| 【発明の名称】 |
道路標示材料、道路標示方法及び道路標示 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂本 雄一郎
【氏名】鈴木 芳広
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| 【要約】 |
【課題】夜間の冠水時であっても視認性に優れる道路標示が形成可能な、道路標示材料、道路標示方法及び道路標示を提供する。
【解決手段】屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを含有してなる道路標示材料、この道路標示材料を道路上に塗布することを特徴とする道路標示方法、道路標示材料を道路上に塗布し、ついで、塗膜表面に屈折率が1.5〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを散布することを特徴とする道路標示方法、前記の方法により得られる道路標示及び屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを表面及び/又は内部に有してなる道路標示。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを含有してなる道路標示材料。 【請求項2】 ガラスビーズの含有量が0.5〜60重量%である請求項1記載の道路標示材料。 【請求項3】 熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステル樹脂を0.1〜20重量%含有する請求項1又は2記載の道路標示材料。 【請求項4】 熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステルが、末端相にポリスチレン相をもちゴムの中間相をもつスチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体及び脂環族ポリエステルから選択されるものである請求項3記載の道路標示材料。 【請求項5】 熱溶融型である請求項1、2、3又は4記載の道路標示材料。 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の道路標示材料を道路上に塗布することを特徴とする道路標示方法。 【請求項7】 塗膜表面にさらに屈折率2.0〜2.5、粒径10〜3000μmのガラスビーズを散布する請求項6記載の道路標示方法。 【請求項8】 道路標示材料を道路上に塗布し、ついで、塗膜表面に屈折率が1.5〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを散布することを特徴とする道路標示方法。 【請求項9】 請求項6、7又は8記載の方法により得られる道路標示。 【請求項10】 屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを表面及び/又は内部に有してなる道路標示。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は路面に車線境界線、車道中央線、車道外側線、横断歩道、文字、記号、視覚障害者用、滑り止め用等の標示線であって、雨天(夜間)時に視認できる道路標示材料、道路標示方法、並びに、前記各種標示線などの道路標示に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、熱溶融型の道路標示材料は、車線境界線、車道中央線、車道外側線等の区画線や、横断歩道文字、記号等に用いられている。これらは、施工時に塗膜表面にガラスビーズを散布することなどにより夜間視認性を得ているが、水中に塗膜が冠水することにより夜間時の視認性が低下してしまっている。 【0003】これらを解決するための手段として、ゴム系熱可塑性樹脂を使用したり、塗膜表面に凸状リブを形成するなどの方法が知られている。しかしながら、ゴム系熱可塑性樹脂の使用は塗料の乾燥性及び軟化点の低下、経日における汚染性の悪化などの問題があり、凸状リブも水中に冠水してしまった場合、視認性が低下してしまうため、著しい視認性向上には寄与していない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を解決するものであり、夜間の冠水時であっても視認性に優れる道路標示が形成可能な、道路標示材料、道路標示方法及び道路標示を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを含有してなる道路標示材料に関する。また本発明は、前記ガラスビーズの含有量が0.5〜60重量%である道路標示材料に関する。また本発明は、熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステル樹脂を0.1〜20重量%含有する前記道路標示材料に関する。また本発明は、前記熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステルが、末端相にポリスチレン相をもちゴムの中間相をもつスチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体及び高水酸基価脂環族ポリエステルから選択されるものである道路標示材料に関する。また本発明は、熱溶融型である前記の道路標示材料に関する。 【0006】また本発明は、前記の何れかに記載の道路標示材料を道路上に塗布することを特徴とする道路標示方法に関する。また本発明は、塗膜表面にさらに屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを散布する前記の道路標示方法に関する。また本発明は、道路標示材料を道路上に塗布し、ついで、塗膜表面に屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを散布することを特徴とする道路標示方法に関する。また本発明は、前記の方法により得られる道路標示に関する。