| 【発明の名称】 |
二重鋼管の接合構造における経時硬化性充填材の漏洩防止装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 光一
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| 【要約】 |
【課題】外管と内管の空隙部に経時硬化性材料を充填する二重鋼管の連結構造において、経時硬化性材料の充填の作業時間と作業コストが嵩まない漏洩防止装置を提供する。
【解決手段】外管1の内部に内管2が挿通され、その外管1と内管2との空隙部4に、モルタル等の経時硬化性材料5を充填して、外管1と内管2とを接合する二重鋼管の接合構造において、外管1の内面に、上下に間隔を置いて固着したシール材把持用突設部材6a、6bの間でシール材15を把持し、シール材15が内管2の外表面に密接することで、内管2と外管1の間に充填する前記経時硬化性材料5の漏洩防止がなされている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外管の内部に内管が挿通され、その外管と内管との空隙部に、モルタル等の経時硬化性材料を充填して、当該外管と内管とを接合する二重鋼管の接合構造において、前記外管の内面に、上下に間隔を置いて固着したシール材把持用突設部材の間でシール材を把持し、シール材が内管の外表面に密接することで、内管と外管の間に充填する前記経時硬化性材料の漏洩防止がなされていることを特徴とする経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項2】 前記シール材把持用突設部材が前記外管1の内面下部に所定間隔で溶接などの手段で固着され、シール材係止ボルトが、前記シール材把持用突設部材に開設のシール材係止ボルト挿通孔とシール材を挿通していることを特徴とする請求項1に記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項3】 前記シール材把持用突設部材の両方または一方が外管の内面において、周方向に連続、または不連続であることを特徴とする請求項1または2に記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項4】 前記シール材の内管と当接する側に所定角度の斜面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項5】 前記シール材が弾性的性質を有する気泡体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項6】 前記シール材がポリエチレンからなる気泡体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項7】 前記シール材が単独気泡を有する架橋ポリオレフィン気泡体であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項8】 前記シール材が厚さ10mm以上の単独気泡を有する架橋ポリオレフィン気泡体であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項9】 前記外管において、シール材が配置された位置よりも上方に注入孔が設けられ、前記注入孔には、注入用短管が接合され、この注入用短管には注入用フレキシブル管が接合され、前記注入用フレキシブル管には注入用長尺管が接合されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項10】 前記外管の上端または上部外面にナットが固着され、そのナットには、先端で内管の外面を抑えるようにした揺動防止用ボルトが螺合されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項11】 前記内管の外周と前記外管の内周の一方または両方に、突起体13が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項12】 前記シール材把持用突設部材が、前記外管の内周面に固着された間隔減縮部材に固着されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項13】 