整列状態で配置され、これら4本の金属配管部26,34は、アッパブーム10の長さ方向(図5中の直線L0 −L0 )に対してほぼ平行に延設されている。
【0041】27,27は例えば金属配管等によって形成されたアームステー側配管部で、該各アームステー側配管部27は、図8、図9に示す如く、基端側がクランプ28等を用いてアームステー13の上側のブラケット板13Aに固定され、回転継手31を介してアッパブーム側金属配管部26の先端側に回動可能に連結されている。また、アームステー側配管部27は、先端側が略L字状をなして上向きに屈曲し、この先端側は、図2に示す如く可撓性のホース部材29等を介してアームシリンダ18に接続されている。
【0042】30,30は各ロアブーム側配管部24とアッパブーム側金属配管部26との間に設けられた第1の回転継手で、該各第1の回転継手30は、図6、図7に示す如く、ロアブーム側配管部24の先端側に取付けられた一方の継手部30Aと、該継手部30Aに左,右方向に回動可能に連結され、アッパブーム側金属配管部26の基端側に取付けられた他方の継手部30Bとからなり、これらの配管部24,26を左,右方向に回動可能に連結したスイベルジョイントとして構成されている。
【0043】ここで、回転継手30は、ロアブーム8のブラケット部8Aの上側に配設され、その軸線はアッパブーム連結ピン11の軸線O1 −O1 と平行に配置されている。また、各回転継手30の軸線は、図7に示す如く、アッパブーム連結ピン11の中心O1 を通ってロアブーム8の長さ方向とほぼ直交する第1の直線L1 −L1 上に並んだ状態で配置され、アッパブーム連結ピン11の中心O1 から所定の間隔寸法分だけ離間している。
【0044】31,31は各アームステー側配管部27とアッパブーム側金属配管部26との間に設けられた第2の回転継手で、該各第2の回転継手31は、図8、図9に示す如く、回転継手30とほぼ同様に、アームステー側配管部27の基端側に取付けられた一方の継手部31Aと、該継手部31Aに左,右方向に回動可能に連結され、アッパブーム側金属配管部26の先端側に取付けられた他方の継手部31Bとからなり、これらの配管部26,27を左,右方向に回動可能に連結している。
【0045】また、回転継手31は、アームステー13の各縦板13B間に位置してブラケット板13Aの上側に配設され、その軸線はアームステー連結ピン14の軸線O2 −O2 と平行に配置されている。また、回転継手31の軸線は、図9に示す如く、アームステー連結ピン14の中心O2 を通って直線L1 −L1 に対し平行に延びた第2の直線L2 −L2 上に並んだ状態で配置され、アームステー連結ピン14の中心O2 から回転継手30に対応する間隔寸法分だけ離間している。
【0046】これにより、回転継手30,31間に接続されたアッパブーム側金属配管部26は、図5に示す如く、アッパブーム10の長さ方向に沿った直線L0 −L0 に対してほぼ平行に配置され、アッパブーム10との間で回転継手30,31等を介した平行リンク機構を構成している。
【0047】そして、回転継手30,31は、図10に示す如く、アッパブーム10が左,右方向(例えば左方向)にオフセットするときに、アッパブーム側金属配管部26をアッパブーム10とアームステー13の回動動作に追従して回動変位させ、これらの配管部24,26,27を接続した状態に保持するものである。
【0048】一方、32,32はバケットシリンダ20に圧油を給排する油圧配管としてのバケットシリンダ用油圧配管で、該各油圧配管32は、図4、図5に示す如く、各アームシリンダ用油圧配管23の間に配置されている。
【0049】そして、油圧配管32は、アームシリンダ用油圧配管23とほぼ同様に、金属管等によって形成されたロアブーム側配管部33、アッパブーム側金属配管部34、アームステー側配管部35と、後述の回転継手38,39とを含んで構成されている。
【0050】この場合、アッパブーム側金属配管部34は、例えば金属配管等によって形成され、直線L0 −L0 に対してほぼ平行に配置されている。また、アームステー側配管部35は、図9に示す如くクランク状に屈曲して形成され、その先端側は、アームステー13の配管挿通穴15を介して外側に延設されている。そして、アームステー側配管部35の先端側は、図2に示すクランプ36によってアームステー13の外面側に取付けられると共に、可撓性のホース部材37等を用いてバケットシリンダ20に接続されている。
【0051】38,38はロアブーム側配管部33とアッパブーム側金属配管部34とを左,右方向に回動可能に連結した第1の回転継手で、該各第1の回転継手38は、図6、図7に示す如く、回転継手30等とほぼ同様に、互いに回動可能に連結された継手部38A,38Bによって構成され、直線L1 −L1 上に並んだ状態で配置されている。
【0052】39,39はアームステー側配管部35とアッパブーム側金属配管部34とを左,右方向に回動可能に連結した第2の回転継手で、該各第2の回転継手39は、図4、図9に示す継手部39A,39Bによって構成され、直線L2 −L2 上に配置されている。
