| 【発明の名称】 |
耐候性に優れた鈑桁橋 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 真志
【氏名】武田 勝昭
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| 【要約】 |
【課題】降雨による塩分の雨洗が期待できない鈑桁内面側に塩分が流入して、鈑桁橋の寿命が短命化するのを安価に防止できる耐候性に優れた鈑桁橋を提供することを目的とする。
【解決手段】ウェブとフランジから構成された鈑桁を複数有する鈑桁橋であって、前記複数の鈑桁のうち、少なくとも風上側に位置する鈑桁の下部フランジが風の流れを乱す構造を有した耐候性に優れた鈑桁橋など。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウェブとフランジから構成された鈑桁を複数有する鈑桁橋であって、前記複数の鈑桁のうち、少なくとも風上側に位置する鈑桁の下部フランジが風の流れを乱す構造を有した耐候性に優れた鈑桁橋。 【請求項2】 少なくとも風上側に位置する鈑桁の下部フランジの下面に、複数の風の流れを乱す付加的部材が橋軸に沿って離散的に設けられた請求項1に記載の耐候性に優れた鈑桁橋。 【請求項3】 少なくとも風上側に位置する鈑桁の下部フランジの風上側側面に、複数の風の流れを乱す付加的部材あるいは切り欠きが橋軸に沿って離散的に設けられた請求項1に記載の耐候性に優れた鈑桁橋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、風(気流)による塩分飛来の多い海岸近傍などに架設される鈑桁橋に関する。 【0002】 【従来の技術】鋼製の鈑桁橋においては、橋の長寿命化を妨げる最大の要因は鉄錆であり、特に、鉄錆を促進する塩分が風によって飛来する海岸近傍に架設された橋の鈑桁は、以下に述べるような理由により鉄錆が発生し易い。 【0003】図6に、従来の鈑桁橋に吹き付ける風の流れを模式的に示す。図6の(a)は2主鈑桁橋の例、(b)は3主鈑桁橋の例であり、(c)は風の剥離の様子を示す図である。 【0004】床版1、ウェブ3、フランジ4から構成された複数の鈑桁2とからなる従来の鈑桁橋では、鈑桁2の下面を流れる風5は、風上側に位置する鈑桁2の下部フランジ4で(c)に示すように剥離するため、鈑桁2の風下面の負圧が強くなり、鈑桁2間に巻き込まれる風の流れ6が生じる。そのため、塩分飛来の多い海岸近傍などに架設された鈑桁橋の場合は、鈑桁2、特にその内面側に塩分が付着して鉄錆が発生し易い。 風上側に位置する鈑桁2の外面にも塩分が付着するが、この部分は降雨により雨洗されるので鉄錆は発生し難い。 【0005】こうした鈑桁橋の防錆対策としては、一般的には、塗料塗布する方法や、耐候性鋼材を橋梁部材に使用する方法が採用されている。特に、耐候性鋼材を使用する方法では、鋼材表面にその成分元素である銅、リン、クロムなどの富化した安定錆が形成されるため、無塗装で数十年の使用に耐えるといわれている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗料塗布する方法には、数年毎に塗り替えを行う必要があり、そのための足場仮設などを含めて多大のコストがかかるといった問題がある。また、耐候性鋼材を使用する方法には、塩分付着の多い鈑桁内面側では十分な耐候性が得られないといった問題がある。 【0007】本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、降雨による塩分の雨洗が期待できない鈑桁内面側に塩分が流入して、鈑桁橋の寿命が短命化するのを安価に防止できる耐候性に優れた鈑桁橋を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題は、ウェブとフランジから構成された鈑桁を複数有する鈑桁橋であって、前記複数の鈑桁のうち、少なくとも風上側に位置する鈑桁の下部フランジが風の流れを乱す構造を有した耐候性に優れた鈑桁橋により解決される。 【0009】少なくとも塩分の飛来を直接受ける風上側に位置する鈑桁の下部フランジを風の流れを乱す構造にすれば、下部フランジにおける風の剥離が抑制され、鈑桁間に循環流が形成されるので、鈑桁内面側に塩分が多量に付着することがなくなり、鉄錆の発生を抑制できる。 【0010】鈑桁の下部フランジで風の流れを乱すには、下部フランジの下面や風上側側面に複数の風の流れを乱す付加的部材や切り欠きを橋軸に沿って離散的に設けた構造にすればよい。 具体的には、後述するように、下部フランジの下面や風上側側面に板材や金網を設けたり、部分的に切り欠けばよいので安価に、しかも半永久的に鉄錆の発生を防止できる。 【0011】 【発明の実施の形態】図1に、本発明である鈑桁橋の下部フランジ構造の1実施の形態を模式的に示す。図1の(a)は下部フランジ4の下面に風の流れを乱すための4角形板材7を設けた例であり、(b)は3角形板材8を設けた例である。 【0012】図2に、本発明である鈑桁橋の下部フランジ構造の別の実施の形態を模式的に示す。図2の(a)は下部フランジ4の風上側側面に風の流れを乱すための4角形板材7を設けた例であり、(b)は3角形板材8を設けた例である。 【0013】図3に、本発明である鈑桁橋の下部フランジ構造の別の実施の形態を模式的に示す。図3の(a)は下部フランジ4の風上側側面に風の流れを乱すための4角形切り欠き9を設けた例であり、(b)は3切り欠き10を設けた例である。 【0014】図4に、本発明である鈑桁橋の下部フランジ構造の別の実施の形態を模式的に示す。図4の(a)は下部フランジの下面に風の流れを乱すための金網11を設けた例であり、(b)は下部フランジの風上側側面に風の流れを乱すための金網11を設けた例である。 【0015】鈑桁橋の下部フランジをこうした図1〜4に示すような構造にすると、鈑桁の下面を流れる風5とともに風の乱れ12が生じる。そのため、図5に示すように、下部フランジ4における風の剥離が抑制され、鈑桁2間に循環流13が形成されるので、鈑桁内面側に塩分が多量に付着することがなくなり、鉄錆の発生が抑制される。 【0016】下部フランジに設ける4角形板材や3角形板材は、橋の剛性には関与しない非構造部材であるため、鋼やアルミニウムの他、ゴムやプラスチックで作成できる。また、半円形の板材を用いても効果的である。 【0017】下部フランジの風上側側面に設ける切り欠きの形状は、上記した4角形、3角形の他、半円形も可能である。 【0018】下部フランジの下面や風上側側面に金網を用いる場合は、ある特定の気流透過率を確保できればよいので、金網の代わりに孔空き板やグレーティングを設けることもできる。また、金網や孔空き板などでは、それ自体で風の流れを乱す部材が離散的に配置されているので、金網や孔空き板などは橋軸方向に連続的に設けることもできる。 【0019】 【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されているので、降雨による塩分の雨洗が期待できない鈑桁内面側に塩分が流入して、鈑桁橋の寿命が短命化するのを安価に防止できる耐候性に優れた鈑桁橋を提供できる。 【0020】また、流れの剥離を抑え、桁断面に沿った流れを形成できるので、水平方向の風荷重の低減、渦放出による空力振動(渦振動)の抑制にも効果的である。 【0021】本発明の鈑桁橋の鈑桁に耐候性鋼材を用いれば、塩分付着を抑制できるので安定錆が形成され易くなるため、そのメリットを十分に発揮できる。 【0022】本発明により鈑桁橋の長寿命化が可能となるので、メンテナンスを容易に、低コストで行える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097272 【弁理士】 【氏名又は名称】高野 茂
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| 【公開番号】 |
特開2001−271311(P2001−271311A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−87721(P2000−87721) |
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