前記外管の内面において、当該外管の高さの半分よりも上の位置において、1段あたり少なくとも3箇所にスペーサが1段または複数段固着されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項14】 前記外管の上方部内面に、上下に間隔をおいてシール材把持用突設部材を固着し、当該シール材把持用突設部材の間でシール材を把持し、シール材が内管の外表面に密接することで、内管と外管の間に充填する前記経時硬化性材料の漏洩を防止していることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項15】 前記シール材把持用突設部材が、前記外管の内面に溶接等の手段で固着され、前記シール材把持用突設部材の間に、シール材が配置され、シール材係止ボルトが突設部材に開設のシール材係止ボルト挿通孔とシール材を挿通していることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項16】 前記シール材係止ボルトの隣接する間隔が略300mm以下であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の経時硬化性充填材の漏洩防止装置。 【請求項17】 外管の内部に内管が挿通され、その外管と内管との空隙部に、モルタル等の経時硬化性材料を充填して、当該外管と内管とを接合する二重鋼管の接合構造において、前記外管の下部の外周面に棒鋼等からなる突起が一体的に設けられ、前記外管の下部と内管の間の空隙を閉塞するよう、上部と下部に連続または非連続に上端部小袋体と下端部小袋体を有し、かつ柔軟性を有した円筒状袋体を配置し、前記突起の上側に配置した前記上端部小袋体の内部を挿通して金属製バンドや番線などの締結部材を配置し、内管の外周に配置された前記下端部袋体の内部を挿通して金属製バンドや番線などの締結部材を配置することで、内管と外管の間に充填した前記経時硬化性材料の漏洩防止がなされていることを特徴とする経時硬化性充填材の漏洩防止装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内管と外管の間に形成された空隙部に、モルタルなどの経時硬化性材料を充填することにより両管を一体化する二重鋼管の接合構造において、前記経時硬化性充填材の漏洩防止装置に関する。 【0002】具体的には、港湾における杭式横桟橋や、鋼管防波堤などの杭式構造物の杭部材の腐食対策や骨組構造におけるブレース材と杭部材との接合部の構造に関するものである。 【0003】 【従来の技術】従来、港湾等の水域における杭式桟橋、杭式防波堤あるいは河川等における橋脚基礎などに使用する鋼管杭(内管)2の頭部には、通常、図12に示すように鉄筋コンクリート製の梁や頂版コンクリートにより互いに連結されているコンクリート床板12が構築されている。この杭式桟橋11の鋼管杭(内管)2の頭部においては、海水による鋼管杭(内管)2の頭部の腐食対策のため、海面の上下にまたがって杭挿通用筒体(以下外管という)1が設けられ、当該外管1に比して径差のある鋼管杭(以下内管という)2が内部に挿通されて二重鋼管構造が構成され、この二重鋼管構造における外管1と内管2の空隙部4にモルタルなどの経時硬化性材料5を充填することで、海水が内管2の外表面に直に触れないようにし、内管2外表面の腐食防止を図っている(図13、図14参照)。 【0004】また、前記外管1は、前後の鋼管杭の間を接合する斜材(図2参照)の下端に設けられることがある。この場合は、外管1と内管2の空隙部4にモルタルなどの経時硬化性材料5を充填することで、この経時硬化性材料5を介して、外、内の両管1,2を接合すると共に、内管2外表面の腐食防止の作用も奏される。 【0005】前述のように、外管1と内管2の空隙部4にモルタルなどの経時硬化性材料5を充填して鋼管杭式構造物を構築する場合において、特に重要なことは、経時硬化性材料5が充填時に空隙部4から漏洩しないことである。これに加えて、さらに望ましくは、内管2と外管1を同心的に容易に仮支持できることであり、この状態で経時硬化性材料5を充填することである。 