【0053】本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0054】まず、アッパブーム10をオフセットせず、左,右方向に対して中央位置に保持しているときには、図3、図5に示す如く、アームステー13、アーム17、バケット19等が車両の前側中央に配置されている。
【0055】このとき、アームシリンダ用油圧配管23のアッパブーム側金属配管部26は、図11に二点鎖線で示す如く、アッパブーム10との間で回転継手30,31等を介した平行リンク機構を構成し、バケットシリンダ用油圧配管32のアッパブーム側金属配管部34も、アッパブーム10との間で回転継手38,39等を介した平行リンク機構を構成している。
【0056】次に、図10に示すように、例えばアッパブーム10が左方向にオフセットされると、アームステー13はリンク16によって右方向に回動され、ロアブーム8に対して平行な状態を保持しつつ左側に移動する。この結果、各アームシリンダ用油圧配管23は、アームステー側配管部27がロアブーム側配管部24に対して左側へと平行に移動するが、このときアッパブーム側金属配管部26は、回転継手30,31を介してロアブーム側配管部24とアームステー側配管部27との間で回動し、これらの配管部24,27間の相対変位は回転継手30,31によって吸収される。
【0057】即ち、アームステー側配管部27が左方向へと移動するときには、図11に実線で示す如く、直線L1 −L1 と直線L2 −L2 とが互いに平行な状態に保持されると共に、アッパブーム側金属配管部26が直線L0 −L0 と平行な状態で左方向に回動するため、回転継手30,31間の間隔はほぼ一定に保持される。これにより、回転継手30,31間には金属配管部26を接続することができる。
【0058】一方、各バケットシリンダ用油圧配管32の場合も同様に、アッパブーム10がオフセットされると、アッパブーム側金属配管部34が回転継手38,39を介してロアブーム側配管部33とアームステー側配管部35との間で回動することにより、これらの配管部33,35間の変位は回転継手38,39によって吸収される。さらに、アッパブーム10を右方向にオフセットした場合にも、アームシリンダ用油圧配管23とバケットシリンダ用油圧配管32とは、回転継手30,31,38,39によって接続された状態を保持する。
【0059】これにより、油圧ショベルの運転時には、オフセットシリンダ12を伸縮させることによってアッパブーム10をロアブーム8に対し左,右方向にオフセットし、アーム17、バケット19等を車体の左側または右側に移動させることにより、この位置でロアブーム8、アーム17、バケット19等を駆動して側溝掘り等の掘削作業を行うことができる。
【0060】ところで、アッパブーム10が左,右方向に回動するときには、図12に示す如く、例えばアッパブーム側金属配管部26,34間の間隔が徐々に小さくなるから、これらを接触させないように配置する必要がある。この場合、金属配管部26,34間の間隔は、アッパブーム10がオフセットしていないときに間隔d0 (図7参照)となり、アッパブーム10が最大の回動角θmax まで回動したときに、最小の間隔dmin となるとすれば、下記数1の式が成立する。
【0061】
【数1】dmin =d0 ×cos(θmax )
【0062】このとき、金属配管部26,34の半径の和が両者間の最小間隔dmin よりも小さく形成されていれば、これらの金属配管部26,34が互いに接触することはないから、金属配管部26,34は、それぞれの外径D1 ,D2 が下記数2の式を満たすように形成すればよいことになる。
【0063】
【数2】

【0064】かくして、本実施の形態によれば、アームシリンダ用油圧配管23のロアブーム側配管部24とアームステー側配管部27との間には、回転継手30,31を介してアッパブーム側金属配管部26を左,右方向に回動可能に連結し、バケットシリンダ用油圧配管32のロアブーム側配管部33とアームステー側配管部35との間には、回転継手38,39を介してアッパブーム側金属配管部34を左,右方向に回動可能に連結する構成としている。
【0065】これにより、アッパブーム10がオフセットするときには、金属配管部26が回転継手30,31を介して配管部24,27の間で左,右方向に回動することができ、回転継手30,31は、金属配管部26と協働してロアブーム側配管部24に対するアームステー側配管部27の変位を吸収できると共に、これらの配管部24,27を接続した状態に保持することができる。また、バケットシリンダ用油圧配管32のアッパブーム側金属配管部34も同様に、回転継手38,39を介して配管部33,35の間で左,右方向に回動することができ、アームステー側配管部35の変位を吸収することができる。
