| 【発明の名称】 |
地盤改良の施工状態管理方法および施工状態管理システム |
| 【発明者】 |
【氏名】風張 裕二
【氏名】太田 和善
【氏名】村山 篤史
【氏名】山根 利明
【氏名】日比野 信一
【氏名】堀切 節
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| 【要約】 |
【課題】深層混合処理による地盤改良工法を実施している施工現場の施工管理・品質管理・労務管理等を施工現場管理者が一括して集中管理でき、これらの管理を正確にかつ迅速に実施できるようにする。
【解決手段】施工現場の管理装置2により少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量を求めて施工データとして記憶媒体に記録し、施工現場の早期品質確認システム3により未固化のコア試料をデジタル画像データと未固化のコア試料を促進養生して圧縮試験を行って得た圧縮強度データを求め、施工現場管理者1がこれら施工データ・画像データ・圧縮強度データを検討して施工状態をチェックし、施工管理・品質管理・労務管理等を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理方法であって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量を求める施工データ取得工程と、前記施工データから施工現場管理者が施工状態を把握する工程よりなることを特徴とする地盤改良の施工状態管理方法。 【請求項2】 少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理方法であって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量を求める施工データ取得工程と、施工現場で採取した未固化のコア試料をデジタル画像で記録する工程と、前記施工データと前記コア試料の画像データから施工現場管理者が施工状態を把握する工程よりなることを特徴とする地盤改良の施工状態管理方法。 【請求項3】 少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理方法であって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量を求める施工データ取得工程と、施工現場で採取した未固化のコア試料をデジタル画像で記録する工程と、前記未固化のコア試料を促進養生して圧縮強度の測定を行う工程と、前記施工データと前記コア試料の画像データと前記圧縮強度のデータから施工現場管理者が施工状態を把握する工程よりなることを特徴とする地盤改良の施工状態管理方法。 【請求項4】 少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理システムであって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量からなる施工データを求めて表示手段に表示できる管理装置と、前記施工データから施工現場管理者が施工状態を把握できる手段を備えていることを特徴とする地盤改良の施工状態管理システム。 【請求項5】 少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理システムであって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量からなる施工データを求めて表示手段に表示できる管理装置と、施工現場で採取した未固化のコア試料をデジタル画像で記録できる手段と、前記施工データと前記コア試料の画像データから施工現場管理者が施工状態を把握できる手段を備えていることを特徴とする地盤改良の施工状態管理システム。 【請求項6】 少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理システムであって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量からなる施工データを求めて表示手段に表示し記憶媒体に記録できる管理装置と、施工現場で採取した未固化のコア試料をデジタル画像で記録できる手段と、前記未固化のコア試料を促進養生して圧縮強度の測定を行うための手段と、前記施工データと前記コア試料の画像データと前記圧縮強度のデータから施工現場管理者が施工状態を把握できる手段を備えていることを特徴とする地盤改良の施工状態管理システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地盤中に地盤改良固化材等と水を混合して製作したセメントミルクを注入し、地盤とセメントミルクを攪拌混合することにより地盤を固結する深層混合処理工法に適用される地盤改良の施工状態管理方法および施工状態管理システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】深層混合処理工法には地盤改良機が用いられており、この地盤改良機は、図16に示すように、地盤改良機11の前面に略鉛直に設置されたリーダマスト30のガイドレールに攪拌軸31の駆動部32を昇降自在に設けると共に、ワイヤーやチェーン33等で吊り保持し、攪拌軸31の先端部に掘削翼や攪拌翼を有する攪拌ヘッド34を設けて構成されている。施工に際しては、駆動部32のモータにより攪拌軸31および攪拌ヘッド34を回転させて掘進し、攪拌ヘッドにより地盤とセメントミルクを攪拌混合する。プラントで製作されたセメントミルクは、掘進時もしくは引上げ時、あるいは掘進時と引上げ時の両方において攪拌軸の中空部を通して、攪拌ヘッドより地盤に吐出される。 