【0006】図13の従来例1では、前記の点に鑑みて、内管2の外周にリブ7a付きの環状の底型枠7を配置し、内管2と同心的に配置した外管1の下端を底型枠7の上面に密に載置し、その接触部外面をエポキシ樹脂の水中硬化性のパテ材や隅肉溶接8でシールし、経時硬化性材料5が空隙部4から漏洩しないようにしている。 【0007】図14の従来例2では、図13の従来例1におけるエポキシ樹脂の硬化パテや隅肉溶接8に代えて、環状のスポンジなどの弾性体10を底型枠7の上面に載置し、内管2と同心的に配置した外管1の下端を弾性体10の上面に載置することで、空隙部4の下端を閉塞し、経時硬化性材料5が空隙部4から漏洩しないようにしている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来技術1、2では、外管の下端面と鋼製の底型枠の上表面を完全に密着させることは極めて困難なため、外管と底型枠の接触面を水中溶接したり、水中硬化性のパテ材でシールする必要があり、作業時間とコストが嵩むといった問題があった。 【0009】本発明は、前記の問題を解決し、作業時間とコストが嵩まないようにした、二重鋼管の接合構造における経時硬化性材料の漏洩防止装置を提供するものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明に係る、二重鋼管の接合構造における経時硬化性充填材の漏洩防止装置は、以下の構成を特徴とする。 【0011】第1の発明は、外管1の内部に内管2が挿通され、その外管1と内管2との間の空隙部に、モルタル等の経時硬化性材料5が充填されて、当該外管1と内管2とを接合する二重鋼管の接合構造において、前記外管1の内面に、上下に間隔を置いて固着したシール材把持用突設部材6a、6bの間でシール材15を把持し、シール材15が内管2の外表面に密接することで、内管2と外管1の間に充填する前記経時硬化性材料5の漏洩防止がなされていることを特徴とする。 【0012】第2の発明は、第1の発明において、前記シール材把持用突設部材6a、6bが前記外管1の内面下部に所定間隔で溶接などの手段で固着され、シール材係止ボルト8が、前記突設部材6a、6bに開設のシール材係止ボルト挿通孔14a,14bとシール材15を挿通していることを特徴とする。 【0013】第3の発明は、第1または第2の発明において、前記シール材把持用突設部材14a、14bの両方または一方が外管1の内面において、周方向に連続、または不連続であることを特徴とする。 【0014】第4の発明は、第1から第3の発明において、前記シール材15の内管2と当接する側に所定角度の斜面15cが形成されていることを特徴とする。 【0015】第5の発明は、第1から第4の発明において、前記シール材5が弾性的性質を有する気泡体であることを特徴とする。 【0016】第6の発明は、第1から第5の発明において、前記シール材15がポリエチレンからなる気泡体であることを特徴とする。 【0017】第7の発明は、第1から第6の発明において、前記シール材15が単独気泡を有する架橋ポリオレフィン気泡体であることを特徴とする。 【0018】第8の発明は、第1から第7の発明において、前記シール材15が厚さ10mm以上の単独気泡を有する架橋ポリオレフィン気泡体であることを特徴とする。 【0019】第9の発明は、第1から第8の発明において、前記外管1において、シール材15が配置された位置よりも上方に注入孔17が設けられ、前記注入孔17には、注入用短管18が接合され、この注入用短管18には注入用フレキシブル管19が接合され、前記注入用フレキシブル管19には注入用長尺管20が接合されていることを特徴とする。 【0020】第10の発明は、第1から第9の発明において、前記外管1の上端または上部外面にナット24が固着され、そのナット24には、先端で内管の外面を抑えるようにした揺動防止用ボルト22が螺合されていることを特徴とする。 【0021】第11の発明は、第1から第10の発明において、前記内管2の外周と前記外管1の内周の一方または両方に、突起体25が一体的に設けられていることを特徴とする。 【0022】第12の発明は、前記シール材把持用突設部材6a、6bが、前記外管1の内周面に固着された間隔減縮部材26に固着されていることを特徴とする。 