トップ :: E 固定構造物 :: E02 水工;基礎;土砂の移送




【発明の名称】 除塵設備
【発明者】 【氏名】高浜 強

【氏名】中村 進

【氏名】三好 勝夫

【氏名】川添 英郎

【要約】 【課題】細目の除塵コンベヤにて掬い上げた大型夾雑物を、小型の夾雑物とは選別して搬出できるようにする。

【解決手段】水路3の途中に、細目の除塵コンベヤ5を、下半部側が没水するように斜め上下方向に配置する。除塵コンベヤ5の上半部側をカバーケーシング6で覆う。カバーケーシング6の上端部の排出口7の上側に、大型夾雑物12用の取出口14を開口させる。取出口14の下縁部内側に、キャッチャー板15を回動自在に支持させる。除塵コンベヤ5の上端部付近の位置に、大型夾雑物12を検知するための光電センサー21を設置する。光電センサー21の信号を基に、キャッチャー板15を回動させる電動シリンダ20へ作動指令を送る制御器22を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排水を流す水路の途中に、細目の除塵コンベヤを、下半部側が没水するように所要の傾斜角度で上下方向に配置して、該除塵コンベヤの上半部側をカバーケーシングで包囲し、且つ該カバーケーシングの上端部下側に排出口及び該排出口と連続するシュートを設け、上記除塵コンベヤで掬い上げた夾雑物を除塵コンベヤの上端部から排出口へ落下させ、シュートを通して搬出装置へ導くようにしてある除塵設備において、上記カバーケーシングの上端側後面板に、大型夾雑物用の取出口を設け、該取出口の下端縁部に、上記排出口の上方所要領域に張出し得る大きさとしたキャッチャー板を上下方向へ回動自在に軸支させ、且つ該キャッチャー板を上下方向へ回動させるためのアクチュエータをキャッチャー板に連結し、更に、上記カバーケーシングの上端部所要位置に、除塵コンベヤで掬い上げて上端部付近まで運ばれてきた大型夾雑物を検知するためのセンサーを設置し、該センサーの信号を基に上記アクチュエータに作動指令を送る制御器を備えてなる構成を有することを特徴とする除塵設備。
【請求項2】 センサーからの信号を基に制御器からの作動指令で作動するアクチュエータに代えて、手動ジャッキを設け、該手動ジャッキでキャッチャー板を回動させるようにした請求項1記載の除塵設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下水処理場や中継ポンプ場、排水機場等に流入する夾雑物を除去するために用いる除塵設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水処理場や中継ポンプ場、あるいは、排水機場等においては、流入水と共に流入してくる夾雑物を除去するために除塵設備が設けられている。
【0003】一例として、排水機場に設けられている除塵設備について示すと、図3に示す如く、流入ゲート1の位置から沈砂池2の位置まで延びる細長い水路3の途中の位置に、細かいメッシュ構造としてベルト表面に多数のレーキ4を長手方向に所要間隔で取り付けた細目の除塵コンベヤ5を、下半部側が没水して上半部側が水路3の上方へ突出するように上下方向に所要傾斜角度で配置し、且つ該除塵コンベヤ5の上半部側の周囲をカバーケーシング6で覆うと共に、該カバーケーシング6の上端部に下向きに開口する排出口7を設けて、該排出口7部に、下方に設置した搬出装置としての搬出コンベヤ9上へ向けて夾雑物を落下供給させるようにするホッパ状のシュート8を連設し、上流側より排水と共に水路3内に流入してきた夾雑物を除塵コンベヤ5のレーキ4で掬い上げて、除塵コンベヤ5の上端部から排出口7を通して落下させ、シュート8により搬出コンベヤ9上に導いて、搬出コンベヤ9により場外へ搬出させるようにしてある。10は流入ゲート1部のバイパス流路、11は沈砂池2内に設置した排出ポンプを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記除塵設備では、細目の除塵コンベヤ5を採用していて、該細目の除塵コンベヤ5で掬い上げる小型夾雑物に対応させて、シュート8や搬出コンベヤ9のサイズ及び設置間隔等が設定されているため、大型夾雑物を除塵コンベヤ5で掬い上げると、大型夾雑物の形状やサイズによっては、シュート8の部分や搬出コンベヤ9において詰まり現象を起すことがある。特に、長尺物の場合は、シュート8内で棚吊り状態になり易く、その都度、カバーケーシング6の側面板の蓋をあけて取り除く作業が必要となり、施設全体としての運転管理上及び維持管理上の問題が発生することになる。
