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【発明の名称】 建設機械のトラックフレーム
【発明者】 【氏名】栃木 健一

【氏名】柳橋 憲三

【要約】 【課題】不整地の走行時等においてトラックフレームの底面が岩石等の衝突によって損傷するのを抑える。

【解決手段】トラックフレーム23を構成するセンタフレーム24の底板24Bに2枚の保護板28を着脱可能に取付け、これらの保護板28によって底板24Bを下側から覆う構成とする。これにより、例えば砕石現場等の走行時に、センタフレーム24の底板24Bに岩石等が直接衝突するのを保護板28によって抑えることができ、トラックフレーム23の寿命を延ばすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 センタフレームと、該センタフレームの左,右両側に設けられ前,後方向に伸長した左,右のサイドフレームとからなる建設機械のトラックフレームにおいて、前記センタフレームには前記各サイドフレーム間に位置して該センタフレームの底面を覆う保護板を着脱可能に取付ける構成としたことを特徴とする建設機械のトラックフレーム。
【請求項2】 前記保護板は個別に着脱される複数枚の保護板を組合せることにより構成してなる請求項1に記載の建設機械のトラックフレーム。
【請求項3】 前記保護板は、前記センタフレームの底面を覆う平板部と、該平板部に設けられ前記センタフレームに係合することにより平板部をセンタフレームに仮止めする係合部とにより構成してなる請求項1または2に記載の建設機械のトラックフレーム。
【請求項4】 前記保護板にはこの保護板をセンタフレームの底面に取付けるボルトが挿通されるボルト挿通孔を設け、該ボルト挿通孔には前記ボルトの頭部を収容するボルト頭収容穴を設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械のトラックフレーム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル、油圧クレーン等の下部走行体を構成する建設機械のトラックフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、土砂等の掘削作業に用いられる油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体を備え、泥濘地、砕石現場等の不整地を安定して走行することができる構成となっている。
【0003】そこで、この種の従来技術による油圧ショベルについて図7ないし図10を参照しつつ説明する。
【0004】図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回輪3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、該上部旋回体4の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置5とにより大略構成されている。
【0005】6は下部走行体2を構成するトラックフレームで、該トラックフレーム6は、図9および図10に示すように、中央部に位置する後述のセンタフレーム7と、該センタフレーム7の左,右両側に位置する左,右のサイドフレーム8,8とにより大略構成されている。
【0006】7はトラックフレーム6の中央部を構成するセンタフレームで、該センタフレーム7は、厚肉の鋼板等によりほぼH型状に形成され上,下方向で対向した上板7A、底板7Bと、上板7Aと底板7Bとの間の中央部に溶接等によって固着された円筒状の筒板7Cと、上板7Aと底板7Bとの間に溶接等によって固着され、筒板7Cの外周の前,後にそれぞれ位置する4枚の縦板7D,7D,…と、筒板7Cの外周の左,右にそれぞれ位置する他の4枚の縦板7E,7E,…とからなる製缶構造体として構成されている。
【0007】そして、上板7Aの中央部上面には、旋回輪3を取付けるための丸胴7Fが溶接等によって固着され、上板7Aおよび底板7Bの中央部には、筒板7Cよりも小径の円形孔7G,7Hがそれぞれ形成されている。
【0008】8,8はセンタフレーム7の左,右両側に設けられ前,後方向に伸長した左,右のサイドフレームで、該各サイドフレーム8は、ほぼコ字状の断面形状を有する枠体として形成され、センタフレーム7の左,右端部に溶接等によって固着されている。
【0009】ここで、各サイドフレーム8の一端側には駆動輪用ブラケット9が溶接等によって固着され、該各駆動輪用ブラケット9には駆動輪10が設けられている。一方、各サイドフレーム8の他端側には遊動輪用ブラケット11が溶接等によって固着され、該各遊動輪用ブラケット11には遊動輪12が回転可能に設けられている。
【0010】そして、左,右のサイドフレーム8に設けられた駆動輪10と遊動輪12とにはそれぞれ履帯13が巻回して設けられ、駆動輪10によって履帯13を駆動することにより、油圧ショベル1は泥濘地、砕石現場等の不整地を安定して走行することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来技術では、油圧ショベル1が平坦な地面を走行する場合に、トラックフレーム6を構成するセンタフレーム7の底板7Bが、地面から比較的大きく離間するため、該底板7Bが地面上の岩石G等に衝突して損傷を受けることは少ない。