【0003】このような深層混合処理工法における施工管理は、従来、攪拌軸31の掘進・引上げ速度V(深度D/時間t)と、スラリー(セメントミルク)の吐出量Qと、攪拌軸31の回転数Rを個々に測定し、それぞれの検出量が所定の管理値に収まるように行われている。また、必要改良深さは、事前の土質調査により得られた平面方向および鉛直方向に変化する地層構成および地盤の硬さなどの土質調査結果を基に判断して決めていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の攪拌軸の昇降速度V・スラリー吐出量Q・攪拌軸の回転数Rを個々に調整する方法では、■管理項目が多いため管理が難しく、■昇降速度Vとスラリー吐出量Qの2項目を同時に制御して地盤土への固化材添加量を確保し、昇降速度Vと回転数Rの2項目を同時に制御して混合度を確保する必要があり、煩雑でオペレーターの労力が大きく、■良好な施工管理が行われているかの判断を即座に行うことができないなどの問題があった。 【0005】また、設計で決められた深度で必要改良深さを管理すると、当初予想していなかった地層の変化、例えば、支持層が傾斜している場合、改良部底面の一部が支持層に乗り、一部は軟弱地盤中にとどまっている状態も予想される。鉛直支持力を期待する改良の場合は、支持力不足が一部の範囲で生じ、上部構造物の不同沈下につながるという問題があった。 【0006】このような問題を解決すべく、本出願人は、管理項目を減らすことで管理が容易となり、また良好な施工管理が行われているかの判断を瞬時に正確に行うことができ、さらに、当初予想していなかった地層の変化に対しても対応することができる地盤改良工法の管理方法および地盤改良機の管理装置を既に出願している(特願平11−25145号)。 【0007】本発明は、前記管理方法および装置をさらに発展させたものであり、深層混合処理による地盤改良工法を実施している施工現場の施工管理・品質管理・労務管理等を施工現場管理者が一括して集中管理することができ、さらにこれらの管理を正確にかつ迅速に実施することのできる地盤改良の施工状態管理方法および施工状態管理システムを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理方法であって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量を求める施工データ取得工程と、前記施工データから施工現場管理者が施工状態を把握する工程よりなることを特徴とする地盤改良の施工状態管理方法である。前記施工状態の把握の対象としては、施工データを用いて行う施工時間確認等の労務管理あるいはソイルセメントコラム合否確認や不良コラム原因調査等の施工管理などの例が挙げられる。 【0009】本発明の請求項2は、請求項1の施工状態管理方法において、施工現場で採取した未固化のコア試料をデジタル画像で記録する工程(デジタルカメラ等を使用する)を追加し、このコア試料の画像データと施工データから施工現場管理者が施工状態を把握することを特徴とする。前記施工状態の把握の対象としては、画像データを用いて行う土と固化材の混合状態や固化材の盛り上がり程度を確認する品質管理と、施工データを用いて行う施工時間確認等の労務管理あるいはソイルセメントコラム合否確認や不良コラム原因調査等の施工管理などの例が挙げられる。施工データは、施工と同時に施工現場管理者へ送り(持ち込み、あるいはデータ送信)、施工完了後に採取した画像データを後から施工現場管理者へ送る。また、施工データと画像データを一緒にして施工現場管理者へ送ってもよい。 【0010】本発明の請求項3は、請求項2の施工状態管理方法において、未固化のコア試料を促進養生して圧縮強度の測定を行う工程を追加し、この圧縮強度のデータと施工データとコア試料の画像データから施工現場管理者が施工状態を把握することを特徴とする。前記施工状態の把握の対象としては、圧縮強度のデータを用いて行う圧縮強度を確認する品質管理と、画像データを用いて行う土と固化材の混合状態や固化材の盛り上がり程度を確認する品質管理と、施工データを用いて行う施工時間確認等の労務管理あるいはソイルセメントコラム合否確認や不良コラム原因調査等の施工管理などの例が挙げられる。圧縮強度データは、施工後、少なくとも1日後に得られるので、施工データや画像データの後に施工現場管理者に送る。また、施工データや画像データと一緒にして施工現場管理者に送ってもよい。 【0011】本発明の請求項4は、少なくとも掘削翼と攪拌翼を装備した攪拌ヘッドを先端に使用して地盤中を掘進しつつ、固化材等と水を混合したスラリーを吐出し、前記攪拌翼で掘削土とスラリーを攪拌混合することにより地盤改良を行う際の施工状態の管理システムであって、施工現場で少なくとも単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量と単位掘進長毎の攪拌回数と単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量からなる施工データを求めて表示手段に表示できる管理装置と、前記施工データから施工現場管理者が施工状態を把握できる手段を備えていることを特徴とする地盤改良の施工状態管理システムである。前記施工状態の把握は、請求項1の発明と同じである。 【0012】本発明の請求項5は、請求項4の施工状態管理システムにおいて、施工現場で採取した未固化のコア試料をデジタル画像で記録できる手段(デジタルカメラ等)を追加し、このコア試料の画像データと施工データから施工現場管理者が施工状態を把握することを特徴とする。前記施工状態の把握は、請求項2の発明と同じである。 