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【発明の名称】 旋回作業機
【発明者】 【氏名】中田 裕雄

【氏名】松井 聖司

【氏名】山下 裕次

【氏名】市川 俊紀

【要約】 【課題】作動油タンク24からの発熱の影響をなるべく受けないようにバルブユニット25を作動油タンク24と同じ平面位置に配置することより、バルブユニット25の耐久性を低下させることなく旋回台7をコンパクト化できるようにする。

【解決手段】走行装置1上に旋回台7が上下方向の軸心回りに回動自在に設けられ、油圧ポンプ23が連結されたエンジン21が旋回台7の後部に横向きに配置され、油圧ポンプ23に作動油を供給する作動油タンク24と、同油圧ポンプ23からの作動油を各種油圧作業機器に分配する多数のコントロールバルブを並列に接続してなるバルブユニット25とが当該旋回台7に搭載されている旋回作業機において、バルブユニット25を作動油タンク24の下方に設けた収納空間32内に横向きに収納する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置(2)上に旋回台(7)が上下方向の軸心回りに回動自在に設けられ、油圧ポンプ(23)が連結されたエンジン(21)が前記旋回台(7)の後部に横向きに配置され、前記油圧ポンプ(23)に作動油を供給する作動油タンク(24)と、同油圧ポンプ(23)からの作動油を各種油圧作業機器に分配する多数のコントロールバルブを並列に接続してなるバルブユニット(25)とが当該旋回台(7)に搭載されている旋回作業機において、前記バルブユニット(25)が前記作動油タンク(24)の下方に設けた収納空間(32)内に横向きに収納されていることを特徴とする旋回作業機。
【請求項2】 バルブユニット(25)は、作動油タンク(24)の各側面からはみ出ないように同タンク(24)の下方に設けた収納空間(32)内に配置されている請求項1に記載の旋回作業機。
【請求項3】 走行装置(2)を操作するための走行系レバー(33)がリンク機構(34)を介してバルブユニット(25)の一部を構成するコントロールバルブに連動連結されている請求項1又は2に記載の旋回作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばバックホー等の旋回作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の旋回作業機では、一般に、走行装置上に旋回台が上下方向の軸心回りに回動自在に設けられ、かかる旋回台に、左右方向一端側に油圧ポンプが連結されたエンジンと、油圧ポンプに作動油を供給する作動油タンクと、油圧ポンプからの作動油を各種油圧作業機器に分配する多数のコントロールバルブを並列に接続してなるバルブユニットとがそれぞれ搭載されている。一方、旋回台の後側面が走行装置の車幅からはみ出ない小旋回の旋回作業機では、旋回台の後側面を車幅を直径とする円内に収める必要があり、従って、旋回台の後部にはエンジン及びこれに直列に配置すべきラジエータや油圧ポンプを配置するのが精一杯であるため、燃料タンク及び作動油タンク等のタンク類やバルブユニットといったエンジン以外の比較的大型の機材を限られた旋回台の平面範囲内にできるだけ効率的に配置する必要がある。
【0003】また、油圧ポンプ、作動油タンク及びバルブユニット等の油圧駆動に必要な主要機材(以下、油圧関係機材という。)を旋回台における離れた各部に分配して配置すると、同油圧関係機材を集中的に保守点検する場合にボンネットの種々の箇所を開閉せねばならず、その保守点検作業が煩雑になる。そこで、従来の小旋回の旋回作業機として、エンジンに直結された油圧ポンプの前方に作動油タンクを縦向きに配置し、この作動油タンクの前側面にバルブユニットを縦向きに取り付けたものがある(特開平11−81377号公報参照)。そして、この場合、縦向きのバルブユニットを作動油タンクの前側面に取り付けているため旋回台が大型化することがなく、油圧関係機材を旋回台の左右方向一端側に集中的に配置できるため集中的な保守点検作業が容易になるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の旋回作業機のように、縦向きのバルブユニットを作動油タンクの前側面に取り付けた場合、バルブユニットを構成する電磁弁等よりなるコントロールバルブが比較的高温になりやすい作動油タンクからの発熱によって早期に故障する恐れがあるという欠点がある。一方、かかる不都合を解消するには、バルブユニットを旋回台内における作動油タンクとは遠く離れた部分に設置すればよいが、前記したように、小旋回の旋回作業機の場合には旋回台をできるだけ小型化する必要があるため、いずれも比較的大型の機材であるバルブユニットと作動油タンクとを旋回台内の異なる場所に別々に配置することは、旋回台内における各機材の効率的なレイアウトの観点からすると余り好ましくない。
