| 【発明の名称】 |
自然樹木を備えた雪崩防止柵 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 英穂
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| 【要約】 |
【課題】近年、雪崩防止柵の外観・形状が、自然景観との調和とか環境の保護の観点から好ましくないとの指摘が高まりつつある。従って、雪崩防止柵の素材に木材を使ったり、デザイン的に工夫を加えるなどの試みが成されるようになってきた。さらに、雪崩防止杭を、鋼管を組み合わせた人工樹木状にし、表面にFRP塗装を加えて色調や質感などを自然樹木に似せたものも登場するようになった。しかし、その美観や強度の点で難点があったり、製造コストや雪崩防止効果で十分でないなどの欠点があった。
【解決手段】効果的な雪崩防止対策工法として、確立した評価を持つ雪崩防止柵に苗木を植生した苗木生育床を連結固定し一体化した雪崩防止柵とする。苗木生育床は雪崩防止柵の道路谷側に配置して、苗木を冬期間の強大な雪圧から守る。また、こうして苗木を柵面の前に位置させることにより、柵面のかなりの部分を苗木が覆い隠すので景観的に非常に好ましくなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】鋼管等の横梁が多段に設けられ、その横梁を支持する複数の立設された支柱とを主要部材とする雪崩防止柵に、苗木および客土が谷側に崩落しないための押さえ板と、押さえ板を雪崩防止柵部材に連結する手段を備えることによりなる、苗木を植生した苗木生育床を柵の道路谷側に連結固定し一体化したことを特徴とする、自然樹木を備えた雪崩防止柵。
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【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】この発明は道路や鉄道の通行を雪崩の被害から守るために、隣接する斜面上に設置される雪崩防止柵に関するものである。 【従来の技術】雪崩防止柵は雪崩防止工法の一つであり、その一般的な構造は斜面積雪のグライドやクリープを防ぐために鋼管などを多段に水平に張り渡した横梁を、H型鋼などを縦に配置した2〜3本の支柱で支え、必要に応じて控柱が付加されたものである。雪崩防止柵の斜面への固定は、設置場所にコンクリート基礎を打設するものと、斜面の任意の位置に適宜アンカーを打設してそこからワイヤーロープで懸垂する方法があり、一般的には雪崩防止柵を懸垂するいわゆる吊柵が主流となっている。雪崩防止柵は雪崩防止杭、階段工などと較べて効果が確実であり、経済的にも安いコストで済むことから、広く一般的に設置されている。 【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、雪崩防止柵の外観・形状が、自然景観との調和とか環境の保護の観点から好ましくないとの指摘が高まりつつある。従って、雪崩防止柵の素材に木材を使ったり、デザイン的に工夫を加えるなどの試みが成されるようになってきた。さらに、雪崩防止杭を、鋼管を組み合わせた人工樹木状にし、表面にFRP塗装を加えて色調や質感などを自然樹木に似せたものも登場するようになった。しかし、木材の使用に関しては、耐用年数のことを考えると防腐処理をした木材が必要であり、また鋼管より強度が弱いために強大な雪圧に耐えるためには鋼管より大きなサイズにしたり、部材の使用本数を増やしたりしなければならないと言う欠点があった。従って、従来の鋼材を利用した雪崩防止柵よりコストがはるかに高く付いたり、デザイン的にも制約を受けたりした。また、雪圧に対する強度の点から多雪地では設置できないなどの欠点があった。雪崩防止杭を自然樹木に似せる方法は、景観との調和の点ではかなり改善されるが、雪崩防止杭という工法自体が全層雪崩防止を対象とした工法であり、表層雪崩に対する効果はほとんど期待できないことから、一般的な雪崩防止工法とは言えない。また、自然樹木に似せるために、製作に多大な手間が掛かり大幅にコストアップになってしまうと言う欠点がある。景観との調和と恒久性いう観点からは雪崩防止林が最も望ましいが、斜面に苗木を植生する事は、冬期間に強大な斜面雪圧を受けることから極めて困難であった。 【課題を解決するための手段】本発明は、効果的な雪崩防止対策工法として、確立した評価を持つ雪崩防止柵に苗木を植生した苗木生育床を連結固定し一体化した雪崩防止柵である。苗木生育床は雪崩防止柵の谷側に配置して、苗木を冬期間の強大な雪圧から守る。また、こうして苗木を柵面の前に位置させることにより、柵面のかなりの部分を苗木が覆い隠すので景観的に非常に好ましくなる。