【0013】本発明の請求項6は、請求項4の施工状態管理システムにおいて、前記未固化のコア試料を促進養生して圧縮強度の測定を行うための手段(例えば55°C 温水養生装置と一軸圧縮試験器など)を追加し、この圧縮強度のデータを施工データとコア試料の画像データから施工現場管理者が施工状態を把握することを特徴とする。前記施工状態の把握は、請求項3の発明と同じである。 【0014】請求項1〜請求項6において、施工データは、記憶媒体(ICカード,フロッピー(登録商標)ディスク,CD,CVD等)に記録して、その施工現場の施工現場管理者に持ち込んでもよいし、有線や無線等による通信システムにより施工現場管理者に直接送信するようにしてもよい。 【0015】施工現場の施工管理システムは、管理装置と、掘削翼・攪拌翼・共回り防止翼を装備した地盤改良機と、セメントミルクの製造プラントなどから構成され、管理装置は、地盤改良機などに設置され、施工データ演算手段・記憶手段・施工データ表示手段・警報出力手段などを備え、地盤改良機やスラリーのプラントに設けた検出器などからの測定データ(施工時間・掘削深度・攪拌軸回転数・スラリー吐出量など)が入力され、さらにソイルセメントコラムの番号や改良径等が別途入力され、これらの入力データに基づいて施工データ演算手段により施工データ(単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量・単位掘進長毎の攪拌回数・単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量など)が算出され、施工データ表示手段により施工データおよび入力データがグラフ等で表示される。また、施工データ表示手段では、施工データおよび入力データが時間を遡って再現表示可能とされている。なお、施工データの固化材添加量はスラリー吐出量でもよい。 【0016】各施工現場の早期品質確認システムは、施工直後の未だ固まっていないコア試料を地盤改良機を利用して全長にわたり採取する未固化採取治具と、この採取された全長のコア試料をデジタル画像で記録するデジタルカメラ等から構成され、更には、このコア試料から作成された供試体を促進養生する促進養生装置(例えば55°C の温水により約24時間で促進養生する温水促進養生装置)と、この促進養生後の供試体強度を測定する簡易一軸圧縮試験器などを含んで構成してもよい。 【0017】以上のような構成において、施工管理システムにより、施工現場で得られたソイルセメントコラムの施工データが施工現場管理者に送られ、施工現場の施工管理・品質管理・労務管理等を施工現場管理者が一括して集中管理することができ、管理にかかるコストおよび労力を低減することができ、また施工現場に必要な指示を行うことで良好な地盤改良工を実施することができる。さらに、施工管理システム・早期品質管理システムによる施工データ・コア試料の画像データ・場合によってはコア試料の圧縮強度データを用いて管理を行うことにより、施工現場の施工管理・品質管理・労務管理等をより正確にかつ迅速に実施することができる。 【0018】本発明で用いる管理装置においては、良好な地盤改良を実現するための次の3つを主要な管理項目としている。 【0019】(1) 先ず、第1点として、地盤と固化材を結合させることにより強度増加を図る改良原理から、改良地盤の強度は地盤中に注入した固化材添加量に比例することが、図13に示すように、実験的に確かめられている。従って、単位掘進長毎の固化材添加量またはスラリー吐出量を管理する。例えば、単位掘進長毎の固化材の添加量としては、逐次、地盤中に投入される固化材添加量WC [kg/m3 ](地盤土1m3 に投入される固化材の重量)を管理する。この固化材添加量WCは、セメントミルクプラントから地盤中へ吐出されるセメントミルクの吐出量Qと、攪拌ヘッドの深度D・速度Vと、別途測定した水・固化材比W/Cおよび固化材比重等を用いて求める。即ち、吐出量Qと水・固化材比W/Cおよび固化材比重等を用いて固化材投入量WC ’を算出し、この固化材投入量WC ’を固化材が投入された単位掘進長区間の体積で除して、地盤の単位体積当たりの固化材添加量WC を得る(後述の式(1)参照)。例えば所定の単位掘進長区間毎に前記固化材添加量WC と固化材添加量設定値とを比較して判定を行い、満足しない場合にはその単位掘進長区間の再施工を促す警報を出力する。前述のように不良区間は、再施工が原則である。再施工は、攪拌ヘッドを回転させながら上方へ引き上げ、再度セメントミルクを追加吐出させながら掘進することにより行われる。 【0020】なお、得られた固化材添加量WC 、あるいは攪拌ヘッドの昇降速度Vに基づいて、セメントミルク吐出ポンプを自動制御し、固化材添加量WC を固化材添加量設定値に一致させることもできる。即ち、ある区間で固化材添加量WC が少ないことが判明した場合には、続く区間でセメントミルクの吐出量Qを増やし、所定の単位掘進長区間の固化材添加量WC が設定値を満足するようにする。昇降速度Vが低下した場合には、吐出量Qを低下させ、所定の単位掘進長区間の固化材添加量WC が設定値を満足するようにする。このように攪拌ヘッドの昇降速度Vに基づいて、セメントミルク吐出ポンプを調整し、固化材添加量WC を固化材添加量設定値に一致させる。調整は、オペレータ室の遠隔操作盤などで行うことができる。以上のように、瞬間的には吐出量が少しバラツキがあっても単位掘進長区間毎に所定量が満足されると、この区間では充分に攪拌混合されるため所定の強度が得られる。 【0021】(2) 第2点として、改良土の品質が均一になるためには固化材と地盤を十分に混合することが重要である。