【0066】従って、本実施の形態によれば、油圧配管23,32にアッパブーム側金属配管部26,34を用いることができ、従来技術のように油圧配管に弛み部分を形成する必要がなくなり、油圧配管23,32をコンパクトに配置できると共に、油圧ショベルによる掘削作業時等には、油圧配管23,32の弛み等に注意することなく、掘削作業を効率よく行うことができる。
【0067】また、アッパブーム側金属配管部26,34を回転継手30,31,38,39によってアッパブーム10から離れた状態でフロント7に取付けることができ、アッパブーム10に設けるクランプ等の部品点数を削減できると共に、取付作業を効率よく行うことができる。また、他の従来技術のように連結ピン内に回転継手を配置する必要がないから、連結ピン11,14や回転継手30,31,38,39等の構造を簡略化できると共に、油圧配管23,32をアッパブーム10上の安全な位置に配設することができる。
【0068】さらに、第1の回転継手30,38に対応する直線L1 −L1 と第2の回転継手31,39に対応する直線L2 −L2 とを平行に配置したので、アッパブーム側金属配管部26,34をアッパブーム10の長さ方向に対して平行に延設することにより、これらの金属配管部26,34とアッパブーム10とによって平行リンク機構を構成することができる。これにより、アッパブーム10が回動するときには、回転継手30,31間の間隔と回転継手38,39間の間隔とをそれぞれほぼ一定に保持でき、これらの間に金属配管部26,34を接続することができる。
【0069】次に、図13は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、アッパブーム側配管部として可撓性のホース配管を用いる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0070】41,41は本実施の形態によるアームシリンダ用油圧配管(一方のみ図示)で、該各油圧配管41は、ロアブーム側配管部42、アッパブーム側ホース配管部43、アームステー側配管部44、回転継手45,46を含んで構成され、このうち配管部42,44および回転継手45,46は、第1の実施の形態とほぼ同様に構成されている。
【0071】43は例えばゴム、樹脂等の可撓性材料によって形成されたアッパブーム側配管部としてのアッパブーム側ホース配管部で、該ホース配管部43は、回転継手45,46間の寸法ばらつき等を吸収するため長さ方向に対して僅かに伸縮性を有し、径方向に対しては十分な剛性をもつように形成されている。
【0072】そして、ホース配管部43は、基端側が第1の回転継手45を介してロアブーム側配管部42と左,右方向に回動可能に連結され、先端側が第2の回転継手46を介してアームステー側配管部44と左,右方向に回動可能に連結されると共に、その途中部位は、ほぼ弛むことなく、回転継手45,46間に略直線状に架設されている。
【0073】かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、アッパブーム側ホース配管部43を用いる構成としたので、回転継手45,46間にホース配管部43を取付けるときには、配管部42,44、回転継手45,46等の取付位置の誤差等をアッパブーム側ホース配管部43の伸縮によって吸収でき、その取付作業を容易に行うことができる。
【0074】次に、図14は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、互いに隣接するアッパブーム側配管部を上,下方向にずらして配置する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0075】51,51は本実施の形態によるバケットシリンダ用油圧配管(一方のみ図示)で、該各油圧配管51は、第1の実施の形態とほぼ同様に、ロアブーム側配管部52、アッパブーム側金属配管部53、アームステー側配管部54、回転継手55,56によって構成され、アームシリンダ用油圧配管23のアッパブーム側金属配管部26に隣接した位置で該金属配管部26と平行に延びている。
【0076】しかし、本実施の形態では、アッパブーム側金属配管部53が第1の実施の形態の金属配管部34よりもアッパブーム10から離れた位置に配設され、アームシリンダ用油圧配管23の金属配管部26の上側に保持されている。これにより、バケットシリンダ用油圧配管51の金属配管部53とアームシリンダ用油圧配管23の金属配管部26とは、上,下方向および左,右方向に対して互いに離間した状態で平行に延びている。
【0077】かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、バケットシリンダ用油圧配管51の金属配管部53とアームシリンダ用油圧配管23の金属配管部26とを左,右方向だけでなく、上,下方向にも間隔をもって配置する構成としたので、例えば金属配管部53,26の外径を耐圧等の要求に応じて大きく形成した場合でも、アッパブーム10がオフセットするときには、これらの金属配管部53,26が接触するのを確実に防止することができる。従って、第1の実施の形態で示した数2の式等によって配管の外径を制限されることがなくなり、金属配管部53,26の外径を自由に設定することができる。