【0023】第13の発明は、第1から第12の発明において、前記外管1の内面において、当該外管1の高さの半分よりも上の位置において、1段あたり少なくとも3箇所にスペーサ27が1段または複数段固着されていることを特徴とする。 【0024】第14の発明は、第1から第13の発明において、前記外管1の上方部内面に、上下に間隔をおいてシール材把持用突設部材6a、6bを固着し、当該シール材把持用突設部材6a、6bの間でシール材15を把持し、シール材15が内管2の外表面に密接することで、内管2と外管1の間に充填する前記経時硬化性材料5の漏洩を防止していることを特徴とする。 【0025】第15の発明は、前記シール材把持用突設部材6a、6bが、前記外管1の内面に溶接等の手段で固着され、前記シール材把持用突設部材6a、6bの間に、シール材15が配置され、シール材係止ボルト16が突設部材6a、6bに開設のシール材係止ボルト挿通孔14a,14bとシール材15を挿通していることを特徴とする。 【0026】第16の発明は、第1から第15の発明において、前記シール材係止ボルト16の隣接する間隔が300mm以下であることがされていることを特徴とする。 【0027】第17の発明は、外管1の内部に内管2が挿通され、その外管1と内管2との空隙部に、モルタル等の経時硬化性材料5を充填して、当該外管1と内管2とを接合する二重鋼管の接合構造において、前記外管1の下部の外周面に棒鋼等からなる突起31が一体的に設けられ、前記外管1の下部と内管2の間の空隙を閉塞するよう、上部と下部に連続または非連続に上端部小袋体30aと下端部小袋体30bを有し、かつ柔軟性を有した円筒状袋体30を配置し、前記突起31の上側に配置した前記上端部小袋体30aの内部を挿通して金属製バンドや番線などの締結部材32を配置し、内管2の外周配置された前記下端部袋体30bの内部を挿通して金属製バンドや番線などの締結部材32を配置することで、内管2と外管1の間に充填した前記経時硬化性材料5の漏洩防止がなされていることを特徴とする。 【0028】本発明によると、シール材15が内管2の外表面に密接するため、経時硬化性材料5の充填を確実に行うことができると共に、内管2を設置した後に、その外側に外管1を設置するだけでよいので、作業時間を短縮でき、かつ、安価である。さらに、シール材15が内管2の外表面に密接しているため、外管1と内管2の周方向の間隔を均一に保持することができ、モルタルなどの経時硬化性材料5の「かぶり」を周方向で一定にすることができ、また、シール材15が内管2の外表面に密接しているため、経時硬化性材料5が硬化する前に、波浪などの外力の作用を受けた場合に、外管1と内管2の相対変位による揺動作用に対して抵抗することができる。 【0029】また、本発明において、柔軟性を有する円筒状袋体30により内管2と外管1との間の空隙部4の下部を閉塞する場合は、当該円筒状袋体30は柔軟性があるので、内管2と外管1との平面的位置関係の不均一さの影響を受けずらい。 【0030】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1、図2は、本発明の経時硬化性充填材の漏洩防止装置が実施される一例として、杭式横桟橋11の概要図を示し、図1(A)は、平面図、(B)は、同(A)の中央部縦断面図、図2は、図1(B)矢視(イ)部の拡大図である。 【0031】各図に示すように、杭式横桟橋11は次のように構成される。すなわち、多数の内管(鋼管杭)2および鋼管杭や壁体形成部材(鋼管矢板や鋼矢板)2´が適宜間隔を隔てた状態で、水底地盤13(13aが中間地盤、13bが支持地盤)に打設され、前記内管2´の上部から水底地盤13に向かって、斜め下向きに延長する多数の斜材3が、横方向に適宜間隔を隔てて配置される。前記斜材3の下端部には、外管(杭挿通用下部筒体)1が接合され、前記外管1に挿通された内管(鋼管杭)2は水底地盤13に打設され、前記外管1の内径と内管2の外径との径差により形成される空隙部には、モルタル等の経時硬化性材料が充填され、前記外管1と内管2の間が結合される。 