その混合度として、地盤中を回転している攪拌ヘッドの攪拌回数と、強度ばらつきの指標となる強度の変動係数(=標準偏差/平均値)との相関を調べた結果を図14に示す。従って、所定の単位掘進長区間毎の攪拌回数を管理する。例えば、この攪拌回数N[回/m]は、速度Vと、攪拌軸の回転数Rと、攪拌ヘッドの羽根枚数nを用いて求める。即ち、掘進時および引上時に、ある単位掘進長区間における羽根の合計通過回転数により、単位長さ当たりの攪拌回数Nを得る(後述の式(3)参照)。例えば所定の単位掘進長区間毎に前記攪拌回数Nと攪拌回数基準値とを比較して判定を行い、満足しない場合にはその単位掘進長区間の再施工を促す警報を出力する。 【0022】(3) 第3点として、構造物を支持する地盤の補強として地盤改良を用いる場合、所定の支持力を発揮できる深度まで確実に改良する必要がある。そこで、支持層を判断するために、単位掘進長毎の攪拌ヘッドの仕事量を求める。例えば、攪拌ヘッド先端の地盤の硬さを計測判断するため、攪拌ヘッドによる単位長さ当たりの掘進攪拌抵抗値(仕事量)W[kJ/m]を常時監視する。この掘進攪拌抵抗値をデータ表示器に表示し、この掘進攪拌抵抗値が設定値に達したとき攪拌ヘッドが所定の支持層に到達したと判定する。この掘進攪拌抵抗値は、駆動部のモータの電流値A(電動モータ)またはトルク(油圧モータ)と、攪拌ヘッドの掘進速度Vを用いて求める。即ち、1m掘進するのに要した時間に攪拌ヘッドのした仕事量を掘進攪拌抵抗値Wとする(後述の式(2)参照)。 【0023】さらに、管理装置においては、攪拌ヘッドに設けられた共回り防止翼の攪拌軸に対する相対回転を常時監視し、例えば共回り防止翼が静止した状態から共回りによる回転を始めると警報を出力する。即ち、共回り防止翼と攪拌軸が一緒に回ると、土が攪拌軸に付着し土の共回り現象が生じていると判定し、修正施工を促す。 【0024】以上に示したように、本発明の管理装置では、VとQから地盤中に投入される固化材添加量WC [kg/m3 ]を算出して、これを1元管理することにより、管理が容易となり、また省力化・迅速化が図られる。これに対して、従来のように、攪拌軸の昇降速度V・スラリー吐出量Q・攪拌軸の回転数Rを個々に測定した場合、攪拌軸の昇降速度Vとスラリー吐出量Qの2項目を同時に制御することで、地盤中に投入される所定の固化材添加量を確保しなければならず、煩雑でオペレーターの労力が大きかった。 【0025】さらに、本発明の管理装置では、前述の場合と同様に、深度方向の所定区間内における攪拌回数N[回/m]を算出して、これを1元管理することにより、管理が容易となり、また省力化・迅速化が図られる。これに対して、従来においては、攪拌軸の昇降速度Vと攪拌軸の回転数Rの2項目を同時に制御することで、所定の攪拌回数としての混合度を確保しなければならず、煩雑でオペレーターの労力が大きかった。 【0026】また、必要改良深さに関しては、攪拌ヘッドの掘進攪拌抵抗値(仕事量)W[kJ/m]を検出して支持層への到達を判定するため、当初予想していなかった地層の変化にも対応することができる。 【0027】さらに、良好な地盤改良に必要な単位掘進長毎の固化材添加量・攪拌回数・掘進攪拌抵抗値である攪拌ヘッドの仕事量がディスプレイに各単位掘進長区間毎に逐次表示され、オペレーターに瞬時に伝達されるため、正確な施工が可能となり、また設定値や基準値を満足しない場合には警報も発せられるので安心して施工を行うことができると共に、警報箇所を再施工することで良好な地盤改良を行うことができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明の地盤改良の施工状態管理方法を実施するための施工現場における施工管理の1例を示したものである。図1では、現場Aと現場Bとが示され、現場B内に示された現場管理者b2 ,b3 ,…は、現場Bと異なる現場であっても、現場Bが広い現場で多数箇所で施工して多数の現場管理者の元でそれぞれ施工を行っていてもよい。図2は本発明の施工状態管理システムの1例を示したものである。図3は本発明の早期品質確認システムの1例を示したものである。 【0029】図1に示すように、各施工現場には、施工管理を行う施工現場管理者1がおり、施工管理システムの管理装置2を少なくとも設置し、好ましくは更に早期品質確認システム3を設置する。後に詳述するように、施工中の地盤改良機やプラントから得られた測定データから管理装置2により施工データを求める。また地盤改良体(ソイルセメントコラム)から採取した試料から早期品質確認システム3により画像データを少なくとも得、好ましくは更に圧縮強度データを得る。これら施工データを(場合によっては画像データ・圧縮強度データなども)施工現場管理者1に送り、施工現場管理者1が一括して集中管理する。 【0030】管理装置2は、例えば図2に示すように、地盤改良機11に搭載されており、管理装置2で得られた施工データD1 をICカード6等の記録媒体に記録する。このICカード6等は、必要により、デジタルカメラ7のデジタル画像データD2 やコア試料の圧縮強度データD3 も一緒に記録してもよい。また、施工データD1 ,デジタル画像データD2 ,コア試料の圧縮強度データD3 を別個のICカード6等に記録する場合は、施工ロッド番号を付すことが好ましい。これらデータを現場事務所等へ持ち込み、現場事務所等のコンピュータ8に入力する。管理装置2の施工データD1 は、有線あるいは無線等による通信システム(インターネット等)によりコンピュータ8へ直接送信することもできる。また、管理装置2のディスプレイで表示されたデータをコンピュータ8にリアルタイムで表示させることも可能である。