さらに本発明は、屈折率が2.0〜2.5、粒径が10〜3000μmのガラスビーズを表面及び/又は内部に有してなる道路標示に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に使用するガラスビーズは、屈折率2.0〜2.5、好ましくは2.1〜2.3であり、粒径が10〜3000μm、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは20〜500μm、さらに好ましくは50〜150μm、特に好ましくは50〜100μmの範囲にあるものである。ここで、屈折率が2.0未満であると水中に冠水した場合、視認性の著しい低下が見られる。一方、2.5を超えると光が屈折しすぎてうまく再帰反射せず結局視認性に劣るという欠点がある。ガラスビーズの屈折率の測定法に特に制限はなく、例えば浸液法により測定することができる。浸液法とは、種々の屈折率の液体中にガラスビーズを沈め、ここに光を当てて、液体とガラスビーズの間で屈折率が変化するか否かを調査し、ガラスビーズの屈折率を測定する方法である。後述する実施例ではこの方法に従って測定した。 【0008】また、ガラスビーズの粒径が、10μm未満のものであると、再起反射性が低下し、一方、3000μmを超えるものであるとビーズが結晶化し、白く濁って透明性を失うことにより再起反射が低下する。ガラスビーズの粒径はメッシュ篩(標準篩)により調整できる。また、粒径は前記メッシュ篩を用いたり、電子顕微鏡写真による方法等により測定できる。後述する実施例では、ガラスビーズに関するJIS−K3301に準じ、メッシュ篩を用いてその粒径を決定した。 【0009】ガラスビーズの材質には特に制限はなく、チタン、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、マグネシウム、亜鉛、鉛、カドミウム、ジルコニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、コバルト、アルミニウム等の金属又はこれらの金属酸化物を含んでいてもよい。これらのなかで、チタン、亜鉛、ジルコニウム又はこれらの酸化物を含むものが好ましく、中でもチタン、酸化チタンを含むものが高屈折率が得られる点で好ましい。 【0010】前記ガラスビーズの含有量は、道路標示材料全体に対して、0.5〜60重量%配合されることが好ましく、20〜50重量%配合されることがより好ましい。ここで、ガラスビーズの含有量が20重量%未満であると水中に冠水した場合視認性が低下する傾向にあり、50重量%を超えると塗料バランスがくずれ、接着力、粘度、耐クラック性などが低下する傾向にある。 【0011】なお、ガラスビーズの一部として、本発明の効果を損なわない範囲で前記の粒径の範囲外のものや前記の屈折率の範囲外のものを含んでいてもよい。また、本発明の道路標示材料には、熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステルを含むことが、ガラスビーズの剥離防止の効果に優れ好ましい。前記熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステルは、融点又は軟化点が60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましい。ここで、融点又は軟化点が60℃未満であると材料の圧縮強さの低下、混練材料のブロッキング、塗料の軟化点の低下、経日の汚染性の悪化等が起こりやすくなり、140℃を超えると塗料の増粘、溶融不足等が発生しやすくなる。 【0012】熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステルとしては、種々のものがあげられるが、熱可塑性合成ゴムとしては、末端相にポリスチレン相をもち、ゴムの中間相としてポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオレフィン(エチレン/ブチレン、エチレン/プロピレン)等をもつスチレン系熱可塑性エラストマー(即ち、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体など)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などが好ましく、熱可塑性ポリエステルとしては、脂環式構造を有する脂環族ポリエステルなどが好ましい。中でも、特に水酸基価が1〜70、好ましくは水酸基価30〜60の高水酸基価脂環族ポリエステルが好ましい。 【0013】前記熱可塑性合成ゴム又は熱可塑性ポリエステルの配合量は、道路標示材料の総量に対して、0.1〜20重量%配合することが好ましく、0.5〜3重量%配合することがより好ましい。0.1重量%未満ではガラスビーズの剥離性の向上が見られる傾向にあり、20重量%を越えると、材料粘度の上昇、圧縮強さの上昇、耐クラック性の悪化等が生じる傾向にある。 【0014】本発明の道路標示材料は、取り扱いのしやすさ等から熱溶融型のものであることが好ましい。熱溶融型の道路標示材料は、一般に、上記成分と共に、その他の成分を充填又は混練して製造される。このような成分としては、粘結樹脂、可塑剤、充填材、顔料、反射材、添加剤等がある。 【0015】粘結樹脂としては、生ロジン、マレイン化ロジン、マレイン化ロジンエステル樹脂、石油樹脂、水添ロジン、水添石油樹脂、テルペン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン樹脂等があげられ、これらは単独又は混合して用いることができ、その、軟化点が90〜130℃のものが好ましく、95〜125℃のものがより好ましい。粘結樹脂の配合量は、道路標示材料中、9〜30重量%が好ましく、10〜22重量%がより好ましく、12〜17重量%がさらに好ましい。9重量%未満では、作業性が劣る傾向にあり、一方、30重量%を超えると、可とう性が低下する傾向にある。 【0016】また、可塑剤としては、植物油、植物油変性アルキド樹脂、鉱物油、エポキシ化油、液状の合成ゴム類等があげられる。可塑剤の配合量は、道路標示材料中0.5〜5重量%が好ましく、1〜4重量%がより好ましい。0.5重量%未満では、低温時の可とう性、作業性が劣る傾向にあり、一方、5重量%を越えると、乾燥性、汚染性が劣る傾向にある。 【0017】充填材としては、炭酸カルシウムの微粉、寒水石、タルク、硬質骨材(天然石、人工の焼成骨材)、溶融アルミナ等があげられる。