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【発明の名称】 杭打機
【発明者】 【氏名】冨田 庸公

【要約】 【課題】ラック方式又はエンドレスチェーン方式で掘削作業装置を昇降させる杭打機で、掘削具の食い込み速度に掘削作業装置の下降速度を自動的に順応させ、掘削作業装置と掘削具の自重で掘削する。

【解決手段】昇降装置3と掘削作業装置8とを両者の間隔を変更可能に連結し、昇降装置3と掘削作業装置8との間に両者の間隔を検知するリミットスイッチ10を設け、昇降装置3の駆動回路12の下降側回路17に、昇降装置3を停止又は下降に切り換えるソレノイドバルブ18を設け、ソレノイドバルブ18とリミットスイッチ10とを電気回路20で接続した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リーダに設けたラックに噛合するピニオンを駆動する油圧モータを備えた昇降装置と、該昇降装置の下部に連結される掘削作業装置とを備えた杭打機において、前記昇降装置と掘削作業装置とを両者の間隔を変更可能に連結し、該昇降装置と掘削作業装置との間に両者の間隔を検知するセンサを設け、前記昇降装置の駆動回路の下降側回路に、昇降装置を停止又は下降に切り換えるソレノイドバルブを設け、該ソレノイドバルブと前記センサとを電気回路で接続したことを特徴とする杭打機。
【請求項2】 リーダに設けたエンドレスチェーンを駆動する油圧モータと、エンドレスチェーンに固設されたブラケットの下部に連結される掘削作業装置とを備えた杭打機において、前記ブラケットと掘削作業装置とを両者の間隔を変更可能に連結し、該ブラケットと掘削作業装置との間に両者の間隔を検知するセンサを設け、前記油圧モータの駆動回路の下降側回路に、ブラケットを停止又は下降に切り換えるソレノイドバルブを設け、該ソレノイドバルブと前記センサとを電気回路で接続したことを特徴とする杭打機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リーダに設けたラック又はエンドレスチェーンにて掘削作業装置を昇降させる杭打機に関する。
【0002】
【従来の技術】杭打機では、ベースマシンのウインチから巻き出されるワイヤロープをリーダ上部のトップシーブに掛け回して掘削作業装置を吊り下げる一般的な杭打機と、リーダに設けたラックに噛合するピニオンを駆動する油圧モータを備えた昇降装置の下部に掘削作業装置を連結した杭打機と、リーダに設けたエンドレスチェーンに固設されたブラケットの下部に掘削作業装置を連結して油圧モータにてエンドレスチェーンを駆動する杭打機とがある。一般的な杭打機は、掘削作業装置と掘削具の自重で掘削することができるが、ラック方式やエンドレスチェーン方式の杭打機では、油圧モータで昇降装置又はエンドレスチェーンを駆動して掘削作業装置を下降させて押し込み力により掘削する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような自重掘削ができない杭打機では、鋼管ねじ込み杭等の先端に螺旋状のスクリューがついた掘削具を使用する場合に、油圧モータのブレーキは油圧を加えた時にだけ開放する構造であるから、掘削作業装置の下降速度よりも掘削具の地中への食い込み速度が遅いと、掘削作業装置が掘削具を押さえつけ、杭打機本体が上に持ち上がってしまう。また、掘削作業装置の下降速度よりも掘削具の地中への食い込み速度が速いと、掘削具のほうが先行して杭打機本体が下へ引き込まれてしまう。このため、掘削具の掘進速度に順応させるべく掘削作業装置の下降速度をコントロールするには、油圧モータを掘進速度に合わせて回転駆動する必要があって微妙かつ複雑な操作が要求されていた。
【0004】そこで本発明は、掘削具の食い込み速度に掘削作業装置の下降速度を自動的に順応させ、掘削作業装置と掘削具の自重で掘削することができる杭打機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明は、リーダに設けたラックに噛合するピニオンを駆動する油圧モータを備えた昇降装置と、該昇降装置の下部に連結される掘削作業装置とを備えた杭打機において、前記昇降装置と掘削作業装置とを両者の間隔を変更可能に連結し、該昇降装置と掘削作業装置との間に両者の間隔を検知するセンサを設け、前記昇降装置の駆動回路の下降側回路に、昇降装置を停止又は下降に切り換えるソレノイドバルブを設け、該ソレノイドバルブと前記センサとを電気回路で接続したことを特徴とし、また、リーダに設けたエンドレスチェーンを駆動する油圧モータと、エンドレスチェーンに固設されたブラケットの下部に連結される掘削作業装置とを備えた杭打機において、前記ブラケットと掘削作業装置とを両者の間隔を変更可能に連結し、該ブラケットと掘削作業装置との間に両者の間隔を検知するセンサを設け、前記油圧モータの駆動回路の下降側回路に、ブラケットを停止又は下降に切り換えるソレノイドバルブを設け、該ソレノイドバルブと前記センサとを電気回路で接続したことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施形態例に基づいて、さらに詳細に説明する。図1乃至図12は本発明の第1実施形態例を示すもので、リーダ1に設けたラック2の両側に昇降装置3のピニオン4,4を噛合させ、該ピニオン4,4を油圧モータ5,5で駆動する杭打機は、ラック2の両側に設置したガイドパイプ6に昇降装置3のガイドギブ7,7を係合させ、該昇降装置3の下部に掘削作業装置8を連結し、該掘削作業装置8のガイドギブ81,81をガイドパイプ6に係合させて、油圧モータ5,5によるピニオン4,4の駆動で昇降装置3と掘削作業装置8とをリーダ1に沿って昇降させる。