【0005】上記の問題を解消するために、細目の除塵コンベヤ5の上流位置に粗目の除塵設備を設置することが考えられるが、設置場所の規制上の問題や、メンテナンス上の問題、あるいは、経済的な問題から、細目の除塵コンベヤ5のみが設置されることが多い。
【0006】そこで、本発明は、細目の除塵コンベヤにて掬い上げた大型夾雑物と小型夾雑物を、詰まり現象を起すことなく選別して搬出できるようにしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、排水を流す水路の途中に、細目の除塵コンベヤを、下半部側が没水するように所要の傾斜角度で上下方向に配置して、該除塵コンベヤの上半部側をカバーケーシングで包囲し、且つ該カバーケーシングの上端部下側に排出口及び該排出口と連続するシュートを設け、上記除塵コンベヤで掬い上げた夾雑物を除塵コンベヤの上端部から排出口へ落下させ、シュートを通して搬出装置へ導くようにしてある除塵設備において、上記カバーケーシングの上端側後面板に、大型夾雑物用の取出口を設け、該取出口の下端縁部に、上記排出口の上方所要領域に張出し得る大きさとしたキャッチャー板を上下方向へ回動自在に軸支させ、且つ該キャッチャー板を上下方向へ回動させるためのアクチュエータをキャッチャー板に連結し、更に、上記カバーケーシングの上端部所要位置に、除塵コンベヤで掬い上げて上端部付近まで運ばれてきた大型夾雑物を検知するためのセンサーを設置し、該センサーの信号を基に上記アクチュエータに作動指令を送る制御器を備えてなる構成とする。
【0008】大型夾雑物が除塵コンベヤで掬い上げられて上端部付近に運ばれてくると、センサーにより検知され、その信号を基に制御器からアクチュエータに作動指令が送られて、アクチュエータの作動によりキャッチャー板が排出口の上方領域に張り出し変位させられ、しかる後、大型夾雑物が落下してキャッチャー板で受けられると、アクチュエータの作動によりキャッチャー板が起立変位させられることで、大型夾雑物は取出口を通して自動的に搬出される。
【0009】又、センサーからの信号を基に制御器からの作動指令で作動するアクチュエータに代えて、手動ジャッキを設けて、該手動ジャッキを手動操作することでキャッチャー板を回動させるようにすることにより、製造コストやランニングコストを安価にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】図1(イ)(ロ)(ハ)は本発明の実施の一形態を示すもので、図3に示したと同様な構成としてある除塵装置において、細目の除塵コンベヤ5の上端部を通過して落下してくる大型夾雑物12をシュート8へ達する前に受け止めてカバーケーシング6外へ選別して搬出するようにした大型夾雑物取出装置13を装備させる。
【0012】上記大型夾雑物取出装置13について詳述すると、図1(ロ)(ハ)に示す如く、上記除塵コンベヤ5の上半部側を包囲するようにしてあるカバーケーシング6の上端排出口7の上側部、すなわち、水路3の下流側に面するカバーケーシング6の上端側後面板6aに、コンベヤ幅方向となる左右方向に沿わせて大型夾雑物用取出口14を開口させて設け、該取出口14の下端縁部の内側に、上記排出口7の上方位置に所要量張り出し得る長さとして目の粗い格子柵状に形成したキャッチャー板15を、左右方向に沿わせて配置して、該キャッチャー板15の基部両端に左右方向へ向けて突出させた軸16を、カバーケーシング6の上端側後面板6aの内側面に固設したブラケット17に支承させると共に、該両端の軸16部付近に、操作レバー18を直角に取り付けて、該各操作レバー18の先端部を、カバーケーシング6の上端側後面板6aに設けた貫通孔19を通してカバーケーシング6外へ突出させ、且つ該各操作レバー18の先端部に、カバーケーシング6の上端側後面板6aの外側面にそれぞれ下向きに設置したアクチュエータとしての電動シリンダ20のロッド20a端を接続して、該両電動シリンダ20の伸縮作動により操作レバー18を介しキャッチャー板15が両端の軸16を支点に上下方向へ回動させられるようにし、更に、上記除塵コンベヤ5のレーキ4により掬い上げられた大型夾雑物12がコンベヤ上端部を通過する直前の位置となるように、カバーケーシング6の側面板6bの所要位置に光電センサー21を設置し、且つ該光電センサー21の信号を基に上記電動シリンダ20に作動指令を与える制御器22を備え、光電センサー21にて大型夾雑物12を検知したときに、キャッチャー板15が排出口7の上方に一定時間だけ張り出された後に取出口14と面するように起立させられるようにすることにより、除塵コンベヤ5の上端部を通過して落下した大型夾雑物12をキャッチャー板15で一旦受け止めて取出口14を通してカバーケーシング6外へ搬出できるようにした構成としてある。
【0013】除塵コンベヤ5の運転時、キャッチャー板15は、図1(ロ)において二点鎖線で示す如く起立させられて取出口14を塞いでいる状態が基本姿勢となる。したがって、水路3内に排水の流れと共に小型夾雑物が流入して除塵コンベヤ5の位置へ到着した場合は、図3に示す従来方式と同様に、レーキ4により掬い上げられて除塵コンベヤ5の上端部を通過させられることにより排出口7へ落下させられ、シュート8により搬出コンベヤ9へ導かれて搬出される。この際、光電センサー21は小型夾雑物を検知しないように位置設定してあるため、制御器22から電動シリンダ20へ作動指令が送られることはない。
【0014】一方、水路3内に大型夾雑物12が流入して除塵コンベヤ5の位置に到着した場合も、レーキ4により掬い上げられるが、掬い上げられた大型夾雑物12が除塵コンベヤ5の上端部付近に達すると、光電センサー21によりその存在が検知されるため、制御器22から電動シリンダ20へ作動指令が送られる。この場合、伸長状態にある電動シリンダ20のロッド20aが収縮作動させられることにより図1(ロ)において二点鎖線の位置にあるキャッチャー板15が実線で示すように、倒伏変位させられることにより排出口7の上方の所要領域に張り出されるため、除塵コンベヤ5の上端部を通過して落下した大型夾雑物12はキャッチャー板15にて受け止められることになる。この際、大型夾雑物12の前後に位置していた小型夾雑物や、大型夾雑物12に付随していた小型夾雑物は、キャッチャー板15の前方の領域、あるいは、キャッチャー板15自体に有する空所を通りシュート8内へ落下させられる。しかる後、制御器22からの作動指令で電動シリンダ20のロッド20aが伸長作動させられることにより、キャッチャー板15は起立させられることになり、これにより、キャッチャー板15上の大型夾雑物12はカバーケーシング6の取出口14を通してカバーケーシング6外へ搬出される。したがって、大型夾雑物12によるシュート8や搬出コンベヤ9の詰まり現象の発生を未然に防ぐことができる。
【0015】このように、細目の除塵コンベヤ5の上端部付近に、大型夾雑物用の取出装置13を装備させて、大型夾雑物12と小型夾雑物とを選別して搬出させることができるようにしたことから、粗目の除塵設備を併設する場合に比し、除塵設備全体として、製造及び建設コストを削減することができると共にコンパクト化を図ることができ、又、メンテナンスも楽になり、且つ自動搬出により運転管理も容易となる。
【0016】次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様な構成において、光電センサー21及び制御器22を不要とし、且つアクチュエータとしての電動シリンダ20に代えて、ハンドル23の回転操作によってロッド24aが上下動するようにしてある手動ジャッキ24を設置したものである。
