| 【発明の名称】 |
杭頭処理機能付きの回転キャップ、杭頭処理方法、杭の埋設方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高井 浩明
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| 【要約】 |
【課題】既製杭の頭部を損傷することなく、埋設する工程の一連の流れの中で、作業を中断することなく、確実に杭頭処理ができる。
【解決手段】掘削後、杭周固定液41等が充填された杭穴22に、回転キャップ16の係止腕14に既製杭28を吊り込み、既製杭28を地面24よりH1 下方に沈設する。既製杭28を保持したまま、回転キャップ16のノズル10から流速15m/s 程度高圧水を放出する(a)。杭頭部29、杭穴上端部の杭周固定液が排除されて薄められ、固化強度を低下させた低強度層34、35を形成し回転キャップを取り外す(b)。既製杭28が定着後、地面24から深さH3まで根切りし、既製杭28の中空部30の低強度層34を除去し(c)、鉄筋かご37を挿入し既製杭28の杭頭部29と一体のフーチング38を構築する(d)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 既製杭の杭頭部に取り付けて、該既製杭の埋設に使用される回転キャップであって、上部に杭打ち機に連結するための中空の軸部を有し、下部に既製杭の杭頭部を把持する杭把持部を有し、前記中空軸部の下端部に連通するように、前記既製杭の中空部内に薄め液を吐出できるノズルを取り付けたことを特徴とする杭頭処理機能付きの回転キャップ。 【請求項2】 中空軸部の下端部に、高圧液を吐出できるジェットノズルを着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の杭頭処理機能付きの回転キャップ。 【請求項3】 既製杭の杭頭部に回転キャップを取り付けて、該既製杭を下降させた後、既製杭の中空部内に、前記回転キャップに取り付けたノズルから薄め液を吐出させ、前記既製杭の杭頭部の中空部内に充填された硬化性材料の濃度を薄くし、固化強度を低下させることを特徴とした杭頭処理方法。 【請求項4】 既製杭の杭頭部に回転キャップを取り付けて、杭穴内に前記既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を所定深さに位置させる前に、あるいは位置させた後に、前記既製杭の中空部及び杭穴の上端部に充填された硬化性材料が固化する前に、前記回転キャップに取り付けたノズルから薄め液を吐出して、該部の硬化性材料の濃度を薄くした後、前記既製杭の中空部の硬化性材料及び前記既製杭と杭穴壁の上端部との間の硬化性材料を固化強度を低下させて固化させることを特徴とした杭の埋設方法。 【請求項5】 既製杭の杭頭部に回転キャップを取り付けて、杭穴内に前記既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を所定深さに位置させる前に、前記既製杭の中空部内に、前記回転キャップに取り付けたノズルから薄め液を吐出して、前記既製杭の下端から前記中空部内に充填される硬化性材料の濃度を、杭頭部のみ薄くし、更に前記既製杭の杭頭部と前記杭穴壁との間の硬化性材料の濃度も薄くし、前記既製杭を所定深さに位置させた後、前記既製杭の中空部の硬化性材料及び前記既製杭と杭穴壁の上端部との間の硬化性材料を固化強度を低下させて固化させることを特徴とした杭の埋設方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、既製杭の上端部にフーチングのような支持構造物を構築するために使用する、杭頭処理機能付きの回転キャップ、杭頭処理方法、杭の埋設方法に関する。 【0002】 【従来の技術】地中に埋設した既製杭の上に、地上構造物を構築する際には、地上構造物とこれを支持するために地中に埋設された既製杭とを一体に形成する必要があった。地上構造物のフーチングと一体的に接続するために、既製杭の杭頭部を処理しなければならない。 【0003】この場合、中空部を有する既製杭は、根固液や杭周固定液等の硬化性材料(セメントミルクなど)が充填された杭穴に挿入して埋設され、硬化性材料は杭外周と杭穴壁との間だけでなく、既製杭の中空部をも満たしている。 【0004】従って、フーチングと一体的に接続する為の杭頭処理方法としては、例えば杭中空部内に充填されて固化した硬化性材料を掘り下げて鉄筋かごを挿入し、この鉄筋かごを、フーチング内に埋設するようにコンクリートを打設する方法が取られていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の場合、配置する鉄筋かごとの定着を考慮して、既製杭の杭頭部分の硬化性材料を、少なくとも杭径の1〜2倍程度の位置まで除去しなければならなかった。 【0006】この硬化性材料は固化強度が5kg/cm2〜300kg/cm2程度あり、比較的強度の強いものであるため、該硬化性材料を固化後に、除去し掘り下げるために多大な時間と労費がかかると共に、既製杭の頭部を損傷させる問題点があった。 【0007】 【課題を解決するための手段】然るにこの発明では、回転キャップに薄め液を吐出できるノズルを取り付け、あるいは回転キャップのノズルから薄め液を吐出させて杭を埋設するので、前記問題点を解決した。 【0008】即ちこの発明は、既製杭の杭頭部に取り付けて、該既製杭の埋設に使用される回転キャップであって、上部に杭打ち機に連結するための中空の軸部を有し、下部に既製杭の杭頭部を把持する杭把持部を有し、前記中空軸部の下端部に連通するように、前記既製杭の中空部内に薄め液を吐出できるノズルを取り付けたことを特徴とする杭頭処理機能付きの回転キャップである。また、前記において、中空軸部の下端部に、高圧液を吐出できるジェットノズルを着脱自在に取り付けることが望ましい。 【0009】また、杭頭処理方法の発明は、既製杭の杭頭部に回転キャップを取り付けて、該既製杭を下降させた後、既製杭の中空部内に、前記回転キャップに取り付けたノズルから薄め液を吐出させ、前記既製杭の杭頭部の中空部内に充填された硬化性材料の濃度を薄くし、固化強度を低下させることを特徴とした杭頭処理方法である。 【0010】また、杭の埋設方法の発明は、既製杭の杭頭部に回転キャップを取り付けて、杭穴内に前記既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を所定深さに位置させる前に、あるいは位置させた後に、前記既製杭の中空部及び杭穴の上端部に充填された硬化性材料が固化する前に、前記回転キャップに取り付けたノズルから薄め液を吐出して、該部の硬化性材料の濃度を薄くした後、前記既製杭の中空部の硬化性材料及び前記既製杭と杭穴壁の上端部との間の硬化性材料を固化強度を低下させて固化させることを特徴とした杭の埋設方法である。 【0011】更に、他の杭の埋設方法の発明は、既製杭の杭頭部に回転キャップを取り付けて、杭穴内に前記既製杭を埋設する方法であって、前記既製杭を所定深さに位置させる前に、前記既製杭の中空部内に、前記回転キャップに取り付けたノズルから薄め液を吐出して、前記既製杭の下端から前記中空部内に充填される硬化性材料の濃度を、杭頭部のみ薄くし、更に前記既製杭の杭頭部と前記杭穴壁との間の硬化性材料の濃度も薄くし、前記既製杭を所定深さに位置させた後、前記既製杭の中空部の硬化性材料及び前記既製杭と杭穴壁の上端部との間の硬化性材料を固化強度を低下させて固化させることを特徴とした杭の埋設方法である。 【0012】前記における硬化性材料とは、杭穴の根固め液や杭周固定液として使用されるセメントミルク、セメントミルクと掘削泥土とを混合したソイルセメント等を指す。 【0013】また、前記における薄め液とは、主に水であるが、硬化性材料の性質に応じて、硬化性材料を薄めて、硬化性材料の固化強度を低下させる材料であれば、各種添加剤などを混入した材料であっても可能である。更に、硬化性材料と混合した際に硬化性材料より比重が軽くなり、硬化性材料の上層部に溜まり、中空部の杭頭付近に留まる性質を有する材料である。 【0014】 【発明の実施の形態】掘削ロッド18と連結する為の中空軸7を突設した基体1に、掘削ロッド18と連結する為の中空軸7を突設する。基体1に既製杭28の係止部材32と係止できる係止腕14、14を下方に向けて突設する。基体1内に、中空軸7の中空部と連通するノズル(ジェットノズル)10を下方に向けて、着脱自在に取付け、回転キャップ16を構成する(図1)。 【0015】 【実施例1】図面に基づきこの発明の実施例を説明する。 【0016】中空部3を有する上円盤(ドーナッツ状)2と、同じく中空部5を有する下円盤(ドーナッツ状)4とを所定間隔に並列し、連結材6、6で固定して、基体1を構成する。前記基体1の上円盤2に、掘削ロッド18と連結する為の中空軸7を突設する。前記中空軸7の中空部8は、上円盤2の中空部3に連通している。 【0017】前記基体1の下円盤4に既製杭28の係止部材32と係止できる係止腕(杭把持手段)14、14を下方に向けて突設する。