【0012】しかし、油圧ショベル1が砕石現場等の凹凸の激しい不整地を走行する場合には、例えば図8に示すように、凸状に堆積した岩石G等がセンタフレーム7の底板7B底面等に衝突することにより、該底板7Bが損傷を受けることが多く、この底板7Bの損傷によってトラックフレーム6の寿命が低下してしまうという問題がある。
【0013】また、センタフレーム7の底板7Bが損傷した場合には、この損傷箇所を速やかに修理する必要があるが、センタフレーム7は製缶構造体であるため、また、底板7Bと地面との間で修理作業を行うときの作業スペースが狭いため、損傷した底板7Bの修理を容易に行うことができないという問題がある。
【0014】なお、上述の問題に対してセンタフレーム7の底板7Bの板厚を大きくしたり、底板7Bの底面に厚肉の板材を溶接する等の対策が考えられるが、底板7B全体の板厚を大きくした場合には油圧ショベル1の重量が必要以上に大きくなってしまい、また、底板7Bの底面に板材を溶接した場合には、この溶接作業が煩雑であるという不具合がある。
【0015】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、センタフレームの底部が岩石等の衝突によって損傷するのを抑え、寿命を延ばすことができるようにした建設機械のトラックフレームを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明は、センタフレームと、該センタフレームの左,右両側に設けられ前,後方向に伸長した左,右のサイドフレームとからなる建設機械のトラックフレームに適用される。
【0017】そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記センタフレームには前記各サイドフレーム間に位置して該センタフレームの底面を覆う保護板を着脱可能に取付けたことにある。
【0018】このように構成したことにより、センタフレームの底面が保護板によって保護されるので、例えば建設機械が砕石現場等の凹凸の激しい不整地を走行したときに、岩石等がセンタフレームの底面に直接衝突するのを抑え、該センタフレームの損傷を抑えることができる。また、保護板はセンタフレームに着脱可能に取付けられているので、岩石等の衝突によって保護板が損傷したとしても、この損傷した保護板をセンタフレームから取外して修理、交換することができる。
【0019】請求項2の発明は、保護板は個別に着脱される複数枚の保護板を組合せることにより構成したことにある。
【0020】このように構成したことにより、複数枚の保護板のうち損傷を受けた保護板のみをセンタフレームから取外して修理することができるので、この修理作業を容易に行うことができる。
【0021】請求項3の発明は、保護板は、前記センタフレームの底面を覆う平板部と、該平板部に設けられ前記センタフレームに係合することにより平板部をセンタフレームに仮止めする係合部とにより構成したことにある。
【0022】このように構成したことにより、保護板の係合部をセンタフレームに係合させて平板部をセンタフレームに仮止めすることができるので、重量物である保護板の取付作業を容易に行うことができる。
【0023】請求項4の発明は、保護板にはこの保護板をセンタフレームの底面に取付けるボルトが挿通されるボルト挿通孔を設け、該ボルト挿通孔には前記ボルトの頭部を収容するボルト頭収容穴を設ける構成としたことにある。
【0024】このように構成したことにより、保護板をセンタフレームの底面に取付けるボルトの頭部が、保護板から地面側へと突出するのを抑えることができ、ボルトの頭部に岩石等が衝突して該ボルトが破損するのを抑えることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建設機械のトラックフレームの実施の形態について油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図6を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形態では、上述した従来技術と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0026】図中、21は油圧ショベルで、該油圧ショベル21は、クローラ式の下部走行体22と、該下部走行体22上に旋回輪3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、該上部旋回体4の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置5とにより大略構成されている。
【0027】23は下部走行体22を構成するトラックフレームで、該トラックフレーム23は、従来技術によるトラックフレーム6に代えて本実施の形態に適用したもので、従来技術によるトラックフレーム6とほぼ同様に、後述のセンタフレーム24と、左,右のサイドフレーム8とにより構成されている。しかし、本実施の形態によるトラックフレーム23は、センタフレーム24の底部に後述の保護板28,28を取付けた点で従来技術によるものとは異なっている。
