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【発明の名称】 ゲート用スポイラの取付構造
【発明者】 【氏名】新谷 昌之

【要約】 【課題】越流式ローラゲートのスポイラに引っ掛かったゴミを除去して、水脈振動の防止効果を維持できるようにする。

【解決手段】越流式ローラゲートの扉体1の越流水を分断し、越流水の水膜と扉体背面の間に空気を導入して、越流水の水脈振動に伴う扉体の振動を防止するスポイラ2の扉体1への取付構造において、扉体1の背面側頂部に、先端の凸凹により越流水を乱流化する乱流板7をヒンジ8を介して回動自在に下流側へ向けて延設し、乱流板7の上面にスポイラ2を固定し、乱流板7と扉体1の背面とをロッド11を介して連結し、通常は起立したスポイラ2及び乱流板3で水脈振動を防止し、スポイラ2にゴミが引っ掛かったときには、ロッド11をシリンダ12で収縮させ、乱流板3と共にスポイラ2を倒伏させて、ゴミを水流で流し去る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 越流式ローラゲートの扉体の越流水を分断し、越流水の水膜と扉体背面の間に空気を導入して、越流水の水脈振動に伴う扉体の振動を防止するスポイラの扉体への取付構造において、前記扉体の背面側頂部に、先端の凸凹により越流水を乱流化する乱流板をヒンジを介して回動自在に下流側へ向けて延設し、この乱流板の上面にスポイラを固定し、前記乱流板と、扉体の背面とを、それぞれにピンで回動自在に接合された伸縮自在のロッドを介して連結し、このロッドの伸縮に伴い乱流板が回転してスポイラが起伏するようにしたことを特徴とするゲート用スポイラの取付構造。
【請求項2】 前記扉体の頂板を下流側へ延長し、その延長部で前記ヒンジを覆ったことを特徴とする請求項1に記載のゲート用スポイラの取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、河川や水路に昇降する扉体を設けたローラゲートにおいて、その扉体の越流水を分断し、越流水の水膜と扉体背面の間に空気を導入して、越流水の水脈振動に伴う扉体の振動を防止するスポイラの扉体への取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、図4に示すように、越流式のローラゲートとして、扉体1の越流面をなす頂板5の下流側端部にスポイラ2と乱流板7を幅方向に所要ピッチで取り付けたものがある。このスポイラ2は、扉体1の越流水を分断し、越流水の水膜と扉体背面の間に空気を導入して、越流水の水脈振動に伴う扉体の振動を防止するものであり、乱流板7は越流水の流れを乱流化して低周波の空気振動の発生を防止するものである。この例では、スポイラ2として三角錐形のものを図示している。
【0003】また、図5に示すように、スポイラ2の間にそれより背が低い乱流スポイラ3を短いピッチで設け、この乱流スポイラ3により、乱流板7と同様に低周波の空気振動の発生を防止する効果を得るようにしたものである。この例では、スポイラ2及び乱流スポイラ3として山形のものを図示している。
【0004】ところで、これらのローラゲートでは、スポイラ2及び乱流スポイラ3が扉体1の越流頂4から下流側へ離れた位置に取り付けられているため、スポイラ2や乱流スポイラ3が越流を阻害することはないが、これらにゴミが引っ掛かると、越流水の水膜の分断が不十分になり、その結果、空気の導入が妨げられて振動の防止効果が得られなくなることがあり、また、美観上も好ましくない。
【0005】また、実登2586557号において、図6に示すように、扉体1の背面に油圧シリンダ6を取り付け、この油圧シリンダ6の伸縮に伴いスポイラ2を扉体1の天端から出没させるようにしたものが提案されている。この例では、スポイラ2にゴミが引っ掛かったとき、油圧シリンダ6を収縮させ、スポイラ2を扉体1の天端から没入させて、水流によりゴミを流し去る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に示すローラゲートでは、スポイラ2の数だけ油圧シリンダ6を要し、スポイラ2を多数設けて越流水を乱流化するには、多数の油圧シリンダ6が必要となり、設備が高価なものになるという問題がある。
