| 【発明の名称】 |
複合パイル |
| 【発明者】 |
【氏名】城國 省二
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| 【要約】 |
【課題】製造が容易であり、また、軽量で、錆びが発生する恐れが無い複合パイルを提供する。
【解決手段】樹脂管を外殻とし、該樹脂管の内側に、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含む配合物を遠心力成形によってライニングして、樹脂管と配合物とを一体化した複合パイル。さらに、配合物に、金属繊維及び/又は有機質繊維、平均粒径3〜20μmの無機粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を含むことが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂管を外殻とし、該樹脂管の内側に、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含む配合物を遠心力成形によってライニングして、樹脂管と配合物とを一体化したことを特徴とする複合パイル。 【請求項2】 配合物に、金属繊維及び/又は有機質繊維を含む請求項1記載の複合パイル。 【請求項3】 金属繊維が、径0.01〜1.0mm、長さ2〜30mmの鋼繊維である請求項2記載の複合パイル。 【請求項4】 有機質繊維が、径0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmのビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維から選ばれる1種以上の繊維である請求項2記載の複合パイル。 【請求項5】 配合物に、平均粒径3〜20μmの無機粉末を含む請求項1〜4のいずれかに記載の複合パイル。 【請求項6】 配合物に、平均粒度1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を含む請求項1〜5のいずれかに記載の複合パイル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂管を外殻とし、その内側に圧縮強度が200MPaを超える配合物(コンクリート)をライニングした複合パイルに関する。本発明の複合パイルは、基礎杭等として使用する。 【0002】 【従来の技術】従来より、鋼管を外殻とし、その内側に圧縮強度80MPa程度の高強度コンクリートをライニングした複合パイル(いわゆる鋼管コンクリート杭)が知られている。該鋼管コンクリート杭は、大きな曲げモーメントやせん断力が作用する場合の基礎杭、あるいは変位の制限条件が大きい場合の基礎杭として使用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した鋼管コンクリート杭には、1)スランプ数cm程度のコンクリートを使用するため、鋼管内へのコンクリートの投入が困難である。また、遠心力成形によって製造するため、成形後に発生するノロを処理する必要がある。 2)鋼管自体の重量が大きく、また、コンクリート厚も厚いため、鋼管コンクリート杭の重量が大きくなり、運搬等に手間がかかる。 3)鋼管が錆びる。 などの欠点があった。 【0004】そのため、上記の欠点が解消できる複合パイル、すなわち、製造が容易であり、また、軽量で、錆びが発生する恐れが無い複合パイルが望まれていた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、樹脂管を外殻とし、その内側に特定の材料を組み合わせた配合物を遠心力成形によってライニングして、樹脂管と配合物とを一体化した複合パイルであれば、上記課題を解決することができるとの知見を得、本発明に到達した。 【0006】即ち、本発明は、樹脂管を外殻とし、該樹脂管の内側に、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含む配合物を遠心力成形によってライニングして、樹脂管と配合物とを一体化したことを特徴とする複合パイル(請求項1)であり、さらに、配合物に、金属繊維及び/又は有機質繊維(請求項2)、平均粒径3〜20μmの無機粉末(請求項5)、平均粒度1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子(請求項6)を含むことが好ましいものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明において、外殻である樹脂管に使用する樹脂は、特に限定するものではなく、例えば、塩化ビニル樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。樹脂管の外径は300〜600mm、長さは5〜15mであることが好ましい。なお、本発明においては、樹脂管と配合物の付着性を高めるために、樹脂管の内面に若干の凹凸(キズでもよい)があることが好ましい。 【0008】本発明の複合パイルは、前記樹脂管を外殻とし、該樹脂管の内側に、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含む配合物を遠心力成形によってライニングして、樹脂管と配合物とを一体化したものである。本発明で使用するセメントの種類は限定するものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。本発明において、配合物の早期強度を向上しようとする場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性を向上しようとする場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。 【0009】ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストでは、その平均粒径は、1.0μm以下であり、粉砕等をする必要がないので本発明のポゾラン質微粉末として好適である。ポゾラン質微粉末の配合量は、配合物の硬化後の強度等から、セメント100重量部に対して5〜50重量部が好ましい。ポゾラン質微粉末が少ないと強度発現性が低下する。