【0028】24はトラックフレーム23の中央部を構成するセンタフレームで、該センタフレーム24は、図2ないし図4に示すように、厚肉の鋼板等によりほぼH型状に形成され上,下方向で対向した上板24A、底板24Bと、上板24Aと底板24Bとの間の中央部に溶接等によって固着された円筒状の筒板24Cと、上板24Aと底板24Bとの間に溶接等によって固着され、筒板24Cの外周の前,後にそれぞれ位置する4枚の縦板24D,24D,…と、筒板24Cの外周の左,右にそれぞれ位置する他の4枚の縦板24E,24E,…とからなる製缶構造体として構成されている。
【0029】そして、上板24Aの中央部上面には、旋回輪3を取付けるための丸胴24Fが溶接等によって固着されている。また、上板24Aおよび底板24Bの中央部には、筒板24Cよりも小径の円形孔24G,24Hがそれぞれ形成されている。
【0030】25,25,…は底板24Bの前,後位置に設けられた4個のボルト挿通孔で、これら各ボルト挿通孔25は、図3に示すように、底板24Bのうち円形孔24Hの前側に位置する前端縁部24B1 の近傍位置、円形孔24Hの後側に位置する後端縁部24B2 の近傍位置にそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0031】26,26,…は底板24Bの左,右位置に設けられた4個のボルト挿通孔で、これら各ボルト挿通孔26は、底板24Bのうち円形孔24Hの左側に位置する左端縁部24B3 の近傍位置、円形孔24Hの右側に位置する右端縁部24B4 の近傍位置にそれぞれ2個ずつ穿設されている。
【0032】27,27,…は底板24Bの上面側に設けられた4個のナットで、これら各ナット27は、底板24Bの左,右位置に穿設された各ボルト挿通孔26と同心となる位置に溶接等によって固着されている。
【0033】28,28はセンタフレーム24の底板24Bに前,後方向から個別に着脱可能に取付けられた2枚の板体からなる保護板で、これら各保護板28は、互いに前,後方向から衝合することにより、センタフレーム24の底面を下側から覆うものである。
【0034】そして、各保護板28は、例えばセンタフレーム24の底板24Bよりも厚肉の鋼板によって形成され、底板24Bの底面を覆うほぼ長方形状の平板部28Aと、平板部28Aの反衝合部側をL型に折曲げることにより該平板部28Aと一体に形成された係合板部28Bとからなっている。そして、前側に位置する保護板28の係合板部28Bは、底板24Bの前端縁部24B1 に係合する。また、後側に位置する保護板28の係合板部28Bは、底板24Bの後端縁部24B2に係合する。
【0035】ここで、平板部28Aは、その前,後方向の寸法が底板24Bの前,後の端縁部24B1 ,24B2 間の間隔のほぼ1/2となり、左,右方向の寸法が底板24Bの左,右の端縁部24B3 ,24B4 間の間隔よりも僅かに小さく形成されている。一方、係合板部28Bは、平板部28Aの反衝合部側をL型に折曲げることにより該平板部28Aと対面し、平板部28Aと係合板部28Bとの上,下方向の間隔は底板24Bの板厚よりも僅かに大きく設定されている。
【0036】29,29は保護板28の平板部28Aのうち衝合部側の左,右の角隅部に穿設された2個のボルト挿通孔で、該各ボルト挿通孔29は、底板24Bに穿設された各ボルト挿通孔26と対応する位置に設けられ、後述のボルト32が挿通されるものである。また、ボルト挿通孔29には、該ボルト挿通孔29と同心となるように保護板28の平板部28A底面側にボルト頭収容穴29Aが設けられ、該ボルト頭収容穴29Aは、ボルト挿通孔29よりも大きな穴径をもった有底穴として形成されている。そして、ボルト頭収容穴29Aは、ボルト32の頭部32Aを収容することにより、当該頭部32Aが平板部28Aの底面から突出するのを抑えるものである。
【0037】30,30は保護板28の平板部28Aのうち反衝合部側の中央部に穿設された2個のボルト挿通孔で、該各ボルト挿通孔30は、底板24Bに穿設された各ボルト挿通孔25と対応する位置に設けられ、後述のボルト33が挿通されるものである。また、ボルト挿通孔30には、該ボルト挿通孔30と同心となるように保護板28の平板部28A底面側にボルト頭収容穴30Aが設けられ、該ボルト頭収容穴30Aは、ボルト挿通孔30よりも大きな穴径をもった有底穴として形成されている。そして、ボルト頭収容穴30Aは、ボルト33の頭部33Aを収容することにより、当該頭部33Aが平板部28Aの底面から突出するのを抑えるものである。
【0038】31,31は保護板28の係合板部28Bに穿設された2個のボルト挿通孔で、該各ボルト挿通孔31は、図4に示すように、平板部28Aの反衝合部側に穿設された各ボルト挿通孔30と同心となる位置に設けられ、ボルト33が挿通されるものである。