施工現場管理者1はコンピュータ8の施工データD1 ・画像データD2 ・圧縮強度データD3 から施工状態をチェックし、必要に応じて施工指示を地盤改良機11のオペレータに伝え、あるいは施工指示データD4 をオペレータへ送信する。なお、各データをD1 〜D3 を遠隔地である本社における施工チェック部署・工事部・施工監理者・管理者・施主等へも送信することができる。 【0031】なお、デジタル画像や圧縮強度データを得るための試料の採取はその現場で施工する初期のソイルセメントコラムにて実施し、そこで良好な結果が得られたら、その施工現場では同一条件で施工を続ける。この試料採取は所定のロット毎に行うこともある。 【0032】早期品質確認システム3は、例えば図3に示すように、未固化採取治具12と、デジタルカメラ7から構成され、温水促進養生装置14と、簡易一軸圧縮試験器15などを含んで構成してもよい。地盤改良機11を利用して施工直後の未だ固まっていないソイルセメントコラム16内に未固化採取治具12を挿入し、未固化のコア試料17を全長にわたり採取する。この全長のコア試料17を水平に置き、デジタルカメラ7で撮影し、画像データD2 を得る。次いで、このコア試料17から未固化のソイルセメントを採取し、モールド13に充填することにより強度確認のための供試体18を作製する。この供試体18を温水促進養生装置14により1日で促進養生した後、簡易一軸圧縮試験器15で強度試験を行い、圧縮強度データD3 を得る。 【0033】上記の未固化採取治具12は、例えば、本出願人の出願に係る試料土採取方法および装置(特願平11−123556号)を用いることができる。この試料土採取方法は、H形鋼等の開放された側面を有する開放断面の長尺採取部材12aを地盤改良機11からワイヤロープ12b等で吊り下げ、施工終了直後のソイルセメントコラム16内に採取部材の自重,地盤改良機あるいはバイブロハンマー等で挿入し、所定の深度に達すると、この長尺採取部材12aの底面を底蓋により閉塞すると共に開放側面を側面板により周囲の改良土から縁切りし、試料土が充填された長尺採取部材12aを地上に引き上げるものであり、連続した試料土を確実に迅速に採取することができる。 【0034】圧縮強度の測定には、例えば、本出願人の出願に係る地盤改良工法の品質管理方法および温水養生装置(特願平11−156359号)を用いることができる。これは、クーラーボックス等の温水養生槽14aに自動温度調節装置付きのヒーターと循環ポンプ等を設け、この温水養生槽14a内に円柱供試体18をモールドごと格納し、55°C の温水により約24時間で促進養生し、この温水養生後に簡易一軸圧縮試験器15で供試体強度を測定し、この55°C 温水養生1日強度から関係式を用いて通常期間養生後の供試体強度すなわち20°C 養生材令28日強度を推定するものであり、改良土の設計強度評価を約1日で行うことができる。なお、供試体強度の測定は、施工現場で行っているが、温水促進養生装置14は持ち運びできるため、他の場所で供試体強度の測定を行うことも可能である。 【0035】以上のようにして得られたデータが図2に例示するように施工現場管理者1のコンピュータ8に入力され、このデータに基づいて、次に示すような管理などが行われる。なお、施工データD1 は、例えば図5に示すようにコンピュータ8の画面に表示される。 【0036】(1) 進捗率管理施工データD1 を用い、施工されたソイルセメントコラムの施工数等の予定と実績を図4(a) に示すようなグラフで表し、工事の進捗率を確認する。 (2) 労務管理施工データD1 を用い、図4(b) に示すように、各施工日における施工時間を確認する。 (3) 品質管理■画像データD2 を用い、土と固化材の混合状態(土の塊が混在していないかどうか)およびソイルセメントコラム上方の盛り上がり量(固化材を吐出していない上部区間に固化材が盛り上がっている状態)をチェックする。 ■圧縮強度データD3 を用い、55°C 温水養生1日強度から材令28日強度を推定することにより、固化材添加量等の可否を判定する。 ■上記の画像データD2 と、もしくは画像データD2 の他に圧縮強度データD3 と、施工データD1 を比較検討し、品質不良の対策案を策定する。 (4) 施工管理■施工データD1 を用いてグラフ表示された図5の一覧表(後に詳述する)により、築造されたソイルセメントコラムの合否を判定する。この図5において、攪拌回数や固化材添加量は一定深度毎に表示しているが、これに限らず、仕事量のように深度毎のグラフとしてもよい。また、固化材添加量はスラリー吐出量でもよい。 ■施工データD1 を用いて不良コラムの原因調査を行う。 (5) 報告書作成以上の管理項目に必要事項を盛り込んで報告書を作成する。施工データD1 および画像データD2 は即日提出が可能であり、圧縮強度データD3 も翌日に提出が可能である。 (6) 施工指示以上の結果から施工指示を地盤改良機のオペレータに与える。 【0037】次に、管理装置2による施工データの検出方法の1例について詳述する。図5は施工データのディスプレイ表示例を示したものである。図6は地盤改良機・プラント・管理装置の全体構成を模式的に示したものである。図7は地盤改良機の攪拌軸先端の攪拌ヘッドを示したものである。図8〜図10はデータの施工記録例を示したものである。図11は本発明の管理方法のフローチャート、図12は地盤改良施工例を深度−時間図で示したものである。 【0038】図6において、地盤改良機11の前面に設けられたリーダーマスト30には攪拌軸31の駆動部32がガイドレールにより昇降自在に取付けられ、ワイヤー33により吊り保持され、攪拌軸31の先端部には攪拌ヘッド34が設けられている。攪拌ヘッド34は、図7に示すように、先端側から順に、掘削翼35と、共回り防止翼36と、上下に間隔をおいて複数の攪拌翼37が設けられている。