【0005】本発明は、このような実情に鑑み、作動油タンクからの発熱の影響をなるべく受けないようにバルブユニットを作動油タンクと同じ平面位置に配置することより、バルブユニットの耐久性を低下させることなく旋回台をコンパクト化できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明は、走行装置上に旋回台が上下方向の軸心回りに回動自在に設けられ、油圧ポンプが連結されたエンジンが前記旋回台の後部に横向きに配置され、前記油圧ポンプに作動油を供給する作動油タンクと、同油圧ポンプからの作動油を各種油圧作業機器に分配する多数のコントロールバルブを並列に接続してなるバルブユニットとが当該旋回台に搭載されている旋回作業機において、前記バルブユニットが前記前記作動油タンクの下方に設けた収納空間内に横向きに収納されているものである。
【0007】この場合、バルブユニットが作動油タンクの下方に設けた収納空間内に収納されているので、同ユニットを作動油タンクと同じ平面位置に配置できて旋回台をコンパクト化できるとともに、作動油タンクの下方にバルブユニットを配置しているので、作動油タンクからの発熱がバルブユニット側に伝達されることが少なく、同ユニットの昇温を可及的に防止できる。上記の本発明において、旋回台の平面形状をよりコンパクト化するには、バルブユニットを、作動油タンクの各側面からはみ出ないように同タンクの下方に設けた収納空間内に配置することが好ましい。
【0008】また、本発明では、バルブユニットを横向きに配置していることから、走行装置を操作するための走行系レバーをリンク機構を介してバルブユニットの一部を構成するコントロールバルブに連動連結させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図面は旋回作業機として例示する小旋回バックホー1を示しており、図3において、このバックホー1は走行装置2と旋回体3と掘削装置4とから主構成されている。なお、以下、バックホー1の走行方向(図3の左右方向)を前後方向といい、この前後方向に直交する横方向(図3の紙面貫通方向)を左右方向という。
【0010】図3に示すように、走行装置2は、ゴム製履帯を有する左右一対のクローラ走行体5を備え、これらの走行体5を走行モータMで駆動するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。この走行装置2の前部にはドーザ6が設けられている。旋回体3は、走行装置2の左右クローラ走行体5間の中央部に設けた軸受体8に上下方向の旋回軸心回りに回動自在に支持された旋回台7と、この旋回台7に搭載された各種機器を覆うボンネット20と、このボンネット20上に設けた座席41やその前の操縦部を上から覆うキャノピ42とを備えている。
【0011】旋回台7は、前部および中途部が板材からなる枠材を組み合わせて構成されたフレームをカバー部材で覆うことで構成され、この旋回台7の後部は、前記フレームに固定されかつ旋回台7の前部の掘削装置4等との重量バランスを図るカウンタウェイト9によって構成されている。また、この旋回台7は、当該旋回台7のフレームに支持された旋回モータ10(図2参照)によって旋回軸心X回りに回動されるようになっている。このバックホー1はいわゆる後方小旋回タイプのもので、旋回体3の後側面が走行装置2の車幅からはみ出ないように円弧状に形成されている。すなわち、旋回体3が旋回したとき、この旋回体3の後面が描く旋回軌跡が左右クローラ走行体5の左右幅内に収まるようになっている。
【0012】図2に示すように、旋回体3の左右側面は、旋回体3が前方を向いた状態で前後方向に沿う平面に形成されていて、この左右側面間同士の間隔は旋回体3後面が描く旋回軌跡円の直径より幅狭に形成されている。更に、同状態において、旋回体3の前面は、左右方向に沿う平面に形成されている。図1及び図3に示すように、旋回台7の前面右側には、掘削装置4を支持する上下一対の支持部材11が突出されている。この支持部材11には支軸を介してスイングブラケット12が上下軸回りに左右揺動自在に枢着され、このスイングブラケット12は旋回台7の内部に設けたスイングシリンダ13(図1及び図2参照)によって揺動される。
【0013】前記掘削装置4は、基部がスイングブラケット12に左右軸回りに揺動自在に枢着されたブーム14と、このブーム14の先端側に左右軸回りに揺動自在に枢着されたアーム15と、アーム15の先端側にスクイ・ダンプ自在に取付けられたバケット16とを備えてなる。ブーム14は、スイングブラケット12とブーム14の中途部との間に設けたブームシリンダ17によって揺動され、アーム15は、ブーム14の中途部とアーム15の基部との間に設けたアームシリンダ18によって揺動され、バケット16は、アーム15の基部とバケット16の取付リンクとの間に設けたバケットシリンダ19によってスクイ・ダンプされる。
【0014】旋回台7の後部上面および右側上面は開放状とされ、これらの開放部分は旋回台7の上面から上方に突出した丸みを帯びたボンネット20で覆われている。図1及び図2に示すように、このボンネット20の内部には、エンジン21と、各種油圧機器を駆動するための油圧ポンプ23、作動油タンク24及び多数のコントロールバルブを並設してなるバルブユニット25よりなる油圧関係機材とラジエータ26等が収納され、これらは旋回台7に搭載されている。また、旋回台7の左側上面はフロアシートで覆われており、このフロアシートの下方部分にエンジン21用の燃料タンク22と、バッテリー27が収納されている。