【0007】昇降装置3と掘削作業装置8とは、昇降装置3下部のブラケット3aに形成したピン孔と、掘削作業装置8上部のブラケット8aに形成した上下方向に長いピン孔8bに挿通されるピン9にて連結されており、これにより、昇降装置3と掘削作業装置8とは、両者の間隔を変更可能に連結される。また、昇降装置3と掘削作業装置8との間には、両者の間隔を検知するセンサとしてリミットスイッチ10が設けられている。リミットスイッチ10は、掘削作業装置8の上面に設けられ、昇降装置3の下面には、リミットスイッチ10の操作レバー10aを動かすアーム11が設けられている。
【0008】ピニオン4,4を駆動する油圧モータ5,5の駆動回路12は、操作レバー13を備えたリモコンバルブ14と、油圧ポンプ15と、操作レバー13の操作で油圧ポンプ15から油圧モータ5,5へ供給される圧油の方向を切り換えるコントロールバルブ16とを有している。リモコンバルブ14の下降側からコントロールバルブ16の下降側に接続される下降側回路17にはソレノイドバルブ18が設けられている。
【0009】このソレノイドバルブ18と前記リミットスイッチ10とは、切換スイッチ19を介する電気回路20で接続されている。ソレノイドバルブ18は、リモコンバルブ14の操作レバー13を下降側へ倒した際に機能する。すなわち、ソレノイドバルブ18は、リミットスイッチ10と切換スイッチ19とがON状態で、電源21から通電された励磁時にコントロールバルブ16を中立にして昇降装置3を停止させ、リミットスイッチ10と切換スイッチ19のいずれか又は両者がOFF状態の消磁時には、コントロールバルブ16を移動させて昇降装置3を下降させる。なお、切換スイッチ19をOFFにしておけば、従来と同様に、昇降装置3を下降させる押し込み掘削が可能である。
【0010】このように構成することにより、切換スイッチ19をON状態にして、リモコンバルブ14の操作レバー13を下降側へ入れ、掘削作業装置8により掘削具22を回転して掘削を開始し、昇降装置3の下降速度よりも掘削具22の地中への食い込み速度が遅くなると、昇降装置3と掘削作業装置8の間隔が接近し、リミットスイッチ10がON状態になり、ソレノイドバルブ18が励磁されてコントロールバルブ16を中立にして、図9に示されるように、昇降装置3を停止させる。昇降装置3の油圧モータ5,5にはブレーキバルブやメカニカルブレーキが付いているので、昇降装置3は停止した位置に固定されるが、掘削作業装置8は、図10に示されるように、自重により掘削を継続して下降するので、昇降装置3と掘削作業装置8の間隔が広くなり、リミットスイッチ10がOFF状態となると昇降装置3が下降を開始する。図11に示されるように、昇降装置3と掘削作業装置8の間隔が接近すると、リミットスイッチ10がONし、ソレノイドバルブ18の励磁でコントロールバルブ16が中立になって昇降装置3が停止し、図12に示されるように、掘削作業装置8が再び自重により掘削を継続して下降する。これを繰り返して自重による掘削作業を行う。
【0011】したがって、昇降装置3が掘削作業装置8の下降を規制することがなくなり、掘削具22の食い込み速度に掘削作業装置8の下降速度を自動的に順応させ、掘削作業装置8と掘削具22の自重で掘削することができる。
【0012】図13は、本発明をエンドレスチェーン方式の杭打機に適用した第2実施形態例を示すもので、前記第1実施形態例と同一要素には同一の符号を付して説明する。リーダ1には、該リーダ1の上部と下部に設けられたスプロケット23間にエンドレスチェーン24が張設され、下部のスプロケット23を回転する油圧モータ5の駆動により、エンドレスチェーン24に固設されたブラケット25と、該ブラケット25の下部に連結された掘削作業装置8とが昇降する。
【0013】ブラケット25と掘削作業装置8の連結構造、両者の間隔を検知するリミットスイッチの配置、油圧モータ5の駆動回路及び該駆動回路のソレノイドバルブとリミットスイッチ間の電気回路は前記第1実施形態例と同様で、ブラケット25と掘削作業装置8とは前記第1実施形態例と同様に作動する。
【0014】なお、上記各実施形態例では、昇降装置3又はブラケット25と掘削作業装置8の連結構造に、上下方向に長いピン孔8bとピン9とを用いたが、昇降装置3又はブラケット25の下部に所定長さのワイヤロープで掘削作業装置8を吊り下げる構造でもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ラック方式又はエンドレスチェーン方式で掘削作業装置を昇降させる杭打機において、昇降装置と掘削作業装置とを両者の間隔を変更可能に連結し、昇降装置と掘削作業装置との間に両者の間隔を検知するセンサを設け、昇降装置の駆動回路の下降側回路に、昇降装置を停止又は下降に切り換えるソレノイドバルブを設け、ソレノイドバルブとセンサとを電気回路で接続したので、昇降装置の下降速度よりも掘削具の地中への食い込み速度が遅くなると、昇降装置と掘削作業装置の間隔が接近し、ソレノイドバルブが励磁されて昇降装置を停止させ、掘削作業装置が自重により掘削を継続して下降することにより、昇降装置と掘削作業装置の間隔が広くなると、ソレノイドバルブが消磁されて昇降装置が下降を開始し、これを繰り返して自重による掘削作業を行うから、昇降装置が掘削作業装置の下降を規制することがなくなり、掘削具22の食い込み速度に掘削作業装置の下降速度を自動的に順応させ、掘削作業装置と掘削具の自重で掘削することができる。
【出願人】 【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
【出願日】 平成12年5月12日(2000.5.12)
【代理人】 【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
【公開番号】 特開2001−323465(P2001−323465A)
【公開日】 平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願番号】 特願2000−139921(P2000−139921)