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【発明の名称】 籠マットと籠マット工法
【発明者】 【氏名】斧 正紀

【氏名】北河原 忠

【氏名】小林 駿一

【氏名】木村 勝男

【要約】 【課題】

【解決手段】枠材11の面に木材12群を取り付けて防護パネル1を構成する。内部に骨材を充填した籠2を堤防の河川側の法面に設置する。水流の影響する範囲の籠2の前面に防護パネル1を取り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】木材群を、枠体に取り付けて防護パネルを構成し、この防護パネルを、鉄線で組み立てた籠の表面に取り付けて構成した、籠マット。
【請求項2】鉄線で構成した籠を堤防の河川側の法面に設置し、内部に骨材を充填し、水流の影響する範囲の籠の前面に、木材群を、枠体に取り付けて構成した防護パネルを固定して構築する、籠マット工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は籠マットと籠マット工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄線で構成した籠の内部に骨材を充填して河川の堤防の法面に設置する籠マット工法が広く採用されている。このような籠マットは従来は転石の直径が小さい、したがって流れが穏やかな下流に敷設されていた。しかし近年は、転石の直径の大きい、流れの急な上流にも籠マットを敷設することが計画されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、流れが穏やかな下流で使用されていたような構成の籠マット工法をそのまま上流において採用すると、大きい直径の転石が籠に衝突した場合に、金網が破壊したり、めっきが剥がれてさびが発生する可能性がある。一方、別に間伐材の処理が問題となっている。特に急な傾斜の山地で発生した間伐材をそのまま放置しておくと塞き止められた雨水が急激に流れ出して土石流の発生の原因となり危険である。しかし交通が不便な山地では搬出に膨大な手数と費用を要する。
【0004】
【本発明の目的】本発明は上記のような問題を改善するためになされたもので、従来の籠をそのまま使用して大きな転石が衝突する河川の堤防の防護も行うことができる、籠マットと籠マット工法を提供することを目的とする。また本発明は、山地で発生した間伐材を、最小の運搬によって有効に利用することができる、籠マットと籠マット工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成するために本発明の籠マットは、木材群を、枠体に取り付けて防護パネルを構成し、この防護パネルを、鉄線で組み立てた籠に取り付けて構成した、籠マットである。
【0006】さらに本発明の籠マット工法は、鉄線で構成した籠を堤防の河川側の法面に設置し、内部に骨材を充填し、水流の影響する範囲の籠の前面に、木材群を、枠体に取り付けて構成した防護パネルを固定して構築する、籠マット工法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面にもとづいて本発明の一実施例を説明する。
【0008】<イ>防護パネル。(図1、2)
本発明の籠マット工法に使用する防護パネル1は、枠体11の表面に木材12群を取り付けて構成する。個々の構成について以下に説明する。
【0009】<ロ>枠体。
木材群を取り付ける枠体11は、一定の厚さを有し、多数の開口部を備えている。枠体11例えば鋼製の板に多数の開口部を開設して構成する。枠体11は、あるいは合成樹脂製の板に開口部を開設して構成することができる。さらに用途によってはコンクリート板に開口部を開設して枠体11を構成することもできる。枠材の面積は、取り付けるべき籠の河川側の鉛直面の長さと幅に等しい寸法で構成する。
【0010】<ハ>木材12。
枠体11に取り付ける木材12は、丸太をほぼ半分に切断して、断面を半円形に形成した丸太を使用する。この半円形の丸太の平面側を枠体11に固定して構成する。木材12の枠体11への取り付けは、たとえばボルトを使用して行う。そのために、木材12、および枠体11の該当箇所には事前にボルト穴を貫通させておく。ここで使用する木材12は、他に用途がない間伐材を転用すると、発生地と消費地とが近いためにきわめて経済的である。なお丸太の耐用年数は後述する籠2の耐用年数よりも短い可能性があるが、ボルトなどによって枠体11に取り付けておけば交換が可能である。
【0011】<ニ>籠の設置。(図3)
鉄線で構成した籠2を使用する。この籠2は底面と周囲を鉄線の網で形成した、公知の籠体である。この籠を堤防の河川側の法面に設置する。そしてその内部に骨材を充填し、その上面の一部あるいは全面を鉄線の網で被覆する。こうして内部に骨材を充填した籠2を、法面に沿って多数段積み重ねて護岸を構成する。籠2の設置、骨材の充填などは、従来公知の方法によって行う。なお、籠2は前面の網を省略してそれに代わって防護パネル1を取り付けることもできる。
【0012】<ホ>防護パネル1の取り付け。
多数の籠2の中で、水流の影響する範囲の籠2の前面に、前記で説明した防護パネル1を取り付ける。その場合に、防護パネル1の木材12群を河川側に向け、枠体11を籠2側に向ける。枠体11に取り付け用の穴などを開設しておけば、番線などを使用して籠2の表面に迅速に取り付けることができる。枠体11表面の木材は簡単に交換することができる。こうして河川側を木材12群で防護した籠マットが完成する。
【0013】<ヘ>増水時の機能。
台風などの増水時には特に上流においては流速が大きくなり、直径の大きい転石が籠マットに衝突する。その場合に本発明の籠マット工法であれば、転石の衝突する可能性のある範囲には籠2の前面に木材12が取り付けてある。そのために転石は籠2を構成する鉄線に直接衝突することがなく、したがって鉄線を切断したりメッキを剥がすことがない。したがって鉄線は長くその品質を維持することができ、長く護岸を保持することができる。
【0014】<ト>平常時の機能。
籠マットの表面に取り付けた防護パネル1は、木材12も、枠材11も、ともに一定の厚さを有している。こうして平常時には木材12の間、および枠材11の開口部13の間に直壁部を設けることによって深み(淵)を形成することができる。この深みが魚類に生息場所、採餌場所を提供する。また籠2内の詰石空間は避難場所となり魚巣効果を高めることができる。さらに木材12が腐食することによって昆虫類などにも多様な棲息場所を与えることになる。
【0015】
【発明の効果】本発明は上記したようになるから、次のような効果を達成することができる。
<イ>籠マット工法において、転石の衝突する範囲の前面を木材12で防護することができる。したがって籠2を構成する鉄線の品質を長く維持することができ、護岸が破壊されることがない。
<ロ>従来は、台風時には急流になる河川の上流では直径の大きい転石が籠2に衝突するので籠マット工法の使用が困難であった。しかし本発明の工法を採用すれば、直径の大きい転石が衝突しても籠2を破損することがない。したがって従来の工法よりもさらに上流において籠マット工法を有効に利用することができることになる。
<ハ>防護パネル1の木材12としては、他に用途がなく、廃棄に手数を要する間伐材を転用することができるから、きわめて経済的である。
<ニ>その上に、河川の護岸工事は通常は山間部において行うから、間伐材を遠方まで搬出する必要がなく、伐採地ですぐに転用することができる。
<ホ>平常時には木材12の間、および枠材11の開口部13の間に流れの穏やかな深み部分を形成することができる。そのために本発明の籠マットにおいては、その水流の影響する前面に深みを形成して棲息空間を創出することができる。
【出願人】 【識別番号】399026041
【氏名又は名称】有限会社ジャパンパテントマネジメント
【出願日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【代理人】 【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生 (外1名)
【公開番号】 特開2001−226936(P2001−226936A)
【公開日】 平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願番号】 特願2000−41237(P2000−41237)