【0032】また、前記内管2の上端部は、構造物(桟橋のコンクリート床版)12の延長方向に互いに接合され、前記鋼管杭や壁体形成部材(鋼管矢板や鋼矢板)2´の上端部と斜材3の上端部とが、コンクリート等の経時硬化性材料の中に埋設固定されて上方結合部(ロ)を構成し、内管2の上端部は経時硬化性材料の中に埋設されて上方結合部(ハ)を構成し、コンクリート等の経時硬化性材料からなる床版12の両端部は、それぞれ前記上方結合部(ロ)および上方結合部(ハ)と一体化されている。 【0033】本発明は、前記構成の杭式横桟橋11において、斜材3の下端部に接合された外管(杭挿通用下部筒体)1と、この外管1に挿通される内管(鋼管杭)2との挿通部(ニ)において、両管1、2の径差により形成される空隙部に充填されるモルタル等の経時硬化性充填材の漏洩防止装置に特徴がある。 【0034】図3〜図6を参照して、経時硬化性充填材の漏洩防止装置の実施形態1を説明する。 【0035】図3に示すように、外管1に挿通される内管(鋼管杭)2との挿通部(ニ)において、外管1の下方の内面の所定位置に、上下に所定間隔離してシール材把持用突設部材6a、6bが溶接などの手段で固着され、前記シール材把持用突設部材6a、6bの間にシール材15が配置され、シール材係止ボルト16が、シール材係止ボルト挿通孔14a,14bとシール材15を挿通し、シール材把持用突設部材6a,6bに固定され、シール材15が内管2の外表面に屈曲形状で密接し、内管2と外管1の間には、モルタル等の経時硬化性材料5が充填されている。 【0036】シール材15は平面リング状であり、このシール材15の上面と下面を把持するシール材把持用突設部材6a,6bは、図4(A)に示すようにシール材15の全周に渡ってリング状に設けてもよいし、図4(B)に示すようにシール材15の周方向に断続的に設けてもよい。シール材把持用突設部材6a,6bは、前記連続または断続したものを、シール材15の上面と下面に組合せて用いてもよい。例えば、上面に連続リング状の突設部材6a,6bを配置し、下面に断続の突設部材6a,6bを配置し、又はその逆の組み合わせでもよい。何れの場合も、シール材把持用突設部材6a,6bには、シール材係止ボルト挿通孔14a,14bが、一定間隔で開設されている。 【0037】シール材15の断面形状は、図5に示すように、内管2に嵌合する前は、フラットなリング形状であり、かつ、上面15aの内周縁は、下面15bの内周縁よりも若干中心方向に突出させてあり、この上面15aの内周縁と、下面15bの内周縁とは、所定角度の斜面15cでつながっている。このシール材15は、内管2に上方から嵌合したときは、図3に示すように、シール内周縁が内管2の外周面と圧接して、当該内周縁の側が上方に折り曲がるように湾曲し、シール材15の配設位置の上方における、内管2と外管1の間に形成される空隙部4の下端を密閉できる。 【0038】シール材15の材料は、特に限定されないが、望ましくは、弾性的性質を有する気泡体、例えば、ポリエチレン気泡体、あるいは単独気泡を有する架橋ポリオレフィン気泡体(特に、特公平2−42649に開示のもの)がよい。またこの架橋ポリオレフィン気泡体の厚さは、経時硬化性充填材の充填圧力に抗するために、10mm以上の厚さを有するものがよい。前記材料からなるシール材15を使用した場合、従来知られている他の弾性材に比べて、密着性、耐候性、耐薬品性、非吸水性等の点で優れ、本発明のシール材15として、最も望ましい性質を具備している。 【0039】シール材15の上部における、内管2と外管1の間に形成される空隙部4には、モルタル等の経時硬化性材料5が充填される。このため、図6に示すように、外管1において、シール材15が配設された位置よりも上方に注入孔17が設けられ、前記注入孔17には、注入用短管18が接合され、この注入用短管18には注入用フレキシブル管19が接合され、さらに、前記注入用フレキシブル管19には注入用長尺管20が接合されている。 【0040】したがって、注入用長尺管20と注入用フレキシブル管19を介して、内管2と外管1の間に形成される空隙部4に、モルタル等の経時硬化性材料5が充填でき、このとき、空隙部4の下端はシール材15で密封されているので、経時硬化性材料5が空隙部4から漏出しない。 【0041】図7(A)、(B)は、実施形態2、3を示す。図7(A)の実施形態2では、外管1の上端部(縁)の所定箇所にナット21が固着され、そのナット21には、揺動防止用ボルト22が螺合されている。