ポゾラン質微粉末の添加量が多くなると単位水量が増大するのでやはり強度発現性が低下する。 【0010】本発明においては粒径2mm以下の細骨材が用いられる。ここで、本発明における細骨材の粒径とは、85%重量累積粒径である。細骨材の粒径が2mmを超えると、配合物の硬化後の強度が低下する。なお、本発明においては、最大粒径が2mm以下の細骨材を用いることが好ましく、最大粒径が1.5mm以下の細骨材を用いることがより好ましい。細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物を使用することができる。細骨材の配合量は、配合物の硬化後の強度や乾燥収縮量の低減等から、セメント100重量部に対して50〜250重量部が好ましく、80〜180重量部がより好ましい。 【0011】減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。減水剤の配合量は、セメント100重量部に対して、固形分換算で0.5〜4.0重量部が好ましい。セメント100重量部に対して、減水剤量(固形分換算)が0.5重量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低く成形などの作業も困難である。セメント100重量部に対して、減水剤量(固形分換算)が4.0重量部を超えると強度が低下する。なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。 【0012】水量は、セメント100重量部に対して10〜30重量部が好ましく、より好ましくは15〜25重量部である。セメント100重量部に対して、水量が10重量部未満では、混練が困難となるとともに、配合物の流動性が低く成形などの作業も困難である。セメント100重量部に対して、水量が30重量部を超えると強度が低下する。 【0013】本発明においては、配合物の硬化後の曲げ強度を大幅に高める観点から、前記配合物に金属繊維及び/又は有機質繊維を含ませることが好ましい。金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中でも鋼繊維は強度に優れており、またコストや入手のし易さの点からも好ましいものである。金属繊維は、径0.01〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。径が0.01mm未満では繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れやすくなる。径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなり、曲げ強度を向上させる効果が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際ファイバーボールが生じやすくなる。長さが2mm未満では曲げ強度を向上させる効果が低下する。金属繊維の配合量は、配合物の体積の4%未満が好ましく、より好ましくは3%未満である。金属繊維の含有量が多くなると混練時の作業性等を確保するために単位水量も増大するので、金属繊維の配合量は前記の量が好ましい。 【0014】有機質繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。有機質繊維は、径0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。有機質繊維の配合量は、配合物の体積の10%未満が好ましく、8%未満がより好ましい。なお、本発明においては、金属繊維と有機質繊維を併用することは差し支えない。 【0015】本発明においては、配合物の硬化後の強度を高める観点から、配合物に、平均粒径3〜20μm、より好ましくは平均粒径4〜10μmの無機粉末を含ませることが好ましい。無機粉末としては、石英粉末、石灰石粉末、炭化物、窒化物等が挙げられるが、なかでも石英粉末は、コストの点や配合物の硬化後の品質安定性の点から好ましいものである。石英粉末としては、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。無機粉末の配合量は、配合物の流動性や硬化後の強度から、セメント100重量部に対して50重量部以下が好ましく、20〜35重量部がより好ましい。 【0016】本発明においては、配合物の硬化後の靱性を高める観点から、配合物に、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を含ませることが好ましい。ここで、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が、薄片状粒子としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。繊維状粒子又は薄片状粒子の配合量は、配合物の流動性や硬化後の強度、靱性等から、セメント100重量部に対して35重量部以下が好ましく、10〜25重量部がより好ましい。なお、繊維状粒子においては、硬化体の靱性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。 【0017】本発明において、配合物の混練方法は、特に限定するものではなく、例えば、1)水、減水剤以外の材料を予め混合しておき(プレミックス)、該プレミックス、水、減水剤をミキサに投入し、混練する。 2)水以外の材料を予め混合しておき(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)、該プレミックス、水をミキサに投入し、混練する。 3)各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。 等の方法が挙げられる。 【0018】混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。 【0019】本発明においては、外殻である樹脂管の内側に、配合物を投入し(流し込み)、遠心力成形によってライニングして、樹脂管と配合物とを一体化させる。本発明における配合物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、200mm以上と流動性に優れるものであり、樹脂管内への投入(流し込み)を容易に行うことができる。