前記係止腕14の下部には、係止部材32を保持できる突出部15が形成されている。 【0018】前記上円盤2の下面に臨んでいる中空軸7の下端部の内壁面に、螺糸部9が形成されている。前記螺糸部9に、先細のノズル(ジェットノズル)10の上端部の螺糸部12を螺合して取付け、回転キャップ16を構成する(図1)。回転キャップ16に既製杭28を取り付けた際に、前記ノズル10の先端11は、既製杭28の上面31より上方に位置するように形成されている(図1(a)図2)。前記ノズル10は、いわゆるジェットノズルを使用し、先端を絞った形状とししており、高圧水に耐える為に、硬質材料で製作されている。 【0019】前記実施例において、ノズル10は螺糸部12を形成して、基体1から着脱自在としたが、ボルトやピンで基体に固定して着脱自在とすることもできる(図示していない)。また、ノズル10は、着脱自在とすれば、ノズルの長さや太さが異なる種々の物を選択して使用できるので好ましいが、ノズル10は、基体1に固定することもできる(図示していない)。 【0020】また、前記実施例において、ノズル10の先端位置が、既製杭28の上面31より上方に位置するように設定したので、硬化性材料を除去させる効率が良いので好ましいが、ノズル10の先端11位置が、既製杭28の中空部30内に位置するように設定することもできる(図示していない)。 【0021】また、前記実施例において、ノズル10は、上下円盤2、4間に位置するので、破損するおそれが無いが、下円盤4から下方に突出させることもできる(図示していない)。 【0022】また、前記実施例において、ノズル10には、先端11に下方に向けた吐出口11aのみ設けたが(図5(a))、斜め下方にも噴射できるようにノズル10の側面にも、斜め下方に向けた吐出口11b、11bを設けることもできる(図5(b))。このノズル10は、ノズル10の先端11を下円盤4より下方に突出させた場合に、有効な構造である。 【0023】また、前記実施例において、基体1は、上下円盤2、4と連結材6とから構成したが、中空軸7、係止腕14を取り付けられれば、他の構造とすることもできる(図示していない)。 【0024】また、前記実施例において、係止腕14は、既製杭28の係止部材32と形成できれば、その構造は任意である。 【0025】また、前記実施例において、ジェットノズルを使用することが望ましいが、他のノズルを使用することもできる(図示していない)。 【0026】 【実施例2】次に、前記実施例1の回転キャップ16を使用した既製杭28の埋設方法について説明する。 【0027】(1) 使用する掘削ロッド18は、先端に掘削ヘッド19を有し、中間部に練付ドラム20、20及び撹拌バー21、21を取り付けてある。前記掘削ロッド18を回転させて、掘削ロッド18の先端から掘削液(水等)を吐出しながら掘削し、それにともない生じる泥水を掘削ロッド18に取り付けられた撹拌バー21で撹拌すると共に、練付ドラム20、20によって杭穴壁23に練り付ける。こうして、使用する既製杭28の外径よりも若干大径の杭穴22を支持層に至るまで所定深さ掘削する(図3(a))。 【0028】(2) 杭穴22の掘削完了後に、掘削ロッド18の先端から(あるいは他の手段注入パイプ等で)で、杭穴22底付近にセメントミルク等の根固め液(硬化性材料)を注入しながら根固め液層40を形成して、掘削ロッド18を引き上げる。続いて、掘削ロッド18を引き上げながら、根固め液層40の上方で、セメントミルク等の杭周固定液(硬化性材料)を注入して杭周固定液層41を形成する(図3(b))。 【0029】(3)杭周固定液の注入完了後、掘削ロッド18を杭穴22内から引き抜き、掘削ロッド18を、既製杭の埋設に要する長さを残して、他の不要部分を切り離しす。続いて、この掘削ロッド18の先端に回転キャップ16を取付ける(図3(c))。 【0030】(4)次に、杭頭部29に係止部材32、32が取り付けられ、中空部30を有する既製杭28を吊り込み、杭穴22の上方に既製杭28を配置し、既製杭28の杭頭部29に、回転キャップ16を取付ける。この際、回転キャップ16を既製杭28に押し込み、回転して、回転キャップ16の係止腕14、14を、既製杭28の杭頭部29の係止突起32、32に係止して保持する(図3(c))。 【0031】(5)掘削ロッド18を操作し、回転キャップ16を介して、既製杭28を所定深さまで押し込む。この際、必要ならば既製杭28を回転させながら押し込む。既製杭28の埋設に従って、杭穴壁23と既製杭28の外壁との間、既製杭28の中空部30に、深さに応じて、根固め液又は杭周固定液が充填される。