図7(B)の実施形態3では、外管1の上端部(縁)から若干下がった高さ位置の所定箇所に開孔23が開設されていて、外管1の外周面には、開孔23と同心的にナット24が溶接され、そのナット24には、揺動防止用ボルト22が螺合されている。 【0042】実施形態2、3によると、周方向に所定の間隔で配置された複数の揺動防止用ボルト22の進入を調節することで、内管2と外管1の芯合わせの際、その微調整を簡単、迅速に行えると共に、内管2と外管1の揺動に伴う相対的な動きを防止でき、この状態で空隙部4に、円滑にモルタル等の経時硬化性材料5を充填できる。 【0043】また、図7(A)においては、内管2の外周の所定箇所および、外管1の内周の所定箇所に突起体25が一体的に設けられており、それにより、内管2および外管1と、モルタル等の経時硬化性材料5との結合がより確実となるよう構成されている。なお、突起体25は内管2および外管1の両方に限らず、外管1の内周または内管2の外周の何れか一方にのみ設けてもよい。また、鋼管の内面または外面に突起を有する突起付き鋼管を用いても良い。 【0044】図8は実施形態4を示す。この実施形態4では、外管1の下方部の内面の所定箇所に所定の厚みを有する間隔減縮部材26が固着され、この間隔減縮部材26にシール材把持用突設部材6a、6bが固着されている。 【0045】間隔減縮部材26を設けるのは、次の理由による。つまり、シール材把持用突設部材6a、6bは、所定板厚の鋼板を所定幅、所定長の真直な帯状に切断したうえ、この帯状鋼板を外管1と同じ曲率で幅方向に曲げ形成するが、外管1の内径が大寸法になると、長尺の帯状鋼板を円滑に幅方向に曲げ形成する作業が困難になる。 【0046】さらに、所定外径の内管2に対し、外管1の内径が大の寸法になり、内管2と外管1の間隔(間隙幅)が大になると、リング状のシール材15の幅(内縁と外縁の径差)が大きくなり、シール材把持用突設部材6a、6bによる固定部からシール材内周縁15d(図5参照)までが長くなり、このためシール材15の弾性を利用することによる内周縁15dの内管2の外周面への密圧接度が低下する恐れがある。 【0047】この点、実施形態4では、所定板厚、所定幅、所定長の間隔減縮部材26を、(幅方向でなく)厚み方向に外管1とほぼ同じ曲率で曲げながら外管1に溶接する。その後、間隔減縮部材26の内周に沿って、実施形態1、2と同様に、所定曲率に曲げ加工された内周に溶接する。このように、間隔減縮部材26を用いることで、大径の外管1の内周にも円滑にシール材把持用突設部材6a、6bを固着できる。 【0048】また、シール材15の固着位置は、間隔減縮部材26の厚み分だけ縮径した位置で固定されるので、外管1の内径が大でも、シール材15の内外の幅は小でよく、したがって、シール材固定部からシール材内周縁15dまでの寸法を短くでき、シール材15の弾性を十分に利用して、内周縁15dを内管2の外周面に確実に密圧接させることができる。 【0049】図9は実施形態5を示す。この実施形態5では、同図に示すように、外管1の上方部(少なくとも、中間部より上方部)の内周面に、周方向に複数個のスペーサ27を設けた(一段または複数段でもよい)例を示す。このように外管1の内周にスペーサ27を設けることで、内管1と外管2との芯合わせが容易となり、内管1と外管2の同心配置によるモルタル等の経時硬化性材料5の充填作業が迅速に行える。実施形態5においても、外管2下部のシール構造は、実施形態1と同じである。 【0050】図10は実施形態6を示す。この実施形態6では、外管1の上方部の内周面にも、実施形態1における外管1の下方部と同じシール構造が構成されている。すなわち、シール材把持用突設部材6a、6bが溶接などの手段で固着され、前記シール材把持用突設部材6a、6bの間にシール材15が配置され、シール材係止ボルト16が、シール材係止ボルト挿通孔14a,14bとシール材15を挿通し、シール材把持用突設部材6a,6bに固定されている。この上部のシール材15には、上下方向に貫通してモルタル等充填材の確認用開孔28や、海水流出スリット29が設けられている。また、この実施形態6でも、外管1の下方部には、シール材把持用突設部材6a、6bが設けられている。 