共回り防止翼36は、攪拌ヘッド部分に粘着性のある土が団子状に付着して攪拌ヘッド34と共に同期回転する、いわゆる土の共回り現象を防止するためのものであり、掘削径より外に出ている先端が掘削孔壁に貫入されて土中に静止するように攪拌軸31に回転自在に取付けられている。 【0039】一方、図6に示すように、プラント40では水Wと固化材C(セメント)等を混練してセメントミルク41を作製する。作製されたセメントミルク41は吐出量の制御が可能なスラリーポンプ42を介して地盤改良機11に送られ、攪拌軸31の内部を通り、攪拌ヘッド34の先端部の吐出口43から吐出される(図7参照)。吐出されたセメントミルク41は、掘削翼35・共回り防止翼36・攪拌翼37により、掘削土砂と効率良く攪拌混合され、ソイルセメントコラムが築造される。なお、スラリーポンプ42と地盤改良機との間のセメントミルク41の通路に吐出量検出機47が設置されている。 【0040】以上のような地盤改良機において、この実施例では、図6に示すように、駆動部32の移動距離から攪拌ヘッド34の深度を検出する深度(速度)検出器(例えば、ワイヤーのシーブに取付けたエンコーダ)44を地盤改良機11に設け、攪拌軸31の回転数を検出する回転数検出器45を駆動部32に設け、駆動部32の電動モータ(または油圧モータ)の電流値(または油圧力)を検出する電流検出器(または油圧力検出器)46を地盤改良機11に設ける。一方、プラント側には、セメントミルク41の吐出量を検出する吐出量検出器(流量検出器)47を設ける。施工条件によっては、図7(b) に示すように、攪拌ヘッド34には、攪拌軸31と共回り防止翼36の相対回転を検出する検出用マグネット48aと磁気式近接スイッチ48bなどからなる相対回転検出器48を設ける。 【0041】施工機側には、図6に示すように、重機計測盤49が設置されており、この重機計測盤49に深度検出器44・回転数検出器45・電流検出器(または油圧力検出器)46・相対回転検出器48からの検出値が入力される。この重機計測盤49では、入力された検出値により、次のような演算処理を行う(詳細は後述する)。 【0042】■ 深度検出器44からの深度Dと、施工時間を計測するタイマーからの施工時間tを用いて、攪拌ヘッド34の昇降速度V[m/分]を算出する。 ■ 単位掘進長区間(例えば0.5m)毎に、昇降速度Vと、回転数検出器45からの攪拌軸回転数Rと、攪拌ヘッド34の羽根枚数nを用いて、地盤土の単位長さ当たりの攪拌回数N[回/m]を算出する。 ■ 単位掘進長区間(本実施例では0.5m)毎に攪拌回数Nが基準値Nthを満足するか否かの判定を行い、満足しない場合には、その単位掘進長区間の再施工を促す判定結果を出力する。 ■ 攪拌ヘッド34の掘進速度Vと、電流検出器46からの電流値A(またはトルク)を用いて、地盤土の単位長さ当たりの掘進攪拌抵抗値W[kJ/m]を算出する。 ■ 単位掘進長区間(この場合は0.1m)毎に掘進攪拌抵抗値(仕事量)Wが支持層管理設定値Wthを上回るかどうかの判定を行い、攪拌ヘッドが支持層へ到達したか否かの判断を行う。 ■ 攪拌ヘッド34に設けた相対回転検出器48の検出値を用いて、土の共回りが発生したかどうかを検出する。相対回転数が攪拌ヘッド34の回転数に一致すると、共回り防止翼36は静止し、土の共回りは全く発生していないことを示す。 【0043】一方、プラント側には、図6に示すように、プラント計測盤50が設置されており、このプラント計測盤50に吐出量検出器47からの検出値が入力され、また重機計測盤49から深度D・昇降速度Vが入力される。このプラント計測盤50では、入力された検出値により、次のような演算処理を行う(詳細は後述する)。 【0044】■ 深度Dまたは昇降速度Vと、吐出量検出器47からのセメントミルク吐出量Qと、固化材の比重GC 等を用いて、地盤土の単位体積当たりの固化材添加量WC [kg/m3 ]を算出する。 ■ 単位掘進長区間(本実施例では0.5m)毎に固化材添加量WC が設定値WCth を満足するか否かの判定を行い、満足しない場合には、必要なセメントミルク吐出量Qを算出し、固化材添加量が設定値を満足するようにスラリーポンプ42を自動制御あるいは調整してセメントミルク吐出量をコントロールする。また、昇降速度Vが変化した場合にも、固化材添加量が設定値を満足するようにスラリーポンプ42を自動制御あるいは調整してセメントミルク吐出量をコントロールする。 ■ さらに、何らかの原因により、固化材添加量WC が設定値WCth を満足しない場合に、その単位掘進長区間の再施工を促す判定結果を出力する。 【0045】地盤改良機11のオペレータ室11aには、図6に例示するように、データ表示器51、遠隔操作盤52、警報報知器53、通話器54が設置されており、重機計測盤49・プラント計測盤50における入力データおよび処理データがデータ表示器51に表示される。 【0046】図5は、データ表示器51の施工中の画面イメージの1例であり、下記の■〜■などが数値やグラフなどで表示され、誤視認のない分かりやすい画面表示となっている。 【0047】■ 施工日付・時分秒(施工時間)・コラムNo. と径・深度・速度・電流値(油圧力)・軸回転数・吐出量■ 固化材添加量・攪拌回数・仕事量の設定値・基準値(下側に表示されている。) ■ 所定の単位掘進長区間毎の固化材添加量・攪拌回数・仕事量の検出値■ 固化材添加量が設定値を満足するために現在必要となる必要吐出量■ 固化材添加量・攪拌回数が設定値・基準値を満足しない場合の警報■ 掘進攪拌抵抗値が管理設定値に達した場合の着底表示■ 共回り防止翼と攪拌軸の相対回転数と、共回り現象が確認された場合の警報表示【0048】また、上記■〜■などの警報が発せられる場合は、警報報知器53で音声による警報を発する。