また、既製杭28の上面31が地面24より深さH1だけ低い位置で、既製杭28は沈設される(図2)。 【0032】(6)続いて、回転キャップ16で既製杭28を保持した状態で、既製杭28の上方から既製杭28の中空部30に向けて、回転キャップ16のノズル10の吐出口11aから下方に向けて(図5(a))、高圧(流速10〜30m/s程度)の水を放出する(図4(a))。高圧の水により、杭頭部29の杭周固定液が排除されて水に置き換わり、あるいは杭周固定液が水で薄められ、固化強度を低下させた低強度層34が形成される。あわせて、杭穴22の上端部の杭周固定液も同様に、水と置き換わり、あるいは水で薄められ、同様に低強度層35が形成される。水や薄められた杭周固定液からなる低強度層34、35は、下方の杭周固定液層40より比重が軽いので、杭周固定液の固化まで、杭穴22の上端部に留まる。ここで、低強度層34、35は、既製杭28の上面31からH2(H2=既製杭の杭径Dの2倍程度)の深さで形成される(図4(b))。 【0033】(7)続いて、水の吐出を中止して、回転キャップ16を回転させ、係止腕14、14と係止部材32、32との係止を解除する。続いて、回転キャップ16を既製杭28から切り離す。 【0034】(8)杭周固定液などが固化し、既製杭28が定着した後、地面24から深さH3まで(杭頭部29が露出するまで)地盤を根切りする。この際、杭穴22上端部は、低強度層35が形成されるので、容易にこれを除去できる。続いて、既製杭28の中空部30の上端部(既製杭28の上面31から深さH2まで)の低強度層34を除去すれば、容易に上端部の中空部30を空にできる(図4(c))。図中41aは、固化した杭周固定液層である。 【0035】(9)続いて、既製杭28の中空部30に鉄筋かご37を挿入し、既製杭28の上方に所定の配筋(図示していない)をして、コンクリートを打設して既製杭28の杭頭部29と一体のフーチング38を構築する(図4(d))。 【0036】(10)他の実施例前記実施例において、吐出する水等の流速は、杭頭処理深さ、硬化性材料の固化強度等を考慮して適宜変化させることができる。 【0037】また、前記実施例において、既製杭28を所定位置に沈設した後に、ノズルから水を吐出したが、杭頭部29の位置が現状地面24より深い場合には、杭埋設時に、既製杭28の杭頭部29が現状地面24より下方に挿入され始めた時点で、水等の吐出を開始することもできる。 【0038】また、前記実施例において、杭穴内に、杭周固定液が充填された後に、既製杭を下降させたが、杭周固定液を注入するノズル類を他に設ければ、杭周固定液を注入しながら既製杭を下降させ、ノズル10から水を吐出して杭頭部のみ杭周固定液の濃度を薄く形成することもできる。 【0039】 【発明の効果】この発明は、回転キャップにノズルを設けたので、あるいはノズルから既製杭の中空部に向けて薄め液を吐出でき、杭埋設と同時に、杭頭部中空部内の硬化性材料の固化強度を低下あるいは排除することができ、フーチング等を構築する際に既製杭の頭部を損傷させることなく、固化した硬化性材料を容易に排除することができる効果がある。また、回転キャップのノズルから薄め液を吐出するので、既製杭を埋設する工程の一連の流れの中で、作業を中断することなく杭頭処理ができる効果がある。 【0040】また、ジェットノズルを使用することにより、所定の硬化性材料の固化強度を確実に低下させることができ、通常のノズルを使用した場合に比べてノズル長を短くできるため、杭吊り込み時にノズルが破損することを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000176512 【氏名又は名称】三谷セキサン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月29日(2000.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059281 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 正次 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−336147(P2001−336147A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−158733(P2000−158733) |
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