【0051】この実施形態6においては、シール材15が内管2の外表面に屈曲形状で密接することで、空隙部4の上部を閉塞しているので、外管1の注入孔17(図6に示す)から空隙部4にモルタル等の経時硬化性材料5を充填する際、当該経時硬化性材料5が空隙部4の上部間隙から不測に流出するのを防止できる。 【0052】経時硬化性材料5の充填時は、シール材15の上方から充填確認用開孔28を通して、充填状況を確認しながら充填し、かつ、空隙部4内の海水をスリット29から追い出しながら円滑に充填できる。 【0053】図11は実施形態7を示す。この実施形態7では、同図に示すように、外管1の下方部と内管2との間に形成される空隙部4の下端部間隙が、柔軟性を有する土木用シートからなる円筒状閉塞体30で閉塞され、空隙部4に充填するモルタル等の経時硬化性材料5が、空隙部4の下端部間隙から経時硬化性材料5が下方に流出するのを防止している。 【0054】円筒状閉塞体30の上端部と下端部を、それぞれ外管1と内管2の外周に固着する手段は任意であるが、図示例では、次の手段で固着されている。 【0055】外管1の下方部の外周面の所定位置に棒鋼等からなる突起31が、溶接で一体的に設けられている。一方、柔軟性を有する円筒状閉塞体30の上端部と、下端部にはそれぞれ周方向に連続または非連続に上端部小袋体30aと下端部小袋体30bが一体的に形成されている。 【0056】突起31の上側においては、上端部袋体30aの内部に金属製バンドや番線などの締結部材32を通し、この締結部材32aで外管1を締結することにより、上端部袋体30aを外管1の外周面に密に固着している。下端部小袋体30bの内部にも、前記と同様に金属製バンドや番線などの締結部材32を通し、この締結部材32で内管2を締結することにより、下端部袋体30bを内管2の外周面に密に固着している。 【0057】したがって、実施形態7では、外管1の下方部と内管2との間に形成される空隙部4の下端部間隙が、円筒状閉塞体30で閉塞され、空隙部4にモルタル等の経時硬化性材料5を充填するとき、空隙部4の下端部間隙から経時硬化性材料5が下方に流出するのを防止できる。 【0058】 【発明の効果】本発明に係る、内外二重鋼管の接合構造における経時硬化性充填材の漏洩防止装置によれば、次の効果がある。 ■ 内管を設置した後に、その外側に外管を設置するだけでよいので、作業時間を短縮でき、かつ、安価である。 ■ シール材が内管の外表面に屈曲形状で密接するため、経時硬化性材料の充填を確実に行うことができる。 ■ シール材が内管の外表面に屈曲形状で密接しているため、外管と内管の周方向の間隔を均一に保持することができ、モルタルなどの経時硬化性材料の「かぶり」を周方向で一定にすることができる。 ■ シール材が内管の外表面に屈曲形状で密接しているため、経時硬化性材料が硬化する前に、波浪などの外力の作用を受けた場合に、外管と内管の相対変位による揺動作用に対して抵抗することができる。 ■ また、本発明において、柔軟性を有する円筒状袋体により内管と外管との間の空隙部の下部を閉塞する場合は、当該円筒状袋体は柔軟性があるので、内管と外管との平面的位置関係の不均一さの影響を受けない。 ■ 前記において、円筒状袋体における上端部小袋体と、下端部小袋体に挿通された金属製バンドや番線などの締付け部材を外管および内管の外周に締付け固定するという簡単な手段で、モルタルなどの経時硬化性材料の充填時の漏洩防止ができる。 ■ 上端部小袋体は、外管の外周に一体的に設けられた突起に係止されているので、モルタルなどの経時硬化性材料の重さや充填圧力でずり落ちることがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月7日(2000.4.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107250 【弁理士】 【氏名又は名称】林 信之
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| 【公開番号】 |
特開2001−288766(P2001−288766A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−106231(P2000−106231) |
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