| 【発明の名称】 |
可撓性袋体の内圧調整装置、それを用いた可撓性膜堰及びその内圧調整方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】村松 建夫
【氏名】田籠 敏
【氏名】金子 克
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| 【要約】 |
【課題】過度の内圧上昇を防止できるだけでなく、簡単な構造で可撓性袋体設置水域の水位に応じた内圧調整を可能とした可撓性袋体の内圧調整装置、それを用いた可撓性膜堰及びその内圧調整方法を提供する。
【解決手段】起伏堰に使用される可撓性袋体の過圧時に内部の気体を排出する内圧調整装置であって、気体を封入可能な可撓性袋体と、袋体に設けられた排気口から延伸されその端部が開口した管体とからなり、当該管体は、その開口端が可撓性袋体設置水域の上流側の水中に導かれている可撓性袋体の内圧調整装置、それを用いた可撓性膜堰及びその内圧調整方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 起伏堰に使用される可撓性袋体の過圧時に内部の気体を排出する内圧調整装置であって、気体を封入可能な可撓性袋体と、袋体に設けられた排気口から延伸されその端部が開口した管体とからなり、当該管体は、その開口端が可撓性袋体設置水域の上流側の水中に導かれていることを特徴とする可撓性袋体の内圧調整装置。 【請求項2】 前記管体に、少なくとも1個の逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性袋体の内圧調整装置。 【請求項3】 前記管体の開口端が、可撓性袋体設置水域の上流側の水面上から水面下に没入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可撓性袋体の内圧調整装置。 【請求項4】 前記管体の開口端が、可撓性袋体の設置基準面と同一水準以下まで水面下に没入されていることを特徴とする請求項3に記載の可撓性袋体の内圧調整装置。 【請求項5】 前記袋体の排気口が、給気装置からの気体を袋体に供給する給気口と離間した位置であって、当該袋体内のドレインの位置より上部に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の可撓性袋体の内圧調整装置。 【請求項6】 前記排気口が袋体の一端に設けられ、給気口が袋体の他端に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の可撓性袋体の内圧調整装置。 【請求項7】 請求項1乃至6に記載の内圧調整装置を備え、気体の供給により起立し、排出により倒伏可能となされた可撓性袋体からなることを特徴とする可撓性膜堰。 【請求項8】 請求項7に記載の可撓性膜堰の内圧調整方法であって、可撓性袋体の内部に連続的又は断続的に継続して気体を供給することを特徴とする可撓性膜堰の圧力調整方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、起伏堰に使用される可撓性袋体の内圧調整装置等に関するものであり、特に、簡単な構造で、可撓性袋体設置水域の水位に応じて自動的に内圧を調整可能とした可撓性袋体の内圧調整装置、それを用いた可撓性膜堰及びその内圧調整方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から可撓性袋体内に空気を供給して起立させ、また、排気することによって倒伏させるようにした可撓性膜堰が広く使用されている。このような可撓性膜堰は、予め使用条件に応じた堰高を有する可撓性袋体を用意し、河川等の地盤に設置して起伏堰を構成するものである。 【0003】ここで、給気装置の異常や、可撓性袋体設置水域の水位が低い場合の起立状態における日光暴露等によって、可撓性袋体の内圧が過度に上昇し、可撓性袋体に使用基準を超える張力が作用する場合がある。そのため、従来より、水封管やU字管或いは背圧弁等を利用した内圧調整装置が用いられてきた。 【0004】図4はこのような従来の内圧調整装置を示す図であり、図4(A)は水封管を利用した場合の断面図を示し、図4(B)はU字管を利用した場合の断面図を示している。即ち、水封管とは図示しない可撓性袋体の内部気体を導く分岐管11の開口端12を水面下13に沈めたもので、内圧が水頭圧以上に上昇した場合に内部気体が分岐管11内の水を押し出し、内部気体が外部に漏れて可撓性袋体の内圧を下げるものである。 【0005】また、U字管を利用した内圧調整装置は、可撓性袋体の内部気体を導くU字管14内に水15を貯えておき、内圧が上昇した場合に内部気体がU字管14内の水15を押し上げ、内圧と水頭圧とをバランスさせるものである。従って、水を押し上げた分だけ可撓性袋体の容積が増加し、内圧が下がることとなる。更に、背圧弁は、可撓性袋体に設けられ、所定圧力以上に内圧が上昇した場合に弁が開放状態となるものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水封管やU字管を利用した内圧調整装置は、適宜、管内への水の補給を必要とし、特殊な配管を必要とするものである。