【0039】32,32は保護板28をセンタフレーム24の底板24Bに着脱可能に取付ける2本のボルトで、該各ボルト32は、平板部28Aのボルト挿通孔29、底板24Bのボルト挿通孔26を通じて底板24Bの上面に固着したナット27に螺着されている。このとき、ボルト32の頭部32Aは、ボルト挿通孔29と同心状に形成されたボルト頭収容穴29A内に収容されている。
【0040】33,33は上述の各ボルト32と共に保護板28をセンタフレーム24の底板24Bに着脱可能に取付ける2本のボルトで、該各ボルト33は、平板部28Aのボルト挿通孔30、底板24Bのボルト挿通孔25、係合板部28Bのボルト挿通孔31に挿通されて係合板部28Bの上面側に突出し、この係合板部28Bの上面側でナット34に螺着されている。このとき、ボルト33の頭部33Aは、ボルト挿通孔30と同心状に形成されたボルト頭収容穴30A内に収容されている。
【0041】本実施の形態によるトラックフレーム23は上述の如き構成を有するもので、次に、センタフレーム24の底板24Bに前,後の保護板28を取付けるときの作業手順について述べる。
【0042】まず、図3に示すように、前側の保護板28を後方へとスライドさせると共に後側の保護板28を前方へとスライドさせ、各保護板28の衝合部をセンタフレーム24の底板24B中央部で衝合させる。
【0043】このとき、前側の保護板28の係合板部28Bが、底板24Bの前端縁部24B1 に係合し、後側の保護板28の係合板部28Bが、底板24Bの後端縁部24B2 に係合する。これにより、重量物である保護板28を底板24Bに仮止めすることができ、かつ、保護板28の平板部28Aに設けた各ボルト挿通孔29,30を、底板24Bに設けた各ボルト挿通孔26,25に対して位置決めすることができる。
【0044】この状態で、ボルト32を、平板部28Aのボルト挿通孔29、底板24Bのボルト挿通孔26に挿通した後、底板24Bの上面に固着したナット27に螺着すると共に、ボルト33を、平板部28Aのボルト挿通孔30、底板24Bのボルト挿通孔25、係合板部28Bのボルト挿通孔31に挿通した後、係合板部28Bの上面側でナット34に螺着する。
【0045】このようにして、前側の保護板28は、係合板部28Bが底板24Bの前端縁部24B1 に係合した状態で各ボルト32,33を用いて底板24Bに締結され、後側の保護板28は、係合板部28Bが底板24Bの後端縁部24B2 に係合した状態で各ボルト32,33を用いて底板24Bに締結されている。これにより、2枚の保護板28は、円形孔24Hを閉塞する状態で底板24Bに着脱可能に取付けられ、底板24Bの底面を下側から覆うことにより、砕石現場等の走行時に岩石等が底板24Bに直接衝突するのを防止している。
【0046】かくして、本実施の形態では、トラックフレーム23を構成するセンタフレーム24の底板24Bを、2枚の保護板28によって下側から覆う構成としたので、例えば砕石現場等において、油圧ショベル21が走行する地面上に岩石G等が凸状に堆積していたとしても、これら岩石G等がセンタフレーム24の底板24Bに直接衝突するのを保護板28によって確実に防止することができる。
【0047】このため、センタフレーム24の底板24Bが損傷するのを抑え、該センタフレーム24の強度を高めることにより、トラックフレーム23の寿命を延ばすことができる。また、センタフレーム24の底板24Bに形成された円形孔24Hを各保護板28によって閉塞することができるので、円形孔24Hを通じてセンタフレーム24内に岩石G等が飛込むのを抑え、センタフレーム24内に配設されたセンタジョイント、油圧配管(いずれも図示せず)等を保護することができ、油圧ショベル21の信頼性を向上することができる。
【0048】しかも、保護板28は、ボルト32,33を用いてセンタフレーム24の底板24Bに着脱可能に取付けられているので、保護板28が岩石G等の衝突によって損傷したとしても、ボルト32,33による締結状態を解除して保護板28をセンタフレーム24から取外すことにより、損傷した保護板28の修理、交換作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0049】このため、センタフレーム24の底板24Bを、損傷箇所がなく充分な強度をもった保護板28によって常時覆っておくことができ、トラックフレーム23の寿命を一層延ばすことができる。
【0050】また、センタフレーム24の底板24Bを2枚の保護板28によって覆う構成としたので、各保護板28のうち損傷を受けた保護板28のみをセンタフレーム24から取外すことができ、この損傷した保護板28に対する修理、交換作業を一層容易に行うことができる。
【0051】また、本実施の形態では、保護板28を構成する平板部28Aの底面側に、ボルト挿通孔29と同心状のボルト頭収容穴29A、ボルト挿通孔30と同心状のボルト頭収容穴30Aを設け、保護板28をセンタフレーム24に締結するボルト32の頭部32Aをボルト頭収容穴29A内に収容し、ボルト33の頭部33Aをボルト頭収容穴30A内に収容する構成としている。
【0052】このため、ボルト32,33の頭部32A,33Aに岩石等が衝突するのを抑えることができ、これらボルト32,33の折損によって保護板28がセンタフレーム24から脱落したり、ボルト32,33の頭部32A,33Aが変形してスパナ等の工具が使用できなくなる等の不具合を防止することができる。
