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【発明の名称】 埋立て地盤におけるドレーン材の接続方法および構造
【発明者】 【氏名】岡本 正広

【氏名】木山 正明

【氏名】村松 栄二郎

【要約】 【課題】海底軟弱地盤の流動性が大きくても鉛直ドレーン材の上端部と海底敷設ドレーン材を確実かつ安定して接触せしめることができ、間隙水の排水経路が確保され、海底軟弱地盤の圧密促進が阻害されることのない埋立て地盤におけるドレーン材の接続方法および構造を提供する。

【解決手段】埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造は、海底地盤G中に列状に打設される複数の鉛直ドレーン材1と、その列に沿って敷設される海底敷設ドレーン材2と、海底敷設ドレーン材2の上面に接触する鉛直ドレーン材1の上端部1aを相互に摺動可能に拘束する接続用テープ3から構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】海底地盤中に列状に打設される複数の鉛直ドレーン材の上端部を、該鉛直ドレーン材の列に沿って敷設される海底敷設ドレーン材の上面及び/又は下面に接触せしめて、相互に摺動可能に拘束することを特徴とする埋立て地盤におけるドレーン材の接続方法。
【請求項2】海底地盤中に列状に打設される複数の鉛直ドレーン材と、該鉛直ドレーン材の列に沿って敷設される海底敷設ドレーン材と、該海底敷設ドレーン材の上面及び/又は下面に接触する上記鉛直ドレーン材の上端部を相互に摺動可能に拘束する手段、から成ることを特徴とする埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造。
【請求項3】上記拘束手段が、上記海底敷設ドレーン材に取り付けられた接続用テープであり、これに上記鉛直ドレーン材の上端部を挿通せしめて構成することを特徴とする請求項2に記載の埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造。
【請求項4】上記拘束手段が、上記海底敷設ドレーン材に布設された透水性シートに形成された帯部であり、これに上記鉛直ドレーン材の上端部を挿通せしめて構成することを特徴とする請求項2に記載の埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造。
【請求項5】上記拘束手段が、相互に結束された2枚の鉛直ドレーン材であり、これに上記鉛直ドレーン材の上端部を挿通せしめて構成することを特徴とする請求項2に記載の埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造。
【請求項6】上記鉛直ドレーン材の上端部を、鉛直ドレーン材の上端部の上面あるいは下面に折り返して構成したことを特徴とする請求項2、3、4または5に記載の埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋立て地盤におけるドレーン材の接続方法および構造に関する。
【0002】
【従来の技術】海上空港、人工島、産業廃棄物処分場等の建設のための埋立て工事に先立って、海底の軟弱地盤を改良する必要がある。従来、軟弱地盤の改良工法として、海底地盤中にサンドドレーンやプラスチックドレーン(排水路を形成した芯材とこれを取り囲むフィルター材から構成されるドレーン材)などの鉛直ドレーンを打設すると共に、その海底上に水平ドレーンとしてのサンドマットを敷設し、上記サンドマット上に土砂等を埋め立てて載荷し、軟弱地盤を圧密促進するサンドマット工法が行われていた。
【0003】上記サンドマット工法は、砂を大量に必要とするが、近年、良質の砂を確保することが非常に困難であるだけでなく、新たな砂の大量採取は環境破壊に繋がる等の問題もあり、これに替わる工法の開発が要請されていた。
【0004】上記要請に応えるために、本発明者らは、図6に示すように、上記サンドマットに替わって板状の水平ドレーン材Sを敷設して、軟弱地盤中の間隙水を上記プラスチックドレーンPにより上昇せしめると共に、上記水平ドレーン材Sにより水平移動させて排水する工法(MASS工法:Marine SandlessSheet Method)を開発した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記MASS工法は、海底地盤や浚渫埋立地など流動性の大きい地盤では、プラスチックドレーンPとシートSの接続部分が確実に接触しているとの確証がなく、排水経路の連続性に支障をきたし安定性に欠ける等の問題点があった。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、海底軟弱地盤の流動性が大きくても鉛直ドレーン材の上端部と海底敷設ドレーン材を確実かつ安定して接触せしめることができ、間隙水の排水経路が確保され、海底軟弱地盤の圧密促進が阻害されることのない埋立て地盤におけるドレーン材の接続方法および構造を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の埋立て地盤におけるドレーン材の接続方法は、海底地盤中に列状に打設される複数の鉛直ドレーン材の上端部を、該鉛直ドレーン材の列に沿って敷設される海底敷設ドレーン材の上面及び/又は下面に接触せしめて、相互に摺動可能に拘束することを特徴とするものである。なお、本発明における海底には湖沼などの水底も含まれる。