また、背圧弁を含め、構造や運用面で必ずしも充分な装置ではなく、しかも、いずれも可撓性袋体の設置水域の水位に応じて内圧を調整することができないという問題があった。 【0007】そこで本発明は、従来の内圧調整装置を改良し、過度の内圧上昇を防止できるだけでなく、簡単な構造で可撓性袋体設置水域の水位に応じた内圧調整を可能とした可撓性袋体の内圧調整装置を提供することを目的とするものである。また、内圧調整によって所定の堰高を得ると共に、適正な越流で倒伏する可撓性膜堰及びその内圧調整方法を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、第1に、起伏堰に使用される可撓性袋体の過圧時に内部の気体を排出する内圧調整装置であって、気体を封入可能な可撓性袋体と、袋体に設けられた排気口から延伸されその端部が開口した管体とからなり、当該管体は、その開口端が可撓性袋体設置水域の上流側の水中に導かれている可撓性袋体の内圧調整装置に係るものである。即ち、上流側の水圧を利用することにより、上流水位に見合う袋体の内圧調整が自動的に行われる様にしたものである。 【0009】そして好ましくは、前記管体に、少なくとも1個の逆止弁が設け、上流側から袋体内に水が流入することを防止した可撓性袋体の内圧調整装置に係るものである。 【0010】また、更に好ましくは、前記管体の開口端が、可撓性袋体設置水域の上流側の水面上から可撓性袋体の設置基準面と同一水準以下まで水面下に没入され、前記袋体の排気口が、給気装置からの気体を袋体に供給する給気口と離間した位置、特に、排気口が袋体の一端に設けられ、給気口が袋体の他端に設けられているものであって、かつ、当該袋体内のドレインの位置より上部に設けられている可撓性袋体の内圧調整装置に係るものである。 【0011】本発明の第2の要旨は、上記した内圧調整装置を備え、気体の供給により起立し、排出により倒伏可能となされた可撓性袋体からなる可撓性膜堰に係るものであり、第3の要旨は、当該可撓性膜堰の内圧調整方法であって、可撓性袋体の内部に連続的又は断続的に継続して気体を供給する可撓性膜堰の圧力調整方法に係るものである。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の可撓性袋体の内圧調整装置は、気体を封入可能な可撓性袋体と、袋体に設けられた排気口から延伸されその端部が開口した管体とからなる。ここで、袋体としては、気体を封入可能で河川等の流体力に対抗し得るものであればよいが、最良の実施の形態は、ナイロン繊維で補強された板状ゴムの内部に非接着層を設けて気室とした構成のもので、気体の排出状態において板状となるものである。 【0013】また、管体はその開口端が可撓性袋体設置水域の上流側の水中に導かれ、通常は開口端に流入した水で可撓性袋体の内部気体が封入される。ここで、開口端から流入する水の量は、可撓性袋体設置水域の上流側の水位によって変動する。即ち、本発明の内圧調整装置においては、上流側の水位が上昇して可撓性袋体への流体力が増加し、そのため内圧を高くする必要がある場合には、水位の上昇に伴って開口端側の水圧も上昇しているので、常に両圧力がバランスするのである。 【0014】この様に、本発明の内圧調整装置は可撓性袋体設置水域の上流側の水圧を利用しているので、上流側の水位に応じて袋体の内圧が変動し、常に適正な内圧が自動的に設定される。従って、内部気体の排出圧力設定装置を特別に設ける必要がなく、袋体の内圧が過度に上昇した場合にだけ、管体の開口端から気体の吹き出しが生じるのである。 【0015】また、上流側の水位が大きく上昇した場合等には、水が管体を逆流し、可撓性袋体の内部に水が侵入する事態が懸念される。そこで、可撓性袋体設置水域の水位変動に備え、管体に逆止弁を設けても良い。 【0016】ところで、管体の開口端の水中への導入方法であるが、可撓性袋体設置水域の上流側であれば特に限定されることはなく、管体を水底から導いても水上から導いてもよいが、最良の実施の形態は、管体の開口端を水面上から水面下に没入した形態である。そして、水面下への没入程度は、開口端が可撓性袋体の設置基準面と同一水準以下となる位置である。この様にすることで、上流側の水位が可撓性袋体の設置基準面まで下がったときに袋体の内圧が0となり、袋体を自然に潰すことができるからである。なお、管体を水底から導き、水底部に開口端を位置させた場合にあっては、袋体内のドレインの排出も同時にできるという特徴を有する。 【0017】更に、可撓性袋体には一般に給気装置が接続され、給気口から袋体に空気が供給される。従って、空気の供給時には給気口付近の内圧が高くなり、袋体の圧力分布は必ずしも均一でない。また、ドレインが管体に入らないようにする必要もある。そこで、袋体の排気口を給気口と離間した位置であって、当該袋体内のドレインの位置より上部、特に、袋体の一端の上方に排気口を設け、他端に給気口を設けた形態が最良である。 【0018】上記の様な内圧調整装置は、気体の供給により起立し、排出により倒伏可能となされた可撓性膜堰に使用される。即ち、可撓性膜堰は所定の堰高が得られ、適正な越流で倒伏する必要があるが、このためには可撓性膜堰に使用される可撓性袋体の過度の圧力上昇を防がなければならない。そこで、起伏装置の異常や、水位が少ない場合の起立状態における日光暴露等による過度な圧力上昇を当該内圧調整装置で対処するのである。 