充填材の配合量は、道路標示材料中25〜65重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。25重量%未満では、圧縮強さ、摩耗性等が低下する傾向にあり、一方、65重量%を越えると、低温時の可とう性、作業性等が劣る傾向にある。 【0018】顔料としては、白色顔料として、二酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白等があり、黄色顔料として、黄鉛、耐熱黄鉛、有機系黄色顔料等が挙げられる。また、必要に応じ、蓄光顔料、蛍光顔料、夜光顔料等を単独、併用してもよい。顔料の配合量は、前記白色顔料や黄色顔料の場合、道路標示材料中、1.5〜7重量%が好ましく、2〜6重量%がより好ましい。1.5重量%未満では、昼間、夜間とも視認性が劣る傾向にあり、一方、7重量%を越えると、視認性等は良好であるが、これ以上配合しても配合する効果が少ない。また、蓄光顔料、蛍光顔料及び夜光顔料の場合、道路標示材料中、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。5重量%未満では、残光特性が劣る傾向にあり、40重量%を越えても、配合効果は十分であるが意味がない。 【0019】その他必要に応じて沈降防止剤、紫外線吸収剤、粘度降下剤等の添加剤を添加してもよい。 【0020】本発明の道路標示方法は、例えば、路面に下地処理、例えばプライマ−等の塗布をしてから上記道路標示材料を溶解釜で、例えば170〜210℃に溶解し、平滑標示・区画線用施工機で塗膜厚さ約1.5mmに施工することにより行うことができる。 【0021】さらに、上記の施工の後、塗膜表面へ、前記の屈折率2.0〜2.5、粒径10〜3000μmのガラスビーズを散布すると、さらに冠水時の視認性に優れるので好ましい。この場合、散布量は、1500cm2あたり、4〜40g散布することが好ましく、15〜25g散布することがより好ましい。ここでガラスビーズの散布量が4g未満であると水中に冠水した場合視認性が低下する傾向にあり、40gを超えると夜間視認性は良好であるが散布量に対して効果が十分でないという傾向にある。 【0022】なお、本発明の標示方法は、上記ガラスビーズを散布するのであれば、道路標示材料として既に公知の材料を用いて塗布する場合も含む。無論、経時的な夜間冠水時の視認性を維持する点からは、前記本発明の道路標示材料を使うことが好ましい。 【0023】以上の方法により、本発明の道路標示が得られる。道路標示の種類としては、路面上の車線境界線、車道中央線、車道外側線、横断歩道、文字、記号、視覚障害者用、滑り止め用等の標示線があげられる。 【0024】本発明において上記熱可塑性合成ゴム及び高水酸基価脂環族ポリエステルを配合した夜間視認性向上溶融型標示材料は経日及び塗膜の冠水時において優れた夜間視認性の向上効果が得られる。 【0025】 【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。例中の記載において「部」はすべて「重量部」を意味する。なお、塗膜表面へのガラスビーズの散布量は、1500cm2に対して20g一定とした。 【0026】実施例1(道路標示材料の配合) 【表1】
【0027】前記表1に示すA〜Gの成分をミキサ−で混合した後、ポリエチレン袋に詰めて、熱溶融型道路標示材料を得た。次いで、車載式ニーダに投入し、加熱溶融した後、現有施工機で170〜200℃、1.5mm膜厚、幅15cmの平滑標示・区画線を1km施工した。塗膜の経日における夜間視認性と試験機における反射輝度の測定を評価した。その結果を表8に示す。 【0028】実施例2(道路標示材料の配合) 【表2】
【0029】前記表2に示すA〜Gの成分を実施例1と同じ条件で塗布し、評価も同様に行った。 その結果を表8に示す。 【0030】実施例3(道路標示材料の配合) 【表3】
【0031】前記表3に示すA〜Gの成分を実施例1と同じ条件で塗布し、評価も同様に行った。その結果を表8に示す。 【0032】実施例4(道路標示材料の配合) 【表4】
【0033】前記表4に示すA〜Gの成分を実施例1と同じ条件で塗布し、評価も同様に行った。その結果を表8に示す。 【0034】実施例5(道路標示材料の配合) 【表5】
【0035】前記表5に示すA〜Hの成分を実施例1と同じ条件で塗布し、評価も同様に行った。その結果を表8に示す。 【0036】比較例1(道路標示材料の配合) 【表6】
【0037】前記表6に示すA〜Fの成分を実施例1と同じ条件で塗布し、ついで、表面に前記ガラスビーズGB−153を1500cm2あたり10g散布して評価した。その結果を表8に示す。 【0038】比較例2(道路標示材料の配合) 【表7】
【0039】前記表7に示すA〜Fの成分を実施例1と同じ条件で塗布し、ついで、表面に前記ガラスビーズUB−108UFを1500cm2あたり20g散布して評価した。その結果を表8に示す。 【0040】 【表8】
【0041】・経日夜間視認性 評価基準(目視) 4;とても良く見える。 3;良く見える。 2;見える。 1;あまり見えない。 【0042】表8からわかるように、本発明は比較例に比べ、経日及び塗膜の冠水時での夜間視認性に優れている夜間冠水時の視認性向上溶融型標示材料である。 【0043】 【発明の効果】本発明の道路標示材料、道路標示方法及び道路標示は、夜間の冠水時であっても視認性に優れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594179797 【氏名又は名称】日立化成工材株式会社 【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月29日(1999.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071559 【弁理士】 【氏名又は名称】若林 邦彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−152420(P2001−152420A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月5日(2001.6.5) |
| 【出願番号】 |
特願平11−337893 |
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