【0008】また、本発明の埋立て地盤におけるドレーン材の接続構造は、海底地盤中に列状に打設される複数の鉛直ドレーン材と、該鉛直ドレーン材の列に沿って敷設される海底敷設ドレーン材と、該海底敷設ドレーン材の上面及び/又は下面に接触する上記鉛直ドレーン材の上端部を相互に摺動可能に拘束する手段、から成ることを特徴とする。また、上記拘束手段が、上記海底敷設ドレーン材に取り付けられた接続用テープであり、これに上記鉛直ドレーン材の上端部を挿通せしめて構成することも特徴とする。さらに、上記拘束手段が、上記海底敷設ドレーン材に布設された透水性シートに形成された帯部であり、これに上記鉛直ドレーン材の上端部を挿通せしめて構成することも特徴とする。またさらに、上記拘束手段が、相互に結束された2枚の鉛直ドレーン材であり、これに上記鉛直ドレーン材の上端部を挿通せしめて構成することも特徴とする。さらにまた、上記鉛直ドレーン材の上端部を、鉛直ドレーン材の上端部の上面あるいは下面に折り返して構成したことも特徴とするものである。なお、本発明における海底には湖沼などの水底も含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1において、1は帯状の鉛直ドレーン材であって、軟弱地盤G中にほぼ鉛直に打設される。該鉛直ドレーン材1としては、例えば、帯状のペーパードレーンやプラスチックドレーンなどの公知の鉛直ドレーン材のいずれでもよい。上記鉛直ドレーン材1は適宜間隔を保って列状に配列される。
【0010】2は、板状の海底敷設ドレーン材であって、上記鉛直ドレーン材1の打設列に沿って海底面上に敷設される。該海底敷設ドレーン材2としては、例えば、上記プラスチックドレーンなどの公知の水平ドレーン材のいずれでもよい。上記海底敷設ドレーン材2の上面には、これを幅方向に横断するように、上記鉛直ドレーン材1の上端部1aが横設される。
【0011】3は接続用テープであって、上記海底敷設ドレーン材2の上面に固着手段4により取り付けられている。該固着手段4としては、例えば、縫合せや針金、ホッチキスなどの適宜結合材による結合、接着剤などによる接合など、接続用テープ3の適宜箇所を海底敷設ドレーン材2の上面に固定できる手段であればいずれでもよい。上記鉛直ドレーン材1の上端部1aは、上記接続用テープ3に挟挿された状態で、海底敷設ドレーン材2に接続されている。このように、鉛直ドレーン材1の上端部1aと海底敷設ドレーン材2は、接続用テープ3により上下方向に離間しないように拘束されているが、水平方向には拘束されていないので、鉛直ドレーン材1の上端部1aは海底敷設ドレーン材2の上面に沿って摺動可能となっている。なお、上記接続用テープ3は1本だけでなく、複数本取り付けてもよい。
【0012】本実施例の接続は、以上のように構成されているので、圧密沈下の過程で、上記海底敷設ドレーン材2が鉛直ドレーン材1の上端部1aから離れようとしても、接続用テープ3により拘束されているので、接触面が確保された状態で、矢印で示すように、鉛直ドレーン材1の上端部1aが海底敷設ドレーン材2の上面で摺動する。その結果、両者が破断状態で切り離され、排水経路が絶たれる恐れはない。
【0013】図2は、別の実施例を示すもので、上記鉛直ドレーン材1の上端部1aを上側に折り返すことにより、海底敷設ドレーン材2に対する上端部1aの摺動長さを延ばし、両者の変動がさらに大きくなっても接触面を確保できるようにしたものである。
【0014】図3は、また別の実施例を示すもので、上記鉛直ドレーン材1の上端部1aを海底敷設ドレーン材2の下側に折り返して、この折り返し部分を別の接続用テープ3′により拘束すことにより、海底敷設ドレーン材2に対する上端部1aの摺動長さを延ばし、両者の変動がさらに大きくなっても接触面が確実に確保されるようにしたものである。
【0015】図4は、さらに別の実施例を示すもので、上記第1の実施例の接続用テープ3に代えて、海底敷設ドレーン材2上にフィルター材などの透水性シート5を布設し、これに切込みを入れて形成した帯部5aに、上記鉛直ドレーン材1の上端部1aを挿通せしめて、摺動可能に接触面を確保するものである。本実施例では、海底敷設ドレーン材2を構成するフィルターを上記透水性シート5に代えてもよい。
【0016】図5は、又更に別の実施例を示すもので、上記海底敷設ドレーン材2を2枚重ねて、その間に上記鉛直ドレーン材1の上端部1aを摺動可能に挿通せしめたものであり、上記2枚の海底敷設ドレーン材2は、テープやロープなどの結束手段6により分離しないように結束されている。本実施例の構成により、接触面が安定して確保される。
【0017】
【発明の効果】本発明のドレーン材の接続方法および構造によれば、海底軟弱地盤の流動性が大きくても鉛直ドレーン材の上端部と海底敷設ドレーン材を確実かつ安定して接触せしめることができ、間隙水の排水経路が確保され、海底軟弱地盤の圧密促進が阻害されることがない。
【出願人】 【識別番号】000219875
【氏名又は名称】東急建設株式会社
【識別番号】500131985
【氏名又は名称】サントップエンジニア株式会社
【出願日】 平成12年3月24日(2000.3.24)
【代理人】 【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
【公開番号】 特開2001−271336(P2001−271336A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−83391(P2000−83391)