【0019】可撓性膜堰の内圧調整は、基本的に上流水位に合う様に自動的に行われる。即ち、給気装置の異常や日光暴露等による内圧上昇又は上流水位の低下によって可撓性袋体の内圧が相対的に高くなると、上流水位に応じた圧力とバランスするまで袋体内の気体が管体を通じて吹き出す。また、越流状態では、越流水位に見合う内圧に調整される。従って、可撓性膜堰の所定の堰高が維持され、安全な継続使用が可能となる。 【0020】なお、上流水位と可撓性袋体の内圧がバランスした後、上流水位が上昇したり気温の低下等によって、逆に可撓性袋体の内圧が相対的に低くなることも考えられる。この場合、通常は管体内部への水の侵入による袋体の容積減少によりバランスするが、可撓性袋体の内圧低下が大きくなることもある。そこで、最良の実施の形態は、給気装置にタイマーを備え付け、例えば24時間おきに5分間起動という様に断続的に給気する。断続的に給気しておけば、可撓性袋体の内圧が相対的に高い場合は袋体内の気体が管体を通じて吹き出し、低い場合はバランス圧まで内圧が上昇し、常時必要な空気量が維持されるからである。 【0021】なお、給気装置とは別に小型のブロワー(0.3kw程度のエンジン式又は太陽電池式のブロワー等)を併設し、常時給気しても良い。また、タイマーの設置や小型ブロワーの併設ができない場合等は、必要に応じて手動で給気装置を運転することもできる。 【0022】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明する。図1は、上記した本発明の最良の実施の形態である第1実施例の可撓性膜堰を示す断面図である。ここで、図1に示すように、可撓性膜堰は気体を封入可能な可撓性袋体1に気体を供給することによって起立させ、排出することによって倒伏可能となされたものである。また、堰高は、袋体1内への気体の供給量(袋体1の内圧)によって起立の程度を調整することで決定される。 【0023】可撓性袋体1はナイロン繊維で補強された板状ゴムの内部に非接着層を設けて気室とした構成のもので、気体の排出状態において板状となるものである。そして、袋体1には排気口2が設けられ、端部4が開口した管体3(50A)が排気口2から延伸されている。なお、排気口2は、図示しない給気装置からの気体を袋体1に供給する給気口と反対側の端部の上方に設けられている。 【0024】当該管体3の設置方法は、図2に示す通りである。即ち、図2(A)のように管体3を排気口2の設置部から法面天端にかけ、コンクリートを配筋露出面5まではつる。管体3の設置後、配筋を利用して丸鋼等で管体3を固定し、はつり部にコンクリートを充填する(コンクリートはつり6)。なお、管体3とアンカーボルト7とが接触する場合は、アンカーボルト7を切断し、切断部と配筋を丸鋼等を利用して溶接固定する。 【0025】また、排気口2は、図2(B)に拡大して示すように、一対の略半円状の金具2Aを袋体の取付金具1Aの一部に取り付けることにより形成し、金具2Aの間に管体3を挿入した略ひし形のゴム状体2Bを挟んでいる。 【0026】上流側に延長する管体3は、堰設置基準面8と同一レベルに達するまで法面に沿って延長してある。即ち、図1及び図2に示すように、管体3の開口端4が可撓性袋体設置水域の上流側の水面上から水面下に没入され、可撓性袋体1の設置基準面8と同一水準以下の位置となっている。なお、管体3としては、応急処置の場合等、ゴムホースが使用されることもある。 【0027】従って、給気装置の異常や日光暴露等による内圧上昇又は上流水位の低下によって可撓性袋体1の内圧が相対的に高くなると、上流水位に応じた圧力とバランスするまで袋体内の気体が管体3を通じて吹き出すこととなる。 【0028】図3は、本発明の第2実施例の可撓性膜堰を示す断面図である。第2実施例においては、排気口2を可撓性袋体1の下面に設け、管体3を地中に延伸し、水底部に開口端を位置させたものである。第2実施例によれば、可撓性袋体1内のドレインの排出も同時にできるという特徴を有する。なお、管体3には水が袋体1内に逆流することを防止する逆止弁9が備えられている。 【0029】 【発明の効果】本発明の内圧調整装置によれば、上流水位に見合う袋体の内圧調整が自動的に行われる。即ち、上流水位以上の内圧を入れた場合には、内圧調整装置からの空気の吹き出しが生じる。また、越流状態では越流水位に見合う内圧に調整され、非越流状態となった場合は、上流水位に見合う内圧に空気圧が調整されると共に日光暴露等による過度な圧力上昇が防止される。このように、本発明は故障の要因となり得る電気的な機構を用いず、機械的なものであって、かつ、上流水位に応じて安全に内圧を調整できる構造となっている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086896 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 悦郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−271328(P2001−271328A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−87899(P2000−87899) |
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