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【発明の名称】 |
鋼管矢板における継手部の止水方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】落合 東興 |
【課題】止水のために洗浄の必要がなく、パイプ内部に固化材を確実に充填することで、十分な止水性を確保できるようにした。
【解決手段】本発明方法は、鋼管矢板10の本体12両側に設けた継手パイプ14,16のうち、次に建て込む鋼管矢板と連結する継手パイプ14の底面を底蓋18で閉塞し、かつ継手パイプ14の鉛直方向に形成されたスリット14aを閉塞するパイプ20を継手パイプ内に取外し可能に配置し、鋼管矢板10の建て込み後、前記継手部パイプ20内に遅延性固化材36を充填し、しかる後、パイプ20を引抜きつつ、パイプ20の容積分に相当する量の遅延性固化材26を追加充填する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鋼管矢板の本体両側に設けた継手パイプのうち、次に建て込む鋼管矢板と連結する継手部パイプの底面を閉塞し、かつ継手パイプの鉛直方向に形成されたスリットを閉塞する部材を継手パイプ内に取外し可能に配置し、鋼管矢板の建て込み後、前記継手部パイプ内に遅延性固化材を充填し、しかる後、閉塞部材を引抜きつつ、閉塞部材の容積分に相当する量の遅延性固化材を追加充填することを特徴とする鋼管矢板における継手部の止水方法。 【請求項2】 前記閉塞部材が鋼管であることを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板における継手部の止水方法。 【請求項3】 前記閉塞部材の頭部に共上がり防止用金具を取外し可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板における継手部の止水方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管矢板における継手部の止水方法の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】鋼管矢板を用いた止水工法は、鋼管矢板の両側部にその長手方向に沿って一体化された継手部を介して隣接する矢板同士を順次接続しながら打設することで、止水を行う工法である。これに用いられる継手部は図4に示すように、矢板本体1の両側部に平行に溶接され、かつ長手方向に沿って細長状のスリット2aを形成した継手パイプ2からなっており、スリット2aを通じて両継手パイプ2同士が断面鈎形に係合することで矢板間の接続を行う。 【0003】この場合における継手部の止水性を確保するために、従来では矢板の建て込み後、継手パイプ2の内部に詰った土砂を洗浄除去し、次いで係合状態での両継手パイプ2に形成される隙間a,b,cのうち大きな隙間の部分を選んで不織布などで作られた細長状の袋を隙間内に挿入し、次いで、袋内にモルタルを充填することで、袋をパイプ内部に密着させることで止水を行っていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この止水方法は、充填作業の前に内部洗浄を行うため、作業が面倒である。また、矢板の鉛直精度により、継手部分の間隔が確保できない場合に、継手部内の洗浄が不可能となったり、深い位置でのエアーリフトの効率低下により、洗浄が十分に出来なかったり、あるいは袋の挿入深度が制限されることにより、モルタル充填が十分になされなかった。例えば、図示の場合には、目視外観上、aの隙間が一番大きいと仮定しても、下方は次第に狭くなることもあるため、以上の不具合が生ずる可能性が高い。従って、このような場合に備えて、矢板背面の地盤中に薬液を注入することで止水性を確保することが必須であり、この種の補助工法の付加により工費のコストアップを招来するという課題があった。 【0005】本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、止水のために洗浄の必要がなく、しかも、パイプ内部に固化材を確実に充填することで、十分な止水性を確保できるようにした鋼管矢板における継手部の止水方法を提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明方法は、鋼管矢板の本体両側に設けた継手パイプのうち、次に建て込む鋼管矢板と連結する継手パイプの底面を閉塞し、かつ継手パイプの鉛直方向に形成されたスリットを閉塞する部材を継手パイプ内に取外し可能に配置し、鋼管矢板の建て込み後、前記継手部パイプ内に遅延性固化材を充填し、しかる後、閉塞部材を引抜きつつ、閉塞部材の容積分に相当する量の遅延性固化材を追加充填することを特徴とする。従って、本発明方法では、打設後の止水性確保のための作業としては遅延性固化材の充填作業と閉塞部材の引抜き作業のみにより、固化材が継手内部に確実に充填される。また次の鋼管矢板を継ぐ時には、固化材は固化していない状態であるため充填処置を施した継手パイプ内に鈎形に貫入させながら継ぐことが出来、最終的には固化材が固化することで、継手部分の止水性が確保される。 