苗木生育床の主要な構造は雪崩防止柵へ連結固定する部材と、生育床内の苗木と客土を谷側に崩落させないための押さえ板よりなり、底部は斜面の地山が露出するように床部材を設けない。植生する際は、単に客土した苗木生育床に苗木を移植するよりも、根部を良質な土壌及び肥料を入れた植生袋に包んだ苗木にし、その周囲にさらに客土すれば、植え付け後の着床がより良好となる。 【実施例】図面に従って以下に本発明の説明をする。図1、図2、図3は本発明の側面図、平面図、正面図である。H型鋼等を用いた支柱1間に鋼管等の横梁2を30cm程度の間隔をあけて多段に固定する。支柱1の基部には、雪圧や積雪重量によって支柱が地中にくい込むのを防ぐためにベースプレート3が取り付けられてる。支柱1の基部及び上部には支持ロープ4を取り付けるためのプレート5が溶接されている。支持ロープ4はシャックル等を介して主索ケーブル6に連結され、さらに主索ケーブル6上端は雪崩防止柵の上方の斜面に打設されたアンカーに連結固定されている。従って、雪崩防止柵は主索ケーブル6に懸垂されて雪圧に抗している。以上は標準的な雪崩防止柵(吊柵)の構成である。本発明の雪崩防止柵ではさらに各支柱1基部に連結材取り付け金具8が取り付けられ連結材7が連結材取り付け金具8を介して谷側に取り付けられるようにしておく。無論、取り付け金具形状変えれば、横梁2に連結材7を連結固定することも考えられる。図4は本発明の苗木生育床部の側面図である。本実施例では、支柱1H型鋼のフランジ部を挟み込むように鋼鈑を折り曲げた一対の連結材取り付け金具8によって、ボルトナット9を介し連結材7が支柱1に連結固定されている。連結材7の一方の端には鋼板の上下端を折り曲げて強度を上げるか軽溝型鋼等を用いた押さえ板10が取り付けられている。支柱1と押さえ板10と連結材7で囲まれた空間は苗木生育床となるものである。ただし底部材は設けず地山を露出させる。また、必要に応じて連結材7の側方から客土が崩落しないようにエキスパンドメタルなどを用いた側面押さえ板を連結材に取り付ける。図5は苗木12を移植した苗木生育床の断面図である。この中に根部13を良質な土壌と肥料とともに植生袋14で包んだ苗木12を適当数入れた後、さらに植生袋14の周囲に客土して覆土15とする。支柱1から押さえ板10までの幅は樹種に応じて適宜決定する。植生袋14の材質は地中に埋設後適当な期間で腐ったり分解するものを使用する。本発明の苗木生育床は底部部材がないので、苗木12の根部13は植生袋14が地中分解した後、図6のように地山15に進出着床する。これを容易ならしめるために本発明の苗木生育床の底部にあたる表土をあらかじめはぎ取り、良質な土壌を客土しておいたり、必要に応じて土壌改良材を投入しておくことも有効である。 【発明の効果】本発明は以上のような構成であるので以下のような効果を持つ。本発明は雪崩防止効果が高い従来型雪崩防止柵でありながらその前面に自然樹木を配置して一体化したものなので対策工としての効果を減ずることなく、周囲の自然景観に調和させることが出来る。冬期間においては、その柵面で雪圧や沈降力をくい止められるので、苗木に荷重が掛からず生育上の問題が生じない。また、苗木育成床の底部は直接地山になっているので植生袋の分解後、図6のように、苗木の根部は地山表土に進出できるので苗木は強固に根付くことが出来る。さらに、雪崩防止柵の横梁は間隔があけて設けられているので、通風や日照上等の苗木生育上の問題が生じないという大きな特徴がある。苗木生育床が雪崩防止柵と一体となっているので施工後初年度の雪圧荷重よる主索ケーブルの伸びによって柵が僅かに移動したとしても追従し、柵と苗木の位置関係が変わることがないので、柵面による苗木への保護効果が維持される。実施例のように取り付け金具を適当なものにすることにより、すでに設置された従来型雪崩防止柵に苗木生育床を固定し、本発明の雪崩防止柵とすることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000203162 【氏名又は名称】村上 英穂
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| 【出願日】 |
平成12年2月14日(2000.2.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−226915(P2001−226915A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−79117(P2000−79117) |
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