【0078】次に、図15は本発明による第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、複数の回転継手を一体に形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0079】61は本実施の形態による継手用マニホールドで、該継手用マニホールド61は、例えば金属材料等によって左,右方向に長尺な略四角形状に形成され、第1の実施の形態で用いた4個の回転継手30,38の継手部30A,38Aを一体化することによって構成されている。
【0080】かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、継手回転継手30,38の継手部30A,38Aをマニホールド61として一体化したので、その取付作業を効率よく行うことができる。
【0081】なお、前記第1,第3,第4の実施の形態では、金属配管等からなるアッパブーム側金属配管部26,34,53を用いる構成とし、前記第2の実施の形態では、可撓性のホース配管等からなるアッパブーム側ホース配管部43を用いる構成としたが、本発明はこれに限らず、アッパブーム側配管部の長さ方向両側を可撓性のホース配管によって形成し、このホース配管を回転継手に連結すると共に、アッパブーム側配管部の長さ方向途中部位を金属配管によって形成する構成としてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、ロアブーム側配管部とアッパブーム側配管部との間には第1の回転継手を設け、アームステー側配管部とアッパブーム側配管部との間には第2の回転継手を設ける構成としたので、アッパブームがオフセットするときには、アッパブーム側配管部が第1,第2の回転継手を介してロアブーム側配管部とアームステー側配管部の間で左,右方向に回動することができ、これらの回転継手は、アッパブーム側配管部と協働してロアブーム側配管部に対するアームステー側配管部の変位を吸収できると共に、これらの配管部を接続した状態に保持することができる。従って、例えば金属配管等によってアッパブーム側配管部を形成でき、従来技術のように油圧配管に弛み部分を形成する必要がなくなり、配管を取付けるクランプ等の部品点数を削減できると共に、その取付作業を効率よく行うことができる。
【0083】また、請求項2の発明によれば、第1の回転継手はアッパブーム連結ピンを基準とした位置に配設し、第2の回転継手はアームステー連結ピンを基準とした位置に配設し、アッパブーム側配管部は第1,第2の回転継手によって両端側を支持する構成としたので、アッパブーム側配管部は、第1,第2の回転継手によりアッパブームから離れた状態でアッパブームとアームステーの回動動作に追従して回動することができ、アッパブームに設ける配管用のクランプ等を省略して部品点数を削減することができる。
【0084】また、請求項3の発明によれば、第1の回転継手はアッパブーム連結ピンの中心を通ってロアブームの長さ方向と直交する第1の直線上に並んだ状態で配置し、第2の回転継手はアームステー連結ピンの中心を通って第1の直線と平行に延びる第2の直線上に並んだ状態で配置する構成としたので、アッパブーム側配管部とアッパブームとの間に平行リンク機構を構成でき、アッパブームが回動するときには、第1,第2の回転継手間の間隔をほぼ一定に保持できると共に、これらの間に例えば金属配管等を接続することができる。
【0085】さらに、請求項4の発明によれば、アッパブーム側配管部を金属配管または可撓性のホース配管によって構成したので、例えばアッパブーム側配管部として金属配管を用いることにより、油圧配管に弛み部分を形成する必要がなくなり、油圧配管をコンパクトに配置できると共に、クランプ等の部品点数を削減することができる。また、可撓性のホース配管を用いる場合には、ロアブーム側配管部とアームステー側配管部との間にアッパブーム側配管部を取付けるときに、これらの配管部や回転継手の取付位置の誤差等をホース配管の伸縮によって吸収でき、配管の取付作業を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
【出願日】 平成12年5月17日(2000.5.17)
【代理人】 【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
【公開番号】 特開2001−323494(P2001−323494A)
【公開日】 平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願番号】 特願2000−144740(P2000−144740)