さらに、データ表示器51は施工データおよび入力データが時間を遡って再現表示可能とされている。また、上記■〜■などの警報が発せられる場合、音声による警報とともに、データ表示器51に赤色の反転文字で点滅表示することもできる。 【0049】オペレータ室11aの遠隔操作盤52では、コラムNo. の選択、施工設定値・基準値の入力・変更、施工開始、施工終了等の操作が行われる。また、遠隔操作盤52により重機計測盤49、プラント操作盤50を介してスラリーポンプ42へ信号を送り、スラリーポンプ42を遠隔操作し、セメントミルク吐出量を調整することができる。 【0050】施工中に検出された施工データは、図6に例示するように、全てが遠隔操作盤52の内部にある記憶装置に保存され、このデータはICカード6やフロッピーディスク等の記憶媒体を介して現場事務所等における日報作成システム55に移動・複写することができる。この日報作成システム55は、コンピュータ8とプリンター56からなり、施工記録・日報・施工集計表・固化材管理表の作成・印刷を行う。図8は、印刷された帳票例である。コラムNo. ,所要時間,施工機No. ,改良径,掘削長,固化材使用量,単位掘進長毎の固化材添加量・攪拌回数・仕事量などが記されている。図9に示すような時間軸に対する深度,速度,電流値,ロッド軸回転数,吐出量などのチャート式の施工記録の印刷も可能である。また、必要に応じて、図10に示すような改良部(ソイルセメントコラム)における各深度毎の固化材添加量や攪拌回数をプロットして解析することも可能である。 【0051】図11は、掘進時にセメントミルクを吐出する場合の施工管理フローの例を示したものである。掘進工程において、固化材添加量・支持層の確認等を行い、引上工程において攪拌回数の確認等を行っている。 【0052】以下に各処理について詳述する。 (i) 固化材添加量掘進工程において、攪拌ヘッド34の深度D・掘進速度Vと、セメントミルク41の地盤への注入量(吐出量)Qと、固化材Cの比重GC から、地盤の単位体積当たりの固化材添加量WC [kg/m3 ]を算出する。また、各単位掘進長区間(本実施例では0.5m)毎に固化材添加量WC が設定値WCth を満足するか否かの判定を行い、固化材添加量WC が設定値WCth を常に満足するように、必要吐出量Qを算出してスラリーポンプ42へ必要吐出量を指示し、スラリーポンプ42を自動制御あるいは調整する。また、昇降速度Vに応じてスラリーポンプ42を自動制御あるいは調整し、固化材添加量WC が設定値WCth を満足するようにする。さらに、このような制御等を行っても、何らかの原因により、固化材添加量WC が設定値WCth より低い場合には、警報が発せられ当該単位掘進長区間の修正施工を行う。 【0053】固化材添加量WC [kg/m3 ]の算出方法は以下による。即ち、次に示す(1)式を用いて、セメントミルク吐出量(注入量)Q[L/分]と水・固化材比W/C等を用いて固化材投入量WC ’[kg/分]を求める。ここで、添加材等を使用しない場合には、B=0となり、(1)式を用いて固化材投入量WC ’を算出することができる。 【0054】 【数1】
【0055】以上により求まる固化材投入量WC ’を、投入された区間の体積で除したものが固化材添加量WC [kg/m3 ]となる。即ち、区間の長さをΔD[m]、この区間の通過時間をΔt[分]、コラムの横断面積をa[m2 ]とすれば、WCは、次式で求めることができる。 WC =(WC ’×Δt)/(ΔD×a) = WC ’/(V・a) 【0056】固化材添加量の管理は例えば次のように行うこともできる。所要固化材添加量(設定値)が300kg/m3 の場合、例えば改良径1mで単位掘進長1m当りに必要となる固化材投入量は236kgとなる。単位区間1mのうち0.5mまで改良が進んでいる時、地盤中に投入された固化材量が100kgだとすると、設定値より18kg不足していることになる。この場合は、不足分の18kg分を加算した固化材量136kgを残りの0.5mで投入すればよい。この場合、残りの0.5mの区間の必要吐出量Qを算出し、この必要吐出量でスラリーポンプ42を自動制御あるいは調整し、1m当りにおける固化材添加量が設定値を満足するようにする。上記のような自動制御・調整を管理区間長内(本実施例では0.5m)で行う。なお、このような不良区間における単位区間1mのうち上部が固化材量不足、下部が固化材量過大となるが、この程度の区間距離では上下方向に十分に攪拌混合されるため強度不足となることはない。なお、単位区間距離が2単位を越える領域で固化材量の過不足を生じる場合、このような不良区間は再施工されるのが原則である。 【0057】また、掘進速度Vが0.5m/分のときの必要吐出量Qが100L/分の場合、単位単位掘進長区間1mに100/0.5=200L吐出することになるが、掘進速度が0.4m/分に低下し同一吐出量のまま施工すると、100/0.4=250Lと過大に吐出することになる。このような場合には、掘進速度Vの低下に応じ、吐出量も80L/分に低下させればよい。逆に、掘進速度Vが速くなれば、それに応じて吐出量Qを増やせばよい。この場合、掘進速度Vに応じてスラリーポンプ42を自動制御あるいは調整し、固化材添加量が設定値を満足するようにする。 【0058】以上の機能により、固化材添加量は常に設定値を満足し、かつ過不足のない値となる。何らかのトラブルにより、単位区間で設定値を満足することができなかった場合には、データ表示器51に警報が表示される。また、警報報知器53より警報が発せられ、修正施工が促される。その場合には、いったん攪拌ヘッド34を引上げ、再度注入攪拌を行うことにより(図12参照)、確実な固化材添加量管理を行うことができる。 【0059】(ii)掘進攪拌抵抗値掘進工程において、攪拌ヘッド34の掘進速度V(1m掘進に要した時間t[秒/m])と、駆動部32のモータ電流値Aなどから、オーガモータのした仕事量に相当する掘進攪拌抵抗値Wを算出し、予め土質柱状図の近傍にて試験施工をすることにより得られた掘進攪拌抵抗値(設定値)との比較を行い、攪拌ヘッド34が支持層に到達したかどうかの判定を行う。支持層に到達したと判断された場合には、データ表示器51、警報報知器53によりオペレータに通知される。掘進攪拌抵抗値Wの算出は次の(2)式による。図15は掘進攪拌抵抗(仕事量)の実測例を示す。 【0060】 【数2】