【0015】図2に示すように、エンジン21はその駆動軸心が左右方向を向くように旋回台7の後部に横向きに配置されている。このエンジン21の左端側に油圧ポンプ23が直結され、同エンジン21の右側上部にラジエータファン28が連結されている。油圧ポンプ23を駆動する下部軸とラジエータファン28を駆動する上部軸は、ファンベルト及びプーリよりなるベルト伝動機構により連動連結されている。なお、旋回台7の旋回中心部にはスイベルジョイント29が設けられ、同ジョイント32の右寄りに前記旋回モータ10が配置され、これらの部材は、バルブユニット25を構成するコントロールバルブにそれぞれ図示しない油圧配管で接続されている。
【0016】ラジエータファン28の右側には、前記ラジエータ26とオイルクーラ30が配置されている。このうち、オイルクーラ30はバルブユニット25からの戻り油を冷却して作動油タンク24に戻すものである。これらの熱交換器に対応するボンネット20の右側面には外気取り入れ口が形成され、かつ、同ボンネット20の右側面には排気口が形成されている。しかして、本実施形態のバックホー1では、外気取り入れ口のすぐ内側にラジエータ26とラジエータファン28を配置した吸い込みタイプを採用している。
【0017】図1及び図2に示すように、作動油タンク24とバルブユニット25は旋回台7の右側でかつラジエータ26の前方に配置されている。このうち、作動油タンク24は、幅方向よりも前後方向が長いほぼ直方体状に形成され、その長手方向が旋回台7の前後方向と一致するように、当該旋回台7の前部右寄りに配置されている。この作動油タンク24は、前後一対の支持ブラケット31によって旋回台7の底部から浮上して配置されており、これによって当該作動油タンク24の下方に前後方向に長い収納空間32が形成されている。
【0018】他方、バルブユニット25は、その長手方向(バルブの並設方向)が前後方向と一致するように配置され、かつ、作動油タンク24の各側面からはみ出ないように、かつ、作動油タンク24の下面から離れた状態で、当該作動油タンク24の下方に設けた収納空間32内に横向き収納されている。このように、本実施形態では、バルブユニット25が作動油タンク24の下方に設けた収納空間32内に収納することにより、同ユニット25を作動油タンク24と同じ平面位置に配置して旋回台7をコンパクト化するとともに、作動油タンク24の下方にバルブユニット25を配置することにより、作動油タンク24からの発熱がバルブユニット25側に伝達され難いようにし、同ユニット25の過昇温を可及的に防止している。
【0019】図3に示すように、操縦部の前部には、左右のクローラ走行体5を独立して制御するための左右一対の走行系レバー33が立設され、図2に示すように、この各走行系レバー33は、リンク機構34を介してバルブユニット25の一部を構成するコントロールバルブに連動連結されている。図1に示すように、旋回台7の後部には、前記エンジン21を左右方向に大きく跨ぐように正面視ほぼ門形に形成された支持フレーム35が立設されており、この支持フレーム35に、前記キャノピ42の支柱が固定されている。
【0020】なお、本実施形態では、作動油タンク24とバルブユニット25を旋回台7の右側に集中的に配置したことから、座席41を旋回台7の左側よりに配置するとともに、燃料タンク22及びバッテリ27を旋回台7の左側に配置している。すなわち、燃料タンク22は旋回台7の左側よりでかつ座席41の下方に比較的広い範囲に横たわった状態で配置されており、ボンネット20の平面範囲から外れるメインタンク部22Aを備えている。このように、燃料タンク22を作動油タンク24とは反対側の広い範囲に配置することにより、同タンク22の容量を大きく確保しつつ、旋回台7の左右方向の重量バランスを有効に確保するようにしている。
【0021】なお、本実施形態では後方小旋回のバックホー1に本発明を採用した場合を例示したが、本発明は、掘削装置4の最上昇時に同装置4が走行装置2の車幅からはみ出ない超小旋回のバックホー1にも採用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、作動油タンクからの発熱の影響をなるべく受けないようにバルブユニットを作動油タンクと同じ平面位置に配置できるので、バルブユニットの耐久性を低下させることなく旋回台をコンパクト化することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月23日(2000.3.23)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2001−271378(P2001−271378A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−82800(P2000−82800)