また、本発明においては、遠心成形を行っても、ノロは発生しない。 【0020】本発明においては、養生条件は、樹脂管に使用する樹脂の種類による。すなわち、耐熱性の小さい樹脂を使用する場合は、気中養生を行う。一方、耐熱性の大きい樹脂を使用する場合は、気中養生や蒸気養生を行えば良い。 【0021】本発明の配合物の硬化体は200MPaを超える圧縮強度を発現するので、ライニングする配合物の厚さを薄くすることができる。その結果、複合パイルを軽量化することができる。また、樹脂管を外殻として使用するので、錆び等の問題もない。また、本発明の複合パイルは、圧縮強度が200MPaを超える超高強度の硬化体と樹脂管とからなるので、基礎杭等として使用することが可能である。 【0022】 【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 1.使用材料以下に示す材料を使用した。 1)セメント ;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製) 2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径0.7μm) 3)細骨材 ;珪砂4号と珪砂5号の2:1(重量比)混合品4)金属繊維 ;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm) 5)高性能AE減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤6)水 ;水道水7)無機粉末 ;石英粉(平均粒径7μm) 8)繊維状粒子 ;ウォラストナイト(平均長さ0.3mm、長さ/直径の比4) 【0023】実施例1低熱ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム32.5重量部、細骨材120重量部、高性能AE減水剤1.0重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部を二軸練りミキサに投入し、混練した。該配合物のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。その結果、フロー値は270mmであった。また、前記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は210MPaであった。さらに、前記配合物を4×4×16cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は25MPaであった。 【0024】実施例2低熱ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム32.5重量部、細骨材120重量部、高性能AE減水剤1.0重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部、鋼繊維(配合物中の体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練した。該配合物のフロー値を実施例1と同様に測定した。その結果、フロー値は250mmであった。また、圧縮強度と曲げ強度も実施例1と同様に測定した。その結果、圧縮強度は210MPa、曲げ強度は47MPaであった。 【0025】実施例3低熱ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム32.5重量部、細骨材120重量部、高性能AE減水剤1.0重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部、石英粉30重量部、ウォラストナイト24重量部、鋼繊維(配合物中の体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練した。該配合物のフロー値を実施例1と同様に測定した。その結果、フロー値は250mmであった。また、圧縮強度と曲げ強度も実施例1と同様に測定した。その結果、圧縮強度は230MPa、曲げ強度は47MPaであった。 【0026】実施例4低熱ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム32.5重量部、細骨材180重量部、高性能AE減水剤1.0重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部、石英粉30重量部、ウォラストナイト24重量部、鋼繊維(配合物中の体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練した。該配合物を、外径500mm×長さ5mの塩化ビニル樹脂製の管(管厚10mm)に投入し(コンクリート厚が50mmとなる量)、遠心力成形(低速2G×2分、低速5G×5分、中速15G×5分、高速35G×15分)を行った。遠心力成形後のノロの発生は認められなかった。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合パイルにおいては、流動性に優れる配合物を使用し、かつ遠心力成形を行ってもノロは発生しないので、製造が容易である。また、本発明においては、樹脂管を外殻とし、該樹脂管の内側に圧縮強度が200MPaを超える配合物をライニングするので、ライニングする配合物の厚さを薄くすることができ、軽量化が可能である。さらに、外殻として樹脂管を使用するので、錆びが発生する恐れはない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000240 【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月23日(2000.3.23) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−271340(P2001−271340A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−82974(P2000−82974) |
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