【0061】(iii) 攪拌回数引上工程において、攪拌ヘッド34の深度D・速度Vと、攪拌軸31の回転数Rと、攪拌ヘッド34の羽根枚数nから、各単位掘進長区間(本実施例では0.5m)毎の攪拌回数Nを算出する。また、この算出された攪拌回数Nが、ばらつきの小さい高品質な地盤改良柱体を築造するために必要となる攪拌回数の基準値Nthを満足しているかの判定を行う。ある単位区間で基準値を満足することができなかった場合には、データ表示器51に警報が表示され、警報報知器53より警報が発せられ、修正施工が促される。その場合には、いったん攪拌ヘッド34を引下げ、再度攪拌混合を行うことにより(図12参照)、攪拌回数の確保を確実に行うことができる。攪拌回数Nは、掘進時および引上時のある区間における羽根の合計通過回転数より求まり、次の(3)式による。なお、攪拌回数Nの基準値は、図14(b) に示すように、改良対象土質毎に試験施工を行い、攪拌回数と一軸圧縮強さのばらつきの関係を調査した結果より決定している。 【0062】 【数3】
【0063】(iv) 共回り防止翼の相対回転掘進工程・先端部練り返し工程・引上工程において、図7(b) に例示するように、攪拌ヘッド34に設けられた相対回転検出器48(検出用マグネット48aと磁気式近接スイッチ48b)からのON信号をカウントすることで、共回り防止翼36と攪拌軸31の相対回転数を常時計測する。共回り防止翼36が静止状態の場合には、攪拌軸31の回転数と同じ相対回転数が得られるが、相対回転数が0に近い場合(攪拌軸31と共回り防止翼36の回転数が同程度の場合)には、共回り防止翼36が攪拌軸31と共に回転し、土と攪拌ヘッドが同期回転する土の共回り現象が発生していると判断される。この場合、データ表示器51・警報報知器53により警報が発せられ、修正施工が促される。この修正施工は攪拌ヘッド34を引上げ、再掘進等を行えばよく、迅速な処理が可能である。 【0064】 【発明の効果】本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏することができる。 【0065】(1) 少なくとも施工現場で得られたソイルセメントコラムの施工データが施工現場管理者に送られ、必要に応じて更にコア試料の画像データやコア試料の圧縮強度データが施工現場管理者に送られ、施工現場の施工管理・品質管理・労務管理等を施工現場管理者が一括して集中管理することができ、管理にかかるコストおよび労力を低減することができ、また施工現場に必要な指示を行うことで良好な地盤改良工を実施することができる。 【0066】(2) 施工データを用いて管理を行うことにより、各施工現場の施工管理・品質管理・労務管理等をより正確にかつ迅速に実施することができる。なお、施工管理や品質管理には、必要に応じて画像データ, 圧縮強度データを用いて管理することにより、管理がより確実なものとなる。 【0067】(3) 従来の管理項目が、深度・速度・回転数・吐出量・電流値と多数にわたっていたのに対し、本発明の管理方法やシステムでは、単位掘進長毎の固化材添加量・攪拌回数・攪拌ヘッドの仕事量に集約して管理項目を減らすことができ、そのため管理が容易となる。 【0068】(4) 本発明の管理方法やシステムでは、良好な地盤改良に必要な固化材添加量・攪拌回数・攪拌ヘッドの仕事量がディスプレイに各単位掘進長区間毎に逐次表示することも可能になり、オペレーターに瞬時に伝達されるため、正確な施工が可能となり、また不満足の場合には警報も発せられるので安心して施工を行うことができると共に、警報箇所を再施工することで良好な地盤改良を行うことができる。 【0069】(5) 本発明の管理方法やシステムでは、攪拌ヘッドの掘進攪拌抵抗値(仕事量)を検出して支持層への到達を判定するため、当初予想していなかった地層の変化にも対応することができ、構造物の支持力不足を解消することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000133881 【氏名又は名称】株式会社テノックス
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| 【出願日】 |
平成12年5月26日(2000.5.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070091 【弁理士】 【氏名又は名称】久門 知 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−336142(P2001−336142A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−156106(P2000−156106) |
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