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【発明の名称】 除塵設備
【発明者】 【氏名】山川 喜裕

【氏名】佐藤 一行

【要約】 【課題】構造が簡単で確実に排水ポンプ機場へのゴミの侵入を防止でき、また排水ポンプ機場でのゴミの処理を最低限にすることができる除塵設備を提供すること。

【解決手段】河川(水路)1の水を排水する排水ポンプ機場7の流入水路3に設置される除塵設備5である。除塵設備5は、流入水路3底面から突出してその上を水が越すように構成されて重量ゴミ83の通過を阻止する越流せき51と、水路1増水時に水面から所定の深さまで水中に没するように設置されて浮遊ゴミ81の通過を阻止するカーテンウォール53とを具備する。カーテンウォール53は越流せき51の上流側であって、水路1の岸11に沿うように設置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水路の水を排水する排水ポンプ機場の流入水路に設置される除塵設備において、前記除塵設備は、流入水路底面から突出してその上を水が越すように構成されて重量ゴミの通過を阻止する越流せきと、水路増水時に水面から所定の深さまで水中に没するように設置されて浮遊ゴミの通過を阻止するカーテンウォールとを具備して構成されていることを特徴とする除塵設備。
【請求項2】 前記カーテンウォールは、前記越流せきの上流側であって、且つ前記水路の岸に沿うように設置されていることを特徴とする請求項1記載の除塵設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川等の水路の水を排水する排水ポンプ機場の流入水路に設置される除塵設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、河川が増水したときなどに、増水した水を別の河川等に排水するため、排水ポンプ機場が設置されることがある。即ち河川に河川の水を引き込む流入水路を設け、その先端に排水ポンプ機場を設置し、河川から流入水路に引き込んだ水を排水ポンプ機場によって別の河川やその他の場所に排水するようにするのである。
【0003】一方前記流入水路には河川を流れてくるゴミが排水ポンプ機場に入り込まないように除塵設備が設置されている。この除塵設備としては従来自動除塵機が使用されており、流入水路に流れてくるゴミを全て掻き揚げて除去していた。
【0004】しかしながら上記除塵設備は自動除塵機を用いていて高価であるばかりか、掻き揚げたゴミは焼却や運搬・廃棄などしなければならずその処理に困っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、構造が簡単で確実に排水ポンプ機場へのゴミの侵入を防止でき、また排水ポンプ機場でのゴミの処理を最低限にすることができる除塵設備を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するため本発明は、水路の水を排水する排水ポンプ機場の流入水路に設置される除塵設備において、前記除塵設備は、流入水路底面から突出してその上を水が越すように構成されて重量ゴミの通過を阻止する越流せきと、水路増水時に水面から所定の深さまで水中に没するように設置されて浮遊ゴミの通過を阻止するカーテンウォールとを具備して構成されていることを特徴とする。
【0007】ここで前記カーテンウォールは、前記越流せきの上流側であって、且つ前記水路の岸に沿うように設置されていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)は本発明にかかる除塵設備を設けた排水ポンプ設備全体の概略側断面図であり、図1(b)はその概略平面図である。同図に示すようにこの排水ポンプ設備は、河川(水路)1から分岐せしめた流入水路3の入口部分に除塵設備5を設置すると共に、流入水路3の先端に排水ポンプ機場7を設置して構成されている。
【0009】排水ポンプ機場7は、図示しない排水ポンプ及びその他の付帯設備を設置して構成されており、流入水路3の水を揚水して別の河川やその他の場所に排水するものである。
【0010】一方除塵設備5は、流入水路3底面からこの流入水路3を全幅にわたって横切るように突出してその上を水が越すように構成される越流せき51と、越流せき51の上流側であってその下面が前記越流せき51の上面よりも所定の寸法下に位置し且つこの流入水路3を全幅にわたって横切るように設置される板状のカーテンウォール53と、越流せき51の上流側の上部に設置されてゴミを吊り上げるグラブ機構55とを具備して構成されている。
【0011】ここでカーテンウォール53は例えばコンクリート製又は鋼板製等の一枚の板であっても良いし、多数の棒を所定間隔毎に平行に設置してなるものでも良いし、網状のものでも良い。要は所定の大きさ以上の浮遊ゴミを通過しないものであれば良い。そしてこのカーテンウォール53は河川1の岸11に沿うように設置されている。
【0012】グラブ機構55は流入水路3の上部にこれをまたぐようにレール59を設置し、このレール59にトロリー58を介してゴミを吊り上げる上下動自在なグラブ57を取り付けて構成されている。即ちこのグラブ機構55はレール59に沿って移動し、グラブ57を下降して越流せき51にせき止められている重量ゴミ83を地上に引き上げるように動作する。
【0013】そして通常に河川1を水が流れている場合は、水面より越流せき51の高さの方が高いので、水が越流せき51を越えることはない。一方大雨などによって河川1の水位が上昇すると、図1(a)に示すように水が越流せき51を越え、排水ポンプ機場7側に入り込む。このときカーテンウォール53の下辺は越流せき51の上辺よりも下に位置して水中に没しているので、河川1を流れてきて流入水路3内に入り込もうとする浮遊ゴミ81は、このカーテンウォール53にせき止められる。一方河川1を流れてきて流入水路3内に入り込んだ重量ゴミ(沈殿ゴミ)83も、越流せき51の前面にせき止められる。
【0014】ところでこの実施形態の場合、カーテンウォール53が河川1の岸11に沿うように設置されているので、カーテンウォール53で一旦せき止められた浮遊ゴミ81は、河川1の流れによって河川1の下流側にそのまま押し流されていく。従って浮遊ゴミ81をわざわざ掻き揚げて処理する必要はなくなる。河川1を流れてくるゴミの多くは浮遊ゴミ81なので、その処理をしなくて済めば非常に経済的である。
【0015】一方重量ゴミ83は越流せき51にせき止められたままとなる。そして河川1の増水がおさまり排水ポンプ機場7の運転が終了した後に重量ゴミ83をグラブ機構55によって引き上げて焼却や廃棄などの処理を行うが、重量ゴミ83の量は浮遊ゴミ81に比べて少ないので、その処理は容易である。
【0016】以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0017】例えば上記実施形態ではカーテンウォール53の下面が越流せき51の上面よりも所定の寸法下に位置するように設置することで、越流せき51を越える水深のときは必ずカーテンウォール53の下辺が水中に所定長さ水没し、確実に浮遊ゴミ81をせき止めるようにしているが、場合によってはカーテンウォール53の下面が越流せき51の上面よりも上に位置するように設置してもよい。また上記実施形態において、カーテンウォール53を上下動自在となるように構成することで、水の深さに応じてその設置高さを調整できるようにしても良い。また、上記実施形態において、上流にカーテンウォール53、下流に越流せき51があるが、この位置を逆にして上流に越流せき51、下流にカーテンウォール53を設置してもよい。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。
■除塵設備が越流せきとカーテンウォールとで構成できるので、構造が簡単で且つ確実に排水ポンプ機場へのゴミの侵入を防止できる。
【0019】■カーテンウォールを水路の岸に沿うように設置した場合は、カーテンウォールがせき止めた浮遊ゴミはそのまま水路を流れて行くので、排水ポンプ機場の処理すべきゴミは越流せきによってせき止めた重量ごみだけになり、排水ポンプ機場でのゴミの処理を最低限にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
【出願日】 平成12年3月24日(2000.3.24)
【代理人】 【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆 (外1名)
【公開番号】 特開2001−271327(P2001−271327A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−83691(P2000−83691)