【0007】この発明においては、閉塞部材が鋼管であることが簡易で好ましい。また、前記閉塞部材の頭部に共上がり防止用金具を取外し可能に設けることにより、矢板打設時の貫入圧力により閉塞部材が取付位置からはずれることを確実に防止できる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1,2は本発明方法が適用される鋼管矢板10を示している。この矢板10は、前記と同様に矢板本体12と、本体12の両側にその長手方向に沿って溶接などにより一体化された左右の継手パイプ14,16とからなっている。 【0009】このうち一方の継手パイプ14は、次に建て込む鋼管矢板と連結するもの、他方の継手パイプ16は、前に建て込んだ鋼管矢板と連結するもので、各スリット14a,16aは、本体12を中心としてその対角線位置に形成されている。 【0010】そして、一方の継手パイプ14の底部開口は底蓋18の溶接によって閉塞されている。これに対し他方の継手パイプ16の先端は、底蓋18の厚みd分だけ短く形成されている。 【0011】また、一方の継手パイプ14の内部には閉塞部材としての小径パイプ20が挿通され、スリット14aの開口位置に仮止用の溶接22によって固定され、これによってスリット14aを閉塞している。仮止溶接22の位置は、長さ方向に沿って適宜間隔となっており、本体12の地中貫入時の圧力に対しては十分な固定力を持っているが、クレーンなど重機による外部からの引抜き力によって簡単に破断されることで、小径パイプ20の抜取りを可能ととしている。 【0012】これに加え、例えば、継手パイプ14の上部及び小径パイプ20の上部にはピン挿通孔14b,20aが貫通し、この挿通孔14b,20aに共上がり防止用のストッパピン24を挿通することで、小径パイプ20を建て込み圧力に抗してスリット位置に確実に固定し、前記各溶接22の位置に破断応力が直接かからないようにしている。 【0013】次に以上の構成の鋼管矢板10の止水方法について説明する。 【0014】先ず、通常の鋼管矢板の建て込み方法と同様に地中に建て込んだ状態では、一方の継手パイプ14のスリット14aは、小径パイプ20によって閉塞された状態であるから、止水性はほぼ保たれ、内部に土砂が侵入することはない。この状態で図3(a)に示すように、小径パイプ20と継手パイプ14との隙間にセメント系材料からなる遅延性固化材26を充填する。この固化材26の固化時間は各鋼管矢板10の建て継ぎサイクルを考慮した設定となっている。 【0015】次いで、ストッパピン24を引抜き、クレーンなどを用いて小径パイプ20を引抜きつつ同遅延性固化材26の充填作業を継続する。 【0016】引抜き時においては、小径パイプ20の挿通孔20aはクレーンのフックブロックに引っかけるためのシャックルなど連結金具の取付孔を兼用する。以上のごとく小径パイプ20は無理抜きすることで各溶接22を破断しながら継手パイプ14より引抜かれる。 【0017】小径パイプ20の上昇に応じて遅延性固化材26はパイプ後の空隙内に回り込み、地下水圧に対抗するため、この状態においても継手パイプ14の内部の止水性は確保され、最終的には図3(b)に示すように、継手パイプ14の内部にはその鉛直方向全体に亘って固化材26が充填されることになる。 【0018】そして、固化材26の固化が始る前までに、図3(c)に示すように、次の鋼管継手10における他方側継手パイプ16を前打設の鋼管継手10における一方側継手パイプ14に鈎形係合しつつ建て込むことで、他方の継手パイプ16は、固化材26を押しのけながら一方の継手パイプ14内に貫入される。 【0019】経時後は固化材26は固化するため、継手部分における止水性が確保されることになる。 【0020】 【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発明による鋼管矢板における継手部の止水方法にあっては、従来の止水方法に比べて洗浄の必要がなく、しかも、パイプ内部に充填材を確実に充填することで、十分な止水性を確保できる。また、薬液注入などの補助工法が不要であるため、工費を削減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組
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| 【出願日】 |
平成12年6月14日(2000.6.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071283 【弁理士】 【氏名又は名称】一色 健輔 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−355232(P2001−355232A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月26日(2001.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−178096(P2000−178096) |
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