【0007】そこで、この発明は、ゴミを容易に除去でき、水脈振動の防止効果を維持できるスポイラの取付構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、この発明は、越流式ローラゲートの扉体の越流水を分断し、越流水の水膜と扉体背面の間に空気を導入して、越流水の水脈振動に伴う扉体の振動を防止するスポイラの扉体への取付構造において、前記扉体の背面側頂部に、先端の凸凹により越流水を乱流化する乱流板をヒンジを介して回動自在に下流側へ向けて延設し、この乱流板の上面にスポイラを固定し、前記乱流板と、扉体の背面とを、それぞれにピンで回動自在に接合された伸縮自在のロッドを介して連結し、このロッドの伸縮に伴い乱流板が回転してスポイラが起伏するようにしたのである。
【0009】このように構成すると、通常はロッドを伸長してスポイラを起立させておくことにより、スポイラ及び乱流板で水脈振動を防止でき、スポイラにゴミが引っ掛かったときには、ロッドを収縮させ、乱流板と共にスポイラを倒伏させることにより、ゴミを水流で流し去ることができる。
【0010】なお、前記扉体の頂板を下流側へ延長し、その延長部で前記ヒンジを覆うようにすると、ヒンジを流木等の衝突から保護できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、ここでは、上述の従来例に示した各部材と同様のものには同一の符号を付し、その機能等の説明は省略する。
【0012】図1及び図2は、この発明の第1実施形態を示す。この例では、扉体1の越流頂4から下流側へ延びる頂板5より少し下がって、扉体1の背面側頂部に、乱流板7がヒンジ8を介し回動自在に下流側へ向けて取り付けられ、乱流板7の上面にスポイラ2が固定されている。この例では、スポイラ2として三角錐形のものを示しており、乱流板7は、先端の凸凹により越流水を乱流化するものである。頂板5は下流側へ延長され、その延長部5aでヒンジ8を覆っている。
【0013】前記スポイラ2の下方において、乱流板7と、扉体1の背面とは、それぞれにピン9、10で回動自在に接合されたロッド11を介して連結され、このロッド11は油圧シリンダ12の作動により伸縮するようになっている。
【0014】上記のように構成すると、通常は、図2(a)に示すように、ロッド11が伸長してスポイラ2が起立した状態で使用することにより、スポイラ2及び乱流板3で水脈振動を防止でき、またスポイラ2にゴミが引っ掛かったときには、図2(b)、(c)に示すように、油圧シリンダ12の作動に伴いロッド11を収縮させ、乱流板3と共にスポイラ2を倒伏させることにより、ゴミを水流で流し去ることができる。
【0015】この構成では、油圧シリンダ12をスポイラ2ごとに設ける必要がないので、図6に示すものよりも設備にかかるコストを抑制することができる。
【0016】また、扉体1の頂板5の延長部5aでヒンジ8が覆われているので、ヒンジ8は流木等の衝突から保護される。
【0017】次に、この発明の第2実施形態を図3に示す。この例のように、径間が長いローラゲートにおいては、乱流板7を径間方向に複数に分割すると、ゴミを除去する必要のあるスポイラ2の乱流板7のみを回転させることができるので、効率的であり、他の起立したスポイラ2により水脈振動の防止効果も維持されるほか、扉体1の撓みがヒンジ8に及ぼす影響も軽減される。
【0018】なお、上記各形態で示したような取付構造は、上段扉体が越流式のスライド式2段ローラゲートにも適用することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、扉体の背面側頂部にヒンジを介して取り付けた乱流板にスポイラを設け、この乱流板をロッドの伸縮に伴い回転させてスポイラを起伏させるようにしたので、スポイラにゴミが引っ掛かったときには、ロッドを収縮させ、乱流板と共にスポイラを倒伏させることにより、ゴミを水流で流し去ることができ、ロッドの伸縮装置をスポイラごとに設ける必要がないので、設備のコストも抑制される。
【0020】また、径間が長い起伏ゲートにおいては、乱流板を径間方向に複数に分割すると、選択的に乱流板を回転させることができるので、効率的に操作でき、水脈振動の防止効果も維持される。
【0021】また、扉体の頂板を下流側へ延長し、その延長部で前記ヒンジを覆うようにすると、ヒンジを流木等の衝突から保護できる。
【出願人】 【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
【出願日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−271335(P2001−271335A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−88444(P2000−88444)