【0017】図2の実施の形態の場合には、作業員が取出口14を通して除塵コンベヤ5の上端部付近を監視し、大型夾雑物12が掬い上げられてきたことを確認したときに、手動ジャッキ24のハンドル23を所要方向に回転操作することにより、キャッチャー板15を倒伏変位させて排出口7の上方領域に張り出させるようにし、キャッチャー板15で大型夾雑物12を受けた後に、上記ハンドル23を逆方向に回転操作することにより、キャッチャー板15を起立変位させて、大型夾雑物12を取出口14から搬出させるようにする。この実施の形態によれば、図1(イ)(ロ)(ハ)の実施の形態の場合よりも、製造コストやランニングコストを安価にすることができる。
【0018】なお、図1(イ)(ロ)(ハ)の実施の形態では、キャッチャー板15を操作するためのアクチュエータとして電動シリンダ20を用いた場合を示したが、油圧シリンダやエアシリンダ等であってもよいこと、又、このアクチュエータはキャッチャー板15の左右幅サイズ等により片側のみの設置としてもよいこと、更に、光電センサー21に代えて他のセンサーを用いるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の除塵設備によれば、排水を流す水路の途中に、細目の除塵コンベヤを、下半部側が没水するように所要の傾斜角度で上下方向に配置して、該除塵コンベヤの上半部側をカバーケーシングで包囲し、且つ該カバーケーシングの上端部下側に排出口及び該排出口と連続するシュートを設け、上記除塵コンベヤで掬い上げた夾雑物を除塵コンベヤの上端部から排出口へ落下させ、シュートを通して搬出装置へ導くようにしてある除塵設備において、上記カバーケーシングの上端側後面板に、大型夾雑物用の取出口を設け、該取出口の下端縁部に、上記排出口の上方所要領域に張出し得る大きさとしたキャッチャー板を上下方向へ回動自在に軸支させ、且つ該キャッチャー板を上下方向へ回動させるためのアクチュエータをキャッチャー板に連結し、更に、上記カバーケーシングの上端部所要位置に、除塵コンベヤで掬い上げて上端部付近まで運ばれてきた大型夾雑物を検知するためのセンサーを設置し、該センサーの信号を基に上記アクチュエータに作動指令を送る制御器を備えてなる構成としてあるので、大型夾雑物が除塵コンベヤで掬い上げられると、センサーの信号に基づく制御器からの指令でアクチュエータが作動させられることにより、キャッチャー板が排出口の上方領域に張り出し変位させられることで大型夾雑物を受け止め、しかる後、キャッチャー板が起立変位させられることで大型夾雑物を取出口を通して自動的に選別搬出することができ、したがって、大型夾雑物によるシュートや搬出装置の詰まりを未然に防ぐことができ、これにより、粗目の除塵設備を併設する場合に比し、設備全体として、製造コスト及び建設コストを削減することができると共にコンパクト化を図ることができ、且つメンテナンスや運転管理を容易に行うことができ、又、センサーからの信号を基に制御器からの作動指令で作動するアクチュエータに代えて、手動ジャッキを設けて、該手動ジャッキでキャッチャー板を回動させるようにした構成とすることによって、製造コストやランニングコストをより安価にすることができる、等の優れた効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【識別番号】597092244
【氏名又は名称】石川島環境エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】 【識別番号】100087527
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄
【公開番号】 特開2001−329521(P2001−329521A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−149555(P2000−149555)