【0053】さらに、本実施の形態では、保護板28を、センタフレーム24の底板24Bを下側から覆う平板部28Aと、該平板部28Aに一体に設けられ底板24Bの前,後の端縁部24B1 ,24B2 のうち一方に係合する係合板部28Bとにより構成している。
【0054】このため、センタフレーム24の底板24Bに保護板28を取付けるときに、保護板28の係合板部28Bを底板24Bの前,後の端縁部24B1 ,24B2のうち一方に係合させることにより、重量物である保護板28を底板24Bに仮止めすることができ、また、平板部28Aに設けた各ボルト挿通孔29,30を、底板24Bに設けた各ボルト挿通孔26,25に対して位置決めすることができる。これにより、ボルト32,33を用いて底板24Bに保護板28を締結する作業を安全かつ容易に行うことができる。
【0055】なお、上述した実施の形態では、センタフレーム24の底板24Bを2枚の保護板28によって覆う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば1枚の保護板、あるいは3枚以上の保護板によってセンタフレーム24の底板24Bを覆う構成としてもよい。
【0056】この場合、例えば図6に示す変形例のように、個別に着脱される前,後、左,右の4枚の保護板28′,28′,…によってセンタフレーム24の底板24Bを覆う構成としてもよい。そして、これら各保護板28′は、上述の保護板28と同様に平板部28A′と係合板部28B′とにより構成し、平板部28A′にはボルト挿通孔29′,30′、ボルト頭収容穴29A′,30A′をそれぞれ1個ずつ設け、係合板部28B′にはボルト挿通穴30′と同心となる位置に1個のボルト挿通穴(図示せず)を設ける。
【0057】このように、4枚の保護板28′を用いてセンタフレーム24の底板24Bを覆う構成とした場合には、各保護板28′のうち損傷した保護板28′のみを修理、交換するときの作業性を一層向上することができる。
【0058】また、上述した実施の形態では、油圧ショベル21の下部走行体22を構成するトラックフレーム23に適用した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン等の他の建設機械のトラクフレームにも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明によれば、センタフレームに、その底面を覆う保護板を着脱可能に取付ける構成としたので、例えば建設機械が砕石現場等の凹凸の激しい不整地を走行したときに、凸状に堆積した岩石等がセンタフレームの底面に直接衝突するのを防止し、該センタフレームの損傷を抑えることができる。このため、トラックフレームの寿命を延ばすことができ、建設機械の信頼性を向上することができる。
【0060】また、保護板はセンタフレームに着脱可能に取付けられているので、岩石等の衝突によって保護板が損傷したとしても、損傷した保護板をセンタフレームから取外して修理、交換することができ、この保護板の修理、交換作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0061】また、請求項2の発明によれば、保護板を個別に着脱される複数枚の保護板を組合せることにより構成したので、複数枚の保護板のうち損傷を受けた保護板のみをセンタフレームから取外すことができ、この損傷した保護板に対する修理、交換作業を一層容易に行うことができる。
【0062】また、請求項3の発明によれば、保護板を、センタフレームの底面を覆う平板部と、該平板部に設けられ前記センタフレームに係合することにより平板部をセンタフレームに仮止めする係合部とにより構成したので、係合部をセンタフレームに係合させることにより、平板部をセンタフレームに仮止めすることができ、重量物である保護板をセンタフレームに取付ける作業を安全かつ容易に行うことができる。
【0063】さらに、請求項4の発明によれば、保護板にこれをセンタフレームの底面に取付けるボルトが挿通されるボルト挿通孔を設け、該ボルト挿通孔にはボルトの頭部を収容するボルト頭収容穴を設ける構成としたので、保護板をセンタフレームの底面に取付けるボルトの頭部が、保護板から地面側へと突出するのを抑えることができる。このため、ボルトの頭部に岩石等が衝突するのを防止でき、ボルトの折損によって保護板がセンタフレームから脱落したり、ボルトの頭部が変形してスパナ等の工具が使用できなくなる等の不具合を抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
【出願日】 平成12年3月27日(2000.3.27)
【代理人】 【識別番号】100079441
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 和彦
【公開番号】 特開2001−271379(P2001−271379A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−86269(P2000−86269)